2000年07月の記事


赤いヒマワリ
昼過ぎまで眠る。
起きたら目やにで目が開かず、あせった。
朝昼兼のパンとコーヒーを2時間かけてのんびり食べながら3日分の新聞を読んだ。

一昨日の夕刊の片隅にあった小さなコラムに、黄色ではないヒマワリの話しがあって、昨日ぐうぜん撮った赤みの強いヒマワリがその一種だったらしいとわかる。

その赤いヒマワリを見つけたとき、
ひざしの強さに日焼けしすぎたのかと思ったがもそうではなかったようだ。

窓のカーテンの間から見える空は真っ青で、とても東京の夏とは思えない濁りのなさだ。
外で犬のように舌を出しながらあえぐのもいいが、エアコンの効いた部屋で、夏の盛りを高みの見物というのも悪くない。

今日は、もう少し日が低くなったら病院へ。二日間炎天下で酷使した指のケアをしてもらいに。
途中まででやめた「アナザヘブン」の残りを返却し、村上龍の後半を片づけようと思う。
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盆地暮らしで明け暮れた
梅雨明けから土用までほぼ十日で、
会津盆地、甲府盆地にのべ七日。
山だけで腕と顏が真っ黒になった。

原稿書きもしんどいが、
ひさしぶりにきついロケを乗り切った気がする。

ちょっとほめたい。
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K子くん、発見。
午後4時。
ピーカン。
雲は厚いが風があるので流れが早い。
陰ってもすぐに日が出るのでかえって休む暇がない。昨日みつけておいた高校3年生を撮影。スタンバイ中に話をしていたらピアノ科で、大学はそのまま上に進むということ。
例の総合編の企画にびったりなので詳しく話しを聞いたところ、母親も同じ大学でピアノを学んで、いまはピアノ教師をしているとのこと。
これであの企画の芯ができた。
流されそうになった企画だが、この高校生をきっかけに復活させようと思う。


暑い盛りにむりしてロケに出た甲斐があった。
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多摩川と松井の花火
6時過ぎにラストカットを終え、現地で解散。
制作部は現地泊。撮影部と特機部は機材準備があるので帰京。
ほどの良い雲があったので7時半頃まで日没後の青が残っていた。�
往きがウソのような流れで調布手前まで残照をながめて過ぎた。
例によって新宿辺りがどん詰まりと出ていたから調布ランプで降り、多摩川沿いに下った。
二子玉川の手前、川崎側のグランドで花火大会。
きれいな夏の夜空に打ち上がる花火と、川面への映りに目をとられた。
気分の良い帰路のさなか、一貫してジャイアンツがリードしていたことは言うまでもない。
工藤の第三戦への強引な起用といい、松井への岩瀬のワンポイント起用といい、熱血をベールに星野のずるさが目立つ一週間だったが、松井のホームランでうさも晴れる。
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あじあじあじあじ
結局、正午前に四方津着。車イスに乗せられて、いや乗せてもらってさっそくカメラテスト。続けて本番。空は青く雲は白く緑は濃くクレーンの動きはなめらかで気持ち良いが何しろくそ暑い。予定した三カ所でクレーンを設置し、出演者のべ30人を適宜配置しながら4時にアップ。ラストに丘の上から街の全景を撮って今日は帰京することにした。
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誤算
朝七時前に蒲田のオフィスを出て、現在九時半、立川の直前。高速は調布インターで降り、20号線をトロトロ走っている。
ロケ地集合が九時。あと二時間はかかる。
やはり前日どまりの指示を台べきだったな。
予算が予算がの悲鳴に甘くなりすぎたと反省。制作プロダクションはまず目先の得を見てその先の損に気づかない。困ったものである。暑いからもう引っ返そうかな。
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「将軍の娘」のトラボルタ
デミルの小説の風通しの悪さに比べれば、映画版は想像しなくていいぶんだけわかりやすく、そのぶんだけ陳腐だった。
ハリウッドから効果音とったら、何本の映画が生き残れるのかね。

