2001年02月の記事


アリーmyLove3★★★★
第6話、第7話を見た。
アメリカ人はほんとうにこんな複雑でセンスのあるストーリーを理解できるのだろうか。仕掛けが幾重にも重ねられていくアラベスクの巧緻さにまたまた感動。
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10秒CM「森も人も、水がつくった」完成
水の惑星キャンペーン用の10秒CM完成。

わずか10秒ながら、彗星の飛来音、衝突音、泳ぐ魚、上陸した爬虫類の足音、恐竜の草食音、類人猿が木から飛び降りる着地音、草原の歩行音、まばたきスィッシュ、桜吹雪のアクセント、撮影快調用のアクセントなど10余りのSEで厚みを加え、NA「森も、人も、水がつくった」を重ねた。

先の愉しさを予感させるようなCMになったと思う。
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1000m超・超高層ビル高層
http://www.globe.or.jp/bcj/hyper/j_mokuji.html

いのちの街の仕事は、こんなふうに現実のものになろうとしているらしい。
あれから12年も経つだろうか。
再び仕事でからめるとは、嬉しい限りである。
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縁は異なもの
Date: Tue 27 Feb 2001 16:03:31 +0900
From: takamizawa
X-Accept-Language: jaenpdf
MIME-Version: 1.0
To: 益子 透様
Subject: 会津CM

高見沢です。

会津のCMは私が作りました。ありがとうございます。
クライアントは会津若松市観光課です。
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春になったら会津に…
午後からの編集なので10時過ぎに起き
テレビをつけ新聞を読みながら朝食をとっていたら、会津若松のCMが流れてきた。

ライトアップされた鶴ケ城に桜吹雪が流れる例のCMである。「春の会津に帰っておいで」
そんなコピーが添えられていた。

一年がかりで会津通いをした身には、春風のように甘美な映像だった。

いつのまにか、ほんとうに会津をなつかしい故郷のように感じだしていることに気づく。

これからその福島のジ・アースのCM編集。
ひさしぶりに小深田さんと会える。
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ありふれた愛に関する調査★★★
借りて一ヶ月になるDVD版の「ありふれた愛に関する調査」をやっと観た。
原作のニュアンスを脚本が少しだけ薄め、主演の奥田瑛二が骨抜きにしてしまった。
関川の渇きが、この映画には映されていない。奥田の蓄膿症のような声調が、すべてを台なしにしている。さらに付け加えれば、日活残党の映画技術が輪をかけて貧しさを引き立てた。

にも関わらず、心魅かれるものが残る。

関川という希有な才能の気配なのか、
突出した梅林茂の音楽のせいなのか。
あるいはこの題材を映像にしようと試みた、奥田をはじめ制作者たちの心意気なのか。奇妙ではある。
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無断転載2
Date: Mon 26 Feb 2001 12:26:36 +0900 (JST)
To: mashiko@mars.dti.ne.jp
From: YASUO KANO
Subject: Re:春宵値千金

そんなことより(山岡さんじゃないけど)今回の
HDworksの素晴らしさを堪能できて
本当に良かったと思います。
CMの世界も間違いなく変わっていくことを
実感した次第です。

いつも「いい刺激」をいただき、
ありがとうございます。

============================================================================
株式会社 電通 東京 第8営業局
加納康男
YASUO KANO
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転載
To: tojibu@c3.easyml.com
From: 益子透
Subject: [tojibu:00115] 山岡君へ


細胞は誕生と死を連続していく。
ぼくのこの一瞬をスチールして超拡大してのぞけば
猛烈な勢いで死滅していくぼく自身と、
猛烈な勢いで生まれ落ちていく細胞があるはず。

46億年前に太陽系の小さなエリアで起きた奇跡中の奇跡が
この宇宙の塵でできた変哲もない岩石の惑星に
生命のはじまりをつくった。

原始の海で、あてもなくさまよい続ける
何の意味もないただひとひらのミトコンドリア。
ぼくもきみも、この無意味なそれでいて素晴らしい奇跡の
その涯にいる。

きみの才能は、
そういうことのいちばんとんがったエッジにある。

エネルギーも才能も蕩尽したあとは空っぽになる。
回復の方法はただひとつ。休息すること。
泥のように眠り、食べたいものだけを食い、
いままででいちばん好きだったコトやモノを再体験すること。
君が海が好きなら海へ。
山を愛すなら山へ、一日でも一月でも半年でも
疲れたカラダと心をいたわってやること。
そうして給油されていく、満たされていく
エネルギーをぼんやりと見守ってやること。
ほほ笑みがもどって、力がみなぎるまで
そういう時間を自分自身に与えてやること。


きみの仕事への向かい方は
白刃の真剣を握ってひとり真っ向勝負を挑んでいるような
ところがあり、それは好ましいと同時に、
はらはらさせられる危うさを感じさせるものでもあります。
しかし、きみはたぶん、そういう方法以外に
自分を納得させられないのだとも思う。
そういう構えが、きみのきみらしい色使いやリズム、デザインを
つくっているのだと思います。
つまりそれが「山岡ブランド」なんだな。

そんなふうに感じています。


プライベートなことではあるけど
メーリングのやりとりに載ったことでもあるので
あえてここに書きました。
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無断転載
From: Shinji Yamaoka
To:
Subject: [tojibu:00114] Re: 春。
Date: Mon 26 Feb 2001 03:28:03 +0900

お疲れ様です。
山岡です。

大満足・・・
わたしも大・大・大満足!
エンディングの「月」のカットを忍ばせてる時、
僕はひそかに感動してたんです。
全篇に「魂」を入れましたよ。
こんな経験は、久しぶりです。素晴らしい。

何度か「もう死んでもいいかな」と思う事があるけれど、
今日もそんなことを感じた。
もう、充分です。
これ以上何があるのでしょうか?
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春宵値千金
湯治部御中


湯治部初のフルデジタルHD作品第一号、
まず編集アップしました。
PRビデオとしては、金字塔モノになるでしょう。



諸君、喜べ。
デジタルHDは凄いぞ!
湯治部のみなさんは凄いぞ!


