お彼岸まいり
 春秋の彼岸になると、蝋燭の包みなどもって、土地に残る親戚同士で、お参りに行く。お墓ではなくその家の位牌にである。昔からそういうふうになっている。

 行ったり来たりするのは老人だけ、若くとも60歳以上。第一、若者などいない。

 先祖が取り持つ縁で続いてはいるが、近隣を含めた地域社会となると、ほとんど崩壊、形骸化した風習が残っているだけか。その姿は、危機的状況において、はっきりとするだろう。

 地域社会の復興復権が言われるが、簡単なことではあるまい。何よりも人力が不足していると思う。地域社会の復興とは、逆の方向に働いている作用も、ないばかりではない。

 先祖代々はどう思って見ているのだろうか。