それにしてもトラボルタの不摂生はどうだ。あれは何の役作りなのか。ベーブの新作かと思ったよ。

深い話も2時間でまとめれば単なる火曜サスペンスだ。
木曜でも土曜でもいいけどな。
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「アナザヘヴンeclipse1」
1の巻末についていた案内を見ていてこんがらかった。
本編と地上波で近接・交叉する多元ストーリー展開らしいが
無意味にカットが短すぎて理解しにくさが強い。
できの悪い予告編のまねすると失敗する典型のような編集だった。
10年前のCM見せられているようなやみくもに短いカットの連続で、
ちよっとバカっぽさが目立つ。
これじゃ鬼才飯田も泣くだろう。
安易なメディアミックスがオタクの遊びで終わるあたりが日本ならではあるけども。

しかし日本でこのテをつくると、どうして登場人物がみんな子どもじみた表情をしていて、刑事たちがみんなヤクザか頭の悪い不動産屋のようになるのだろう。この国の「カフェ」が子どもに占められていることと何か関係があるのかな。

不思議なことだ。
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12歳!?
ログを見ていて、気になったので訪ねたら12歳の男の子のページらしかった。BBSを見るとおばあちゃんやら同級生やらおばさんやらの書き込みが冷倉庫にぶら下げられたホワイトボードのようにいっぱいで、なんというか微笑まされた。

スタッフの父親が78歳でアドレスをとり、知り合いのプロデューサーの娘は3歳のときからアドレスをもっている。もっともこの3歳児は、口述したものを母親が入力してくれているが、これは言ってみれば音声入力ということでもある。
彼女とのやりとりは、全文ひらがなの分かち書きにするので、
ことばの選択にとても気を遣うことになり、いい刺激になっている。企画書を書き飛ばすより、数段むずかしい。

日立サイエンスシリーズを10年前に手がけたとき、中央研究所の武田博士が、「いまコンピュータゲームで無心に遊ぶこの子たちが大人になったとき、この世界は確実に変わることになる」と言っていたが、なに、もうとっくに変わっているのだね。
7年前に電子夢王国MOMOをつくったときはインターネットのイの字もなかったから、あんなネットワーク社会はまだまだ想像の中にしかありえないとどこかでタカをくくっていたが、これもあっという間に乗り越えられている。

5年前の三菱電機のエレショー用の「ある秋の夏休み」の予想世界がちょうど重なるくらいかな。

変化の速度はまったくあきれるほどだが、シンクロしつつ進んでいくという快感にはなかなかのものがある。

西表島のロビンソンは元気だろうか。
波止場で泣きながら見送ってくれた小学生のなみちゃんはしっかりまばゆい人生を歩んでいるだろうか。
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この暑いのにロケ報告
毎朝4時前に起こされて撮影していた反動か、
帰京してからは2時過ぎまでの熟睡がつづいてる。
明日からまた二日間、積水ハウスの四方津ロケ。
早起きにはなるが…

今日はこれから会津ロケのロケ報告をまとめることになる。

ナイター中継開始まであと3時間。
さっさと終わらせないと。
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「ほんとうのジャクリーヌ・デュ・プレ」
冒頭の浜辺で少女時代のジャクリーヌが出会ったのが後の自分であったというエピローグによって、映画としての落とし前がきっちりつけられたことになる。ハリウッドにはつくれない大人の夢が、ここにある。リアリズムに落ちる薄皮一枚で踏みとどまる、これは大人のファンタジーだ。スターウォーズとディズニーが大手を振るアメリカにこの深さは望めない。アメリカは苦味止まりの国だから。何本か適当に抜き出して借りてきたうちの一本だったが、魅せられた。この暑い夜中にさめざめと泣かされました。

それにしてもだ、「ほんとうのジャクリーヌ・デュ・プレ」というタイトルは、こりゃなんだ。日本ヘラルドはこんなタイトルをつけてしまって恥ずかしくはないのか。洋画の配給会社がどうせ日本人には通じないからといってアホなテレビ番組のような間の抜けたタイトルをつける悪癖はどんな時代がきたらなくなるのか。
へたすれば国内封切り前にウェブ経由で3日でソフトが届く時代に、いつまでこんなバカなことを続けているのだろうか。

「ほんとうのジャクリーヌ・デュ・プレ」ではまるで安手のサスペンス。この映画は二人の姉妹の名前をそのままつけた原題によってのみ、作品が成立しているのじゃないのか。

映画は芸術であるという。
タイトルをこんな扱いする芸術というのはなんなんだろうな。

誰がいつまで
こんな無謀なことを許すのだろう。
感動した分だけ、腹も立つ。
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The Earth ロゴ完成
The Earthのロゴができあがったのでイントラネットの
ヘッドの「夏休み」の絵とチェンジ。
手書きふうのなかなか優しげな書体だ。
少しずつカタチが見えていく。
あと一年。
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Over The Rainbow
Over The Rainbow