本編集したものを持ち帰り
家に帰って繰り返し見ながら
ぼくは感激して泣いたよ。
夜中に台所で渋茶をいれて、ひとり乾杯したよ。

やさしくやわらかく美しさに満ちた
いますぐ全員集合させて見せてやりたいくらいの
良い仕事になった。

桃の節句過ぎには
相馬プロデューサーからプリントが届くはず。
あられ食いながら白酒片手に、酔ってください。
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夜の新宿で麦とろ
荒編試写、ぶじ終了。
ひきつづき次の仕事のオリエンを受ける。

終わってからねぎしで麦とろを食べて帰宅。うまくいったあとの飯は何を食べてもうまい。

ひさしぶりに胸焦がす仕上げになりそうだ。
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HDおそるべし
荒編したものをSVHSにコピーして自宅の古いワイドテレビでチェック。
なんというか、呆れた。

このままクライアントに納品しても、絶対にわからないだろうと思う。
たぶん最新機種のデッキとテレビなら、なお判別できないと思う。

デジタルHD、いやすごいとは思っていたが、これほどとは思わなかった。

HD収録したものを家庭用のDVカメラに落とし、マックに取り込んでファイナルカットプロで編集し、DV+SVHSダブルデッキで1/2に戻しただけである。

もし、どこか他のプロダクションから
これが完パヶです、と言って渡されたら、
まず絶対にわからないと思う。

プロダクション、ポスプロ、プリントサービス…中抜きされる範囲が一気に拡大していくのではないか。

だって、撮影以外にほとんどコストかかっていないもの。それでOKだもの。演出として。

どーするんだろう、業界のみなさんは。
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春や春。
バウハウスの高見澤さんのメールによると、どうも春になってしまったようである。
東京も、きょうはほぼ春だった。

exmachinaから届いた3DCGの最新バージョンを六本木の宮本さんのオフィスでチェック。1/2で見てもかなり良い状態になっているのがわかる。
レンダリングに60日かかるわけだから早くて四月末のアップ。
むしろその方が気になる。
木を見て森を…ではないが、スケジュール見据えてかかっていかないとナンセンスなことになりはしないか、ちょっと心配だ。

映像はコンティニューだという大原則から離れていると袋小路にはいることになる。

CM案、急遽、明日の試写のときに出したいとのオーダー。あわててとりかかる。
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ビリーは、自ら死を選んだ?
アリー3の第一話から第5話までをレンタルビデオで観る。
ビリーの死は、中年クライシスに陥ってしまった男の、いわば自殺のようなものだったのではないのだろうか。
そんなふうに読み取れる。
その視点で振り返ると、ビリーは常に引き裂かれた意識の中で危うい均衡をた持ち続けていたというように実に巧妙なキャラクターづくりがおこなわれていて、ライターの懐の深さに愕然とする。
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陽水のコーヒー・ルンバ
を宇野さんに頼んだら小郡は売り切れで、宇部まで探しに行ったとか。ぶじ手に入れ、二日目のオープンシーンから予定通り使った。
主人公が団塊ジェネレーションだから、というより、単に聴きたかっただけという気もするが、いずれにせよ狙い通りだった。

リピートで100回は聴いたかな。
「旅人よ」のカバーもなかなかで。

ショパンのノクターン20番「遺作」、
バッハの無伴奏チェロ組曲1番「プレリュード」、
そして井上陽水の「コーヒー・ルンバ」。

なかなか味わい深い三日間ではあったな。
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ビリーの死
アリーマイラブのオンエアを観た。
「脳腫瘍なんだ」という先週のラストシーンが気になってしかたなかったので、
それまでのストーリーを無視して観た。

まさかビリーが死ぬことになるとは予想もしなかった。3になってから妙にエキセントリックな展開だと聞かされていたが、
まさか、である。

アリーマイラブはこのシリーズで打ち止めなのか。それともぐっと異なるディメンションに突き進むのか。

まことにアメリカのTVドラマはたいしたものである。脱帽モノの展開である。
おそれいったぞ。

あわててビデオ屋に走りシリーズ最新作二本を借り出した。
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「マグノリア」★★★
レンタルビデオで「マグノリア」を観た。
いい映画だと思うが、ちょっとうっとうしかった。シナリオの徹底ぶりはさすがだが、クローズアップ多用しすぎの映像は観ていて疲れる。これをスクリーンで観たら、途中で出ちゃうだろう。
エンディング近く、バラバラに進行していた登場人物達が一曲の歌でつながれていく雨のシーンはうならされた。そこだけがすごいな、と思った。
もっとも直後のカエルの嵐は興ざめ。
アメリカは加減がへただ。
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たみさんからの手紙
水の惑星MLからの転載

山口で読んだ、舘岩村湯の花温泉の若女将たみさんからの返信を無断で「水の惑星」のメーリングリストに送った。
舘岩村は冬になると雪の中に閉ざされてしまう。
会津とは対極にあるともいうべき山口でこの手紙を読みながら、静かな涙がこぼれた。
しみいるような文章というものがあるのだな、そう思った。
この手紙の中に「ルーのことで立ち直れずにいた私たち…」
とあるが、吹雪の夜更けに明かりを落としたロビーで、たみさんからその経緯を聞いたときに浮かんだのは中原の妹だった。
「死んだっていいようと泣く魂をいたわりながら」と福島さんが中也絶唱で短歌にした、あの「妹」だった。

あれからほぼ一年が過ぎた。

*************************************

ましこ@雪の長州

会津の雪をぶじ撮り終え、はるか長州に来ていますが
大雪切望隊の行くところ、ことしはいずこも雪国となるもよう。
長州、山口もまた予想外の雪とあいなりました。
十二日から連日の雪のなか、渡辺ともども、たまった撮影をこなし、
これから最終便で帰京するところです。
撤収のあいまにメールをチェックしたところ
たのしいメールが入っていたので
みなさんにもお知らせしたく、ここに無断転載しちゃいます。
昨年の冬、そして夏、この冬とお世話になった
舘岩村の湯の花温泉、若女将、たみさんからのメールです。
「ポチ」と「せつこ」とあるのは例の二匹の犬のことです。

