暑い日の思い出
 村人の歓呼の声、幟り旗に「祝出征」の文字と名前を大書され、駅に向かう行列が、我が家の前を通ることが、次第に多くなった。何十年も昔のことだが。

 ある日、軍服姿ではあったが、グデングデンに酔って、目元もはっきりしないような足取りの応召兵が、行列の中にいたことがある。じりじりと照りつける暑い日だった。

 軍国少年ではあったが、きっと軍隊に行くのがいやなのだろうなあと思った記憶がある。

編集 ペン : 皆が皆お国のためとは思っていなかったはずだと考えていました。この後に続くのが「産めよ増やせよ」女性の位置がよく解る言葉で切ないものがあります