2001年12月の記事


2001年を引き払う
オフィス。午後8時。

大みそかのやりとりに、泣かされた。



さて、これで今年を引き払う。
そばでも食って一風呂浴びたら
近くの神社で甘酒でももらおう。


そしていちばん大きい破魔矢を買おう。
コメント (0)

雑感。
渡辺と東京フォーラムに。
川田親子と待ち合わせ。
中庭に面したカフェで1時間ほど談笑。
須賀川のフィナーレの夜以来。
川田君もまた、夏以来、混迷の時間をおくっていたようだ。
《福島》のことがなぜかくも多くの関係者に余韻を残し続けるのか、いまだに整理しきれない。

が、
大きなイベントやプロジェクトが終ったことの反動というだけではない《何か》が、あの日々にはあったのだと考えたい。

それが《森に沈む都市》という、野放図とも言える旗印のもとに、ある時間を過ごしてしまった《運動体》に身を置いた意味ではないのか。

東京組だけでもこれたけ影響が残っているのだから、《福島》全域に散った人たちを加えると膨大な負のベクトルが行方定まらずに浮遊し続けているわけだ。

マイナスを掛け合わせてプラスに転ずる意外に、落とし前のつけどころはない。

川田君と会って、そのことを強く思った。


東京フォーラムのミレナリオはまだ点灯されておらず、白いペンキで塗られたその仕掛けが澄んだ冬空の下でやけに物悲しく見えた。
去年、博報堂の現場担当と激しくやり合いながら撮影したあのミレナリオの白昼の姿の無残さに、本質的な限界を感じた。
しょせんは《イベント芸術》どまりなのだ。
縁日のアセチレンガスの灯のほうがまだほほ笑ましい。あれはのっけからキッチュだから。
ミレナリオの時代錯誤な《くそ芸術》に1年遅れて気がついた。幽霊の正体見たりである。
なんであんなものを撮らせろと喧嘩腰になれたのか、いまさらながらばかばかしい。
コメント (0)

月。
渡辺が撮った満月を倍速にしたものをオフィスで見ながら、目を奪われた。肉眼で眺めた月の光とはまた異なり、ゆっくりと昇っていく晦日の満月の力強さに言葉を失う。これで打ち止めと思ったが、沈みかける月の光もまたすさまじく、外で眺めているうちに、もう一回だけ撮ろう、ということになり、渡辺はオフィスに戻ってカメラを用意に。
大晦日午前4時過ぎの満月。デジタルジャパネスクをスタートさせた冬の掉尾を飾る、まことにみごとなまでの冴えた月で、サーカス団綱渡りの暮れを終わる。

悪くねえよな、良い年だった。ほんとうに。

沙羅という美しい名をもつ人が眠るベッドにも、今夜のこの月光が降り注いでいるだろうことを願う。
コメント (0)

渡辺君、三夜連続で月に挑む。
一昨日の十三夜から昨日の十四夜、今宵の満月と、
三夜続けて、渡辺君が都の月を撮っている。夏の終わりから秋にかけて、何かに憑かれたように彼は月の満ち欠けを追いかけていた。
その記録は、作品集4を飾ることにもなった。

この三日間は、入院している沙羅さんと、彼女を支えるたくさんの人たちに、エールを贈るのだと言って、マフラーと髭でタリバンもどきのスタイルで夜の街を徘徊。
さっきは米屋の旦那にからかわれていた。

須賀川の森で6月24日に釜のような三日月を目にしてからはじまった2001年のサーカス団月狂いも、今夜の満月で終りとする。

須賀川の森がどこかで源氏物語の世界と、
その物語の底でさらに熱い物語を綴ろうとする人たちとつながっている。

ま、いいしゃねえか。
コメント (0)

年忘れグッズその3 川田プロデューサー提供
Date: Sun 30 Dec 2001 17:38:16 +0900
From: Masa. Kawada
Reply-To: kawada@dentsutec.co.jp
X-Accept-Language: ja
To: Mashiko Toru/m-circus
Subject: 返歌:[Fwd: それでも春はくる]

昨日の電話で、「仕事を離れて」と言った時に、
頭の一部分で目覚めたことば。

記憶をたどったら、この文章だった。

       ↓


-------- Original Message --------
Subject: それでも春はくる
Date: Fri 26 Feb 1999 04:57:09 +0900
From: 益子 透
Reply-To: mashiko@mars.dti.ne.jp
Organization: media circus
To: Masa.Kawada
References:


そしてきっと、ぼくの中でもひとつの記憶として
定着していくのだと思います。

なにかの縁で
人がひとつの時間に集って、喜びや悲しみやいろんなことを
一緒に味わって過ぎていくことが、ぼくたちの仕事だとしたら
なんだかとてもいい仕事を選んだなと、
今夜は素直に思えます。



---------------------------------------------
コメント (0)

年忘れ用グッズ第2号
雪祭り前夜

at 2001 02/04 17:25

午後五時。舘岩村湯の花温泉、末廣旅館二階竹の間にて。
一時半に那須塩原駅で渡辺君にビックアップしてもらい、塩原経由で峠越え。
このあいだ知った田島のトンネル手前の横川というそば屋に寄って「田舎けんちん定食」にありつく。やっぱりんまいっ。群を抜くうまさである。辛味大根の冷たいつけ汁と熱々のけんちん汁に交互にひんやりした手打ちさばをくぐらせて食べるこの方法は特許モノだな。
ついでに蕎麦粉でつくった薩摩揚げというのをやいてもらったら、これもまたうまいっ。めんどうがる女主人を説得して東京に送ってもらうことにした。
水のうまさ、空気の凛々しさがきっとこの味をつくるのだ。東京のふやけきった空気の下で繰り広げる蕎麦の名人ごっこは、しょせん絵空事である。こういうものを体験すると、また、もういちど料理の仕事にとりくんでみようか、という気にさせられる。
現場ではスタッフたちが勢ぞろい。
明日からに備えてオープンセットが着々と完成しつつある。雪の状態も昨年に比べれば圧倒するばかりである。
宿にはいり、さっそく風呂に。
あがって涼んでいたら二番風呂で飛び込んできた男を見て驚いた。
スバルのレガシーロケの頃に一緒だったキノコ好きの照明マン井上君だった。
世間は狭い。
いつもの竹の間に座り、窓を開け放し、雪の村の夕景色を眺めながら体を冷ましていると、「帰ってきたな」そんなふうに思えた。
空はまだ明るさが残っている。
会津は静かな夕焼けである。
明日から、我が祭りがスタートする。

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++




春宵値千金

at 2001 02/26 03:04


湯治部御中
湯治部初のフルデジタルHD作品第一号、
まず編集アップしました。
PRビデオとしては、金字塔モノになるでしょう。
諸君、喜べ。
デジタルHDは凄いぞ!
湯治部のみなさんは凄いぞ!
本編集したものを持ち帰り
家に帰って繰り返し見ながら
ぼくは感激して泣いたよ。
夜中に台所で渋茶をいれて、ひとり乾杯したよ。
やさしくやわらかく美しさに満ちた
いますぐ全員集合させて見せてやりたいくらいの
良い仕事になった。
桃の節句過ぎには
相馬プロデューサーからプリントが届くはず。
あられ食いながら白酒片手に、酔ってください。


++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++





無断転載

at 2001 02/26 15:15 編集

From: Shinji Yamaoka
To:
Subject: [tojibu:00114] Re: 春。
Date: Mon 26 Feb 2001 03:28:03 +0900
お疲れ様です。
山岡です。
大満足・・・
わたしも大・大・大満足!
エンディングの「月」のカットを忍ばせてる時、
僕はひそかに感動してたんです。
全篇に「魂」を入れましたよ。
こんな経験は、久しぶりです。素晴らしい。
何度か「もう死んでもいいかな」と思う事があるけれど、
今日もそんなことを感じた。
もう、充分です。
これ以上何があるのでしょうか?