なんだか、うれしくて。
冷えてかじかんだ指先もふっと柔らかくなった気がします。


++++++++++++++++たみさんからの手紙++++++++++++++++++++++++
益子 透様
連休のお客様も終わり、ホッとしながら久しぶりにパソコンのスイッチを入れたら、
メールが届いていて、とてもとても、うれしかったです。
皆様がお帰りになった後、あぁ終わってしまった・・・・
と気がぬけるやら淋しいやらで、フクザツな気分でした。
この一週間本当に楽しい日々を過ごさせていただきました。
みなさんいい方ばかりで、お客様というよりすっかり仲間になってしまった様で、
その分おそまつになってしまったのでは・・・・と反省もしています。
あれもすればよかった、こうもしてさしあげたかった・・・そんな思いでいっぱいで
す。
昨年、ルーのことで立ち直れずにいた私たちを助けて下さったこと、
千恵ちゃんの明るく元気いっぱいの顔、
お名前はわからなくてもすっかり覚えてしまったお一人お一人の顔・・
いろんなことが浮かんできます。
未来博、楽しみにしています。
またいつの日かお会いできますよね
私たちは、この小さな村で雪と闘い、春の小さな花たちにうきうきし、
新緑に目を細め、あっという間の夏を過ごし、
燃える様な一瞬の紅葉を寂しく迎え、
そしてまた長い冬に向かい、
わんこ達を育てささやかに暮らしていきます。
スフレチーズケーキ、すごく上手になったのに、
食べていただけなくて残念です。
また、いつかきっと、遊びにいらしてくださいね。
お客様ではなく、お友達としてお迎えしてしまうのでは・・・と心配です。
川田さん、渡辺さん、
ほかのスタッフの皆様にもよろしくお伝えくださいね。

        旅館末廣  
               安藤 友晴  民子  ポチ  せつこ
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「オール・アバウト・マイ・マザー」★★★★
何といえばいいのかな。
こういう映画はぜったいに日本ではつくれない。たぶんハリウッドでも同じこと。
元手かけないとつくる側も観る側も何もできねえんだよな。元手というのはおカネじゃないよ。きょーよーだよ。
こういう映画はきっと業界のやつは観ないんだよ。わからないから。たいてい女性ですね、この国では。
観ていてすこし切なくなった。

いい映画です。
こういうのを女性だけに観せてないで、
業界の方も本気で観るといいですね。
そしてはやく見切りをつけるといいね。

ま、どうでもいいけどな。
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「ミッション・トゥ・マーズ」★★
生物の爆発的進化は地球に移住した火星人だった、というところだけが面白かった。デ・パルマもこんな映画をつくるのか、というかデ・バルマらしいというべきか。
くだらねえ映画だった。
レンタルビデオVHS
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アップルの不愉快
故障したパワーブックをピックアップしてもらい2週間近くたって電話したら、「いま故障箇所がわかった。修理する必要がありますか」と言われ、
「もちろんです。でいつ頃なおりますか」と聞いたら「わかりません」。
一昨日会津ロケから帰って「いつできるの」と電話で聞いたら「今日出来て、いま連絡しようと思っていた」と。連休がはさまれるので15日過ぎに届けることになる。と言われた。いらねえから捨てちまえよ、と言いたかったがもったいないのでガマン。
結局、ただの一度も向こうからの電話はなかった。さらに一ヶ月の修理期間。これで本気でビジネスに使えというのだろうか。

アップルの仕事の仕方はとてもIT時代とは思えない。できればマックを使うのをすっぱりとやめたいと思うほどに不快だ。

一ヶ月あればジョブズの口舌通りに、新しい機種を買って、元がとれるよ。

慣れ親しんだソフトがなければ、もうアップルを使いたくないと思う。

サービスの一元化、というのはなんなんだいったい。どこかの社会主義のまね事か何かなのか。外資系だろうけどまともな日本語使える日本人を雇えよ。

出来損ないのそば屋みてえな言い訳してるなよ。

アップルストアで受け付けるときのレスポンスの良さは感心させられるけど、やりくちは下品だな、ほんと悪徳商法まがいだろ。

57558854308600BWG3ibookpowerbook…台数にして6年あまりで9台。
我がmacとのつきあいも、命数が尽きそうである。
少なくとも周囲には「やめたほうがいいよ」と言うね。
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一発OK。ひさしぶりの快挙?
午後5時-7時、ホテルサンルートの会議室で撮影打ちあわせ。構成台本はOK。想定通りのシチュエーションでいくことになった。「押し花のラザニア」については参考資料を美術の藤崎さんに渡す。天候は今日段階で13日がNG。1415日がなんとかなりそうとのこと。13日は屋内シーンからスタートすることにし、詳細は明日山口の現場で決定。美術は今夜から前乗りとのこと。
スタッフ、出演者は明日1時に羽田集合。九州の安藤チームとは宇部空港で合流。
特機チームは13日に結論。
ナレーションのトーンは現行でOK。

帰りに根岸に寄ったら階段まで人であふれてた。どこも食事どきの受験生でいっぱいだったのであきらめてコンビニで握りを買ってクルマの中で食べる。

ソフマップでG4パワーブックの現物展示をチェック。広くて薄くて軽い。
クリックの位置が不自然で疲れそうな以外はとてもいいと思う。しかし文章を書くことを仕事にしている人にはまったくナンセンスな配置である。

アップルは何かを急ぎすぎていて、洗練と熟成がともなわなくなりつつあるように感じる。工業デザインとして成立していないのではないか。そんな感想を持った。
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サラ・プライトマンの「エデン」
をかけながら、久しぶりの雪のない光景を眺めた。東京はすでに春。窓を開け放しても室内の気温は20℃から下がらない。
昨日の朝は氷点下15℃。
これで温泉があれば言うことねーな。

しかしのんびりした陽射しで、心のたががすべて、はずれてしまいそうである。

二時にはオフィスに電通テックの相馬プロデューサーが来る予定。

会津の次は長州。その打合せに。
なんだか土地の名前だけ聞いてると
戊辰戦争の従軍兵士のようである。

あるいは転びバテレンのようか。
それとも売れっ子の男芸者?


