己の姿
 とんでもない要求だったが、性善説に基づいて、言うなりの事に従った。ところがこれが、あってはならないことだった。

 馬鹿もいいところと、周囲から批評された。考えてみれば世間を知らず、簡単に人を信用してしまう自分がそこにいた。

 ひどいことを平気でするものだと憤慨もした。しかし日が経ってみると、そのような浅ましい行為をするかもしれない要素が、自分にもあるかも知れないことに気付いた。

 案外、周りの人の姿のなかに、自分の姿が隠れているのではなかろうかと思った。

 しかし、これからは万事に注意深く、人はみな、善意の人ばかりとは思わない事にしようとも考えた。

編集 十六夜 : 憤りのこころ、わかるような気がします。でもそれを常に 自分を磨くことの契機と捉えられていらっしゃるところにjinさまの偉さがあると わたしは思います。 美しい写真もまた見せてくださいね ^^