2005年07月の記事


天龍八部第三十二話はスゴイ。
ぼんやりしながら一昨日届いたVOL2を見ていた。前評判に比べるとどこかもうひとつ不足感があったが、三十話を越すあたりから一気に加速。とくに三十二話の少林寺篇は拍手ものだった。テレビの前で思わず立ち上がって拍手したほど。孤竹が義兄弟として名乗りを上げる前後がとりわけ感涙もの。これは金庸先生の筆力では描写しきれない名場面。映像ならではの醍醐味となっていた。二日で十二話を見たが、こうなってくると残りの八話は真剣勝負。気を引き締めて夜を徹したい。
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解熱。7.31夜
熱がゆっくりと引いていくのが目に見えるように感じた。15分前。つまらないニュースをあくび半分で見ながらJVC塩原ロケの帰りにSAで買ったカレーの最後の一ヶを食べている瞬間。ああ、冷めていく…と感じた。自覚した。アタマのてっぺんから両手足のつま先にかけ、少しずつすこしずつ熱が冷めていくところが生理として知覚できたのだ。もしかしたらその30秒くらい前に流れたナイキの60"CMと関係があったのかもしれない。もういいな、ここまでだな、という感覚。目が覚めていく感じに似ていた。

  [ぼくらはぼくらに 
   または少女に
   それを視せて 
   とほくまでゆくんだと
   告げるのである
   とほくまでゆくんだ 
   ぼくらの好きな人々よ]
       吉本隆明「涙が涸れる」

たぶん、そういうことなのだ。熱がなぜ熱となって荒れ狂ったのか、そのことを知るよしもないし知りたいとも思わない。この7月は、ふしぎともいえるホットな時間となったという事実だけが、いまは残っている。書いたこと、伝えたこと、撮ったこと、つないだこと…そのどこまでに真実があったのか、あるいは無かったのか。それももうどうでもいいのだと思う。掛け声だけの薄味の夏としたくなくて、きっと足掻いていたのだろう。その幻を高め維持しつづけるために、無意識のうちにまきこんでしまった人に、あるいは人たちに詫びるコトバも見当たらない。狂夏としたかったのだ、と今夜のおれは自覚したが、ついさっきまで、その狂夏のまっただ中でのたうつ自分もあったのだ。なかったのではない。それは確かに存在していたよ。誇張も嘘もなく、書き連ねた、あるいは吐き落としたコトバひとつひとつは、その折々の真実。すくなくともおれはそう認識していた。でも、熱なら、いつか冷める。冷めてしまえば、うなされていた時間が嘘のように、おだやかな世界が開けている。
すまなかった。
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Captain of the ship
としか書きようのない眠りネコ状態二日目に突入。熱いシャワーも濃いコーヒーも何の効果もない。しかたなく特効薬を。長淵剛Captain of the shipのライブ版13分バージョン。こいつをエンドレスにして10回連続再生。約2時間あまり、デスクトップの前でタバコを10本灰にしながら聴いた。いや、浴びた。福島さんの“遥かなる友よ”の四回戦ボーイ篇、のちのおもいにを横綱とすれば、長淵のCaptain of the shipは大関か張出横綱か。ジャパニーズラップの白眉ではないか。そんなこんなでいくらかカラダと脳が目覚めたと思え、シアターのウエルカムメッセージにかかる。川田からこのあいだ土産にもらった「ばかでかしこい人」の壁画を落款に。あれも閉じ、これも閉じ、細道一点の隙をみいだすのだ。おまけにもんた&ブラザーズのダンシング・オールナイトも3回リピート。まだ日は暮れていないが。
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ほとんどMichael。
起きては眠り、眠っては起き、また眠る。プラグが脱けた感じアリ。未明からさっきまでもうろうとし続けた。東京音頭とマツケンサンバをWhat's Michael?のマイケルが数百匹の輪になって盆踊りしている白昼夢もあった気がする。ひさしぶりに食欲も。
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とりあえず
しのげた。
終わって、相馬さん、渡辺とひさしぶりに南口の根岸へ。麦とろを喰いながらこの一ヶ月、いや二ヶ月、いや三ヶ月の推移を振り返り麦茶で乾杯。ひとまずクリアできたのでホッとしつつ雑談していたら店に追い出された。飯食っただけだからムリもないか。
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結局天城越え
夜霧ではダメで゛山が燃えますかぁ」に切り替える。36回目をiTunesがカウントしたところでアップ。テックとオフィスに送りチェックを頼む。 待ち合わせが二転三転し、けっきょくは新宿らしい。鬼門だな、ったく。それはともかく相馬&渡辺が大半を整理してくれたので、まとめはたいへんラクだった。つまらないが、ラクだった。ちと変か。
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竜童の夜霧のブルースを
昼の日中にリピートしながら新宿案件に向かうが、まったく頭が働かず。仮眠などとてっももいちど落としてしまった火を燃やすには木片すり合わせ続けられるだけのパトスがいる。その想いが、見あたらず。見つけられず。ただ途方に暮れるばかりだ。26日の夕、あの台風の時間に、どこか決定的なプラグが抜かれてしまったのだ。ギリギリあと3時間。くそっ、朝から、いや夜から地獄のままである。しかもドブに捨てたくなるような情けない地獄。笑う以外になにもない。
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越えたのは
奄美と奈落。

そして、おれは落ちたのだ。

ある秋のクリスマス、south_paradise、奈落越えと
終わることを認めたくない仕事をこの一年で3本。
ひりひりするような高揚とどこに行くかわからない混迷と
その先の光明。

新宿を前に、おれはひとりの登校拒否児童そのものだ。

投げ出すか、屈するか。放り出すか、膝折るか。

すべてを閉じてしまいたい。くそっ。

やりたいことが、目の前になにもない。空っぽだ。
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夢の味は格別。
とVサインを一夜契った女に残し、官軍に切り込んでいく土方歳三の最後を描いたのはたしか真崎守だったか。
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奄美越え奈落越え新宿砂漠
出がけにメールをチェックしたら嬉しいメールが一本。古河の田中さんから。続けて空感の田中さんからも。この二人の田中さんのメールで元気が出た。ウナギを喰ってから広尾の地下へ。陰影のある音世界ができあがりつつあった。作業を見ながら、ナレーションに手を入れる。青木菜なさんが来たので相談。録りながら様子を見ることにし、本番。ひさしぶりに気持ちのいいナレーション録りを経験。うんざりするような改悪ゼロは何年ぶりのことか。チェックを兼ね、青木さんと通しで見た。笑って欲しいところで反応してくれるのを斜め後ろから見ながらホッとした。青木さんは、しかし凄いな。いままでチャレンジしなかった世界の可能性を感じさせてくれる。合う合わないのとてもはっきりしたキャラクターだけに、貴重だ。榊原さん以来の幸運なのかもしれない。さらに夜になって澤本さんからメール。滝の撮影の日、おれが奈落越えなどとばかり書いていたから心配になったらしく現場を見にきていたらしい。そのときの写真が貼付されていて、そのポイントはおれたちが狙った場所とたがわなかった。ちよっとしんみりさせられた。さて、ここからは砂漠の時間。新宿砂漠の時間となる。
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夜までの
夜とは何時ごろまでのことを言うのだろう。日が暮れたら夜なのか。零時を過ぎたら夜なのか。朝が明けるまでを夜と呼ぶのか。起きたら、MA。7月になって3タイトル目。これでいいのかという声が聞こえる気もするが、奄美以来の天城越えモードとなっていたと考えればいいじゃねえか。熱ならやがていやでも下がるのだ。燃えたいと願ってみてもやがては燠も消えていく。葉月になったら、修業に出ようか。
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♪モドレナクテモモウイイノォ
ひるまスタジオでとりこんだ天城越えをさっきからずっとリピートしている。まともに聴いたのは、じつは今夜がはじめてのことだが、こりゃ名曲だな。なんか昔の出来の良かった頃の仁侠映画を観ているようで、思わず涙がにじむ。そして奇妙な勇気というかやる気が出てくる感じもあり。フレーズとメロがまことによく調和しているので正しい簡潔な日本語を聴かされているようで思わず居住まいを正したくなる。モノを知らないということは不幸なことも多いが、思いがけない歓びもまたあり。己の無知も時に活きる。あの奄美の熱と湿気のなかで天城越えをもじって奄美越えと名づけたのは、単にハードな仕事をクリアしたいという程度だった。はず。だがさっきから30回くらい聴き続けていると、また異なる風景が現れてもくるのだ。♪モドレナクテモモウイイノォクラクラモエルチヲハッテェなんかすげえ歌があったのだな、とあらためて。男と女のことはともかく、戻れなくてももういいの、と今夜のおれはそういう心境ではある。まいったな。奄美ならぬ天城越え。今日は、はまった。アナタトォコエタァイィアマギィゴォエェである。もう知らんぞ。
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去年7月30日にもこんなことを書いていた。根は深い。
修復できることはなんとか修復しようと努めたけど
もうほんとうに疲れた。

こんなことを書くと笑う人もいるだろうけど
見限った最大の理由は「愛の欠如」です。
別な言い方をすれば「志の薄さ」。
そのことへの徹底した無自覚さ。それに尽きる。

ぼくたちが選べないのは血族と国家だけだと永いこと想ってきました。
誰から生まれ誰に育てられたのかというDNAがらみの「血族」はともかく
いまはもう「国家」は捨てることも選ぶこともできるよね。
ましてや「仕事」なぞ、継続しなければならない義務も理由も一切ない。

ではなぜ続けているのか?
どうして続けられているのか?

