無縁社会(2)
(承前)
 60世帯ほどであった。その町内費を、箇数割りという方式で定めていた。

 総額を1万とし、各戸の経済力に応じての、分担とするものである。A家は1万分の600、B宅は1万分の50というように。全員の合意で、各戸の分担額を決定する。

 つまり町内の全家庭が、互いの経済力を知っていた事になる。これ以上に濃密な関係はなかろう。江戸時代の五人組制度には及ばないにしろ、戦時中に推奨された隣組など、足元にもおよぶまい。隣同士ともなれば、裏口からのいったり来たりで、縁側が顔を合わせる場所だった。

 それがなぜ、高度経済成長期とともにくずれてきたか。正直に言って、よくわからないが、明日に譲ろう。

編集 テラマチ : 高度成長期に入ると 今までに経験しなかった豊かさが手に入った時代 人間金銭的物質的に豊かになると 精神的には貧乏になるようです 個が自立して 他を寄せ付けない世の中になってしまっているのでは?と思っています
編集 ペン : 欧米の生活に憧れ個室が欲しい!などと小さなうちから自分の部屋を持つ・・・プライバシーなんて言葉が大流行~~親の知らない所で危険区域に足を踏み入れてしまったりしてますね。日本の良さを蔑んだ結果国土は有っても国民性は削除されてしまったようです