2012年07月の記事


厨房に立つ
 ゆえあって、男児八十代半ばにして厨房に立つ。炊飯、味噌汁、いささかの料理にいそしむ。

 次第に慣れてきたが、包丁の扱いには神経を使った。切るということが、日常から失われたせいかと思う。薪を割ったり切ったり、魚をさばいたり、肥後守を愛用したりと。

 本当は、火の扱いこそ第一とすべきだったのであろうか。
コメント (4)

「時そば」現象
 2日に1度、3合の米を研ぐ。1,2,3,4と数えながら、100で水を換え、これを3回繰り返す。ハッと気づくと5,6,8,9とひとつ飛ばしていることがある。

 落語の「・・・いつ、むう、なんどきだ」「七つでござい」「やあ、こ、とお、アバヨ」というような趣はない。しかし自然に回数をごまかそうとしているのであろうか。

 自ら名づけて「時そば現象とし、微苦笑。
コメント (5)

未練心
 アルバムを整理する。意外にみることがないものだった。すべて焼却してもいいと思う。自分以外の誰にとっても、お荷物でしかないのかもしれないと思ったから。

 ところが消えてしまった建築物や、変化した自然の佇まいなどが背景にあると、妙に惜しくなる。けっきょく半分くらいが残った。これを未練心のなせる業であろうか。
コメント (5)