酒屋へ三里
 昭和の末ころまでは、三方に山村があり、小さな商業地として栄えた町であった。

 ここにきて、シャッターをおろす店が目立つ。ホトトギスを自由自在に聞けはしないが、「酒屋へ三里 豆腐屋へ二里」という状態に近くなった。

 限界集落という言葉があるが、その定義と同じ「限界町内」に住んでいることになる。後期高齢者とされているが、別に何もしてもらっていないことを誇りとしている。

 しかしこういう世の中になろうとは、考えもしなかった。