そんなことあらためて聞くんじゃねーよ、
という苦笑いが聞こえる気もするけどね。

おれには、そこが拠り所。
それだけが恥ずかしくても言わなければならないひと言です。
それは
「ここではないどこかに行きたい」ということです。
今日のぼくは、ここまでしか行けなくても
明日は少しでも今日とは違う自分と自分を取り巻く世界が開けている…
そう考えないと怖くて眠れなくなる。
33歳のときに妻に寄食していたのをやめて仕事をはじめてから
ずっとそのことだけを理由にやってきました。

オンゲームになったらホイッスルが聞こえるまで
走ることを止めたくないのに
このままだとゲームにならないんだよ。
自分とのことだけでなく
あっちもこっちも堤防が決壊しはじめて
二本の手ではそれを食い止められなくなってきた。
そのことに、厭きたよ。


SHは
実はだいぶ前から作品的には安定傾向にあり
ほんとうのところ不要なのは、僕自身のような気もしますので
……いなくなるのは僕自身かも知れないけどね。


気が向いたら
宇崎竜童の「夜霧のブルース」を聞いてください。
おれはこういう世界じゃないとダメなのよ。
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うとましいことすらうとましい
そういうことだ。ふきざらし。何が粋かよ、ではある。
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もう秋のようだな
ナレーション脱稿。想定していたよりも突っ込まず。構成を考えるとほとんど不要とも思えたので。添付送信し、外に出て冷たい茶を買った。熱帯夜というより晩夏の夜。風が乾いていて涼しかった。めんどうくせえなあ、と唐突な思いにかられ、公園のベンチでタバコを3本。怒りが持続しないのだ。どうでもいいじゃねえか、と囁く自分がすぐに顔を出す。放っておけばなるようになっていくのだから、そう言い出す自分がいる。怒りが20時間持続しただけでも稀なことではある。どんなオーダーも100%を前提にしてきたが、新宿についてのみ適当に応じていくことにきめた。
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どこか秋を思わせる夏日。
編集6時にアップし、その後、井口、古川を交え明日のMA打合せ。飯を食べてスタジオを後に。今日は30℃を越えたらしい。スタジオに顔を出した全員が暑い暑いといいながらどこか弾んでいた。梅雨明けとはいいながらパッとしない日が続いていたからな。井口などいちど帰りながら戻ってきていい夕暮れだから遊びに行こうと言っていたほど。ナレーション書きがなければつきあったところだ。9時前に蒲田に。シャワーを浴び、ナレーションにかかる。まあこんなところか、というところまで。一休みしたらブラッシュアップするつもり。イヤじゃない仕事とは、こんなものかもしれない。
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けつの穴
が小さいという言い方があるが、あれは言い得て妙。ま、あまりでかくてもクソがもれるか。バカらしくて寝そびれた。
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借り歌一首
潔くわが心境述べるならあかねさす夜ぬばたまの昼
               福島泰樹 風に献ずより


昂揚のあと、マンガのような針の時間が待ち受けていた。
搦め手しか使えぬ男ともう十年も付き合ってきたのかと考えると
これは、我が不明。
薄日さす時間がわずかにあった以外は曇天だったのに
あごの下と左のひじにサンバーン。水泡が出来ていた。
ローションを塗りながら、屑との十年を振りかえる。
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削除3件
湯治部メーリングから自分のアドレス3つを削除。
ひとはさまざまであるな、という思いあり。
あとはフェイドアウトを逃げ水のように。
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流れる水はとめられない
頭切り替え、なんとか資料を読みこもうとするがまったく入らず。水のように指ならぬ脳の隙間からこぼれ落ちていく。きのう、あんなすさまじい光景を一日中見ていたので、ま、仕方ねえよな、とため息ついてるうちに眠くなってきた。一時間、午睡し、素のままで新宿に行くことにする。
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23/25
7月1日のプランを書いたのは6月21日。7月4日-7日のプランを書いたのは6月23日。その夜、美瑛から奄美に変更。吹割りの滝下調べを決めたのは7月1日。滝の下見レポートを奄美で受け取ったのが7月6日。奄美を終わらせたのが、7月18日。dyneを終わらせたのが7月22日。7月25日のプランを書いたのはいつのことだったか。最終は7月23日。撮影のべ7日。編集のべ12日。MAVのべ4日。今日は7月25日夜。撮影&編集&MAVのべ23日間。これはけっこう激烈であったな。さらに7月は編集&MAVが2日控えている。たいした夏でもある。
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この場を借りて、一本締めといきます。
2005年 7月 26日 火曜日 1:40 AM

ましこです。

夏の名残の奈落越え、勝利しました。
あんな奔放な水のありようを、
まだ誰も見たことがない。
25日午前5時、雨 午後5時、雨
この12時間で、奈落を越えたよ。
あんな場所にクレーンを据えた特機部のくそ度胸と
そこまでして撮ることにこだわった撮影部と
奈落にサラウンドマイクを突っ込んだ突撃録音隊と
連続徹夜に目の下のクマを倍増させながら
無理難題に応えつづけた若き美術部の美青年若林君と
押し寄せる観光客の波を最後までもめることなく捌ききった制作部と
トイレもない120段余の急階段の現場にもかかわらず
笑顔でがんばった29歳と9歳の母娘と
ヤマユリをあのがんばっている母娘の手に飾らせたいという
ヒゲ男ワタナベの申し出にワタシは見なかったコトにしましょうと答えた
利根町役場教育委員会のお目付け役人の上州からっ風に育てられた大岡裁きと
降水確率、台風近接の予報をものともせず、
goの英断をくだした川田&相馬プロデューサーと
異常なまでの愛嬌とやけにでかい握り飯と魚肉ソーセージを届けてくれた
元美人の中年女将と番頭さんにも
愛をこめて感謝を捧げたい。
もちろん、はるか離れた奄美にあって7号の北上を抑えてくれた畏友にも深謝。

みなさんのわけのわからない情熱と遊び心の勝利です。
ニッポンの“夏の水”を、ゲットしました。
ありがとう。そして、おつかれさまでした。
この場を借りて、一本締めといきます。
いょぉっ!

2005.7.26 am1:30 T.M


<台風7号>大雨や暴風、高波、土砂災害に警戒を 気象庁 [ 07月25日 22時44分 ]

 大型の台風7号は25日午後9時現在、和歌山県・潮岬の南約390キロにあり、時速
約35キロで北へ進んでいる。26日夕から夜にかけ、東海から関東地方に上陸する可能
性が高い。気象庁は大雨や暴風、高波、土砂災害への警戒を呼び掛けている。

 中心気圧は980ヘクトパスカルで、最大風速30メートル。中心から東側190キロ以内
と西側110キロ以内では25メートル以上の暴風、東側750キロと西側560キロ以内で
は15メートル以上の強い風が吹いている。台風は勢力を維持しながら進み、風速25メー
トル以上の暴風域を伴ったまま上陸し、日本列島を北上する見込み。

 東日本に停滞する前線が活発化し、台風の外側の雨雲もかかるため、関東から四国
の広い範囲で大雨となる。27日午前0時までの雨量は多い所で▽東海地方500ミリ▽近畿、
関東甲信地方300〜400ミリ▽四国、北陸、東北200〜250ミリに達する見込み。関東以北
は27日にかけてさらに雨量が多くなる恐れがあるという。
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NHKは犯罪にはならないのか?
12階の非常階段を目を回しながら降り、しばらく道端でハアハアいいながらタクシーを待った。来ないので何度か待ち場所をチェンジ。やっとゲット。コンビニで買った茶のボトルをこぼさないように飲みながら高速に上がってもらう。アクアラインが閉鎖のため逆方向は品川先まで数珠繋ぎ。蒲田に着いてエレベーターボタンを押したがうんもスンもなし。停止。しかたなく階段。4階まで。途中でPCバッグを放り出したくなったが、なんとかドアまで。ニュースを見たら電車も道路もまだズタズタだった。5+でこうなら、まちがいなく東京は壊滅だろう。それにしてもNHK。速攻で対応せずに延々と大相撲流し続けたのは犯罪も同然。テレビで大相撲が流れている間、携帯は不通。ほとんど外国人ばかりで戦われる裸合戦見せてる場合じゃねえだろう。最近、速報度が急速に低下している気がする。たいへんだたいへんだとやかましいが、この国はしみじみダメだな。
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シリウスの道★★★★★
藤原伊織著/文芸春秋
久しぶりに読み終わった一冊。藤原はどれもつまらなかったが、これは傑作だった。余命が無いということだが、猥雑な内容にもかかわらず全編に渡って奇妙な透明感が漂い、凛とした世界となっている。
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十六夜のためらい
奄美土産の黒糖焼酎の水割り片手に灯を消したベッドに寝ころんで窓を全開にしカーテンを取っ払ってビルの間に昇った十六夜を眺めた。この部屋に越して5年近く経つがベッドに寝ころんで月が見えることをはじめて知った。ガキの頃、座敷に吊った蚊帳の中に近くでつかまえた蛍を放し、祖母と二人で月を見た記憶がある。団子があったかどうかは覚えていない。那須の片田舎の夏だった。いざよいは、古語で「ためらい」の意があるとか。ズバリすぎて、なんだかバカらしくなってきた。月見て晴れる程度の憂さだったのか。旅にいきてえなあ。
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俺を刺せ。
刃なくば言葉で。とどめを刺せ。
道端の青い花の向こうに海が見えた。
タバコ一本灰にするまで動けなかった。
真っ昼間の歩道の隅で
立ち尽くしたまま涙が止まらなくなった。
閉じるべきは夏などではなく
俺のこの生身ひとつだと、気づかされた。
とどめを、刺されたい。
千の剣で万越える刃で
カラダと記憶のすべてを粉砕しつくして欲しい。
どこか涯の海にその細片をまいて
三千世界のカラスどもに喰らわせてもらいたい。
疲れ果てて朝寝するおれの想い人たちの
せめてその夢に詫びるために。

http://homepage.mac.com/torum_3/love/iMovieTheater555.html
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撤退。
後退。退却。撤退。撤退。撤退。するほかに道はない。それがわかっているからじたばたしたのか。わかりたくなくて八倒してるのか。知ろうとして知ったら負けると気がついて知りたくはなし知るほかはなし、とかいうコトバを昔、真崎守が書いていた。月日が巡ってもおれはまだ変われない。ったくどう始末すればいいんだよ。脱却。忘却。
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消えてもいいな、もう。
編集中に、ドラマは最近何が面白いのか?
と聞かれ答えに困った。記憶をたどるとどれも一月は前のものばかり。正直に答えたら、渡辺が横から「本だったて読んでないもの」と。そうなのだ。気がつけばこの二週間ほどは、毎日が韓流ドラマのようにジェットコースター状態だった。体重が3キロ落ちただけでなく、きっとあれもこれもいろんなものがぼろぼろと落ちていったのだ。そして、ひとつだけ、残ったのだ。月を見ようと顔を上げたら倒れそうになった。たおれてもいいか、とわけのわからない思いにとらわれながら空を見上げた。それが2005年盛夏のおれの望月。どうしていいのかわからない。QuickTimemovieからとり出したAIFをエンドレスで聴きながら書いている。ああ、消えてもいいなあ、と思う。消えてしまいたいと思うのだ。
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ともすれば月澄む空にあくがるる
心の涯を知るよしもがな