ま、いいじゃねえか。
春の陽射しは、すべてを溶かす。
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さらば館岩。いつの日か、また。
朝8時過ぎ、湯の花温泉を発った。
たみさんとご主人にお礼を言いながら
涙がこぼれそうになった。
ポチとせっちゃんの二匹の迷子の犬たちが
いつもと変わらず玄関の両脇で阿吽のように吠えてくれた。

空は雲ひとつない快晴。真っ青である。
田島経由で磐梯山を目指す。
気温−15℃。
氷結した木々が朝日を浴びてさながら氷の花を咲かせたように見える。
いつものメンバーならクルマを停めて
50mの間で50カットは回しただろうか。
10年は使い回せる映像が手に入ったと思う。
降雪の翌朝の放射冷却がもたらす1シーズンでも何度もないようなチャンスに、一週間で二回遭遇。
いつか我がスタッフを率いてこの地を踏もうと思った。

快晴の磐梯山は、泣きたくなるような美しさに満ちていた。
まことに「宝の山」である。

地吹雪のポイントをいくつか見て回ったが、昨日の成功の後では、気が抜けて集中できず。

磐梯熱海から高速に乗り、休み休みのんびりと帰京。

コーディネートを担当したバウハウスの高見沢チームと、新しく加わった電通テックのPM長沼さんたちの奮闘が、あざやかな成功を呼んだのだと思う。

雪の中、送迎のクルマに乗った少年剣士達に45度に折り曲げて感謝の礼をとっている姿を見た。子どもたちは彼を信頼する教師のように慕ってくれていた。
勝利の要因は、こういうところに潜んでいるのだ。

さらば館岩、湯の花のたみさんとご主人と迷子の犬達。
ありがとうございました。
この冬のことは、生涯忘れません。
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語りの内容とスタイル
  たとえばあなたは、子供の頃から外国の植物図鑑に夢中だった。
  …だからかな。あなたが楽しむガーデニングライフには、
  みんなが見たことのないハーブがあったりする。
  あなたは夫の陶芸が物好きから、ほんのすこしだけ先にいった
  ように感じている。出会ったばかりの頃の夫とよく陶芸展を
  見に行ったことがあったことを思い出しながら、
  夫の新しい作品に、最近こりはじめた手づくりパスタを
  盛りつけてみたいと考える。
  この離れ風のアトリエは、夫にとって陶芸ルームであり、
  別なあなたの時間では、ステンドグラス工房であったりとか…
  土間のある開放された空間は、
  あなたや夫が実現したかった、もうひとつの自分の時間を刺激する。
  もちろん、刺激と同じくらい心をほぐす時間も欠かせない…

  遅めのパスタランチの前に、訪れた友人に
  夫がお茶をたてて歓迎したいとはりきった。
  ほんとうは、しつらえたばかりの着物を披露したかったのだ、
  とあなたは知っている。真剣な面持ちの夫を目のすみにとらえ、
  あなたは笑いをこらえるのに必死だったりする。
  焼き物といい、茶の湯といい、情報技術のパイオニアを自負する夫の
  和テイストへのこだわりはこのごろ目ざましい。
  このまえは、雑誌を眺めながら古民家の別荘が欲しいね、
  などと言っていた。
  和を感じさせるものへのこだわりは、じつはあなたも同じだったりする。
  数年前からはじめたかな文字だが、この頃は古墨のかすれぐあいに
  魅かれている。にじみの度合いでニュアンスがまったく異なってしまう
  そのゆくえのさだまらない感じが合うのかも知れないと思っている。

  ボランティアで親しくなったあなたの友人は
  あなたよりずっと若いのに妙に気持ちが通いあう。
  年の離れた姉妹のようだと言われることもある。
  あなたが夫と二十五回目の結婚記念の年に行った南イタリアの
  小さなレストランで教えてもらった花のラザニアの話をすると
  ぜひ教えて欲しいと頼まれていた。
  きょうは夫の大皿完成披露を兼ねて、
  彼女と一緒に手づくりパスタと花のラザニアづくりを楽しんでいる。
  夫は焼き物を自慢したいらしく、テーブルセットに夢中である。
  友人は来るたびにキッチンのつくりに感心しきりだ。
  そのことに意外に嬉しがっている自分に気づいたあなたは、
  花のように笑ったりしている。
  別な日のあなたと夫。夫は自分で食器を焼くようになって、
  前よりもよくあとかたづけをするようになった。
  そのこともあなたにとっては、ほほ笑みの素になっている。

  二階のオープンスペースで
  あなたはキャンバスに向かい
  天井からの自然光をいかして絵を描くことも好きだ。
  夫は抽象的すぎるというが、
  友人はいつも褒めてくれる。
  女同士だからこそわかりあえるのかな、
  と思ってみたりしている。
  朝と休みの日に、
  夫は犬の散歩を欠かさない。
  そのせいか、愛犬はほんのすこしだけ
  夫に気を許しているように思う。
  ときどき夫があなたの絵の下で仕事の続きをするのは、
  抽象的なのが幸いしてるのね、とあなたは思う。

  夫は五十歳になってからピアノをはじめた。
  理由はショパンのノクターンをどうしても
  自分で弾いてみたかったのだ、とか。中学生の時に
  音楽の先生が弾いてくれたのを聴いてからだという。
  あなたは、その先生はきっと若くてきれいだったのね、と
  たずねたことがあるが、夫は笑って答えなかった。
  今夜は二人の聴き手を前に、夫はとても誇らしげである。
  あなたもまた、楽器を弾く。大学時代まで続けていた
  チェロを四十歳の秋に、はじめた。自分に約束していることは
  四十代のうちに、無伴奏の一番プレリュードを
  ものにしたいということだ。道は遠いようにも近いようにも
  思えるが、譜面に向かっているときは、いつも晴れやかだ。
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舘岩村のこと
八日一日降り続いた。
そのまま午後五時に突入。
雪の勢い衰えず。
5テイク、すべて順調。
舘岩村前沢集落の人たちの徹底した協力と
水引神社の水の精の力を得て、我、
いや我々は二年越しの雪との戦いに勝利した。
そんなふうに書きたくなる、二日間だった。
語りたいことは、たくさんあるが、
ここではただひとつだけ。