世界中に希望のかけらもないとき、
雨があたり一面降りそそぐとき、
天国が魔法の小道を開く
空に暗雲がたちこめるとき、
虹のハイウェイが見えてくる
君の窓から太陽の影にある場所へ、
雨を一歩越えたところに
空高い虹の彼方に、
いつか子守歌で聴いた国がある
青い空の虹の彼方で、
心から夢見ていたものが実現していく
いつか星に願いをかけ、
雲から遠く離れた場所で目覚めよう
レモンの飴のように悩みが溶けるところ、
煙突の上にいる僕を君は見つけるだろう
虹の彼方に青い鳥は飛ぶ
虹の彼方を飛ぶ鳥たち、ならば、きっと
幸せの青い鳥たちが虹を越えて飛んでいくなら、
きっと僕も飛べるさ



slava「Somewhere」POCH1787より
対訳/秋山静子幸子
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会津撮影記録
7月22日から25日までの撮影記録を渡辺がアルバムにしたもの。

http://www.photohighway.co.jp/AlbumPage.asp?un=7313key=26207m=0
このアドレスでアクセスするとエラーになるという問い合わせが
数件あった。面倒だけどLinksにも載せたからそちらでクリックしてみてください。
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虹の彼方に
積水ハウスのテーマ音楽を虹の彼方にでいくことに決めた。これからヴアージンレコードに行って、どんなバリエーションがあるかリストアップ。好みとしてスタン・ゲッツで渋くいきたいところだが、そうもいかないか。
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ひぐらしとカワセミ
今度のロケで印象に残ったのが、ひぐらしとカワセミの声。
ひぐらしはもっと夏が深まってからと記憶していたが、
ロケの間中、ずっと耳について離れなかった。
ひぐらしの声はどうしてあんなに澄んでいて、すこしもの哀しく
聞こえるのだろう。
そしてカワセミ。
藤八の滝と名付けられた谷地で撮影しているときに聞こえた
カワセミのさえずりは、どんな楽器でも再現できないなと思うほど
複雑で素朴で繊細な音色だった。
かなりの音量の滝の音にも関わらず、周囲の空気を切り裂くように
カワセミの声が、他のすべての音を消した。

あんな瞬間は、
どんな音楽も無力だな。
かなしくなるほど無力だな。
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舘岩村
会津の舘岩村は、前に「日本で一番すみやすい村」に選ばれたことがあると何かで読んだ記憶がある。
何度か撮影で訪れているうちに二つほど気になったことがあった。
ひとつは、窓を開け放していてもあまり虫が入らないこと。これはたまたま滞在していた湯の花村の旅館の周囲だけかも知れないが、風呂にも部屋にもおどろくほど虫が少なかった。
もう一つは、犬たちがのんびりと暮らしていられること。
ジョンとコロとナナの話以外にも、 ルーとマヤのエピソードなど
短い時間でずいぶんと犬の話を聞かされた気がする。
そしてどの犬のことも隣人のように擬人法で話していた。
単に犬好きの人が多い村なのか、動物のことにまで気持ちがまわるゆとりがあるということなのか…
少なくとも経済の豊かさとは、あまり縁がない世界ではある。
その村に住みたいかと問われれば、さあと考え込むことにはなるが、心魅かれる村であることは間違いないように思う。
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指くん、すまんな
河原の焼けた石に熱せられたせいか
新しいズックが合わなかったのか
左足の親指と中指の先が水膨れ状態に。

家に戻って消毒したが
五年前の夏のこともあるので
明日医者に行ってみよう。

多少の被害はあったわけだ。
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花泉四合ビンで乾杯!
帰京。夜8時。
北上する前線に突っ込むように会津から帰った。
昨日までの38°近い炎熱とはうってかわって
今日の撮影地は13°の寒さ。
峠一つで25°もの落差。スタッフも限界だな、と思った。