ひさしぶりに、満月を見た。
カラダもたぶんココロもふらふらではあるが。
この目に収めた。
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夏ダカラコウナッタ?
くそのような仕事がかたついたので、極上至極の箱を開けたのは午前一時過ぎ。ゆうべ浜田から手渡されたものをはじめて取り込む。そしてDVDに。なんとも言い難し。これがあれば、当面敵なしだろう。焼き上がったらテレビで見て、それからひとねむりし、くそ仕事をこなしに出かける。優柔不断を絵に描いたような男相手に芸者となる。夏芸者。夏ダカラコウナッタ?
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きりのないひと
それにしてもこの際限のないこだわれとはいったいどこから来るのだろう。優等生はたいていバカだが、こいつもその類。どこまでやっても不安が止まらないのだ。たかがしれた話なのに思いきることができない困ったちゃん。おまえのために世界があるわけではないのだと、お百度踏んでるD通が諭してやれよ。
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Absolute Janisのsummertime4:44
メリッサ/クナイプにバニラエッセンスをボトル半分ぶっ込み水温を下げホテルボラボラを瞼に浮かべながら30分長風呂に。あがって黒糖焼酎の炭酸割りを一杯。ベッドに直行したら1時間過ぎていた。寝ても寝ても寝ても眠い。食欲はあいかわらずナシ。水蜜桃を二個、朝昼夕飯がわりに喰らう。あかりやさんにもらったハワイコナが少しだけのこっていたのを見つけたので慎重に一杯分だけ濃いヤツを淹れる。iTunesの夏からもんた&ブラザーズの「ダンシング・オールナイト」を引っ張ってきて∞にして約1時間。16回目のリピートに入るところだ。さてここからはあかりや提供のsummertime'02からAbsolute Janisのsummertime4:44の∞となる。
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たぶん頭だけで
10日間を生きていたのだ。嬉しさに歓びにひたりきれずに針のような時間だけが過ぎていく。広告屋として求められたことに応えるという芸者ぶりをよしとしてきたつもりだったが、破綻したよ。しかしどこから道を踏み違えたのか。6月23日の南展か、7月4日の奄美着か。つなぎはじめた7日深夜か。福島泰樹35周年の雨の吉祥寺か。18分に切りそろえた夜か。5分弱に詰めた朝か。この事態をこの事実を受け入れ収めきるためには、ちと時間がかかりそうだから、せめてせっせとクナイプの世話にでもなって温泉療法にいそしもう。おれは湯治部なのだから。
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Kathleen BattleのLovers
を起きてから65回聴いていることになる。iTunesによれば。この録音にピアノで山田さんが参加していたらしい。このあいだそんなことを録音のあい間に聞かされたことをいま思い出した。山田さんとは何の関係もなしに聴きはじめたのだが。映画もよかったが、この国の評判はイマイチのまま。でも遠くないうちに中国はアジアを席巻していくのだろうと思わせる出来だった。あれが中国映画ではなくアジア映画だと見るようになったら、きっと弐本も激変だろうな。くそ熱いのに胸の中に秋風だけが吹いていく。夏を閉じれば、ま、こんなものだろう。
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のちのおもいに
10日で3キロやせていた。贅肉3キロ分のこだわりがあの一本なのだと思うとおかしい。SHのナレーションを整理し添付で送る。やむをえずwordを使ったが、なんともなじめないワープロだ。こんなものを使っている広告屋がいることが信じられない。総退却!の旗をふりかざしたら、もう誰ももいなかった、そんな夢を見た。5mの旗竿抱えて聖橋まで走って終わった、あの情けない徒競走でも思い出したか。夢が終わったのなら目覚めるしかないだろう。ひとはひとの夢に触れることはできないのだから。あれもこれも放擲し、投げ出してやろうか。あれもまぼろし。これもまぼろし。すでにおれは髪を伸ばしたひとりの雲水。
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これが、極上至極である。
件名: [japanesque:00242] これが、極上至極である。
送信日時: 2005年 7月 19日 火曜日 1:29 PM
差出人: Toru Mashiko

ある水準を越えてしまうと正確な判断というのは、じつはとても難しくなることがあ
る。昨日、井口から再提案された曲に切り替えようと決めた瞬間、その懸念がかすか
によぎった。受け入れられなければ、作品丸ごと引き下げるから、とスタッフに言い
はしたものの。どこかでそれはねえだろうともタカをくくっていた。

もめているらしい、と聞き部屋に戻りながら、きたか、とは思ったが半信半疑いやま
さかな、とまだ思っていた。クライアントの西宮さんが哀願するような顔で目を伏せ
「音楽を代えてもらうわけにはいかないでしょうか」と切り出したとき、徹夜あけの
朦朧もあってか3秒くらい両目がブラックアウトした。腰から崩れそうになったと思っ
たとき誰かが背を支えてくれた。IPMの長山だったことは残念だったが。

「この時点ではこれ以上のものは考えられない。僕自身が予想していたことをはるか
に上回ったものであり、音楽は切り離すことができない。もし受け入れられないとい
うのであれば作品をお渡しすることはあきらめる」
という内容のことを、整然とではなくきっと悄然し蚊の鳴くような声で告げたはず。
しばしの間があり、電通の誰かが「電通としても最高の作品ができたと自負していま
す。どうかこれを社長試写していただきたい」と、これは強いはっきりした口調で切
り出した。その瞬間、鼻の奥が痛くてたまらなくなった。暗くて良かったからいいけ
ど。あの6月23日の夜にクライアントの前で殴り合いの寸前までいった電通マンからこ
んなコトバが飛び出てくるとは思ってもいなかったから。その後は、電通テックの川
田、田中両プロデューサーが必死となった。

ありがたいというより、行く末を考えていた。いまのおれは仕事の9割が電通がらみに
なっているから、ここで引かなければエキスポ超電導リニアの不始末と合わせ出入り
禁止になるのは当然。なにしろ持ち逃げ焼却のつもりだったから。さて、これからど
うするか。それだけを考えていたように思う。短い時間だったけどね。そういうとき
だけは頭が回るらしい。で、結論を出した。広告をやめる。食えなくても東京星菫
派=digital_Japanesque一本に賭けよう、そう結論した。せめて念願の「女鬼」はもの
にしよう、とね。もうみんな忘れてるかもしれないけど、あれがおれの発端だったか
ら。

そこまでたどり着いて顔を上げた瞬間に西宮さんと目が合った。西宮さんは泣きそう
な顔をしていた。そしてこう言った。

   「わかりました。neo花鳥風月行2005、納品してください。受領します。ただし、
    (ここから笑顔になった)うちも企業です。万が一販売上の理由でどうしても
    他の対応をしていただきたいと要請したときは聞いてくれますか」と。

これが、昨夜の顛末。
一夜明けて、おれの首は皮一枚で残り
うんざりしながら積水ハウスのナレーション原稿に取り組んでいる。
つまり、日常に戻った。いつもと何もかわらない時間に戻っている。

ひとつだけ、昨日と今日が違うとすれば
長い仕事歴のなかで、ゆうべおれははじめて現実に
受け入れられなければ渡さない、という態度を貫いたこと。
他人はしらず、おれは見た目と差があってジェントルだから
乱暴な言い方をすることはあっても乱を好まない。
おれの乱は10代の終わりに逮捕された時で終止符を打っているから。
ゆうべはひさしぶりにいや仕事の上ではじめてその禁を解こうとした。

   「粉砕あるのみ」

と、10代の頃にバカの一つ覚えで使っていたコトバを吐こうとした。
たぶん、いろいろなタイミングが10秒くらいズレていたら、怖かった。
おれはこのスィッチが無反応になるために20代の10年間を
何の仕事もせずにヒモとして暮らしていた。
スイッチはどこかに霧消していったのだと思い込んでいた。
でも、あったんだよなあ。すぐそこに。見なかっただけで
あそこにもここにもそっちにもゴロゴロ転がっていたんだよ。
気づいてしまったおれが、忘れていた日々と同じように
この日常を消費していけるのかどうかよくわからない。
ただ、みなさんにこうなったよ、ということを正直に伝えておきたい。
ちなみに、ぼくの辞書に「キレる」という語彙はありませんので。
若い頃からいまに至るまで「キレた」ことはいちどもありません。
仕事の場で大声上げたりしているのは、単なるハズミ。いつも5分で忘れてます。
10代のときの暴発は確信の末。あれはかくめいだと思っていたからね。

