修身では
 夏のあいだ、音楽会などに興じていて、冬になってから、働き蟻の施しを受けたのは、小学校の修身の時間では、キリギリスだったと記憶している。

 たまたまイソップ物語の古い本を開いたら、それは蝉と書かれていた。立派な訳者の名前が並んでいるから間違いはあるまい。

 それにしてもキリギリスがインプットされたためか、なにかそのほうが、盛大に音楽会をやったように思われる。教育には怖い部分が、大いにありそうだ。

 キリギリスなど、簡単に見られなくなった昨今、蝉が細々と鳴いているだけでも、よしとしようか。

編集 ペン : ペンもキリギリスと記憶しています。蝉は冬に食物を食べなくても生きていける・・・と言うか成虫のまま冬を越さないのですよね?土の中での年月を語った方が修身の授業になりそうな気がします。