2007年03月の記事


am9:40やっとつなぎ終わった、
目の前の仕事と無関係だけど、さよならで結んだメールを一通、いま出したところ。深い意味もとりたててわけがあるのでもない。何かを代償にしないと長い一日にとても終止符を打てそうもない。地下から階段を上がり、タクシーをつかまえて六本木から帰り着くことができるかどうか、それすらも不安。なんというくだらない無意味な時間を過ごしてしまったのか。今月、一日も休んでいないことに気づく。単なるバカだな。おれは。
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春三月が暮れていく。
雨。まだ地下スタジオ。途中で福谷青年、発熱ダウンし退場。山岡独りでイスを移動させながら奮闘。最後は意地で過ぎた。一時近くに、クライアントと代理店を送り出し、閉じそうになる瞼を指で押さえ、額と首に冷えピタを重ね貼りし、顔を冷水で30回は洗い、一日で台本を2稿書き、口立てで編集を続けた。心かきたてるものが何一つない内容にもかかわらず、手を抜く個所は皆無だった。なぜモチベーションが持続できたのか。皆目不明。モチベーションが存在していたのかも、また不明だが。ひとつだけ思いあたることがあるとすれば、去年三月の末から徒手空拳ではじめたJapanesque・étude100に使った時間。水と月と風と海とだけに魅入られて過ごした独りだけの無為とも言える時間が、おれの何かを細胞ごと変えてしまったのかも知れない。そんな思いも、ある。他者と過ごしながら、自分の周りに透明な水の膜ができていることに気づかされる、そういう感覚もある。怒っても、気がつけば怒りが砂のようにこぼれていくのが見える。人と接しながら、人から遠ざかっていく自分を意識できる。
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♪夢の四馬路か ホンキュの街か
部屋に戻って。風呂にお湯をいれながら宇崎の夜霧のブルースをリピート。ささくれた気分がすこしだけ溶けた。カルシウムを定量の5倍摂る。われにかえれば、なぜこんなものつくらされる羽目になっのか、我が不徳、と言う他にない。

1 青い夜霧に 灯影が紅い
  どうせ俺らは ひとりもの
  夢の四馬路か ホンキュの街か
  ああ 波の音にも 血が騒ぐ


2 可愛いあの娘が 夜霧の中へ
  投げた涙の リラの花
  何も言わぬが 笑って見せる
  ああ これが男と いうものさ


3 花のホールで 踊っちゃいても
  春を待たない エトランゼ
  男同志の 合々傘で
  ああ 嵐呼ぶよな 夜が更ける

       作詩 島田磬也  作曲 大久保徳二郎  昭和22年
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(゚〇゚;)(¥_¥)
ま、そんなところで今夜が過ぎた。
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バーンアウト?
自分がキレたと自覚しながらコトバを発したのは、たぶん今日がはじめて。地下で。階段で。地上で。誰彼かまわず怒りまくった。仕上げたテープを持っていくというから、この場でハサミをいれるとはねつけた。いやなら1億、持ってこいとも。これじゃヤクザだと思いながら、いやおれは元カゲキ派だったかと妙な納得。そこで怒りが減衰。どうでもいいようなチンドンヤ仕事じゃねえか、と囁く声が聴こえてしまった。out。キレたと思った自分が、余韻だけを引きずって笑みを浮かべていた。燃えつきたい、と痛切に思った。燃えつきるためには、火がついていなければ、と切々と思った。六本木TSP地下スタジオ。午後2時半。首都は桜がいっせいに咲いている。春、らんまんである。
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行き違い
広尾と蒲田、あかりやさんと行き違う。
夕がたまでにアップするはずだったが7時には東京に戻れるというクライアントと代理店を待つことに。待ちながらDVDを十枚。拍手。近くのそば屋に行き、相馬、武田、渡辺の4人で山菜天ぷらと高遠せいろで乾杯。別れてから有栖川公園前のカフェでコーヒー。店に入るのも面倒なのでテラスで。春なのに落ち葉が風音をたてていた。カラダじゅうの細胞が、つかれた、と悲鳴を上げているような気分だった。蒲田に着いたら、雨。
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白昼に夢を見た
病院に行き戻って横になり一時間ほどまどろんだ。どこか地方の古い民家のある場所で、古河のキャストたちを撮っていた。モニターを見ながら激情に駆られる自分がいた。着ているものを近くを流れる川に投げ捨て、ひとり怒りまくっていた。キャストに向って、やめて帰れと怒鳴りつづけていた。NaやKuになだめられながらも怒りが収まらなかった。目覚めてもすごくリアルな感覚が残っていて気分の悪さもまた生々しかった。夕べ、編集室で目にした一枚のスチールが原因としか思えない。それはオーディションで手渡されたら真っ先にゴミ箱行きになるようなひどい出来の写真だった。スチールは、一瞬。動きの中では見逃されてしまうことも、残酷に暴き出されてしまうことがある。留められたその一瞬は、なんともおぞましいほどに病的なニュアンスに満ちていた。カメラマンの腕の悪さとヘアメイクの趣味の悪さを差し引いても、対象物の底なしの弱さは埋まらない。使う気を根底から拭わせる、素材の質の低さが際立っていた。これ以後、古河からどうやって外していくか、アタマが重い。春ー夏で完結させてしまうのが、もしかしたらいちばんいいのかもしれない。
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3.23未明
六本木。花冷え。iPodの竜童“しのび逢い”。風に舞う夜桜。モカマタリ。熱い風呂。冷茶漬け。黒糖焼酎“喜界島”。蒲田。
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桜風呂入れて頭を洗いヒゲを剃ってくそして寝よう
蒲田松竹撮影所跡の枝垂れ桜が咲いていた。夜桜。冬の冷気。3時間のまどろみ。連絡。リテイク。苦笑。夜霧のブルース7回。風呂入れて頭を洗いヒゲを剃ってくそして寝よう。明日は明日の風が吹く。
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午後一時半過ぎて
終わった。地上に出てタクシーを拾い、咲きはじめた沿道の桜をながめながら帰る。終わったものをプレビューしながら、熱戻らず。なんと中味の何もないくだらない世界なのかとしみじみため息が出た。怒りも消えて、ただひたすら眠かった。またたびにやられたネコのように腰が砕けそうだった。こんなものをなぜマジメにつきあって3週間に5回も撮りに行っていたのか。ふしぎ。
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そして誰も…
また、いない。夜中の10時を過ぎて電話で修正と追加。夕方から爆発し通しである。どこか東南アジアの後進地帯で、主力産業がケシの栽培などという黄金の三角地帯などと呼ばれていそうなあたりで、ニッポンの金満家からだまされだまされ吸い上げられている糞のような仕事をする土民のようだ。代理店の営業というのは、しかし何のためにいるのだろうか。来ない。いない。これでどうやって納品するつもりなのか、10年以上ふしぎに思ってきたが、解消できず。印刷原稿と一方通行のムービーの差異も、いつまでたっても理解しない連中相手に、今度もまたうんざりしながら推測に次ぐ推測で進行。あれほど、完成度の高さを予感しながら進めてこれたのに、最後のツメで気持が消えていく。魂がこぼれていく。もうつくづくうんざりである。素材そのものをドブに捨て金だけもらってさよならしたい。長州の成果など、すでに百年の彼方。任されているといえば聞こえもいいが、当たり前のように手直しを要求してくるのが見えているだけに、うっとおしい。クライアント不在、代理店不在、プロデューサー不在。おれはオタクか?もう二度とかかわりたくない。出口が見えはじめると、必ずそう思わされる。こんなゴミのような時間をおくっている時間が、おれに残されているのかどうか。そういうことが、とても気になる。一度しかないとしたら、こんなバカ相手の仕事にこころ萎えさせている…

