夜回り
 乾燥注意報が出ると、消防車が鐘を鳴らしながら回る。春以来、浴槽に使ってその音を聞く。

 昭和二十年代は町内輪番で、二人一組、拍子木を打ち、錫杖をひっぱりながら、一晩中回ってものだった。子どもたちが「マッチ一本火事のもと」と連呼しながら、夕方の通りを回ったのは、世の中がかなり落ち着いてからだったと思う。

 いまや老人ばかりで子供はいない地域社会となった。半世紀も経てば、世の中は一変するのではなかろうか。

編集 freehand2007 : おはようございます.「火の用心」の「夜回り」.経験がありますよー.民家の木造家屋から失火.ルンペン&薪ストーブなど「裸火」に接する生活でしたからねー.声をかけて歩くことよりも、週2回ほど3-6年の小学生がたわいもない会話を楽しんでいましたけれども.健筆、お見事.お邪魔させていただきましたー.
編集 ペン : ペンの地域では町内会が年末に行っているくらいです。拍子木の音は生ですが呼びかけはどうやら録音のようです。これも時代でしょうか