++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++




転載

at 2001 02/26 15:17

To: tojibu@c3.easyml.com
From: 益子透
Subject: [tojibu:00115] 山岡君へ
細胞は誕生と死を連続していく。
ぼくのこの一瞬をスチールして超拡大してのぞけば
猛烈な勢いで死滅していくぼく自身と、
猛烈な勢いで生まれ落ちていく細胞があるはず。
46億年前に太陽系の小さなエリアで起きた奇跡中の奇跡が
この宇宙の塵でできた変哲もない岩石の惑星に
生命のはじまりをつくった。
原始の海で、あてもなくさまよい続ける
何の意味もないただひとひらのミトコンドリア。
ぼくもきみも、この無意味なそれでいて素晴らしい奇跡の
その涯にいる。
きみの才能は、
そういうことのいちばんとんがったエッジにある。
エネルギーも才能も蕩尽したあとは空っぽになる。
回復の方法はただひとつ。休息すること。
泥のように眠り、食べたいものだけを食い、
いままででいちばん好きだったコトやモノを再体験すること。
君が海が好きなら海へ。
山を愛すなら山へ、一日でも一月でも半年でも
疲れたカラダと心をいたわってやること。
そうして給油されていく、満たされていく
エネルギーをぼんやりと見守ってやること。
ほほ笑みがもどって、力がみなぎるまで
そういう時間を自分自身に与えてやること。
きみの仕事への向かい方は
白刃の真剣を握ってひとり真っ向勝負を挑んでいるような
ところがあり、それは好ましいと同時に、
はらはらさせられる危うさを感じさせるものでもあります。
しかし、きみはたぶん、そういう方法以外に
自分を納得させられないのだとも思う。
そういう構えが、きみのきみらしい色使いやリズム、デザインを
つくっているのだと思います。
つまりそれが「山岡ブランド」なんだな。
そんなふうに感じています。
プライベートなことではあるけど
メーリングのやりとりに載ったことでもあるので
あえてここに書きました。
コメント (0)

舘岩村について
年忘れグッズ第一号。
ま、いろいろあったな。
今夜は満月。


++++二年前の湯治部BBS+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

To torum@eclat at 2000 02/24 09:50

水の惑星シナハンの第一歩は「水引き村」から。

本夕から45日 会津の山奥方面にシナハン。
まず今夜は舘岩村をめざす。
日本でいちばん暮らしやすいと、国土庁がお墨付きを出した
あの水の村はつつがなきや。
村には「水引き」という地区がある。
そこは山から引いた用水が縦横に流れ、
飲み水や生活のさまざまなシーンに使われている。
水の村でもあった。
「水の惑星」のスタートとしては、
まずはめでたい場所である。
そう思って選んだ。
期待しててください。


++++++二年前の湯治部BBS+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

To torum@eclat at 2000 03/01 07:32

秋の桜。

ジョルダーノの
「あなたの声に心が開く」/歌劇サムソンとデリラより
をガンガン鳴らして窓を全開にして奥会津の豪雪地帯を
時速15Kmくらいで走っていると、涙が出たよ。
風が当たって寒かったこともあるが、
フィリッパ・ジョルダーノのみずみずしい歌い方がいちばんだな。
ギャラリーのテーマに提案しようと考えて旅に出たけど、
やめるね。
一軒の家の宣伝に使うのはちよっとな。つらい。
D2Tの相馬さん、だから提案はやめますよ。気が変わっちゃった。
聴きながら感じたのは、
46億年前の原始地球に彗星や小惑星がぶちあたって
生まれたばかりの地球が悲鳴を上げているシーン。
パラダイスの海からパラダイスの森へとつづき、
そして水の大地へとつづくシーン。
体の中のミクロコスモスから大宇宙の水源の旅に向かうシーン。
雪ふる小さな町で2001年ベイビーが誕生するシーン。
などである。これがぴったりはまる。
ジョルダーノのソプラノに子どもたちの千人合唱による
オノマトペ。どーだ文句あるか?
泣けるぞ。観客は「感客」になるぞ。
しかし、東京に戻って、コンクリートの中で聴くと、
これがただの「いいじゃないの」になっちゃうんだよ。
つまらねえ街だよ、つくづく。
ま、音楽監督もその他もろもろもいることだから、
これ以上は書かないけど、不肖・益子の演出の足場は
はっきりと固まったことをいったん宣言しておきます。
CMやビデオは芸者としての仕事だから
みなさんのほしい世界を実現してあげるけど、
「水の惑星」は、したいようにします。
俺としては、「風のササヤンカ村」以来の全力投球だからね。
この仕事の過程で、これまで親しくしてきた関係も清算する場合も
ありえます。つまり「水の惑星」に関しては諸氏の才能以外に、
情熱を問います。情熱が見えない場合は、そこで終わり。
これから一年半かけて一皮も二皮もむけていくつもりだから、
つきあって皮剥けてくれないと、そこでさよならします。
くどいけど、才能は前提ね。じょーねつ、たのむぜ。
無理なヒトはできるだけはやく川田さんに申し出て降りてね。
ああ、気合いはいっちやったなあ。
あとは俺が降ろされないことを願うだけ。
話は違うが宇宙の「コスモス」と打つと我が辞書は
「秋桜」と変換してくれる。
じょーねつとはこういうことだよ、みなさん。
じゃな、長いの読ませてわりーな。




++++水の惑星ML今年の二月++++++++++++++++++++++++++++++++++++

朝8時過ぎ、湯の花温泉を発った。
たみさんとご主人にお礼を言いながら
涙がこぼれそうになった。
ポチとせっちゃんの二匹の迷子の犬たちが
いつもと変わらず玄関の両脇で阿吽のように吠えてくれた。
空は雲ひとつない快晴。真っ青である。

田島経由で磐梯山を目指す。
気温−15℃。
氷結した木々が朝日を浴びて
さながら氷の花を咲かせたように見える。

降雪の翌朝の放射冷却がもたらす
1シーズンでも何度もないようなチャンスに、
一週間で二回遭遇。
いつか我がスタッフを率いてこの地を踏もうと思った。

快晴の磐梯山は、
泣きたくなるような美しさに満ちていた。
これはまことに「宝の山」である。
地吹雪のポイントをいくつか見て回ったが、
昨日の成功の後では、気が抜けて集中できず。
磐梯熱海から高速に乗り、休み休みのんびりと帰京。

コーディネートを担当したバウハウスの高見沢チームと、
新しく加わった電通テックのPM長沼さんたちの奮闘が、
あざやかな成功を支えてくれた。

雪の中、
送迎のクルマに乗った少年剣士達に向かい、長沼さんが
45度の感謝の礼をとっている姿を見た。
子どもたちは彼を信頼する教師のように慕ってくれていた。
勝利の要因は、こういうところに潜んでいる。



さらば館岩村、湯の花のたみさんとご主人と迷子の犬達。
たくさんの小勝さんの暮らす前沢曲家のみなさん、
氷好きの巨大犬ラブ。情熱の写真好き伊勢屋のご主人。
村役場の星さん。亡くなった五十嵐さん。
空気。水。雪。南会津の風景をかたちづくるすべて。

ありがとうございました。
この冬のことは、生涯忘れません。


++++水の惑星ML今年の二月++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++


ましこ@雪の長州

会津の雪をぶじ撮り終え、はるか長州に来ていますが
大雪切望隊の行くところ、ことしはいずこも雪国となるもよう。
長州、山口もまた予想外の雪とあいなりました。
十二日から連日の雪のなか、渡辺ともども、たまった撮影をこなし、
これから最終便で帰京するところです。
撤収のあいまにメールをチェックしたところ
たのしいメールが入っていたので
みなさんにもお知らせしたく、ここに無断転載しちゃいます。
昨年の冬、そして夏、この冬とお世話になった
舘岩村の湯の花温泉、若女将、たみさんからのメールです。
「ポチ」と「せつこ」とあるのは例の二匹の犬のことです。

なんだか、うれしくて。
冷えてかじかんだ指先もふっと柔らかくなった気がします。


++++++++++++++++たみさんからの手紙++++++++++++++++++++++++
益子 透様
連休のお客様も終わり、ホッとしながら久しぶりにパソコンのスイッチを入れたら、
メールが届いていて、とてもとても、うれしかったです。
皆様がお帰りになった後、あぁ終わってしまった・・・・
と気がぬけるやら淋しいやらで、フクザツな気分でした。
この一週間本当に楽しい日々を過ごさせていただきました。
みなさんいい方ばかりで、お客様というよりすっかり仲間になってしまった様で、
その分おそまつになってしまったのでは・・・・と反省もしています。
あれもすればよかった、こうもしてさしあげたかった・・・そんな思いでいっぱいで
す。
昨年、ルーのことで立ち直れずにいた私たちを助けて下さったこと、
千恵ちゃんの明るく元気いっぱいの顔、
お名前はわからなくてもすっかり覚えてしまったお一人お一人の顔・・
いろんなことが浮かんできます。
未来博、楽しみにしています。
またいつの日かお会いできますよね
私たちは、この小さな村で雪と闘い、春の小さな花たちにうきうきし、
新緑に目を細め、あっという間の夏を過ごし、
燃える様な一瞬の紅葉を寂しく迎え、
そしてまた長い冬に向かい、
わんこ達を育てささやかに暮らしていきます。
スフレチーズケーキ、すごく上手になったのに、
食べていただけなくて残念です。
また、いつかきっと、遊びにいらしてくださいね。
お客様ではなく、お友達としてお迎えしてしまうのでは・・・と心配です。
川田さん、渡辺さん、
ほかのスタッフの皆様にもよろしくお伝えくださいね。

        旅館末廣  
               安藤 友晴  民子  ポチ  せつこ
コメント (0)

2000年9月15日の《宣言》を発見
一年以上前のメーリングリストを見つけた。午後の日ざしが窓の外の六本木ANAホテルを染めていた。光の入る編集室はA編以来だなと山岡君と笑いあったことを思いだす。

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

To: 湯治部通信
From: 益子透
Subject: 宣言

秋ダカラこうなった宣言。2000年9月15日

演出部は宣言する。

以後、倉持カメラマンと組む仕事に限り、
HD撮影-編集を前提にします。
私ども湯治部内演出担当班は、
六本木のことぶきスタジオでHD編集システムのプレビューを見せてもらい、
目から鱗が落ちた気がしました。
HDカメラによる撮影部諸君のテスト撮影以来、カメラの凄さは理解していましたが、
編集も含めて全貌をのぞかせてもらい、
もうやだ、と思いました。

美しいひとや、おいしいものや、すごく楽しいことを経験した後に
その反対のことをするのは、ヒトとしての摂理に反するのではないか。
わしらはそう考えておりますのだ。
湯治部の国定教科書パパラギにもそんなようなことが書いてあったのだ。

具体的にどういうことかと言いますと、
これ以後、倉持さんと組む仕事ではHDシステムを使わせてくれなければ、
もうやんないよ!  ということ。
ぜったいにやんない。
ほんとにやんない!

