青空文庫
 文字を大きく出来るので、漱石の「それから」を読む。はっとする一文があった。

「現代の社会は人間の集合体に過ぎなかった。大地は自然に続いているけれども、その上に家を建てたら、たちまち切れ切れになってしまった。家の中にいる人間もまた切れ切れになってしまった」と。

 なるほど、漱石の時代でもと思う。しかし昨今は集合体ではあろうが、何かの拍子でバラバラになるところが、「切れ切れになってしまった」と違うような気がした。人間関係が砂のような。

編集 ペン : 個が何よりも優先される時代になりましたね。小さな子供と川の字で寝るなんて事は聞かれなくなりました。小さな頃から一人寝では一番小さな集合体である家族への絆を育てるなんて感覚は育たないと思いますがどうなんでしょうね
編集 テラマチ : 大家族制が崩壊して 戦後の経済成長もあいまって 少数での家族単位になってしまったのが大きいですね 家族が家族を最後まで見守ることも できない世の中になっているようです