東京がいきなり梅雨明けとなった、この夏一回だけの三連休の最後の日。
六本木のあのMAVルームで起きたできごとの意味を書き残しておきたかった。

美瑛から奄美へという無節操とさえ言える大変更から三週間あまり
長いともあっという間とも思えるが、ま、速かったか。
映像も音も音楽も仕事の進め方も
微塵の心残りもないパーフェクトな仕事となったこと
関わったすべてのみなさんに感謝とともに報告しておきます。
益子透の仕事歴としては、最高のものが

  「極上至極」

な作品が誕生したことをお伝えしておきたい。
みなさんひとりひとりにとってもまた、
この作品が最上のものとなっていれば、言うことはありません。

まことに、たいへん、しみじみとおつかれさまでした。
どうかそれぞの場所で乾杯を。

    2005年7月19日十三夜 益子拝




PS長岡君
きのうスタジオのディレクター席の小さなスピーカーの上に忘れてきた
ブルーシーサー一組は、奄美から密輸してきたおれの守り神なので
確保し大切に保管しておいてください。オールスタッフの時に受け取ります。
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6回見て、6回泣いた。
まさかあんな音楽を用意してくるとは。最初の数十秒を聴かされた瞬間に、決めた。感じていた欠落を補って余りある旋律だった。6回見て、6回泣いた。ハマルという言い方があるが文字通りはまった。ショックですらあった。これが自分の可能性なのかどうか。不明。こんどの奄美行はいろいろな意味で運と人に恵まれたのだ。それにしても…
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身から出た鯖?
中崎タツヤのマンガをめくっているうちに30分は寝たか。芯が昂ぶっていて起きてしまった。はじめはSHへの怒りかと思ったが、そうではなく奄美越え仕上げへの興奮だと気づく。おれは要するに、この仕事を終わらせたくないのだろうな。できれば終わる時間から少しでも遠ざかりたい、そういうことなのではないか。この数日のブレは。あれもこれもそれもどれもかも、まだ続けたい…と発しているのだ。あの異常な熱気の中にまだこの身を漬けておきたくてしかたないのだ。まるで夏休みの終わるガキである。身から出た鯖。中崎も味なタイトルつけたものだ。シャワー浴びたら六本木K3へ。どうせ終わるならすべて見届けなくては。
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くだらねえ
そう呟きながらタクシーに乗り蒲田に着くまでいや部屋に戻ってもそう吐き続けた。無意味な砂あそびのようなゴミのような時間だけが残った。これは負のエネルギーが大きすぎる。ブラックホール状態となっていることにあらためて気づかされる。悲鳴を上げる寸前の山岡と福谷の顔を見ながらコトバが出なかった。おつかれ、とおざなりに言う以外に何がある。無意味さに疲弊しきったのは、このおれ自信じゃねえのか。くそったれ。1時間半だけ眠りを試すが、これだけ空転してたらたぶん眠れねえだろうなあ。
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まず南面の窓を塞ぐ。
いつまで引きずっていてもキリがないので“奄美越え=south paradise”は明日の完成を前に終了とする。それにしてもサスティナブルまだ終わらず。ほとんど持続不可能な段階に達しつつある。MAに向かう気力が残るかどうか、それすら心配になってきた。ココロよりカラダが持たない。泥沼というかシジフォスというか、航路決めずの船出は、やはりムリがあり過ぎるのだ。イヤだな、という生理が鎮められそうにない。旗かかげる気力すら皆無となった。エムプティ。お手上げ。うんざり。あれもこれも放り出しちまうかなあ。啖呵切っちまおうかなあ。拍手も喝采もどうでもいい。あきた。
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大島弓子
を久しぶりに。「夢」の資料にABCで大島弓子とモネを買ってきてもらう。今後、母娘用には、こっちが正解かな、とも。明日、MAのときに志賀さんと相談のこと。しかし、まとめて置いてあった大島マンガを処分して十年。なつかしいような照れ臭いような気分。拾い読みしたが、大島、やはり天才的だね。
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ともに喝采を
おもに、浜田さん、古川さん、しんちゃんへ

いまコトブキのK3スタジオから第2ビデオセンターに戻ったところ。

ステレオ仕上げとしての行方は見えたね。
明日は、文字通りの「奄美越え」。
奄美の音素材を配置しながら
奄美でもどこでもない根源としてのsouthに近づけばOK。
どこでもないpureな場所へ。

きみたちが奮闘している間に
ぼくは別件のCG編集をしていて、まだまだ終わりそうもないのですが
今日の時間を共にしたいと
山岡に見つからないように「奄美越えver.3」を2本つくっておいた。
先に家にたどり着いてたらビールでも片手に眺めてね。
「奄美越えver.3」aタイプ男と女篇
http://homepage.mac.com/mctokio/amamigoe/iMovieTheater733.html
「奄美越えver.3」bタイプ19の春篇
http://homepage.mac.com/mctokio/amamigoe/iMovieTheater732.html
個人的にはbタイプ19の春篇が好きだけどな。

では明日、K3で。
ともに喝采を浴びましょう。

      ましこ@六本木地下
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奄美越えたら奈落越え。
改訂版の編集で地下にいるが、ほとんどやることもないので滝ロケに集中。梅雨明けが来週中となったので、急きょ、内容のハードルを上げることにした。できれば奄美経由で絵はがきを投函と思ったが、日程的にギリなので美術に頼むことに。つかみのクレーンショット以外に、このイメージがうまく撮れれば、お釣りがでる。はず。
奄美越えたら、一気に吹割れの滝。奈落は撮るが、奈落に落ちず。
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00604もも郵便局から投函された絵はがきについて
件名: [yumekoujou:00604] もも郵便局から投函された絵はがきについて
送信日時: 2005年 7月 17日 日曜日 4:56 PM
差出人: Toru Mashiko

再び益子@六本木地下です。

美術チームへ。
時間がないので「絵はがき」をつくりたい。
内容は、
母親が取材で訪れた南の島で見つけた600年の生命樹に触発され
娘や近所のみんなで遊べるtreehouseを近くの雑木林につくりたいと考え
そのイメージを娘に伝えるためにビッグサイズの絵はがきを出す…
その絵はがきが、欲しい。
必要条件は、ガジュマルの樹にシンプルなtreehouseがつくられ
その周囲に、ゆうちゃん、もえか、カズヨシ、空良くんの4人が遊んでいる。
トムソーヤのゆかいな隠れ家のような絵。
その絵に添えられた短い文章。
(これは明日MAのときに日向さん自身に書いてもらいます。)
そして消印。できるだけ本物らしくつくってもらいたい。
消印のマークはヤシの木。ポストオフィスの名前は

  「もも-south paradise」

絵はがきそのものは奄美で手に入れた田中一村グッズを使います。
詳細はオールスタッフで。

   とりいそぎ T.M

Ps貝殻
なお、その絵はがきには小さな貝殻が貼り付けられています。
→奄美越えスタッフへ
ランナーズ・ハイのお姉さんからいただいた貝殻付きライターの供出を頼みます。
供出がゼロのときは、やむをえずぼくのを提供。
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00603滝ロケのラフスケッチ
件名: [yumekoujou:00603] 滝ロケのラフスケッチ
送信日時: 2005年 7月 17日 日曜日 3:18 PM
差出人: Toru Mashiko

益子@六本木地下です。

滝ロケ続報。
いま相馬Pと話し合い登場人物アリを決定しました。
プランは一両日中に送りますが、
第1に夏-秋篇の「記録と記憶」の追加シーンを撮ります。

以下はラフスケッチです。
みんなで行った夏休みのことをどんなふうにカタチにするか
絵本作家でもある母親が娘といっしょになってアイディアを練っている。
なんだ、そんなこと家でやればいいじゃん、と思うだろうけど
この母親はご承知のように、クリエーターなので
あまり常識にとらわれていないわけだから
夏の記憶を再現するなら「そりゃ夏ね」となっちゃう。
で、近くの水辺に娘と遊ぶ、そういう設定とします。

必要な材料は、だから大きめのスケッチブックと旅行の写真。
開かれたスケッチブックの左ページには母親自身が描いた分校シーン。
右ページには娘の描きかけの同じようなシーン。
左と右では当然IQレベルが100くらい違っています。
これは7月1日の美術・若林さんの仕事を見て思いついたこと。
内容については近日中に打合せましょう。
それと象牙色のフリルのついたやさしげな日傘。
これは、モネの睡蓮などを参照してください。

母と娘は、祖父がいるとはいえ
父親と遠く離れて暮らしている。
母親の性格もあり、明るく楽しい暮らしを営んではいるが
二人には本質的な欠落感とさみしさがある。
このさみしさが、隠し味。
たとえばワタクシが母娘と遠く離れた異郷の地で
日夜仕事に励むスーパービジネスマンだとする。
ふとしたときに脳裏浮かべ明日の元気の素があるとすれば
それはきっとこんなシーンだろうな、そんなつ2ショット。
原型としての母子像になれば、いい。
衣装については、少女マンガを参考にしてください。
明日、MAのときに見せますが大島弓子が描く夏の母娘です。
夏の夢のような1シーンとします。
離れて仕事する父親が、
我が妻と最愛の娘が、こんなふうだったらウレシイ、
そう感じられるような1カットね。
これは倉持さんたちとの相談になりますが
禁じ手の「紗」を使う可能性もあり。
「紗」の効果を「水しぶき」にする可能性も。
吹割りの特殊な水のフォルムは、それを可能にするかなとも思います。

さらにまったく異なるタイプの衣装に変えて
来年以降に使用する素材を撮ります。
「トムソーヤ作戦(仮題)」からみで使用予定のシーンです。
こちらは不思議な印象をたたえた水場で散歩しながら
母が娘に向かい大げさとも思える身ぶり手ぶりで
しきりに話しかけているイメージ。
母と娘の手にはオレンジと青のシーサーが一つずつ。
水しぶきをかぶった岩の上には大きめの赤いシーサーも。
母はあざやかなオレンジ色の衣装(ガジュマルドレス)。
娘はあざやかなブルーのワンピース。ただし水に映える青。
六百年を生きたガジュマルの樹の下で思いついた
近所の雑木林にツリーハウスをつくる計画を
まっさきに娘に話している。母親は絵本作家だから
その想像は常人をはるかに逸していて
(たとえば新月の夜に大きな満月が出ている話を描いたりするほどだ)
で、本人は興奮しているけど、娘はアゼンとしている
そんなふうに描きたい。

