無縁社会(5)
 昔はよかった、今はどうだなどと言うつもりはまったくない。はたから見て、というだけのことである。

 変化の原因は、第一に資産の格差が表向きには、縮小して往年のような、「主立ち(おもだち)」が、いなくなったことがある。一億総中流といわれた時期もあったほどである。
 皆が貧しかった時代には、相互扶助が必要だったはずである。医師の人力車が止まっている家からは、何日かあとに葬式が出るなどと言われていた時代があった。
 そして世代の交代がある。若手の考え方は、しきたりにこだわらなかった。変化は変化を呼んだ。

 この先はどうなるか。少子高齢化が、加速度的に進むことははっきりしている。現在ある家が半減するのも、そう遠いことではあるまい。すでに空き地が出ており、空き家があり、高齢者の独居も珍しいことではない。もっとも先のことをいうほど、面倒なことはなかろうけれども。
 
 要するに、全国どこにでもある地域の姿と、ほぼ同じになったということであろう。

編集 ペン : 耳朶・・・時代の間違えです。申し訳ありません
編集 ペン : 日本の親は貧しかった時代を子供に伝えなかった・・同じ思いをさせたくないと考えたのでしょう。それも愛情表現だとは思います。盲愛と言うのでしょうか。もっと豊かにもっと学力を・・・こうして過去の耳朶は親が自ら望んで消し去ってしまった。ちょっと生意気ですか?