コストもおどろくほどにチープなことを知ってしまったからなおさらです。

温泉は不可欠ではないですが、
HDシステムは不可欠です。

唐突だが、秋の気配も感じますので、
わしら湯治部演出担当班の決意表明と宣言を発することにしました。

みんなよろしくねえ。
コメント (0)

オフィスで
1時から5時まで、中山君、山岡君とオフィスで積水ハウスのDVD-ROMプランの打合せと、作品集4のプロローグの打合せをする。目の前の時間を気にしなくていい話を、数日前に井口君としたばかりだが、こんな年の瀬も悪くない。
コメント (0)

2つのムービーをアップ
《むしなの森》に「オーエン博士から」のタイトルで「水の惑星ジ・アース」のプレショー「水はどこから来たか?」のムービーをアップ。

《東京星菫派》に1999年の秋の作品「楽園の懸け橋」のムービーをアップ。この作品は年明けに配付する作品集vol4の冒頭に置いたもの。フルバージョン。
コメント (0)

ぼくは水だ。からの2年間。
仕事が終ったせいなのか、昨日から苛立ち、焦燥感がきれいに消えている。

これは安定なのか、収束なのか。不明。

語り尽くせたとは思えないのに、
話すべきことをすべて吐き出した、
そんなふうに感じてしまってもいる。

2年間の仕事は
そのまま水の惑星とともにあった。
99年の春に「ぼくは水だ」と記した朝から…

まとめていて、
どの仕事に取り組んでいたときに
福島のどこにいたかが鮮やかによみがえる。

思っていたよりも、重かった2年。

年の瀬らしくはあるな。
コメント (0)

works 1999-2001の続きメモ
エンディングには渡辺が撮りためてきた月の満ち欠けを時間の象徴として使うこと。
紫露草と満月のミックスなどで「星菫派」らしさを強調することで、ほぼ固まった。
スタートしたデジタルジャパネスクの口火を切る役割としてworks 1999-2001を位置づけたい。

当面はVHS、DVDビデオの2タイプを用意。
春先にはDVD-ROMにする。
ブロードバンドの普及状況により、ウエブコンテンツとして公開。まずそんなところか。

《森のひと》のアバウトなプランも同時に進行させる。委員会方式?
いわきの美術館、アクアマリン、福島新聞社、福島テレビ、星の村天文台、斉藤清美術館、切り絵画家藤沢忠、守ろうネットワーク、写真家五十嵐、森の学校主宰阿部、写真家協会、東京天文台渡部潤一…
音の30選

森=自然、水-川-海、星、空(智恵子抄)
コメント (0)

works 1999-2001
作品集は1999年秋から2001年夏までに仕上げた
1.楽園の懸け橋 1999年
2.唐招提寺-鑑真と東山魁夷芸術 1999年
3.cg2000 彼方へ… 2000年
4.tokyo LIVE 2000年
5.クレッセ 2001年
6.ベルサ 2001年
7.水はどこから来たのか? 2001年
8.水の惑星 水の惑星ジ・アース 2001年
の8タイトルでまとめた。

冒頭に2001年8月5日舘岩村湯の花で撮った
月光とコスモスをミックス。
「works 1999-2001 益子透作品集」
とし、画面下に「東京星菫派」とスタンプ。
フレディ・マーキュリーの「Free Love」を合わせた。

これに作品ごとに解題をつけ、
エンドクレジットをしこんで完成。

明日1時に山岡さんが来たらこの内容で相談。

全体で30分となる。
コメント (0)

カルビクッパと牛丼はどちらが切ないか
作品集に手を入れる。
20分近く削った。


夜十時過ぎに井口君がぶらりと。ひさしぶりに吉野家で牛丼を食べてきた、冬の夜に一人で食べる牛丼はせつなくていいね、とプチドーナツを大量に土産に持って。
一時間ほど話して帰った。
蜷川の近松心中物語のビデオを渡す。

それから渡辺とうどんか茶漬けを食べられる店を探したが見当たらず、カルビクッパを食べた。少しせつなかった、か。
食後のコーヒー代わりに自動販売機のココア。ほんとは汁粉を食べたかったが。公園でしばし話して別れる。夏の夜はよくこんなふうに過ごしていた。

「月」がかなりふくらんでいた。
明日あたりから満月まで撮って、沙羅さんに見せましょうか、と呟いていた。
コメント (0)

二つのカレンダー
凸版の樋澤さん、イタリアンコンテンポラリーアートの羽根田さんからそれぞれカレンダーが届く。樋澤さんは例年通りの力作。羽根田さんのはトスカーナ地方の田園風景写真を集めたもの。美瑛の風景をさらにブラッシュアップしたような美しさだった。羽根田さんとも数年お目にかかっていない。シャガールの件以来か。それにしても女独りでよく頑張ってるなあ。ペルシャ絨毯時代の生き残りは彼女だけになった。
休みの間に会ってみるか。
コメント (0)

六本木ラーメン
イチローから連絡。キヤノンは博報堂に決まったと正式通知とのこと。4連敗。30分ほど電話で話す。いろいろ思いがないこともないが、お互いそのことには触れず。魂をいれた仕事の機会を与えてくれたことを感謝し、負けても悔いがまったくないことだけを伝えた。何に負けたかを、なぜ負けたかをこれから探るという話もあった。昨日までは、自分でもそのあたりが気になり、きっちり総括しておきたいとも感じていた。

熟睡したせいだろうか。

そんなことはもうどうでもいいのではないか、と思えている。ここまで行ければというラインを決めて、どこかでそのラインを越え、ずっと先まで行けたのだと感じるようになっていた。

いつの時点かわからないが、あの企画はいちど音を上げて降りてしまおうとしたときから以後は、仕事を離れてしまったのだと思う。
そこから先は、まったく別の世界だった。
この十年のエッジとなったあの夏のできごと、記憶、想いのすべてを、吐きだすための、最初の絶好のチャンスとなっていた。
おれがあれ以後、取り組んだのはひとつの企業をどう紹介していくかではなかった。
そのことを感じながら、戻れなかった。書き始めてからは一気だった。
負けてから書くのもどうかとは思うが、勝ったら仕上げは降りようと決めていた。譲れないものだけで練り上げたので、あの世界を壊されることを怖れていたから。
今になってみれば、とんだ杞憂ではあったが。

なぜどうして負けたかを探る気持ちが失せたのは、そのことに今朝気づいたから。
おれにとっての十年かけたキヤノンストーリーは、これで幕。イチローはともかく、どこかで決定的に縁がないのだと思う。

上海で円卓を囲んで祝杯を挙げるという企画は流れたので、年が明けたら六本木あたりでラーメンでも食いましょう、と約束。

気が晴れた。
コメント (0)

負け癖
負けると、負け癖がつくとでもいうのか。
連戦連敗が続く。くだらねえ男とくだらねえ時間を過ごした。古い知人が仲介でなければどうなったことか。あれほどバカで傲慢なサラリーマンを久しぶりに見た。
その隣の若いクリエイティブがごくまっとうだったので、差が目立って笑いたくなるほどだった。

帰りに蔦屋に寄ってまとめ借り。
読みたい小説も山になっている。

ま、仕事としては、これで幕。
コメント (0)

メリークリスマス
予報によれば、今夜は東京南部に雪。

もし21世紀、最初の25日が雪になるなら
やるじゃねえか、というところ。

これから広尾のrSTUDIOで積水ハウスの改訂版MAV。
戻ったら、明日提出の企画案を。
これに関しては、モチベーションまったく上がらず。レベルは−のままだ。
約束したことだけを果たすために、むち打つしかない。
雪でも降ってくれれば、したくもない仕事でも、いくらかきまぎれる。
罰当たりな気もするが。