Dyneの編集中なので、まずここまで。
とりあえず思いつきですが検討材料としてください。













































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00602緊急連絡
件名: [yumekoujou:00602] 緊急連絡
送信日時: 2005年 7月 16日 土曜日 6:15 PM
差出人: Toru Mashiko

九州、四国と梅雨が明け関東も来週半ばという見込みがついたので
昨日、いったんは取りやめた夏ロケの登場人物シーンを復活します。
詳細は明日詰めますが、各スタッフともスタンバイよろしく。
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ただひとつの誤算。
だめだ。
気持ちは、冷め出すと一気だな、あいかわらず。dyneと夏夢、さらにサスティナブルが同時進行で待っているからいいようなもの、ほかになければ長期休暇モードになるところだった。south、なんとか切らさぬように戯れてはいるが、それもそろそろネタ切れ。スタッフを4日から7日までしかキープしていなくて、HDSRが使えて空いているスタジオは14、15日だけだった。プレスが21日。リハーサル、社内試写・発表、プリントと逆行させれば18日のMAはいわば掛け値なしのデッドエンドだった。もし長岡がエンコーダーを奄美に持っていかずにいつものペースで事が運ばれていたら、上がりはただの観光movieで終わっていた。羽田に戻ったその夜からかかれていなければ、まちがいなくたどり着けなかった。常よりも乱暴なコトバを使い空気を入れていったが、その過半はおれ自身を鼓舞したもの。テンションを上げる突破口に気づいたのは5日正午の海岸だった。自己催眠をかけるには青い海と緑のジャングル濃密過ぎる南の空気は最適でもあり、思い立ったら数分もいらなかった。そのハイを維持するために福島さんのコンサート往復もダシにした。奄美翌日の全島停電の知らせも役立てた。小さな不備を見つけれは棒ねじこんで広げ、古い友の一人の混乱をいけにえに緊張感を維持しようともした。あれもこれも使える手だてを使い尽くし15日の11時があった。南進に転じてわずか3週間。Vでは山岡を鞭打ち、Pでは井口を鞭打った。そして己の胸に偽薬をしこんだ。その薬が効き過ぎた。ということか。まいったな。これを誤算といえばいいのか。
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切ったり染めたり丸めたり
ひま盗んで脱け出し四谷のpureに髪を切りに。3ヶ月ぶりだ、よく伸ばしたねと笑われた。伸ばしたのではなく伸びたのだが。明るいうちに店から出て行くのははじめてだね、と言われたので飲み屋じゃあるまいし、と答えた。奄美行まえに行きたかったが、ま、軽くなった分だけ梅雨が明けたような気分になった。店に入る前に隣の本屋で藤原伊織の「シリウスの道」を買う。藤原はどれも中途半端でイマイチだったが、なんとなくよさそうな気配があったので。切ったり染めたり丸めたりしてもらいながら1/3ほど読んだ。ここまでのところ◎。ずいぶんひさしぶりに小説の文章を目にしたことになるな、とあらためて。
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15 日ウォーズ佳境へ。
件名: [japanesque:00240] 15 日ウォーズ佳境へ。
送信日時: 2005年 7月 16日 土曜日 2:10 AM
差出人: Toru Mashiko <mashiko@mars.dti.ne.jp>
宛先:東京星菫派 ほか

すまんが、ひと足お先に奄美を越えた。

新月の撮入から12日目の7月15日午後11時上弦の月、映像完成。
ツメの甘さがたたって最後はジタバタしましたが
あらためて通してみて、
われわれが現時点で成しうる、
ほぼ最良の仕事となったことを確認できた。
ここまでの仕上げ関係者に、そのことをまず伝えたい。

さらに、寸暇を惜しんでスタジオを訪れ
激励、あるいは自らの達した世界を確かめられた人たちに
まとめてお礼を申し上げたい。
みなさんが期待された通りの
素晴らしいdigital_Japanesqueが、今夜片肌を脱いだところです。

音楽の井口さん
最後に長岡ゆ古川と大ボリュームで試写してみました。
悔しいが正直に言うぞ。泣きそうになったよ。
これは、おれだけではないと思うけどね…
大ボリュームで2回、試写した。
昨夜から今朝にかけてのおれの混乱と不安は
たぶん、これで解消できるのだと思えた。
例によってのスロースタートぶりに
怒って見せはしたものの
とりあえず脱帽しておきます。
永い付き合いも伊達じゃねえよな、さすがに。

録音の古川さん、ミキサーの浜田さん
一歩も引くな、と言いましたが
この仕事は、すでにパーフェクトな勝ちが見えた。
ひとりひとりのsouth paradiseを
追求してくれればいい。
テイストについて断っておきたい。
あの下品な六本木ヒルズの影も無く
俳優座は劇場も映画館も灯がきらめいていて
WAVEがありシネ・ヴィバンがあり
青山ブックセンターがまだまとな本屋で
ときどきれいなあたりで打合せをしていた時代…
とはいえわずか数年前のことだけど。
あの頃の六本木のノリでいきましょう。

では17日には同じ六本木で積水ハウスの編集をしますが
はやく終わると思うので顔を出すつもりです。
まず、圧倒するステレオを。
余力があったら5.1としましょう。
目を閉じたら、
あの杜でクルマを降りた時の圧倒する濃密な
音のシャワー体験が鮮やかによみがえること。
湖のようにおだやかな波音と
東シナ海ならではの荒ぶる波音の差を明らかにすること。
生命樹・600年のいのちを持つ
ガジュマルに息吹を与えること。
以上がハードルです。

では、18日の大団円に向かってダッシュを!
おれは、くそして寝ます。
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2つの単語
混乱のたぶん原因が判明。押すべき落款を紛失したままだったこと。時間不足とはいいながら、これは我が不覚。気になっていたまま放置していて、最終的な機会に間にあわなかったことがすべてであった。盛り返そうとわずかにもがいたが、紳士的な抵抗の前に引き下がる。理は相手にある。それから、刈り込みだけは徹底。おれの匂いと色だけはしっかりとつけられた、そう思えたのが午後3時。それから5時間、役員試写の結果待ち。技術的な面での微調整をし、MA用完パケの上がったのが夜11時。southとparadiseだけでも、意図はこめられた。と思い切る。仕事としては申し分のない仕上がりとなった。はず。これから音素材の大整理に突入となる。
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午前三時わが鶏鳥はかん高く鳴くしめやかに人を想うに
このあいだのコンサートで買った福島さんのDVDを見る。みなさんあきれるほど若かったことをあらためて。最終日に撮った、真っ白いハイビスカスの大木。今日HDSRでつないだものを見ながら、ああこれをもっと撮っておけば良かったと後悔した。朝の光で、逆光で、夕日で、あるいは月光の下で。やわらかい南国の風になぶられてふわりふわりと揺れるあの緑の木陰の白い花を心置きなく撮っていたらよかったと後悔している。そして福島泰樹の「目を病みてひどく儚き日の暮れをきみは真白き花のごとしよ」一首を置いてみたかった。まだ若い日々の福島さんの短歌絶叫が背中越しに聴こえている。その叫びに重ねKathleen Battleの歌うlovers。奄美土産の黒糖焼酎「奄美の杜」を水道水で割ってなんとか鎮まりたいと願う。それにしても70年代はじめの福島さんの歌はなんと艶やかなのかとしみじみ思う。

  午前三時わが鶏鳥はかん高く鳴くしめやかに人を想うに
   「越冬は悲しからずや」より

  囁きてなにかは哀しまはろなる口先三寸先の耳朶
   「転調哀傷歌」より

  跪き人に詫びたることはなきみどりの涯にさやぐ海あれ
   「転調哀傷歌」より

これを読んだ20代から30代半ばまで12年間の無為徒食の頃。手に取るようにその甲斐なき日々のことが浮かぶ。

ま、いいじゃねえか。為す術もない。
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無為徒食。
この敗北感は、しかしどこから来るのか。つなぐ前までは全カット頭にたたき込んであった流れがもうたどれない。閉じた掌からざぶざぶと音たてて記憶したものが流れ落ちていく。濃密さが、霧消していた。もしかしたらカット繋ぎを選んでしまったことが失敗だったのか。映像はたしかに1カット1カットが鮮明になったが、そのあざやかさの分だけ、おれが奄美で重苦しくさせられた息苦しさ、胸迫る気配がもののみごとに消え去ってしまった。よくできた観光movie。そんなもののために、あれを閉じこれを無視してしのいできたのか。明るさが滅びの姿なら、ただのキレイさは醜悪ですらある。あるいはそんなものはじめから無かったのかもしれないが、意味が消えれば、ただのガラクタ。もうやることは、やりたいことはないのかもしれない。寝ていないまま挑んだ仕上げだが、脳のどこかが哮り狂って静まらず。ただひたすら、むなしい。くそのような12時間を過ごしてしまった。花鳥風月など、ただ花札の絵札じゃねえか。ここではないどこかとは、あんなノウテンキな総天然色ではありえめえ。準備を含め10余日。そのすべてが霧散した。
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6時過ぎには
ひとまずつなぎ終わった。試写したらもうひとしぼりしたいと思っていたが、関係ない部分のトラブルで5時間ロス。もう完全に炎が消えてしまっていた。あんな準備不足のおかげで、下がってしまったモチベーションは取りもどすべくもなく、いたずらに試写を繰り返し、今夜はアップ。数年ぶりのシンプルな撮影と荒編と本編集をしながら、最後は飯も食わずにスタジオを後にすることになった。これはもう終わりだ。行こうと思えばどこまでも行けることの確認ができただけで充分である。残る興味は古川の録った音を確かめることのみ。それ以外に興味ゼロ。長岡が最後までつきあってくれた。感謝したい。
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くず
何やってんだおれは。どこに行こうとしてたんだ。
あやうく見失うところだった。
唐突だが戦闘モード解除。
こんなものもうどうでもいい。
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あれから
4年か。
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経過8:ゆりいか。
送信:2005年 7月 14日 木曜日 1:18 AM

