親孝行
 K氏は遠距離通勤の由、駅に車を置いて、電車で通っている。帰途には逆方向から、同じ駅に降りる高校生の息子を拾う。

 部活動で疲れているだろうからという親心もあるという。息子は車にのるとき、きまって「すまんのう」と言うと。

 「いい話ではないか、それが本当の孝行の発露だ」といったら、K氏は、嬉しそうな笑みをもらした。