福島で何人かの旧知の方に会ってきた。
二年間の時間が、彼らの胸にあんなふうに残っていたことを知り、言葉を失った。

気を抜くことは、できない。そう思った。

たとえそれが不本意なものであろうと、
関わったすべてのことは、自分なのだから。

メリークリスマス、である。
すべての人に。
コメント (0)

3時間で行けるところまで。
少し寝坊した。晴れ。
これから3時間余り、書けるところまで。

ひさしぶりに「無伴奏チェロ組曲」を。
今朝はヨー・ヨーマ版で。
コメント (0)

仕込み完了。
雪にはならず。
ま、東京は、こんなもの。

MPの企画、切り口決める。
これから4時間熟睡し
きっちり4時間で書き終わるプランにいきつけた。

ニュージーランドの公園のピクニックをエンディングにと渡辺のサジェスチョンもあった。たしかにあれは「聖家族」。
100家族か1家族の物語か迷ったが、1家族で行くことに決めた。その10年。
who's whoがデータ不足だが、これは代理店のクリエイティブの仕事だろう。
約束していた調査結果は結局最後まで届かず。やる気があるのかないのか、こんにゃくみてえな連中で愛想も尽きるが、これは飯のタネ。明日は笑顔でしのごうと思う。

それさえ過ぎれば、DJシリーズに没頭できる。
コメント (0)

聖家族
とりあえず、切り口を考えた。
《聖家族》

これで明日、早起きして4時間で書く。
それで今年はさようなら。
コメント (0)

完敗
キヤノン、負けたようだ。

いまの俺には、あれ以上のプランを書けない。

力つくしたが、及ばず。
完敗である。


大言壮語してきたが、頭を下げ、恥じ入るのみである。


もう、戦う武器がみあたらない。


記憶に残るクリスマスになりそうだ。
コメント (0)

《恋人たち》最終回「最後の恋文」を6年ぶりに
野沢尚の《恋人たち》最終回「最後の恋文」を見る。
渡辺が録画しておいたビデオを探しだしてきてくれた。
ラストの三話分があった。
気になっていた最終回90分を見た。

このあいだ《ことの終り》を見てからひっかかってきたことが、
解消できた。
野沢が95年の秋に描いた《恋人たち》の世界は、
はるかに《ことの終り》の先を行っていた。

忘れてしまっていた多くのことがあった。
魂の底に焼きこまれていた多くのこともあった。

それにしても野沢は、何とすさまじい愛を描いたことか。
日本で、しかもCXが、地上波で、これだけの突き詰めた、
突き抜けた世界をよく実現したものだと、いまさらながらだが、称賛したい。

ほんらいならば、これで燃え尽きてもおかしくないが、
その後に《青い鳥》を書くことができた野沢尚の才能には、
ただ脱帽あるのみ。

どうしてビデオリリースできないでいるのか、
想像がつくような気もする。
通夜の席のあのエピソードなのではないか。
突き抜けてしまったあの挿話が、
どこかでストップを強いているのではないか。

これほどピュアなドラマを、見たことがない。

いや、あらためて恐れ入る。
CXは世に出すべきである。
それが表現に携わっているものの義務であり責務。

解体を深める社会と世界に向けた
あるいはもっとも有効な解答のひとつ、
それがここにある。
コメント (0)

1999-2001worksを仮編集
クールダウンのためにこの2年間の作品集用のまとめをオフィスで。

1999年秋から2991年夏までの二年弱の間に仕上げたものから主要な作品を選び、見せ場を抜き出した。

1.楽園の懸け橋
2.唐招提寺-鑑真と東山魁夷芸術
3.cg2000彼方へ…
4.tokyo live
5.クレッセ
6.水はどこから来たか?
7.水の惑星ジ・アース

99年の春四月に、三菱地所のtokyo voicesを編集中に持ち込まれたとビー・オーエン博士の講演記録からスタートした《水の惑星ジ・アース》との二年あまりの関わりの日々に手がけた仕事は、記憶していたよりもなかなの充実ぶりだったと思う。

作品集第四巻として年末から配りたい。
同時にメディアサーカスのホームページに動画を配置し、閲覧できるようにする。

ブロードバンドさまさまではある。

いい気晴らしになった。


明日は古河で取材。
コメント (0)

スタジオでダウン
編集中に体調が悪化。ダウン。
寝不足か疲労かカゼか。そのほかの何かか。
10時間、むりやりベッドにもぐりこんだ。いくらか回復。
元気付けに湯治部MLにメールを発信。
これからオフィスに行き、作品集4のまとめを渡辺と検討予定。
渡辺は昨日横須賀に帰り、スノータイヤのはきかえをぶじに済ませた、とさっき連絡あり。

************************************
件名 : [tojibu:00206] ご機嫌伺い
送信日時 : 2001年 12月 22日 土曜日 5:25 PM
差出人 : Toru Mashiko
返信先 : tojibu@ml-c3.infoseek.co.jp
宛先 :湯治部 通信

益子的な今後の展開予定希望

環境問題の深刻化と経済動向の悪化は、
近日中にカタログによる販促活動の大きな足枷となる。
同時にブロードバンドの予測を超えた急速な普及と
ebookをはじめとする電子ブックの普及が
ウエブ活用、TV-CMのあり方、パッケージメディアのあり方、
カタログのあり方など、メッセージングメディアを激変させるはず。
このスピーディな変化は2002年中に相当なところまで行くことになる。
積水ハウスの映像チームとしては、これまで提案してきた
すべてのデータのデジタルライブラリー化計画の実現が急務であることを
あらためて声を大にして宣言しておきたい。

たとえば、現時点で進行中のものと手がけたいものを並べてみても
データのデジタルライブラリー化がなぜ急務かがわかるはず。


1.高級賃貸アパート紹介
ビデオ+DVD原版+WEB配信用のプロトタイプ

2.グルニエダインシリーズ/ビデオカタログ
ビデオ+DVD原版+WEB配信用のプロトタイプ

3.夢工場2002版
ビデオ+DVD原版+WEB配信用のプロトタイプ

4.シックシティの2002版
DVD原版+WEB配信用のプロトタイプ

5.環境への取り組み紹介
(5本の木/ビオトープ/環境技術)
ビデオ+DVD原版+WEB配信用のプロトタイプ

6.企業広告(新聞)シリーズのインフォマーシャルCM化
主要な企業広告のコンセプトを3分の動画化。
BS/CSでのオンエア実験、WEBでのストリーミングCM、
積水ハウスの企業精神集としてHP上に永久保存しつつ更新追加
(企業広告はその企業がどう社会と関わろうとしてきたかを訴求しかつ
証拠ともなる社内外に向けた絶好のアイデンティティツールである)
ホームページコンテンツ用、DVDソフトとして記録、保存、配付

7.読本シリーズのDVD化
将来的には紙媒体による配付ではなく電子ブックスタイルでの配付。
当面はWEBコンテンツ、DVDパッケージとして活用。
これまでの写真/イラスト/CG/テキスト/動画の全データを全活用。
この企画が、デジタルライブラリー化計画の推進力となるはず。

*************************************
コメント (0)

透明。
透明な表情というものにとらわれている。
瞳のありようではなく。表情。
神というわけでもなく、信じる力と関係があるのか。


透明感というのは信頼の極地なのか。
思い込みの極地なのか。そのいずれもなのか。

生きているというのはオモシロイな。
コメント (0)

風穴ひらく
話してしまったからなのか、いつのまにかそれだけの時間が経っていたことを実感したということなのか。
昨日の夕から、体の芯に残っていた血の塊のようなものが、ストンと抜けた感じがある。塞がれていた風穴がすべて通ったと言えばいいか。
爽やかというわけでもないが、滞っていた感覚が消えている。間欠的に襲ってくる焦燥感、灼熱感、飢餓感がいまは無い。
コメント (0)

12.19福島の気配 �|� 12/19湯の花温泉秘話 �|� 12.19雪の村の幻 �|� 12.19口惜しかったこと
左のメニューの《むじなの森のこと》に
12.19福島の気配 �|� 12/19湯の花温泉秘話 �|� 12.19雪の村の幻 �|� 12.19口惜しかったこと �|� 12.19森に残った理由 �|� 12.19あるべきその場所 �|� 12.19帰れねえだろう �|� 12.19終らねえよ �
の8つに分けたインタビュー内容をアップ。

スピードテストとしては上出来だろう。
たのしかったが、ちと疲れた。
はしゃぎすぎたか。
コメント (0)

