犯人
 水曜日は危険物回収の日である。その朝、新聞紙を束ねたものが置いてあった。皆が非難の眼差しを投げていた。

 一人の青年が現れた「間違いました。犯人はわたしです」と、彼は新聞の束を小脇に、周囲に会釈しながら帰っていった。

 その場にいた人々は、微笑を浮かべて彼を見送っていた。