ゆうべは露天風呂にカラダを沈めることができず
岩に腹ばいになってお互いにさました湯をかけあって
いるスタッフたちを見かけた。

毎朝、夜明け前に起きて握り飯二つで飢えを満たし
午前8時には30°を突破するストレートな紫外線を浴びながら
8°の川に腰まで3時間ぶっ続けで入って下半身が紫色になった
照明スタッフがいた。
上半身38°下半身8°、
これでは子どものなぞなぞみたいじゃないか。

よく誰も倒れずに撮影できたなと思う。

水の惑星の水の夏という大上段に構えたテーマだからこそ
できたのかもしれない。

今夜から関東も東北も九州も、列島全体が
前線にほんろうされることになる。

雨の被害が続出するだろうが、
満を持して21日ロケ出発を設定し、
狙い打ちでの撮影プランが大成功したのだ。
今夜だけは、
鮮やかに決まったヒットアウェイ作戦の成功に乾杯しよう。

手元には花泉の四合ビン。昨日南郷村の花泉酒造に立ち寄って
仕入れてきた正真正銘の花泉である。

では諸君、乾杯。
おつかれさまでした。
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ジョンコロのバラード
ジョンコロのバラード


舘岩村の湯の花温泉郷では
朝昼夕の三回、村内放送で音楽を流します。
朝は6時に「ふるさと」のテーマ、昼はチャイム、
夕方は5時に「夕やけこやけ」。
この音楽に合わせて二匹の犬が合唱します。
犬の名は父親が8歳のジョン、息子が5歳のコロ。
それぞれ隣り合った家に飼われています。
川を挟んだ宿泊先の末廣旅館の二階に泊まっていたぼくは
この日はやく目覚め湯上がりのほてりを窓からの風でさましていたら
とつぜん音楽が流れ、犬の鳴き声がその音楽に重なるのを聞きました。
よく見ると対岸の家の庭で豆粒のような犬が飛び跳ねています。
さっそく隣の部屋の渡辺君を起こして様子を見に行ってもらいました。

その結果、合唱好きの犬の父子のことが判明。
いつのことか忘れたけど、二匹は村の放送で音楽が
流れると必ず合唱するように吠えるのだといいます。
いまではそのせいか鶏が時を告げることもなく、
この湯の花温泉郷の朝は二匹の犬が告げるそうです。
ジョンの妻でありコロの母である犬がどうなったのかを
聞くことはできませんでしたが、飼い主の石湯旅館の
御主人星さんが言うには、いなくなった妻であり母である
犬のことを恋しがっておるのかもしれん…とか。
それはどーかな、とは思いますが、ま、そんな話もありました。

日本中をロケしていますが、鶏の鳴き声ではなく
犬の合唱で目覚めたのは、これがはじめてのことであり、
ちょっとお知らせしたくなりました。

なお、冬のロケハンで遭遇した
南郷村のカネマンのおやじさんにも再会。
奥さんが体調を崩したとかでちょっと元気が足りなかったけど
相変わらずのカネマン節に見舞われました。
当日の一品メニューの写真とともにおやじさんの近影もあります。

ロケハンチーム解散後、南郷村の花泉酒造を訪問。
土曜日で休みだったけど専務さんと会って
銘酒花泉を産直で仕入れました。
花泉酒造はひなびた光景の村外れの集落に
ひっそりと建っていて、なかなかの風情でした。

以上について渡辺君が撮影した写真が数点あります。
興味がある方は下のURLをクリックし
パスワード「2001」でアクセスしてください。

http://www.photohighway.co.jp/AlbumPage.asp?m=0key=23434un=7047
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「ライディング・ウィズ・ザ・キング」
今度の会津ロケには三十枚あまりのCDを持ち込んだがひととおり聴いた後は、
エリック・クラプトンとB.Bキングが組んだ「ライディング・ウィズ・ザ・キング」だけを繰り返し聴いている。
火照った身体と頭の中を静めるのにふしぎと合っているのだ。奇妙なことに日本の田舎の原風景のような舘岩村湯の花地区の光景にもよくなじんでいる。
これは意外な発見だった。

もっとも加熱しっぱなしの脳が
単に判断力を失っているというだけかもしらんが。
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犬のような三日間
七月二十四日夕。