昼に現場のテントに入ったときに見慣れないおばあさんがやってきた。
昨晩、ぼくたちに食べさせようと臼を出してモチをついたから食べなさいという。
寒いときには腹持ちがいい食べ物がいちばんだからと言いながら。
切りモチと、豆モチをそれぞれ袋にたっぷり詰め、醤油の小瓶と、焼き海苔のパックを二袋、ストーブに載せるためのアルミホイル、小皿をそろえて。
おばあさんはすぐ近くの家の人だとばかり思っていたが、夜になって宿でスタッフと話していて、この六日間ではじめて見た人で、どの家の人なのかわからないと判明。
いちばん奥の方に帰っていったのを見た、と美術スタッフ。
その集落は全部で十八軒の曲家があり、十七軒までが小勝さんという姓である。
ぼくたちが産院に設定したのは突き当たりにある郵便局につとめる小勝さん宅。
その奥には階段があり背後の山の神社へと続いている。ただし積雪で上がれない。

おばあさんがくれたモチをストーブで焼きながら六個食べ、腹が苦しくなってふうふう言いながら本番間際まで集会所で原稿を書いていた。

撮影が終わり、残りの原稿を書くために一足先に宿に向かいながら、十年前に同じ舘岩村の水引地区で曲家の炉端シーンを撮っているときに、やはりおばさんからとちもちをふるまわれ食べ過ぎてうなったことを、渡辺から指摘された。

その夏のことをなつかしく思い出しながら、今日のおばあさんはどこに帰っていったのか、ふしぎな思いにとらわれた。

会津舘岩村、ここは我が心のふるさととなった。
ぼくはこの村の雪の景色を忘れないだろう。
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プロローグ
プロローグ
それぞれの《時間》




縦書きで次のスーパー。

■あなたの大切な時間について、お話しましょう。




・昼。アトリエ。ろくろに向かう夫。無心なその横顔。
・昼。アトリエ。窓明かりにつくりかけのステンドグラスをかざし
   出来具合に満足そうな妻。その笑顔。
・昼。音楽室。鏡の中の妻、チェロを弾いている。
・昼。前庭。サンデッキでギターをつま弾く夫。
   妻はハーブに水をやっている。その間で犬が遊んでる。
・昼。サービスヤード俯瞰。犬と遊ぶ夫。ガーデンパンで土のついた
   ハーブを洗う妻。それぞれの寄り。
・昼。和室。茶をたてる夫。
・昼。和室。やわらかな仮名文字を書いている妻。
・夕。中庭のデッキ。月見する夫婦。
   かたわらには夫が焼いた巨大な徳利と和皿に盛ったオードブル。
   頭上からは冴えざえとした月明かりが降り注いでいる。
・夜。キッチン。テーブルの上に大きなキャンドル。夕食の直後。
   カウンターの向こうに夫。テーブル側に妻。二人でおしゃべりしながら
   夫はシンクで片づけ、妻は食後のお茶の準備。
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水の精、我らを見捨てず。
水の精、我らを見捨てず。


もろ人こぞりてはや五日。
三日目、四日目と三月下旬の陽気となり、
記録破りのさすがの豪雪もあっというまに数十センチ単位で
みるみるうちに溶けていくのを、指と溶けかけたつららを銜え
我らはひたすら水の精に願を掛けつつ待ちました。

あけて五日目の七日朝。
窓の外には待望の雪。ただし勢いはいまいち。
もろびとたちはそのかすかな降雪に希望を見いだし、
勇んで宿を飛びだしていった。
雪を見たワタシは、安心して再び布団に。
朝風呂でぬくもったカラダとほっとした脳は爆睡を求め、
気がつけば昼を回っていた。
部屋に運んでもらった「プランチ」を腹におさめ、
迎えの渡辺車に乗り込む。
雪の勢いは、弱い。プレロケハン、ロケハンと真っ白だった
曲家と続く村道は、すでに路面が見えている。
まわりの家々の雪もはんぶんは落ちてしまっている。
わずかに降り続く雪をうらみと期待といりまじった気分で
ながめながら現場に到着。根をあげないスタッフたちが
黙々と夕方の一瞬に備えて準備している。
雪粒は小さく、ときどき雨がまじる。
ワタシはなかばあきらめつつ、待機場所になっている集会所へ。
ぼんやりと窓から外を眺めつつ、時期を改めて出直すことを
考えはじめていた。そのことをプロデューサーにどう切り出すか、
鬱々としているうちに、出演者の豆剣士たち十人が登場。
元気な声で挨拶され、お菓子などもらううちに、
やるだけやるか、と気をとりなおす。
けいこ着にきがえる豆剣士ご一行を残し、カメラポジションに。
撮影部、照明部、美術部、特機部、制作部…
もろびとは迫ってきたシュート時間に備え、必死の形相である。
撮影監督の鈴木さんは、例の杖をさすりながら
「雪よ降れ、大粒の雪よ降れ」と繰り返している。
前区長をはじめ集落の人たちも心配そうに空を見上げている。
撮影部の吉田君から「急げ!」の伝令が飛ぶ。
豆剣士OK、巨大犬ラブと少女たちOK、台所の奥さんOK、
障子の向こうの父親と息子OK、照明部OK、美術部OK、
特機部OK、もろびとたちからもろもろOKの声が集落にこだまする。

そのときである。
その刹那である。

降る雪の勢いが急に強まった。
ライトに照らし出される、雪粒が急に拡大した。
3D大型映像にふさわしく、弱々しかった雪が飛び出すように強まったのだ。

で、息つぐ間もなく怒声の中で連続5テイク。
撮った。ついに撮った。
21世紀へとつながる、水の惑星のそのいのちそのものが生まれるにふさわしい
誕生のシーン、生まれました。
二年ごしの挑戦、ぶじ成功しました。
46億年の水の惑星の奇跡の果てに、さらにつながる奇跡の日々の未来。
そのことを来場者の心にしのばせるための不可欠のフックこそが、
本日の「雪の中の誕生」シーンです。
ともに喜んでください。

観客が感客へと変身する最大の「かくし味」が本日のシーン。
福島各地で撮ってきた水の光景と宇宙と46億年の生命進化CGとが
ひとつの世界として成立していくために不可欠のシーン…
演出的には、これで終わりです、と言いたいくらい嬉しい夜になりました。