表参道で8時から9時まで福田さんに温暖化防止案の説明をし
タクシーに乗って川田さんに電話したらPDP2台と液晶1台をセッティング中だから
見に来ないかと言われ、新橋のヴェルトへ回る。
安井さんとは去年の花鳥風月以来一年ぶり。
編集室に入ると40インチを超えるディスプレイが3台横並び。壮観である。
異常な光景である。分配がうまくいかず10時過ぎになんとか2台がOKに。
残りは明日の解決にまわし、映像を出してもらった。
HD900のテスト撮影をした2001年8月5日舘岩村湯の花温泉で撮った
あの秘蔵の超月光シーンをはじめてHDSR経由のPDPで見た。
ユリイカ!である。
あの稜線から出た満月は光量が強すぎるので光の玉に見えるのだと
Hdarchive中にも思っていたのに、月の陰影があったんだよ。
ただしこれは第6世代purevisionのみ。パナソニックはまったく凡庸。
あの超満月は4年間、光の強さだけに驚いていたけど
HD900は、その綾の部分を描出できていた。
そのことを今夜のテストランで知った。
マスモニターでチェックしていく事にどんな意味があるのか
これは早急に解決すべき課題かも知れないね。
だってマスモニターで見えるのは強い光の玉だけだったから。
今夜は奄美素材を封印し、archiveでテスト。

パンドラの箱は、明日と明後日だけ開かれます。
HDで撮ったものをHDSRで編集しHD対応の最新PDPで見るのは
明日と明後日だけしかチャンスがありません。
スタジオは狭いですが、時間のあるスタッフは
ぜひ見ておく事をすすめます。


*********************************************************

「ないちゃだめ」
パンドラがとほうにくれていると、小さな声がしました。
「だいじょうぶよ、わたしがついているから」
声は箱の中からきこえます。
「あなたはだあれ?」
パンドラはおそるおそるたずねました。
「わたしは『きぼう』です。
人間が『わざわいに』まけないよう、
おてつだいをします。
くるしいとき、かなしいとき、こまったときは、
どうかわたしをよんでください。
わたしはいつも、あなたたちの心の中にいます」
パンドラは「きぼう」のおかげでげんきをとりもどし、
またエピメテウスとなかよくくらしはじめました。
「きぼう」はパンドラだけのものではありません。
わたしたちが、くるしいとき、かなしいとき、こまったときに、
くじけず、あきらめずにいきていけるのは、
心の中の「きぼう」が、なぐさめ、はげましてくれるからなのです。
ほら、ごらんなさい。
雪がふり、風がふきつける、寒い冬。
でも、春はもうそこまできているのです。

 歌野晶午「世界の終わり、あるいは始まり」
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経過7:e: うそつき
送信:2005年 7月 13日 水曜日 6:59 PM


>    昨日の荒編試写で、
>    「奄美、最高だよっ!
>     こんな一生懸命に編集してるの、初めてだよっ!」
>    と、漲るエネルギーを誇示してたじゃない。うそつき

君子豹変す、というじゃないか。おれの場合は益子豹変。
漲るものをすべて奄美越えに注ぎたい、ということ。
身を切る思いで口説いた相手が
覚悟を決めベッドに横たわり目を閉じてくれ
両腕さしのべて「だいて」といたわってくれている。


怠惰なネコと同じで目の前のタノシイことに釣られてしまうのだ。
ネコは豹の成れの果てだしな。

>  今回の映像には、“癒しの効果”があることを確認しました。

おれには過激効果成分が作用したらしい。
まったく癒されず、こころが猛るばかりです。
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経過6: 何も願わず何も語らず
送信:2005年 7月 13日 水曜日 3:05 PM

土俵に上がって仕切りにかかった男に
水かけるにしても、やり方があるだろう。
いったいいつからはじまった立ち会いだよ。
徳利かたてに桟敷気分か。

意を尽くすつもりで迷惑覚悟の長メール連打は
伊達や酔狂と思ったか。
算盤の先にも算盤しかないのならそこまで。

音楽は、いらない。
波音、鳥の声、杜を渡る風。蝉時雨。
あの島で圧倒され、
一瞬は全スタッフがぼう然と立ち尽くした
あの音だけでいこうじゃねえか。
古川、さらに余力を絞り出せ。
あの驚きを可能な限り引き出してくれ。
Webにアップした荒篇に追加するシーンは砂嵐のみだ。

38.5℃。
奄美熱は胸の中からはい出し
今日はカラダそのものに行きわたってくれている。

一首、著作権者に無断で引用。

  [何も願わず何も語らず我と我が貧しき夢と君のほかには]福島泰樹
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スタンバイOK
急きょはいったSHの打ち合せを表参道そばのプロダクションですまし帰りに電話したらヴェルトで3台のディスプレイの建て込み中だというので新橋に回る。1年ぶりに安井さんと顔を合わせる。セッティングは難航したが11時になんとか2台ずつ見られるところまでたどりつく。川田さんに送ってもらい蒲田へ。SHはとどこおりなく推移した事だし、明日からは祭だ。すこし眠っておきたいが、この興奮だ、それも難しい。
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ザックばらんと放り出す。
書きあぐねて5時間。なんだか奄美で食べたというかほとんど食べなかった「のこぎり鯛」の小骨がカラダのあっちこっちに突き刺さっているような落ち着かない気分だったが、ひさしぶりにスーパーSOUMAmovieをながめているうちに解決。ただ、眠くなってきた。そんなわけで明日だ、あした。今日出来ることは明日に回し、明日やるべきことは明後日に先送り、ということで落着とする。たった7文字で気が晴れていれば世話もない。
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経過5 伏してお願い
7.12pm5:30 to東京星菫派
とりあえずそれぞれの場所で盃をあげてください。前祝いだ。
希望は、すべて満たされた。乾杯である。

18日前の24日に、長岡と古川を相手に
総引き上げ覚悟のパスタを腹にいれながら
「この世のものとは思えない風景だった」という
古川の奄美体験を耳にした瞬間に
行ったことのない奄美の光りと風が見えた気がした。
そして北を捨て、南が決まった。つまり、奄美が。
トラブルの事後処理で2時間遅れた
電通テックの田中さんと川田さんが
その反転話を聞いたとき、
目が丸く口が小さく開いたことを
はっきりと覚えている。
羽田から駆けつけた渡辺のロケハン報告もあり
田中さんも川田さんも腹をくくってくれたことも見て取れた。

最終的に奄美行きが決まったのが29日夜9時少し前。
その30分前には長岡と中止の相談をしていた。

そこからは一気だったな。
ハードルを上げ、奄美を撮りきり
その色にカタチを与えた。
このカタチをベストなものとするため
このあと本編集、MAVとハードルをさらに上げていく。

今夜以後、18日まで
仕上げに関わる予定の全スタッフにお願いしたい。
HD900で撮ったものをHDSRで仕上げ
HDカムで再生したものをHD対応purevision第6世代で上映する
というdigitalkidsを自認する湯治部はじまていらいの仕事となる。はず。

どうか持てる才能のすべてを出し切っていただきたい。
仕事を越えた仕事をしていただきたい。
あなたたちの可能性をさらけ出していただきたい。
旗印はただひとつ。6.23付けの企画書である。
http://homepage.mac.com/y_natsu/pioneer2005/FileSharing470.html
パスワード2005
この趣旨をただの一歩も踏み外すことなく、ここまできた。
色をカタチにし、世界観を据えた。
あとはあなたたちである。
仕上げに関わるすべてのあなたたちが
このカタチに、いのちの息吹を吹き込んでくれたらと思います。
吐息とため息をひきずりだしてもらえたらと願います。
総タイトルは「neo花鳥風月行2005」
サブタイトルは「south paradise」。
東京星菫派digitalJapanesqueseriesの今現在の集大成。

なお、仕事以上の対応は難しいという方は
マシコか川田さんまでプライベートメールで断りをください。
同報だと、志気にかかわるので。
今後の仕事とは、いっさい関係ないので遠慮は無用です。


ワタクシはこれから仮眠し、明日の午後まで
別件の原稿に集中しますが、それ以降
明日13日夕から18日の完成まで全時間を投入します。
質問、文句、愚痴、提案…
どんなことでもどこへでも
朝でも昼でも夜でも真夜中でも
喜んで飛んでいく。
ただし、直接あるいは川田さんから伝えられた方針は不変。
仕上げ段階には伝統の民主主義的解決は中断します。
お伝えしたイメージだけを守り、近づけてください。


終わったらロケスタッフもふくめ
湯治部/東京星菫派発足以来はじめての打ち上げをします。
このあいだ、土産に買ってきた黒糖焼酎「奄美の杜/黒の曙」が
まだ6割くらい残っているので
こいつを人数分で割ったディレクターズロックをふるまいたい。
ひとりあたま8mmずつくらいは行きわたるはず。
往復5時間かけた汗と涙の黒糖かりんとうもひとり一本は残っている。
どうかな?やかな?