インタビュー終了。話しつくした。
FTVの取材、終ったのが4時半。2時間あまりかかった。お互い初対面なので気分をほぐすために30分ほどコーヒーを飲みながらおしゃべりをした。その後収録。途中でテープを2回チェンジ。計3本まわさせてしまったことになる。同業としてはすまんな、と思ったが、話しだしたら、胸に溜まっていた想いが想像以上にあったのだ。水の惑星ジ・アースのことにとどまらず、福島の2年間の日々の中で感じたこと、森に沈む都市というコンセプトそのものへの想い、博覧会の日々のことなど、あとからあとから湧いてきた。最後に何とか「森のひと」についての話をして打ち切ったが、放っておかれればあと数時間は語り続けたように感じた。インタビュアーは報道制作局の加藤明伸さん。我慢強く誠実に話を引きだしてくれた。彼の人柄もあって、あれたけリラックスして話せてように思う。このときの様子を渡辺君が家庭用のカメラで記録しているので、いくつかに小わけして《むじなの森のこと》にアップしておこうと思う。まだ終っていないことの証拠として。
コメント (0)

《ことの終り》★★★★★
《猿の惑星》《ロミオとジュリエット》《ことの終り》の3本を続けてレンタルビデオで見る。
《猿の惑星》は予想通りの駄作。すべてが細部にわたってうすらさみしい映画だった。
《ロミオとジュリエット》は《ムーランルージュ》の監督作品だったので見たが、冒頭のキレの良さ以外に彼らしさはない。基本的に主役二人のミスキャストだと思う。
《ことの終り》はふと手に取った。
これはすごかった。静謐で抑制的でありながらすみずみまでほとばしるような熱情にあふれている。こんな映画がこの時代に存在することが信じられない。
とりわけラスト近くで、三人が同居して女性の死を看取っていくという発想に驚いた。さらに相対していた二人の男の会話の質の良さに舌を巻いた。
とうとつな印象だが野沢尚が《恋人よ》で描こうと試みた世界と共通するものを感じ、見せかけのスタイルとは大きく異なってきわめてアクチュアルな映画となっていたことをあらためて。

ひさしぶりに借りてきたビデオをまとめて見ることができた。いくらか落ち着いたのか、とも思う。いいことなのだろう。

これからオフィスでFTVの取材。
年末の回顧番組だとか。
回顧するにはホットすぎる気もするが。な。
コメント (0)

クリエイティブって何?
たとえばクルマは丸い4つのタイヤに車体を載せて動くものだと考える社会があるとしよう。
そこにある日、タイヤが八角形なうえに4輪がばらばらの大きさのクルマを売りたいという男がやってきた。
どこが違うのかね、どこがいいのかね、と買い手が尋ねると、売り手の男は「わからないんだ」と言う。
さてこのタイヤをはいたクルマは売れるだろうか。

話をしながらこんなことを思い浮かべていた。鼻毛でも抜こうかと考えたが、清潔好きのおれには抜くだけのびた鼻毛がない。
あくびをかみころしうるんだ瞳を向けながら、求愛していると誤解されないだろうかなどとも想像していた。

早起きしたのに何の面白みもない気の抜けた午後となった。コンペなのにどうやって戦う気なのだろう。じゃんけんでもするつもりなのか、平和なことだ。

早々と銀座から退散。
ツタヤで映画を借りて帰る。

もう晩飯を食って眠ってしまいたい。
上と下のまぶたがなかなか離れてくれないから。

しかし、あんなんで名前かぶせたルーム任せられてて、けっこう辛いのだろうな。
コメント (0)

2時間強ででっちあげた
のんびり朝刊を読んでいて気づいたら9時。
あせってスタートしたが、なんとか10分前にアップ。オフィスに転送しプリントアウトを頼んだ。共感するものがないせいか、ぱっぱっと書けた。そんなもんだろうな。

一時間後に銀座へ。
コメント (0)

4時間と4時間
7時前に起きた。きれいな冬晴れ。
さてこれから4時間余り。軽く飛ばす。

夢ばかり見ながら4時間眠った。
夏の夢だった。

久しぶりに朝からグレゴリオ聖歌をかける。
コメント (0)

跋。12.17発
以下の手紙を添えて発送。
+++++++++++++++++++++++++++++++++++


益子です。


かねてから計画していた
《デジタル・ジャパネスク》シリーズを離陸させたいと考えています。
まだ茫漠とした想いがあるだけで、どんなスタイルでどんなカタチを結ぶのか
海も山も見えない状態ではありますが、歩みだすことに決めました。



現時点ではっきりしていることは、すべての撮影をデジタルHD-F900品質、
あるいはそれ以上の品質を備えた機材で行うこと。
向こう十年、あるいはそれ以上の歳月を劣化も低減もなく、
われわれが望んだ状態のままで維持・保存・再構築に耐えられる
最良の映像素材を遺すこと。
それらの素材を縦横に再構成し、まだ誰も見たことのない
日本の抒情的世界をつくりだすこと、です。



私は日本という国がすでに滅んでいるのだと考えます。
この国のシステムは少なくとも滅びの崖っぷちを踏み越えたのだと感じています。

国破れて山河あり、と言いますが、
立ち止まったときに、ここまで戻ればもう一度、
歩みだす力が湧いてくる場所。イメージ。
絶望ではなく希望を杖に頭をもたげてみようと、思い直せる世界。
そういうものを映像として構築したいと思い描いています。


これまでともに仕事してきて、ぜひ力をお借りしたい、
いっしょに取り組んでいきたいと確信する方にのみ
この手紙と、一冊の絵本のコピーをお送りすることにします。
《デジタル・ジャパネスク》シリーズを進めるにあたり、
迷ったりとどまりたくなったときに、同封の絵本の世界を
思い起こしていただけたらと考えました。
《女鬼》とタイトルされた絵本を、かかわるすべてのスタッフの
ただひとつの旗印にしたいと思います。




賛同いただけたら、
どうぞ呼びかけの声が聞こえたときにお応えください。
賛同いただけないときは、この手紙と絵本はお捨てください。
そのことはこれまでの仕事で築いた関係になんの影響もありません。


2001年12月17日夕記す
コメント (0)

疲労困ぱい。
疲労、困ぱい。全身脱力。
いろいろな疲れがどっと襲ってきた気がする。
自分に、負けそうだ。
お手上げ、なのか。
おれの限界、ということか。

ひどく疲れていることに気づき、たじろいでいる。
自分の核心に、濃霧がかかってしまって何も見えない。見る気力が潰えそうだ。

つぶれる、ということなのだろうか。
ここまでということなのだろうか。
コメント (0)

メモ/裸の《力》。
裸の《力》。

人も動物も樹木も花も、世界の《いのち》は大地から生まれた。
それらのすべての《いのち》は、同時に大地に還っていくものでもある。
循環していく《生》。

滋味ゆたかな大地は、だから無数のいのちを生み出し、育み続ける。
たとえば、目の前に広大な森がある。
その森は遠くから見るとどっしりとしたひとかたまりの建造物のように見えるはずだ。
よほどの大風が吹いても森全体はさわっと震えて見せるだけ。近づいてみる。
遠くからは塊に見えたものが巨大な樹木の群れであったことが見て取れる。
さらに近づく。一本の巨大な樹木がある。
数十メートルの樹高と数メートルの幹の太さがあるのがわかる。
見上げればびっしりと繁った梢が緑の大屋根をつくっている。
幹にそって目を下に。ブッシュ。
根元のあたりは濃密な草や色濃い花で、すき間なく埋め尽くされている。
花の蜜を吸う極彩色の鳥、蝶、変わったカタチの虫なども見えるはず。
(熱帯のジャングルではなく田中一村的世界でもいい)
さらに焦点を足下に合わせてみよう。
つま先のほんの50cmほど前の草むらに目を近づける。
10cm四方の草むらを赤い糸で区切ってみる。

それが、《世界》だ。

たとえば、そこでは数百匹のアリが額に汗しながら
花の蜜を吸いすぎて腹がふくらんで飛べなくなった色鮮やかな蝶を
力を合わせて運んでいるかもしれない。
その行く手には巨大な隕石のような水玉が轟音をあげて落ちていたりする。
もちろんそれは単なる雨粒だが。
さらに少しはなれたところではてんとう虫のカップルがサンバを踊ったりもしている。
さらにもっと小さな名もしれぬ虫達が意味のわからないカーニバルを
繰り広げたりしているかもしれない。
あちらこちらに、カタチの異なる東京ドームのような大きさの木の実が
奇妙な摩天楼をつくっていたり、色とりどりの花粉が風に運ばれて
天然色の雪のように降り注いでいるのかもしれない。
さらにミクロへと進めば、得体のしれない形状をした生き物が、
あるいは生き物とはとても思えないような生命体が
B級SF映画のような光景を描いている。さらにミクロへ。
巨木の根のほんの一部のそのまた一部の小さな小さなひげのような根が、
巨大な地下トンネルとなって、土中の養分と水分をゴウゴウと
濁流のような音を立てて運んでいる。
その流れの中で悲鳴を上げておぼれている何かの細胞の姿も見える。
もっとミクロへ。細胞。さらにディティルに…ディティルの先に無限。

これが、《世界》だ。

人間は、この《世界装置》と構成要素のほんのひとかけらである。

ナチュラルであるということは、こうした世界要素の一部であることを
自覚し、限りなくシンクロしていくことだとしよう。(飛躍しすぎ?)