もろびとが男性たちでなかったら抱きしめてキスの雨を降らせたい。
演出的には、そういう夜です。


なお、昨年の設定と異なった
豆剣士たち、巨大な犬と遊ぶ少女たち、父と子の影絵などの彩りは
「いのち」のいぶきを強めたいという狙いで追加しました。
カメラがゆっくりと寄っていくその先にある「生田産院」で産声をあげる
21世紀ベビーがパラレルに若いいのちの象徴として存在している、
そんな気持ちがありました。
別な言い方をするなら、躍動感を付け加えたかった。
産院を背に駆け抜けていく豆剣士たちは、どこへ向かうのか。
どんな明日に向かっていくのか。
ま、そんなことを思いながら付け加えました。


舘岩村湯の花の窓の外では、しんしんと雪が降り続いています。
階下からはもろびとたちの祝杯の歓声が聞こえています。

会津と東京、離れてはいますが、
乾杯の杯をかかげます。
東京のスタッフのみなさま、乾杯。
もろびとより愛と満足をこめて。



     2001年2月7日夜  舘岩村湯の花温泉にて M
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電通テック相馬プロデューサーへ
ユードラがうまくいかないので、とりあえずここにコピー。電通テック相馬さんへ
2/7正午


益子です。

待ちに待った雪が、やっと降り出しました。
いま、スタッフたちは現場で今夜の本番に備えて
雪の中、大喜びで準備しているはずです。
ぼくは、朝おきて雪が降り出したのを確認した途端
どっと眠気に襲われ、いままで布団にもぐっていたようです。
テーブルの上には渡辺が頼んでいってくれた朝食が。
窓を開け放ち、村に降り積もっていく雪を眺めながら
若女将手づくりのパンとコーヒーをゆっくり腹にいれたところです。
渡辺のibookでサラ・ブライトマンの
「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」を聴きながら
相馬さんのメールを読み、返事を書いてます。
今年になって三日目と四日目という晴天に遭遇した現地は
ぼくたちが着いた日に比べて50cm以上の雪が水になり
蒸気となって消えていきました。
晴れ待ちの雨もつらいけど、
雪待ちの快晴というのも、とてもつらい。
クレッセの仕事で気が紛れなかったら
昨日あたりは確実にスタッフの誰かにとばっちりがいったと思います。


オーディション、おつかれさまでした。
ぼくのほうはまったく問題ありません。
お二方とかつのさんの三人の設定で構成にとりかかります。

和服の件は、志賀さんの違和感を大事にしましょう。
あの人はぼくの師匠?の亡き内田健太郎のスタッフです。
何か言ってくれるときは、まず間違いなくそのほうが
良いほうに作用します。着物はやめましょう。
どのみち茶室と言っても、あの程度のこしらえだからね。

倉持さんは、撮影技術だけでなく
モノの見方がきわめてオーソドックスな方だと思います。
彼がこうしたほうがいいと思うと控えめに言ってくれたときは
やはり従うことにしてます。十年以上仕事をさせてもらっていて
映像以外のことでもほんとうにいろいろ助けられています。
彼のようなタイプがじつは正当な東京者だと思うよ。
(横浜生まれだけど)

なんだか雪が降ってきて、ほっとしたせいか
よけいなことまで書いちゃったかな。

あらためて、オーディション、おつかれさまでした。
力いっぱい、こたえられるような台本を書きます。
期待していてくださいね。


      とりいそぎ  雪の村にて  M
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キャラクターについて
夫 団塊の世代の50代前半。
中学生のときにビートルズデビューをリアルタイムに土井まさるの深夜放送などで聴いた。が、好きだったのはRB。オーティス・レディングを神のように慕い、ジェームズ・ブラウンは天才だと思っていた。一番最初のテレビ体験は近所の家で見せてもらった力道山のプロレス中継。交換手に申し込んでつないでもらう電話を体験したこもある。
ディスコではなくゴーゴー喫茶に通い、モンキーダンスの振りをまだ記憶している。高校生の頃になると渋谷や新宿のモダンジャズ喫茶に通いセロニアス・モンク、ソニー・ロリンズなどをリクエストしていた。一方でジョーン・バエズやパパスママスなどのフォークソングも好きだった。
ベースとなったファッションはおおむねアイビースタイル。ジーンズに折り目がつくことを野暮だと心得る世代。国や国境という意識からはじめて自由になった年代でもある。日本人が当たり前のように海外に行き来することになる最初の年代でもあった。1ドルが360円だったり、円の持ち出しに制限がなくなった最初の世代。つまり、はじめてふつうの生活者として海外を経験し、消費行動をした世代でもある。要するに、日本がたどりついたはじめての「国際性」とふれあうことになった一般の人々。
そんな来歴を持つのがひとまとめで語られる団塊世代。主人公となる夫の50代前半というのは、そんな背景を持っているとくくることができるはず。
妻を「きみ」と呼んだり名前で呼ぶことができる最初の年代でもある。
これからの消費革命のメインターゲットとなると、日経あたりがさかんにあおろうとしている世代です。そん雰囲気の人を選んでね。

妻、40代後半。
そんな団塊の世代の夫と、出逢い恋に落ち結婚しても不思議ではない人。
あくまで傾向だが、家としての婚姻というより、個人としての婚姻をした意識が強い。
娘が年ごろになると娘と同じようなファッションをしても案外似合ってしまったりする、それまでの日本人にはなかったタイプの女性たちが多い。おっとアメリカだとこの年代以降にマリファナの許容意識がぐんと高まる。要するに私はワタシというミーイズムを日本で体言した最初の女性群ともいえる。ファッションは男性に比べてむさまざまだが、バブル無くらいから自然志向に傾いた。つまりその後に続く世代よりやや先鋭的な時代感覚を持っている。災害時のボランティア、日常的なボランティア活動などを無理なく自分自身のテーマとしてこなせるのはこの年代以降の特徴となる。夫と異なる政治意識を持つことを当たり前とし、夫と異なる候補者選択に違和を覚えない最初の年代。団塊世代と数年へだてた年代だが、日本の女性の歴史の中ではじめて日常的に海外旅行を満喫しはじめた世代でもある。映画、芝居、コンサートともに彼女たちが最大最強のオピニオンとなっている。自分らしく生きたいと願い、そう実現しようと望む無数の女性たちの歴史があったが、彼女たちのの年代がメインストリートを歩くようになって、はじめて文字通りの自由を獲得した、実現したと考えてよい。きわめて自意識の高い、その自意識をカタチにできた最初の年代である。
凛々しくて、強さがあって、しなやかでかわいさのある人です。
ま、これは理想だけどもね…