向こう1週間、前進あるのみ。突破あるのみ、だ。
では、第二陣の戦闘を開始します。

ま、よろしくたのむぜ。

    2005.7.12 pm5:30 愛がすべてだ T.M
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経過4Re: パラダイス、である。
Re: [japanesque:00230] パラダイス、である。

深夜モードを通り越して夜が明けてしまった。
荒編したものをDVDに落とし、
たったいまテレビで見たところ。
「イヤイヤ詰めた」と、
さっき書いたが、豹変した。
取り消しておきたい。
あっちもいいが、こっちはもっといい。

「極上至極な楽」と企画書に書いたが
south paradiseは、そのままの一本となった。
ある日、流れる雲を見上げ
ここではないどこかへ…
と思い立った男あるいは女が向うのは
あふれるような生命力がみなぎる南、である。はず。

なぜなら、つかれたいのちは
いのちによってなぐさめられ
励まされるほかないのだから。

で、男あるいは女は、南へ向う。
そして46億年と出会うのだ。
それは水と樹木。
いいかえれば細胞の源と酸素の供給源。
この二つが可能な限りあるべき姿で
つまりpureな状態で維持されている場所。
ひとは、水でできている。
いや、はるか昔、彗星によって運ばれた水の粒子が
この過剰なほどいのちあふれる星の起源だったという。
奄美をひらけば「あまみ」。天の水と読めるから
というのはちと強引だけどね。
あそこには本質的に
つかれたいのちを慰謝してくれる
濃密でpureなものがあるのだと思う。

雲を見て南に誘われた
男あるいは女=わたしあるいはあなた=わたしたちは
そのsouthで水と空気と樹木にふれることで
もしかしたら女あるいは男に出会うことで
自分の中に秘められた可能性=想像力=夢見る力と
いつか再会することになる。はずです。そうなればいい…

5分足らずで、と思っていたが
見直して、そういうことが暗喩できている、
と感じられた。

おとなしい感じの真っ白な服をまとって南に向った
男あるいは女は やがて
あざやかなオレンジ色の服を着たもうひとりの自分と出会う。
その赤い服をまとって南で過ごすのは、いわば夢の時間。
太古の家=夢の跡を目にし
あざやかな花=生きている夢を手にし
息苦しいほどオゾンが充満した森=明日の夢に遊び
すべてのいのちの源となった海辺で再び真っ白な服に戻る。
しかしその服は潮風にあおられ荒布のようにはためいている。
風に布をなびかせて、男あるいは女は昂然と顔を上げて
波うちぎわを歩いていく。帰るべき場所に向っていく。
目を上げた先には巨大なオレンジ色の夕日が燃えている。

慰謝と再生。
これが極上至極なリゾートライフの本質であります。
疲れていることを自覚できようとできなかろうと
ひとは根源的に、なぐさめられ力づけられることを望みます。
生きていることは愉しいことだ、と囁かれます。
南に向うとは、そういうことなんだね。
だってひとは南からやって来たのだから。

さて、なんでPDPなんだ?
ま、いいじゃん。
South paradiseをpurevisionで見たら
そりゃ一目瞭然。眼からウロコだもの。
south paradise7.12
http://homepage.mac.com/mctokio/amami05/iMovieTheater729.html
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プレゼンまでにひとねむりしておきたいので
今朝は、ここまで。
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経過3 パラダイス
件名: [japanesque:00230] パラダイス
送信日時: 2005年 7月 12日 火曜日 4:11 AM
差出人: Toru Mashiko

いやいや詰めて4分30秒。
音は、まったくのダミー。
あれだけの音がとれているのであえてカメラマイク音は捨て
口頭で説明することにしました。
音楽は仮のものですが、企画で提案したものの近似値です。
Serenade/ The Eccentric Operaより20秒カットで使用。

明日のプレゼン用のDVDをセットしたら
きゅうにモチが食べたくなり
コンビニで月潟村産杵つきこがね餅
というスゴイ名前の切り餅を買ってきた。
こいつをかじりながらDVDの上がりを待つ…

今夜は11日の夜。
奄美と東京1300kmの七夕を体験した日から
まだ4日間しか経っていない。
なのにもう、一年が過ぎてしまったような思いあり。

Neo花鳥風月行2005の荒篇タイトルは

  south paradise

と、しました。 
明日がぶじに経過することを、乞うご期待。


      愛をこめて。 T.M
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経過2まず、試写をしました。
件名: まず、試写をしました。
送信日時: 2005年 7月 11日 月曜日 5:14 AM
差出人: Toru Mashiko <mashiko@mars.dti.ne.jp>

ましこです。

焼き上がった初号DVD/文字通りのディレクターズカットを
スタンバイ中に汚れを拭っておいたSONYに挿入。
いきなり流れてきたのがサティスファクション。
オレンジ色のドレスに耳に白い花を挿したひなたさんの隣で
俺がアロハ姿で脳天気にVサインを出して笑っている。
タイトルが「neo花鳥風月2005」。サブメニューは2つ。
20分ぶっ通しの「south7.4-7.7」と撮影日ごとの「シークエンス別」。
「シークエンス別」をクリックすると4日分の日付別「スクラップブック」メニューへ。
曲はsummertimeその1/もちろんあかりやこと菱沼さん提供のやつ。
さらにそれぞれの日付に進むとさらにそれぞれ異なるsummertimeが。
なお、(これが問題なのだが)、各メニューには
渡辺やひなたさん倉持さんがスナップした
スタッフたちの撮影風景写真が数点ずつ入っている。
なんというか、その写真の雰囲気というのが
仕事のキビシサとか辛さがまったく感じられないんだよな。
クラクラするほどアツかったし、息苦しいくらい湿度も高かった。はず。
なのに、遊び半分としか思えないようなスナップばかりだ。
さっきから3回通して見たけど、3回とも笑った。
そしていくらか不安にもなってきた。

にも関わらず、だ。
ワタシハ声を大にして奄美の中心に向かって叫びたい。
いいです。ものすごくいいです。
DVにダウンサイズしてこれだから
HDSRでつないでHDダイレクトで50インチpurevisionで見たら
魂わしづかみ間違いないっ!
古川さんの「元祖天城越え」にも負けない。

だから一生懸命焼いて配るからね。
奄美のあの過酷で過激で濃密すぎる4日間を共にされた人全員に
たぶん仕上げるものよりは数倍できのいいはずの
この撮影順に並べただけのOKシーン集をお配りいたします。
いらねえよと言われても渡すのでよろしく。

まったく個人的な事情で
奄美以来ハイになってはいますが、
掛け値なしの素晴らしくたのしい撮影の成果が
はっきりと見えてきたことをお伝えしたかった。


とりあえず長岡さん、古川さん
明日夜7時に六本木コトブキ5階のMAルームにJVCの録音で入ります。
よかったら「れん」でメンチ定食でも食べながら仕上げのツメをしませんか。
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経過1飛ぶ鳥も遠くの空に向かうゆえ
件名: 飛ぶ鳥も遠くの空に向かうゆえ
送信日時: 2005年 7月 11日 月曜日 1:17 AM
差出人: Toru Mashiko <mashiko@mars.dti.ne.jp>

4日間16シークエンスのOK出しが終わり
それぞれを撮影順にウエブにアップ。
一本にまとめたものを「south7.4-7.7」のタイトルで
最後にアップしてあります。
http://homepage.mac.com/mctokio/amami05/iMovieTheater728.html
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「やればできるじゃねえか」と
まずは自分に乾杯。
グラスの中身はもちろん、れいの黒糖焼酎。
水でかなり薄めてはあるが、これも酒だ。
みんなもう寝ているとは思いますが
気分がいいので南面の窓を開け放ち
遥か奄美に向かってグラスを鳴らします。

昨夜、時間を盗んで聴きに行った福島泰樹の短歌に

  「飛ぶ鳥も遠くの空に向かうゆえ一生一緒に居てくださいな」

という一首がある。
今夜は、誰彼となく肩抱きながら
そんな歌を聴いてみたい。

で、いきなりですが
勝利宣言とします。
仕上げ前なのに何を言うか、と言われそうだが
この先の展開は、見えたので。

そんなわけで
いま胸に浮かぶのは「吹割りの滝」。
滝底に突っ込んだカメラがせり上がって
世界を見晴らす、という
まだ誰も試みたことのないカメラワークこそが待ち遠しい。
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奄美には七夕までいたのだ。
焼きあがったたDVDをテレビで見た。OK出しどころか作品になっていた。深夜でもあり、たぶんハイになっていることを割り引いたにしても、じつに力の漲った凛々しいものとなっていた。あの濃密な奄美が、みたことのない極上の「ここではないどこか」となっていた。涙がこぼれた。美瑛から一気に南転して奄美に決めたあのイタ飯屋の夜はとうぶん忘れない時間となりそうだ。長岡と古川の二人に心から感謝したい。あのまま路上で別れずに苛立っていたおれに最後まで付き合ってくれた二人とのあのやりとりが無かったら、美瑛も奄美も消えていた。みの舞い上がるような達成感のカケラさえ存在し得なかったのだ。その二人が同期だというのが、なんだかおかしいが。6日の夜に倉持さんが遊びで撮った長岡の目の表情を見たとき、ああこいつはいい被写体になるなと思った。酒宴の後にも関わらず、冴え冴えとした涼しさをたたえていたから。
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恋に落ちたか。
全17シークエンスに切り分ける。4時間眠って熱いシャワーとあかりやさん提供のハワイコナで強引に目をこじ開けた。途中、蕎麦をたぐったのとタバコを仕入れに行った20分の休憩以外は12時間ずっとつなぎっぱなし。ケツが痛い。腰も痛い。ノドも痛い。が、なんともしみじみとよい気分だ。最後に18分を一本に並べ「south」とタイトルを入れ、webにup。いやup中。あいまにこれを書いている。目の前に黒糖焼酎「奄美の杜」。スタッフと同じ土産の一本。upが終わり、DVDに焼きはじめたら、こいつで頭をほぐすのだ。積水ハウスの編集中にも胸の底で奄美をつないでいたことを考えると。短い睡眠と福島泰樹コンサートの往復以外は、全時間を奄美の素材を見ることに使ったことになる。7日に帰京した夜、勢いあまってつないだ一本もさっきまとめなおしたから、30時間以上、わずか3本の素材を凝視していたことにもなる。恋に落ちた青年のような熱狂だった。われながら、狂おしい3日間となった。
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白いハイビスカス
雨は過ぎた。森を2本とガジュマルの樹などをつないだ。目がかすんできたのでここまでとする。水はフックだけにしてアマミだけでまとめたほうがいいような気がする。ひさしぶりにdeepforestを仮あて。奄美の杜の緑とオレンジ色がとてもよく合っていて気持ちいい。これに海と白、花などがあれば二重丸。菱沼さんが教えてくれたが白いハイビスカスは奄美だけに咲いているのだとか。今朝は、そのハイビスカスの大樹の夢でも見ながら眠ろう。

