油蝉でないことは確かである。蝉が鳴いていることも確かだった。7月も下旬、当然のことである。

 暑さに気を取られて、気付かなかった。

 こんなふうに、身の回りの自然を、見過ごしている事が多いの

だろうなと、いささか忸怩たるものを感じた。