もう少し踏み込んだイメージで言うと、
夫は体にぴったりフィットした服を着ない。
パパスのCMをもう少しふつうに戻した感じが似合う。

妻は、そんな夫と調和しながら微妙に異なるニュアンス。
いくつかのブランドをミックスして
合わせちゃうようなタイプかな。

いずれも、ピュア、清潔感、リラックスがキー。
さらにアホには見えないこと。ちっとは知的に見えること。

友人となる30代の女性(かつのさん)をついでに。
国境を越えた医師団に応募するような夫と
暮らすことができ、同時に好きなオペラを観るためなら
欲しかったドレスをあきらめちゃうような社会性と
遊びへのこだわりを同じレベルで持ち合わせている。
主役の妻とは地域のボランティア活動で知りあい、
気が合って親しく行き来している。
シルクのブラウスを洗いざらしのワークシャツのように
着こなせる人。


三人の共通点は「グルメ(いまどき死語だけど)」と「音楽」。
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へたすりゃ長州逆攻めだ。
雪を待っての待機と決定。
下手をすると東京に帰れそうもないな。
スタッフは延長戦に備えて宿泊施設の確保と、万一に備えてスノーマシンの手配に走った。
あとは四十人近いスタッフたちと、
十数人の出演者の都合。

頭は痛むが、ここは腰据えて雪待つほかになし。
山口入りが12日だから、場合によっては会津からそのまま山口へという可能性もあり。
長州逆攻め、しゃれにならねえなあ。
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玉氷と少年白虎隊
スタッフは五時半に宿を出て伊南川へ。
晴れたら樹氷と川霧の撮影。撮影出来そうなら七時に現地合流ということで宿で待機し、朝風呂に入る。結局、雲が出てきて朝のロケは中止と川田プロデューサーの携帯に連絡。寒さで疲れた顔をしてみんな戻ってきた。これから朝飯を食べ、一休みしてから真打ちの曲家集落の現場に向かう。

地元の福島民報に、昨日猪苗代湖で「玉氷」現象が見られたと報じられていた。湿った雪が冷え込みによって玉のように結氷し風で打ち寄せられてくる現象で、極寒の時期に見られるものだということ。
昨日の朝は少なくともその極寒だったのだ。なのに、日中は3月下旬の暖かさとか。皮肉なものである。旅館の屋根の雪もたった一日で半分ほど溶けてしまっている。

鶴ヶ城の桜吹雪ロケのときに買った白虎隊の起きあがり小法師を持参したが、雪ごいの願掛けをして、窓辺に置いた。
たのむぞ少年白虎隊。
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−14℃でスタート
早朝の伊南川は氷点下14℃。しゃむい。
朝飯のおにぎりを食い、晴れバージョンを撮影。ドピーカン。
普通のときなら泣いて喜ぶ抜けるような青空だが、こんかいの我らには最悪である。
どんどん溶けていく雪を横目にスタッフたちはオープンセットの準備を黙々と進めた。3時過ぎからは取材のテレビや新聞社が来はじめたが、いかんせん雪が。
泣く泣くリハーサルということにし、少年剣士たち十人あまりを二班に分け、老人や孫、犬の配置をすませ、リハーサル。
空にはきれいな月と宵の明星。
むなしい気分でインタビューに答え、撤収。雪さえ降れば、ではある。
明日も午前五時半に旅館発の予定。
もう寝るぞ。
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雪祭り前夜
午後五時。舘岩村湯の花温泉、末廣旅館二階竹の間にて。
一時半に那須塩原駅で渡辺君にビックアップしてもらい、塩原経由で峠越え。
このあいだ知った田島のトンネル手前の横川というそば屋に寄って「田舎けんちん定食」にありつく。やっぱりんまいっ。群を抜くうまさである。辛味大根の冷たいつけ汁と熱々のけんちん汁に交互にひんやりした手打ちさばをくぐらせて食べるこの方法は特許モノだな。
ついでに蕎麦粉でつくった薩摩揚げというのをやいてもらったら、これもまたうまいっ。めんどうがる女主人を説得して東京に送ってもらうことにした。
水のうまさ、空気の凛々しさがきっとこの味をつくるのだ。東京のふやけきった空気の下で繰り広げる蕎麦の名人ごっこは、しょせん絵空事である。こういうものを体験すると、また、もういちど料理の仕事にとりくんでみようか、という気にさせられる。

現場ではスタッフたちが勢ぞろい。
明日からに備えてオープンセットが着々と完成しつつある。雪の状態も昨年に比べれば圧倒するばかりである。
宿にはいり、さっそく風呂に。

あがって涼んでいたら二番風呂で飛び込んできた男を見て驚いた。
スバルのレガシーロケの頃に一緒だったキノコ好きの照明マン井上君だった。
世間は狭い。

いつもの竹の間に座り、窓を開け放し、雪の村の夕景色を眺めながら体を冷ましていると、「帰ってきたな」そんなふうに思えた。

空はまだ明るさが残っている。
会津は静かな夕焼けである。

明日から、我が祭りがスタートする。
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花のラザニア 海の幸のサフラン風味を愉しむ三人
たとえばその人は、庭のハーブガーデンから摘んできた、
ハーブと花で、花のラザニアをつくり、夫が仕上げた大胆な柄の皿に盛りつけたいと考える。
という設定はどうかな。
押し花パスタを重ねたラザニア。
もちろんパスタも手作り。そのあたりがシズルですね。
花のラザニア 海の幸のサフラン風味を、あの光と風があふれた
キッチンで夫と友人の若い女性と三人ではしゃぎながらつくる、
そのこと自体を楽しんでいるようなイメージ。
これでどうだろう。
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若女将、退院し、万全となる。
http://www.m-circus.com/theearth/rokehan/0203tateiwa.html

渡辺から今日の様子が届く。
たしかにかなり積もっている。

さっき末廣旅館に電話したら、若女将のたみさんが電話を取った。一昨日退院したとか。とても元気そうな声だった。夏以来だから、はやくお会いしたい。
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今年のみ、春は名のみを良しとする。
川田プロデューサーからのメール

