読書の秋
 読書週間というのは、今もあるかと思う。

 わが少年時代では、本ばかり読んでいるなと叱られ、こんなものしか読まないヤツは、不良になるぞと言われながら読んだ漫画から、いろいろ学んだことがあるような気がする。

 読書感想文という言葉も聞かなかった。第一、雑誌でも単行本でも入手するのが容易な事ではなかった。回し読み、貸し借りがあたりまえだった。

 昨今悪いことではないのに、読書週間も感想文も、意外に人々の生活から遊離したところにあるような疑問が湧く。昭和ひと桁前半生まれは「読書の秋」に懐かしさを感じている。