●プロローグのイメージ++++++++++++++++++++++++++++++++++++

ヒトの肉体。
ディティル。汗。涙。ぴんと張った口元。ふくらんだ鼻腔。
寄せられた眉。二の腕に浮かんだ血管。ひくつく腹筋。汗の浮いた背筋。
大腿筋のこわばり。緊張した踝。
ゆっくりとした鼓動がベースのリズムを刻んでいる。
さらに喜怒哀楽を象徴する鼓動が複層的に重なり不思議なハーモニーをつくる。

花びら。かすかに風に揺れている。
蝶。その花びらと遊んでいる。

蝶と花びらと体のディティル。
静かな息遣いのようにゆっくりと引いていくと、
草原の花の群れの中に数十人の裸の老若男女が集っている。
この移動に合わせ、鼓動のハーモニーに
喜び、楽しみ、哀しみ、怒りを表すさまざまな年齢の男女の声が重なる。

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
コメント (0)

一週間の予定
16日ー17日 読広/企画
18日 読広/打合せ
18日-年末 Dジャパネスク企画
19日 取材/FTV/オフィス
21日 編集/TSP シャーウッド/居住編改定
コメント (0)

…もう、人間も、春なんだね。
《風のささやんか村》のラストにつかった佐々木洋一さんの詩《春の小さな挨拶》の一部がいまオフィスでかかっている。


   …もう、人間も、春なんだね。

このパートの読みは中田浩二さん。
山下亜美さんも中田さんも、しかし鬼気迫る読みだと、あらためて思う。
コメント (0)

赤穂浪士とガーベラとぽち
帰宅、午前5時。
麻布警察の隣の立ち食いそば屋で久しぶりに夜食。かき揚げ+ちくわ天+コロッケそば。
一滴のアルコールも入らずに深夜の3時過ぎにひげ面の男二人がすする立ち食いそばにどんな風情があるのか知らぬが、うまかった。
編集の帰りに寄ったことはあるが、さすがにMAの後で深夜にそばを食べたのははじめてのこと。
3時過ぎても金曜の夜は忘年会流れの笑顔であふれていた。夕方から、地下にこもってわき目もふらずに仕事していたことが嘘のようだった。

泉岳寺への参詣は忘れたが、赤穂浪士討ち入りの日の仕上げは、身の入ったなかなかの出来となった。コンセプトをまっすぐに開いた、過不足のない仕上がりになったと思う。

朝倉さんのイラスト、空間概念図とHD素材とを、それぞれが分離することなく、高い説得力とたのしい気分を維持しながら、マキシオというひとつの世界にまとめることができた。

映像デザインの山岡さん、音響構成の井口さん、ミキシングの武田さんが気持ち良くセッションしているのを、おれは一人の幸福な観客として愉しんでいればいい、というまことに申し訳ないほどに、楽な仕事だった。

ナレーションを担当した山下亜美さん、外崎明彦さんもいつになく気持ちのいい仕事をしてくれた。

いきなり声の出演を強いられた代理店のお二人も、クライアントのお二人も、素人ならではの味わいをよく発揮してくれた。

二人の小学生と高校生も遅くまで待たされたにも関わらずしっかり仕事してくれた。

もちろん電通テックの夏苅さんの徹底した進行ぶりがなければ、すべては滞ってばかりだったはず。顔色を読みながら仕事を進める制作部にお目にかかったのはキャットの錦織以来のこと。夏苅はいい女になるだろう。いやすぐれたPMになるだろう。

中山のバックアップぶりもみごとだった。
このスタイルであと2本か3本こなせれば、初々しさを備えたいい制作チームができると思う。

記憶に強く残ったもの。
ガーベラとぽち。

初心貫徹、できたじゃねえか。

満足である。
コメント (0)

午前3時、MAV終了。
午前3時。広尾。
午後4時からはじめたMAやっと終了。いまからプリント。
スタジオを出るのは3時半をすぎることになる。
11時間みっちりといううのは、しかしひさしぶりだ。細かい効果音で遊んだせいか、なかなか密度の濃い、楽しい仕上げになった。
今年の後半は、この一本だけを仕上げて暮れることになる。

作業中に懸念がひとつできたが、未解決のまま、この時間になった。

最悪の体調も、なんとか持ってくれた。

さて、六本木あたりでうどんでも喰って帰るか。
コメント (0)

いちごの夢
      《それでは御免のちの世には添いましょう矢来の彼方に降る雪もある》福島泰樹



14日だった。
歌われた男が討ち入ったのか討ち入りそこねた一人だったか忘れたが、この日に限らず、昔から気になる歌ではあった。
たしか《雪は大高源吾の肩にも降った》というのもあった。
福島さんの視線は、しかしまっすぐでやさしいなと、あらためて思う。

ふと考えた。
下谷の寺の境内で、あるいは本堂で
彼にぽつりぽつりと語らせるのはどうだろう。女鬼を。

飯を食らって、これから広尾の地下スタジオへ。ことし最後の仕上げである。
体調は最悪だが、精いっぱい自分を追い込んでみたい。

義士と広告では、10億年は隔たった世界だが、花道の場所は似たようなもの。迂回して泉岳寺経由で有栖川に向かおう。


この冬、三度目のイチゴがノドの火照りを冷やしていく。イチゴ=一期。
イチゴは夢よと書けばきやははは気分だが一期は夢よと書いてしまえば表裏となった彼女達の日々が顔を出す。
ま、そんなものなのだろうな。
不憫だが。
コメント (0)

リセット
疲れが出たか。微熱あり。
明日の読売広告の打合わせ、あきらめることに。
夕方の積水ハウスのMAVにしぼることにした。
相馬さんの話では、今年、おれは積水ハウスの新作を4タイトル手がけ、改訂版を7タイトル仕上げたことになるらしい。信じられない。

四谷に一口ギョウザを食べに行く。
食欲はあったが、途中、なんどかクラッとした。


もう、どこにも戻るところは、ないのだ。
右手を放すか左手を放すか。
あるいは、すべてを放すか。


いつか読んだ「リプレイ」という小説をとうとつに思いだす。
何度も何度も同じ時点に人生がリセットされ続けてる男の話。リセットされるまでの時間が回数を重ねるたびに短くなっていき、やがては《瞬間》だけになっていく…

この間、読んだ恩田の小説は、逢いそこないながらリセットされていく男女の話で、痛切さだけが強く印象に残った。

リセットという単語が、昨日から消えずにいる。

微熱のせいだろうか。

ひどく疲れた。海の底にいるようだ。
コメント (0)

2時間で脱出成功。
脱出。

雨に戸惑わされたのか、ひとときうとましい気分で過ごしたが、脱け出した。所要時間は2時間。ま、上出来。

これから明日の《アイデアフラッシュ》用の資料読み。集中。

カリフォルニアとバーデンバーデンだもの、集中しなくちゃな。
コメント (0)

やめようか。
雨。オフィス。


つまらない話が耳に入る。
明日がMA。着地に向かってすべての神経を集中させているときに、
どうしてこんなくだらない話が持ち出されるのか、耳を疑う。

たとえてみるのもバカバカしいが
同点で迎えたロスタイム120秒の残り10秒のところで、前半28分目のパスミスについてコートの外から釈明を求められる。というところか。
キラーパスがゴール前のスイートスポットに向けて放たれ、その落下点に向かって全身をバネにして跳躍した瞬間に、すべての時間が停止した。そんなところか。
最前線と参謀本部の距離、現場とデスク、オンとオフ。
どこにでも転がっているありきたりの《想像力の落差、温度差》のエピソード。
目の前に打ち倒すべき敵がいて襲いかかって来るときに、弾薬を補充してくれるのではなく、その弾薬の帳尻合わせにしか目が向かないスーツとネクタイの能吏。
戦線を縮小しないか、とむなしい気分で持ちかけざるを得なかった。もういいよ、と思えたから。
体と心を削るようにして酔客の群れる夜の街の底で何日も過ごしたことに何の意味があったのか。なかったのか。
忘年会があるので合わせてくれ、などというたわ言を聞き流しながら、なんどトイレで頭に水をかぶらせたことか。
毎年暮れになると、どうして1カ月もかけてその年を忘れたいと思うのか。
2001年は忘れてしまえるような年だったのか、などと書いてしまえば、またそれる。