ひさしぶりに福島さんたちのエネルギーに触れたせいか、奄美の重さがすこし中和された気もする。
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問われて名乗るもおこがましいが…
「問われて名乗るもおこがましいが…」

  ロケ翌日は激しい雷雨。
  奄美北部に大雨洪水警報が発令。
  落雷で3万8千戸停電、空の便21便欠航。

  奄美越え御一行様、
  強運も味方に付けていたようです。。。

   by Katsuki_Oki | 2005-07-09 11:46
  http://amami.exblog.jp/


東京もまた、豪雨。いちど昼に目覚めたが水を一杯飲んでベッドにリターン。2時間爆睡。熱いシャワーで目を覚まし福島さんに連絡するがリハーサル中でつながらず。ギリギリまで奄美素材にとりかかる。4日の原生林をつなぎ、「日本の野鳥大全集5/奄美篇」のリュウキュウアカショウピンの鳴声を小さく添えてみる。さらに景気付けにDeepForest/Essence Of Deep Forestをあて、webにアップしたところで6時。満席でも顔だけ出すことにし、連絡のとれぬまま吉祥寺STAR PINE'S CAFEに向った。雨で大渋滞の首都高を出たり入ったりしながら着いたのが8時。第1部のラストがはじまる寸前だった。休憩中に照明の菱沼さんとばったり。淡路町で仕入れてきたという「やなか珈琲店」のハワイコナをくれた。南蛮屋が台風のせいで当分の間販売中止になったばかりだったので嬉しかった。お礼に福島さんのDVD「遥かなる友へ」を贈る。二階に移り桟敷席をゲット。第2部の皮切りは東京星菫派音楽顧問の菊池さんの「月光」から。
ピアノの永畑雅人さん、パーカッションの石塚俊明さんに加え、ギターに元頭脳警察の勝呂和夫さん。菊池さんの笛の月光ソロは、昨秋のprivate版「月光」に無断借用したので耳に馴染んでいたが、
http://homepage.mac.com/mctokio/amami05/iMovieTheater592.html
このメンバーにさらに福島さんのあの絶叫が加わったのだ、参ったよ。涙がにじんだと思ったら、止まらなくなった。隣のお姉ちゃんが何度も顔をのぞき込んだくらいで、次の「振り向けば美しい無念が見える」で頂点に。-短歌絶叫35周年記念(寺山修司追悼)コンサート「望郷」-なのだからムリもないが、みなさんひたすらホットだった。
あふれる涙に鼻水が加わり顔の方はとんでもないことになりつつあったが、かまう余裕もなく、桟敷から身を乗り出して手を叩いていた。隣のお姉ちゃんはきっと怖かったろうと思う。いい歳した中年がフローズンダイキリとタバコ両手に身を乗り出して涙と鼻水でぐしゃぐしゃになりながら「よしっ!」とか「意義なしっ!」なんて呟いているのだから…。咽を痛めていると渡辺から聞いていたが、福島泰樹の大音声は変わりなくむしろ野太さを増しているようにさえ感じた。はじめて彼の絶叫を録ったサウンドシティのミキシングルームで今はフリーになったミキサー内山祐次が絶叫のために針が動かなくなってしまったメーターを見つめながら声を失ったこと、
http://homepage.mac.com/torum_3/r1118/iMovieTheater299.html
いまは役員となって現場を離れた三上信一がTSPの地下MAルームで何度キューを押しても歌い止まずに長いスタッフロールの最後の一行まで絶叫し続ける福島さんのいるアナブースを見ながらあきらめの笑みを浮かべた、その頃のままだった。
http://homepage.mac.com/torum_3/r1118/iMovieTheater151.html

楽屋に顔を出し、石塚さん、永畑さんに挨拶。生きてて良かったなどと妙な励ましあいのあと、奄美から帰ったばかりだというと、彼らも演奏で行ったらしく、石塚さんが「気に入ったのなら奄美でいっしょに暮らそうか」と笑った。大酒飲みで手当たり次第に叩いて音にするような元頭脳警察と一緒にあのディープな奄美で過ごすと想像したら膝が抜けそうになったが。菊池さんと福島さんに、渡辺用に持って帰った黒糖焼酎「奄美の杜」を手渡し、土砂降りの地上に出た。細胞の一つ一つにしみ込んで妖しい気配を醸し出していた奄美が、今様白波五人男の絶叫と演奏に触れることで、なんとか溶暗していくように感じた。菱沼さんにいただいたハワイコナと島の反対側まで往復5時間かけて行き手に入れてくれた田原製菓の「黒糖かりんとう」を口中に、さて、「奄美ごえ」の続きをつなぐ。
http://homepage.mac.com/mctokio/amami05/iMovieTheater711.html
パスワード2005
に暫時アップ予定。
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奄美は、濃い。そしてわけもなく深い。
4時前まで18時間編集。六本木の地下から外に出たら霧雨。ひんやりとした朝になっていた。まだ奄美の空気がカラダに張り付いている感じ。南は、濃密だからなのか、疲れるが後を引く。わずか4日にも関わらず、このありさまだ。あと10日も居続けたら、もう帰らなくてもいい…と思ってしまいそうなあやうさあり。島の旺盛な生命力に根源的なものを吸い取られていく、そんなようにも思える。やさしい、というよりむしろ猛々しい力。その力に飲み込まれていくようなイメージ。タヒチとも西表ともハワイとも異なる何か。興さんが帰り際にくれた黒糖焼酎のせいか、やっと見ることがかなったほんものの田中一村の残像か。美瑛行なら、まずこんなことはなかったはず。どこかあり得ない場所に沈められていた感情にスイッチが入ってしまった気分とでも言えばいいか。奄美は、濃い。そしてわけもなく深い。羽田に降りてすでに33時間近く経っているにも関わらず、混迷はいっこうに止まず。しゃれではなく、“奄美越え”するほかに術が無い。口惜しいほどだ。
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きみは真白き花のごとしよ
昼過ぎにスタジオへ。SH/Dの編集日程順延に。すこしホッとしつつ奄美ごえ中の変更をつかもうとするも、珍しくマシーントラブルで2時間程度中断ということに。助かった。福島さんからメールが来ていて明日吉祥寺で35周年コンサートがあるとのこと。菊池さん、永畑さん、石塚さんとフルメンバーに加え、ギターに元頭脳警察の勝呂和夫さんも来るらしい。場所は吉祥寺「STAR PINE`S CAFE」(電話0422-23-2251)。万難クリアし、行かなくては。それにしても福島さんのお知らせはいつも直前なので焦る。昨日、奄美の大島紬村の庭に咲いた真っ白いハイビスカスの樹を撮りながら彼の“目を病みてひどくはかなき日の暮れをきみは真白き花のごとしよ”という歌を想いだしていた。ま、それが縁だ。
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帰路の岐路
奄美から生還。
と書くのがやはり似合っている。
撮影は、大成功。

しかし、コトバだけが空転していった。
帰路の機内で目を閉じたまま2時間。
夜の羽田は洞のように空虚だった。
スタッフと挨拶することもなくタクシー乗り場に。
疲労と迷いとが、せめぎあった。

あの熱気と湿度。

あれは望郷の島なのだ。きっと。
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neo花鳥風月行2005
もろもろスタンバイOK。東京は予報通り雨足が強くなった。奄美の明日は33℃快晴という予報だと現地の興さんからメール。HDからのエンコード用はわたなべが70Gを用意。朝、銀行の処理をしたら羽田へ。夕方には奄美の海を撮っていることになる。neo花鳥風月行2005。明日から4日間の極楽である。
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古河を荒編。
一日の素材を整理。とてもいい感じだったので、奄美から帰ってまとめようと考えていた5分版の荒編集にかかる。あと1分か、と思いつつwebにあげ、DVDに落とした。このパターンは、リアリティが濃くなってかなり楽しめそうだ。
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桃★★★★★マ、ン、ゾ、ク。
姫野カオルコ著/角川書店

「六人は過去の同じできごとについて語っているのに、同じできごとではない雰囲気になる。六人それぞれ、通過した時間が違うのです。その人が存在していること。その人がなにかを感じること、思うこと、変化すること。その人はその人の時間を歩いてゆく。町でゴシップが流れた、それから後あるいは前、その町に住んでいた六人はどんな時間を歩いていたか。それを描出すると、時間というものが人によっていかに異なるか、いかに多様かが浮き上がってきます。どこにでもいるような人間、などといった言い方がありますが、しかし、人間はひとりひとりその人にしかない個性で時間のなかを生きている…」あとがきより引用

長編“ツ、イ、ラ、ク”と合わせ鏡となった六編の小説。姫野自身は、独立して成立しているのだとことわっていて、その通りではあるのだが、合わせて読むと、とても深く濃密。“ツ、イ、ラ、ク”以降の姫野は、突出した作家になったと、しみじみ実感。マ、ン、ゾ、クである。秘めやかであることこそが、輝かしい。お見事!
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