単位
 昭和10年ころ、たまに貰える5銭硬貨を握り締めて駄菓子屋に向かう。
「キャラメル一箱」といって、銭を出す。オバサンは、
「一箱は100個入りだ。だから1個だ」と言いながら、ガラス瓶の中から、キャラメルを取り出す。
 では、中にある小さく包んだものは何というかと聞けば
「ひと粒だ」という。1箱と1個、1個と1粒、しかし切り返す言葉がなかった記憶がある。

 妙なことを覚えているものだが、シーベルトだのベクレルなどという単位は、ほとんどの人が知らなかった時代である。キャラメル1個、口に入れるひと粒も、今では縁遠くなった。

 しかし新しく聞かれるようになった単位とは、ずっと付き合っていくほかない世の中になったのではあるまいか。

編集 テラマチ : 単位も時代と共に変化していますね 気象用語のミリバールがヘクトパスカルに変わり 非常に言いづらい感じがした覚えが有ります キャラメル これは疲れを取るために 会社の机の中に 密かにしのばせています^^
編集 freehand2007 : 「一粒で300メートル、グリコキャラメル」の時代ですが、いまやグリコはキャラメルよりもチョコレートでしょうかねー。お邪魔にきました。来訪、ありがとうございます。
編集 ペン : 子供の頃母親から駄菓子屋さんへは出入り禁止にされていたのでとっても羨ましく拝見しました。単位は時代と共に変化しているものもあるようです。ミリバールなんて今はもう使いませんよね(笑)覚えていくのが難儀な時代です