ま、忘年でもリセットでも好きなようにやってくれ。
プロデューサーは男気を発揮して、とことんやりましょうというが、ま、いいじやねえか、と思ってしまった。

温度差は、意識したらもう終わりだよ、と思う。

日常が奴隷だから、盆暮れと飲み会には無礼講。いちどきっちりブルジョア革命し直さねえと、この国はほんとに先に行けねえな。

かくありたいと願うイメージと、
だって仕方ないよといいながら流されていくことへの無自覚さぶりに、たじろがされる。

月曜の夜から断続的に感じだした激しい温度差が、体のすみずみを満たしていく。せつないじゃねえか。

《熱》が消えていこうとしている。
熱はどうしたらかきたてられるのか。
この終息感は、どこからやってきたのか。

知りたいという強い欲求こそが
いやそれだけが人を駆り立てる。
自分を、相手を、モノを、コトを、世界を…知りたい。

その思いが薄れれば、道は閉ざされる。


置き去りにするとかしないとかは
同じ道を、一本の道を歩み続けているときだけに、そう確信しているときだけに成立する想い。
温度差が生じるとは、その道が異なっているのではと自覚が芽生えること。

こればかりは、いかんとも、しがたい。
無念ではあるが。な。
コメント (0)

断片
午後2時。雨。

きのうのどこかなまあたたかさは、この低気圧のせいだったのかもしれない。
季節が逆行していくような心もとなさが未明まで続いていた。

寝汗で覚めた。窓をあければ外も雨。


あらためて読み直すと《リセット》とあったことにあらためて気づかされた。
スタジオにこもっている間に読んだわけだから、そのときにどうして引っ掛からなかったのか。引っ掛かれなかったのか。


リセット、か。


寝起きのぼんやりした頭で考えるのもどうかと思わないでもないが、奇異な印象が強い。


何かを《ゼロ》=無にし、そこまでの時間を完全に消去すること。リセット。プロセスの消失。トライ/エラーではなく、《ゼロ》戻し。


マンガあるいはゲーム的真実。
マシーンの上だけで生起する乾いた砂のような思想。工学的幻影。



キャノンの結論、未だ届かず。
カレンダーを見ると11月22日にプレゼンをしているので、3週間経ったことになる。
《0ver IP》をキーに、あらゆるレベルのデジタル化を踏まえたことを前提に取り組んだが、《3週間》という時間をあらためて考えると、体温も下がる。

これから熱い風呂に入り、飯を食って、
明日午前中のブレスト用のプランにかかる予定。
オフィスに行くか、久しぶりに自宅でやるか。迷う。



《ゲッツ/ジルベルト》の3曲目《O GRANDE AMOR》を久しぶりに聴く。
この夏は、久しぶりにこの《大いなる愛》のイントロ1分を繰り返し聴いていた。
コメント (0)

余地、あり。
14時間でアップ。
結局、こんども70時間はかけたことになるか。

ここまでやる必要があるのかどうか
終わるたびに湧いてくる疑問ではあるが、
人生そのものを担保にするような高額商品だ。
手の抜き所が見つからない、というのが正直な気持ち。
しかし、とことん疲れる。
CMのお気楽さが、ちょっとうらやましい気もするが、ま、きっといまが胸突き場所なのだ。
まだ、アプローチの方法は残されている…
今朝は、めずらしく、そう感じている。

いい仕事ができた。
1シーンの荒編もせずに挑んだが、迷うこともなく突き進めたと思う。

余力を、感じている。
これははじめての経験だ。


この余地こそが、
混迷の成果なのだろう。
コメント (0)

炉端見立てで生録りというアイディア届く
武田君からさっそくメールあり。
もとより《語り》である。
スタジオを現代の炉端と見立て
ひとつひざ詰めあって息詰まるような世界をつくり出してみよう。
コメント (0)

DIGITAL-JAPANESQUE.COM
DIGITAL-JAPANESQUE.COM
でドメインを5年間登録。
とうぶんは《東京星菫派》を仮住まいとする。
コメント (0)

金色のTOKYO CITY。
《女鬼》のコピー、井口君と武田君に手渡す。12月11日火曜日夜、digital japanesque、端緒を切った。

有栖川公園を通りかかった午後4時過ぎ、
東京は金色に輝いていた。
コメント (0)

端緒を切る。
昼過ぎまで、8時間、熟睡。寝汗で覚めた。
二日続けてひどい寝汗をかいている。

これから広尾のr-stidioへ。

渡辺は《女鬼》を10部コピーしたということ。
年内に端緒を切りたい。
コメント (0)

《花様年華》の危うさはなかなかだった。
体の芯に残った疲労が、この過剰なまでに説明不足のストーリーを、ほんのりと受け入れているのかも知れない。音楽の使い方、アップとハイスピードのバランス、いずれも心地よく過ぎていった。日本がアジア的な感性からも大きく隔たった国であることを思い知らされる。抑制された関係という、現在的には化石のようなあり方の、凄みをしみじみと感じさせられた。
あれこれやかましい評が多い理由もよくわかる。《気配》だけで成立させる芸当は、子供には通じにくかったのではないか。
深夜にビデオで、観るともなく見ているのには絶好の一本だろう。

レンタルビデオ/VHS/TSUTAYA

しかし、ケースを外しむき出しのビデオテープのみを貸し出すという、TSUTAYAの人を舐めた商売は相変わらずだな。
コメント (0)

溶けはじめた《八年前の時間》
六本木で菊池君の結婚パーティーに出席。
この十年あまりの間に付き合ってきたエディターたちの顔を眺めながら、久しぶりに気分のいい夜を過ごした。三菱電機の第一作の文字遊び《感見動遊伝》のファーストバージョンを担当してくれたのが菊池君だったことを思い出しながら、小深田君の挨拶を聞いていた。

その後で、湾岸から横浜に向かい、川崎に戻って海ほたるほ目指した。海ホタル、考えてみればはじめての体験である。十二時を過ぎて海の上に昇りだした月を観ながらしばし。

昼、3時間ほど眠るが、
一昨日の徹夜編集の名残か、熟睡できずに起きる。
きれいに晴れた真っ青な空だった。

読売広告の御法川部長から電話があり、月曜に打ち合わせに行くことに。電話が終ってから1年前に制作会社に移ったことを思い出した。
このあいだスバルの友田さんと電話で話したことといい、八年間、凍結していた時間がいきなり動き出した気配あり。

99年までの作品集3巻を渡辺にコピーしてもらう。
年内に4巻目をつくる前に、渡しておきたかったので。

夜になって北風。
あきれるほど、寒い。
コメント (0)

見直し
3時間眠って覚めた。

やはり編集は頭の芯に疲れがこびりつく。
浅い眠りだがはいずり起きた。

もうカゼをひいてもいいなと思い五日ぶりに頭を洗った。

いったんオフィスに行き、気になるシーンをチェックし、元気があれば六本木へ戻り、菊池君の結婚祝いに出よう。
元気が回復しなければ、今夜はダウン。

もろもろは明日にまわすことにする。
コメント (0)

ま、いいじゃねえか。
午前十時。家に帰って編集したビデオをチェック。うんざりした気分はともかく、よくまとまっていた。商品自体のバリューを充分に引きだすことができたように思えた。明るい日ざしの入る部屋で見たせいか、はずんだ気分がよく出ていた。

ま、いいじゃねえか。
とりあえず眠ろう。
コメント (0)

その球は、自分に向かっているのだ、
7時間眠った。戻らず。
とりあえず、スタジオに向かうことに決めた。仕上げまではやった上でD2Tとの関係を本気で考えようと思う。あるいは広告的仕事そのものがどこかで引っ掛かってしまったということなのかも知れない。そのあたりは放ってきたことだが、ここらで本気で見直しておかないと、じたばたすることになりそうだ。

仕事へ不満だったのか、人への不満だったのか、変化しないシステムへの不満だったのか、すでにどうでもいいことのような気がするが、体温は上がらず。
同じメンバーであることに、
あるいはもう何の刺激もなくなったということか。


だから、どうした。
こういう思いが出てきてしまうと
ま、引き潮には違いない。
コメント (0)

体温、上がらす。
風呂に入ったが、おさまらず。
低温のままだ。
窓の外で木枯らしの音。

夏から秋にかけて聴いてきた音楽が
不意にうとましくなった。

宮本さんがスタジオに顔を出した。
外で渡辺とばったり会い、顔を見に降りてきたと言っていた。


遠い知人とすれちがったような気分だった。
須賀川のことをすっかり忘れていたことに気づかされた。
しょせんはイベントにすぎなかったのか、
ただの祭りが過ぎたのだ、そんな思いが強い。



もう、いいんじゃねえか。
そんなふうにも感じはじめた。
コメント (0)

興醒め
仕事をするようになってジャスト16年経過。途中で代理店に降ろされたこと、一度。ただしこのときはクライアントの支持で復活。仕事の途中でいやになったことは数えきれないが、放棄したことは一度もなかった。買われた以上、それは最低限、守るべきことなのだと考えてきた。「男芸者」として渡世していく上でのルールだと決めていた。だから、それは違うなと思ったときにも最終的にはスポンサーの意向を受け入れてきた。それでも出来は相手の要求水準は軽く超えてきたと思う。