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川田です。

美術部の戸田さん、トーヨーのスタッフ、
イベントウェブの川下さん、渡辺さん、そしてワシ。

午前10時30分の到着後、資材のスタンバイ、ご挨拶、
テント張り、看板取り付け、木製窓枠制作・・・。

夕方5時過ぎまで、みんなは頑張りました。
寒い、寒い、といいながら、真っ白な吐息を見せつつも
一所懸命でした。


ざんざん雪が降ってます。

「テントの屋根部分にブルーシートを張った方が良いよ」
という撮影場所を提供してくださった小勝さんのアドバイスに従い、
屋根にシートをかけました。なるほど、雪が滑り落ちていく。


じゃんじゃかじゃんと雪が降っています。

前区長の小勝さんの話によると
「今晩から明日にかけて、この冬 一番の降りだなあ」


峠越えは、気を付けて。
慢心は禁物。ゆっくり、じっくり来てください。
                   舘岩村 先発隊
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返信メール
***************************************

列島はかなり大変なことになっているようです。
磐越道も一部が通行止めになっているとニュースで。
明日、本隊は峠越えなのでだいじょうぶだろうけど、
いよいよですね。

ぼくも残った蒲鉾や明太子などの薩長産物を
必死で食べまくってます。辛口なのでひーひー言いながら。



ところで気になることあり。
たみさんは退院されたのだろうか。
朝食のパンは復活したのだろうか。
伊勢屋の主人はメニューに工夫を加えるだろうか。
渡辺君はぶじに小生をピックアップしてくれるだろうか。


明日は立春。
今年に限り、「春は名のみの…」でいきましょう。
舘岩村のすべての屋根に美しい雪がしんしんと降り続きますように。
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会津猛吹雪。東京15℃。
現地入りした川田プロデューサーと電話で話す。すごい雪だそうである。村人総出でカメラポジションの雪かきを手伝ってくれているとか。ほんとうはこちらが家々の屋根の雪下ろしを手伝うのが筋なのに、屋根の雪は、屋根が押しつぶされる寸前ぎりぎりまでがまんしていただき、5日の本番に備えたいので、心を鬼にしてというか期待に膨らませて現場指揮をとっているようだった。気持ちの弾みが声に出ていた。
このところ込み行った仕事を抱えて、だいぶまいっていたようだから、大雪の会津ロケはいい気分転換になるだろう。

さて一転して東京はといえば、正午の外気温が15℃近い。東京は節分という暦通りののどかさである。

長州のクソ寒さといい、会津の豪雪といい、いや、狭い日本、ほんとに広いぞ。
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キース・ジャレット
久しぶりにキース・ジャレットを探しだして聴く。ベースがゲイリー・ピーコック、ドラムガジャック・ディジョネットの
AT THE BLUE NOTE/THE COMPLETE RECORDING
6枚組のうちDISC1と2まで。

泡立つ心にキースのかたくなな静かさはよく響く。
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薩長をいただく。
2日、山口に行き、最終便で帰京。
昼に宇部空港におりると3℃。震えた。
光は春のようにきらめいていたが、身を切るような風に震えながら6時過ぎまでロケハン。
十年以上前に未明の下関の市場でフグの袋競りを撮影しときの寒さを思い出す。あのときも小雪が降っていた。
最終便で戻るために宇部空港に。
空港の売店でうべ蒲鉾と明太子中辛と鯛寿司を買い、家に戻ってまとめて食べる。
昨日は物産展で手に入れた鹿児島産の薩摩揚げを食った。
薩長を腹にいれ、これで心おきなく会津に向える。

まずはひとあんしん。
明日3日早朝に先鋒・渡辺が会津に。
ニュースでは寒気団が待ち受けているとか。
なに、のぞむところだ。
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吹けよ風
久しぶりに風が騒いでいる。
予報によれば北から大荒れになるとか。
東北南部に大雪警報も出たようだ。
暮らしている人たちにはもうしわけないが、3日から準備が始まる南会津・舘岩村行きを思うと、さらに嵐となることを願う。
吹けよ風、起きよ雪嵐である。


しかし、ニッサンのプリメーラのデザインには驚いた。やるじゃありませんか。あんなセクシーさが出せるんだ、こんな国でも。
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ネクタイ騒動のニュースムービー
http://www.m-circus.com/theearth/public/houmon.html

知事表敬訪問のときに10年ぶりに買ったネクタイを東京に置き忘れ、雪の福島市内で大慌てで閉店間際のデパートに飛び込みなんとか買い求めることができた、そのネクタイ姿の移っているテレビニュースを渡辺君がキャプチャーしたもの。
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ぼんやりと
考えてみた。夫は50代前半。妻は40代後半、妻にはボランティア活動を通して知りあった30代の若い友人がいる。三人の共通点は趣味の音楽。三ヶ月前から新しいレパートリーの練習をしている。夫は陶芸、妻は南欧の田舎風料理に挑戦中。子供は家を離れているか、いてもてがかからない年齢のため登場せず。
ある日、夫がつくった大胆なデザインの大皿を見て、この皿を器にしてシチリア風のパスタを盛りつけたらきっとおいしいに違いないと思い立った妻は、友人の若い女性を呼んでランチを催すことに。
笑いに満ちたランチのあと、三人は楽器をとって練習中の曲を奏でる。

やってきた女性を茶を立ててもてなし、ランチと合奏の合間に庭に出で犬と遊びハーブを摘んでハーブティーを飲む。

これで8分から10分。5つの要素は落とし込めたはず。
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忙中閑。本日は休業
ふと手帳を見たら一月は8日から31日まで一日の休みもなく仕事していたことに気づいた。
気づいた途端、熱っぽくなった。
んなわけで本日はオフ。
ごろごろして過ごす。

明日は湯治部メンバーと山口ロケハン。
明後日からはいよいよ雪の会津。
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豪雪渇望隊の日々
http://www.photohighway.co.jp/AlbumPage.asp?m=0key=197412un=7047

1/25-27にかけての雪のロケハン記録。
ほんのわずかな時間差で帰京できたが、
通り過ぎるそばから高速が通行止めとなった。
猪苗代湖周辺と舘岩村前沢曲家集落で

たどれないときは左のLinksのいちばん下から
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