ま、ようするに、つまらねえ、のだ。
あいつらはしかし、なにがおもしれえのだろうか。
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マリー・アントワネット
渋谷の場末で観た。外の叫び声や販売員の声など聞える今どき信じられない環境で。冒頭から睡魔に。ところどころ目覚めてまたまどろんだ。いかにもソフィア・コッポラ風の駄作。女性たちに受けがいいと聞いていたけど、たぶん番宣のうまさを勘違いしたのだろう。なぜ。いまマリー・アントワネットなのか、皆目見当もつかない。真冬並の寒さ。明日は仕上げ。
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枝垂れ桜
ときどき行く公園の枝垂れ桜が咲いた。ここ何日か真冬のような冷え込みで、異例の早咲きかと報じられた桜前線も停滞したままだが、ほぼ例年通りの開花だったようだ。朝の気温3℃。昼の日だまりは17℃。桜も、しかし困っているだろうな。山口から戻ったのが10日夜。ほぼ思い描いた通りの、いやそれ以上の収穫があり、そのまま一気にまとめにかかる。まず、ここ一年にわたって撮りつづけていた素材を一昼夜かけて整理。これが本編集初日の12日。それから台本突入。メインタイトルまでつないだ時点で丸2日かかった。全体の長さの半分あたりでタイトルという、ほかではあまり見られない?奇妙なスタイルになりつつあるが、現時点で指摘は0。このまま最後までいくつもり。シンプルでわかりやすく、そして強さのあるつなぎが続いている。台本もタイトルまで行ったあたりでやっと完成。ナレーションは過剰さを抑えた。明日、最後まで行くが、ま、ここも開花、か。2週間、一冊の物語も一本のドラマも味わうことなく過ぎた。にも関わらず焦燥感は一切なし。目の前のことが、たぶんオモシロイのだ。ツアーガイドムービーは予想通りの大好評。スタジオに来たNagが、おれの台本を読むのがずいぶん久しぶりでなつかしかったと呟いた。言われてみれば、現場にはムリばかり強いてきたなと、思う。このところ数年来、編集でタイムを拾っていけたこともない。ラフエディットした映像をかけるか敷いてもらうかし、あるいはウエブにつないでミニサイズムービーを確認しながら収録素材から近似地点を探してもらい、その場でエフェクトの指示を出す…ラフエディットさえままならぬことも多く、杓子定規のポスプロなら突き返されるような、追い出されるような編集を続けてきたのだ。芝居で口立て演出というのは聞いたことがあるが、おれのはさしずめ口立て編集(●^_^●)
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ひとは家にかえってゆく
と言うのなら、おれはどこへ帰ればいいのか。どこに帰りたいのか。そこは帰っていってもいいのか。十三夜に目算どおりの仕上げをし、各方面にお礼と知らせを出したら、カラダの細胞のひとつひとつから力が消えていくのがわかった。単なる案内movieのはずなのに、たかがプロモーションのはずなのに…この脱力と無力感はどこから来るのか。
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ひさしぶりに中島みゆきの♪命の別名
をリピートしながら、古河にメールを。スタジオを出たのが3時。16分2本、過不足なくアップ。家に着くまでは眠くて仕方なかったが、メールを書いているうちに目が冴えてきた。1時間余り眠って渋谷へ。ロケバスに拾ってもらい茅ケ崎に。細胞は三日間で生まれ変わるという。とすれば三日後、満月までおれは死んでいるのだろう。使えるもののすべてを出し切った。そう思う。終わってもいい。眠ったら起きられなくてもいい。やれることはやった、のだ。
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