さっき、とつぜん、切れた。
切れる、などというたわ言が自分に発生すると考えたことはなかった。夢にも思ったことはない。

にもかかわらず、唐突に、糸が切れた。
張りつめていた糸でも緊張でもなく、ただ、こんなくだらねえ時間を過ごしていることに何の意味があるのか、わからなくなったのだ。

怒りが爆発したのではなく、逆だった。


どうでもいいじゃねえか、という
自分の声に気づいたのだと思う。


地下を出て、どうすればいいのか相談しようとしたが、連絡がつかず、あきらめた。いやけがさしたことを相談しても意味がねえな、と思い渡辺の車に乗った。


あれもこれも、どうでもいいなと今夜は思う。興醒めである。
コメント (0)

再・構築、大枠完成。あとは精進あるのみ。
10時。泥の中からはい上がるようにしてベッドから転げ落ちた。雨。
昨夜の仕上げ3分30秒のプロローグをもういちど見てから逢い風呂につかった。
眠いが、昨日一日感じていた疲弊した感覚はきれいに拭い去られていた。体の芯に《戦う細胞》が生まれつつある、そんな感じがする。

ぶれと迷いの中で、あそこまで行けた。
直感力も思っていた以上に要所でフル稼働していくのを意識できた。
何よりも自らの内部で《理非》が明快だった。

キャノンで書くことをクリア。
積水ハウスでカタチにすることもクリアできそうだ。
年も暮れかけたが、初夏にはじまった再・構築、基礎と骨組みは見えたようだ。

精進、あるのみ、か。
コメント (0)

6日未明
編集初日アップ。プロローグ3分30秒。
順調に、予想以上の仕上がりになりつつある。

懸念していたことについて、丁寧な知らせあり。断腸の思いである。
コメント (0)

くだらねえ
古い知人とは、どうやら会いそこなうことになりそうだ。
ま、いちど終わってしまったことだから、いまさらくすぶるものがあるわけでもなかったが、思い返せば姑息で陰湿な手口だった。火の玉のようなAと、その勢いに押されたTが、汚い女衒のような手口で潰されたことを、コトが決まってから知らされた。
Aは、以前第一企画時代に望田さんと組んだことがあると言っていた。内健さんとも組んだことがあるとも。つまり、おれにとっては兄弟子のようなものにあたるわけだ。はじめて会ったのは六本木の芋洗坂にある彼のスタジオ。巨漢で眼がランランと輝いていた。大きな手で握手をしたとき、じっと眼をのぞき込まれた。数瞬後ににっこり笑った。底の脱けたようないい笑顔だった。正と否を、あれほど敢然と一切の迷いなしで言葉に出す男を、それ以前も以後も見ていない。竹を割ったような男、という形容を聞くが、生身でお目にかかったのはAがはじめてだった。おかしな言い方だが、妙にウマが合った。彼の影響が強かったのか、Tとも妙にウマがあった。知るかぎり、二人とも内と外にあって、ともにFを溺れるように愛していたように感じた。ある時代の日本のメーカーが強かったのは、彼らのような存在があったからだと思わせられるような溺れ方だった。その溺れ方に温度差を感じてはいたが。しかし溺れている分だけ隙だらけでもあった。そこをつかれた。女衒野郎に背中から切られたのだ。口は底抜けに悪いが、それだけに紛れもない東京の男たちだった。へびのような眼で「Aさん、うちに喧嘩うってるんですか」とほざいたやつがいた。Aにくっついていた国士舘出身の照明屋Nが「さらっちゃいましょうか」と言ったのには笑ったが、Aも笑ってとりあわなかった。「広告屋は口先だけだよ」と。そして背中からやられた。Tも同時に。「ああいうやつがいるからうちは持っているんだ」と深夜の三鷹の開発室でパイプ片手に目を細めた設計主査は、どうしているのか。FはNを経ていまはすでにGの捨て駒である。あのゼロ戦を生んだFが、よりによってGの軍門に下ったわけだ。こんなマンガのような日々のためにAやTは女衒に足下をすくわれたことになる。なんだ、どこにでも転がっている話じゃねえか、と言えばその通り。AもTも、ただ負けただけ。傷など向こう傷だろうが、背中に受けようが五十歩百歩。負けりゃ遠吠え。勝てば官軍。

あれから八年。
渡辺にはときおり作品をことずけ、消息をつかんでいたが、直接会うことも電話で話すことも賀状のやり取りもしていない。負けたということはそういうことなのだと思っていた。顔を合わせたくないのだろうな、と思っていた。
が、
とつぜん消息を知らされ、こみあげてくる思いがあった。できればお目にかかり、手のひとつも握りたかった。ありがとう、と言っておきたかった。愉しかったよと、伝えておきたかった。
会うなら、そのイベントこそもっともふさわしい場所だった。Aと連絡をとろうとしたが、日曜ではたせず。できたら一緒に行きませんか、と誘おうと思った。連絡がつかなかった、というのも運のようなものか。

やっちまおうか、と言われれば、二つ返事でつきあいたくなるような二人だった。すぐれたやつを見かけることは多いが、一蓮托生もありだな、と思わせるような業界人には、まだお目にかかれない。少なくとも男にはいねえな。だって女衒だもん。

ま、その女衒につかわれてりゃ世話なしだが。大阪行き、さてどうするか。意外な展開に迷いが走る。
コメント (0)

もういやだ
午前九時から午後十一時過ぎまで
きっかり十四時間机に向かって、弁当を1食たべただけでなんとかアップ。

いやうんざりした。
最後のシークエンスは完全に息切れ、
眼と指と腰と背中と頭とが
もう勘弁してくれと悲鳴をあげた。

なんだかくだらねえ人生だなあ。
終わってこういう感想は、しかし最悪。
コメント (0)

消息。
9時。オフィス着。
古い知人の消息を聞いた。
胸がざわめき、ひとがんばりして、目処が立ったら今夜大阪に行ってみようと思い、早起きした。
賢明さんのことなどをひさしぶりに思いだした。

さてこれから大集中。4時間勝負だ。
コメント (0)

今夜はここまで
一時をまわった。
結局、プロローグを徹底。
オフのクライアントには申し訳なかったが
自宅でチェックしてもらいながらやりとり。
インターネットに感謝する夜となる。

しかし、この分だと月曜日はやはり大阪行きになりそうだ。三時ころの新幹線で向かい、七時から打ち合わせをし、その夜は泊まって、翌日帰京となりそう。

明日のでき次第だが。
コメント (0)

3.8MBのデータを1分で送った
山岡君が4時半に来るというので少し慌てつつプロローグのイメージを固めた。
悪くない。これでいけるのではないか。
イントラネットにページメーカーのままアップロード。3.8mあっても1分でOK。圧縮しなくてすむからこんなときにはほんとうに助かる。1.5MBのADSLでこれだけラクなのだから年末からの8MBが待ち遠しい。

これからオフィス。
嵐が去って、気圧がこなれたせいか、今夜は能率があがりさうだ。
コメント (0)

《嵐》はいずこ。
《嵐》が去って、おだやかでのんびりとした夜を過ごした。借りて一週間になるERの続きを観ながら半分眠っていた。それからコーヒーを淹れなおし、のんびりとメールを書いた。目が覚めたのでキャメロン指揮の「ダークエンジェル」の第一巻を観た。キヤメロンの頭の悪さがそのまま出たような内容だったが、けっこうきれいな絵作りで最後まで観た。朝5時。ベッドにもぐりこみ北方の「水滸伝」の今月分を読んでいるうちに眠り込んだ。わずか数ページのところを今週は何度往復したことか。

これから二時間、自宅でプロローグのイメージをまとめたらオフィスへ。夕方から夜にかけて編集音楽打合せに山岡、井口が。荒編集を一切していないので口立て編集をもとにやることになる。

そのあと、全対像をまとめ直す。
たのしい二日間になるだろう。
いや、そうあらねば。

東京は、のんびりとした午後となった。
コメント (0)

ご破算と勝算。
打合せの帰りに南口のX'masイルミネーションを見た。上空には十六夜の月。スターバックスでコーヒーを買い、ぼんやりと人の群れを眺めた。

木枯らしに枯れ葉が踊り、せつない夜となった。

明日、マキシオの切り直し。
daynight。

ラストには
去年のX'mas素材をあてようと思う。
いよいよHDライブラリー、小出しにだが解禁。

第一稿と第二稿で起こす大どんでん。
ブラッシュアップではなく、
まったく別なイメージの提出。
大枠、OKと言われたので、
すべてを否定してみる。
混乱し、時間をかけて妥協されるのも辛いから、
明日と明後日で目を瞠るような世界をつくる。
勝算、すでにあり。


眠れれば、おれの勝ち。
コメント (0)