湯の花温泉末廣の二階で。
昼をまわったところで雷雨となりアップ。
この三日間は38度近い炎熱の下で
犬のようにあえぎながら過ごしていたので
正直ほっとした。

会津は暑い。
日本は暑い。
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「シグマの誓い」リリカルだが…
「シグマの誓い」ロブ・キーン/早川書房
ロケ先の南郷村で24日午後読了。
新人の第1作にしてはなかなかだが、物語の結構としてはどうかな。濃密なのに冗長なので中だるみが気になる。
リリカルさをもっとストレートに活かしていたらかなりのものだとは思うが。
映画化が決まったと後書きにあるが、むしろ細部の冗長さが殺がれる分だけ映画向きかもしれない。
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純正・日本の夏
二十三日。大暑の翌日ながら、ここ会津の山奥の伊南村は、猛烈な暑さだった。
ついに記憶の中に潜んでいた、正しい日本の夏の姿のひとつに遭遇できた。
俺自身は釣りは嫌いだが、きょう撮影した福島でいちばん遅い鮎の解禁の光景は、
真っ青な空、真っ白な雲、その青と白をうけとってとうとうときらめきながら流れる川。
その川のあちこちで待ちわびた夏をすくい上げようと無心で釣り糸をたらす釣り人たち。

スタートをかけてOKを出して、
その18秒足らずの移動ショットに
ぽかんと口を開けて感動していた。

まちがいなく
これは純正な日本の夏の光景の一典型だと
そう実感できた。

こいつを来年の七月七日から
20m×15mの巨大スクリーンにかけるのだ。

うれしかった。
そして暑かった。
さらに眠かった。
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出陣。
三時半、障子ごしの月明かりで目覚める。

昨夜は11時過ぎにバタン。
夕方から三度入った温泉疲れか。

畳まで濡れるような寝汗をかいていた。

露天におりてまだ高い下弦の月を眺めながら
湯につかっているうちにしらじらと夜明け。

部屋に戻り、麦茶を入れ、カロリーメートを1枚。

これから出陣である。

ジョンとコロはまだ眠っているようだ。
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その後のジョンとコロ
以下、水の惑星MLへのメール7/21付け

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その後のジョンとコロ


湯の花温泉の末廣旅館の若女将タミさんの話によれば…

ジョンは家から3kmも離れた水引(みずひき)地区の
ナナという娘犬を、ある日散歩の途中で見初めたらしい。
そのナナに逢いたくて毎日毎日3kmの道を通い、
いつか思いが通じて結ばれた、とか。
(ただしこれは村人たちの推測である)

そしてある日、ナナが三匹の子犬を生んだ。

この子犬たちの父親をめぐって水引では一騒動が起きたというが、
それはまた別の機会に話すとして、
ジョンとコロがけっして孤独で寂しかったわけではないことを
ここでは喜んでおこうと思う。

ちなみに、ナナはもともと歌好きの犬で
コロはその歌姫の血を受け継いだのではないかと、
タミさんは語っていた。

では、ジョンは?とたずねると、
ジョンは息子のマネをしていて覚えたのではないかと、
タミさんは語っていた。

タミさんからは、この湯の花地区と村役場をまきこんだ
ある迷子の犬「ぽち」の話も聞いたが、
その話しも書いていると明日の四時起床に
間に合わないことになりそうなので、
またの機会にゆずろうと思う。

階下の囲炉裏のある部屋では
さっき着いた宮本さんと高橋さんと池田さんが
遅い夕食の真っ最中である。

開け放った窓からは川音が聞こえている。

スタッフたちは、明朝に備えて
飲んだり眠ったりお湯につかったり
さまざまである。

舘岩村湯の花温泉末廣旅館の夜がふけていく。
夏ロケ正念場が明日からスタートします。

小生はこれから温泉へ。
水の惑星・福島は、またお湯の惑星でもあります。
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今日から会津。
今日から会津に入る。
気を沈め、昂ぶらせようと福島泰樹に浸る。
仕事をもたず人の情けにすがって、
福島を読み、真崎守を読み、大島弓子と吉本隆明だけを
読みながら十年余りを多摩川べりの小さな町で暮らした。

気が狂うほど忙しい今ごろになって
その頃読んだ世界にあらためて魅かれていくのはなぜなのか。

埃だらけの真崎と大島のマンガを今日、本棚の後ろから
引き上げた。
さてどんな展開が待っているのか。

楽しみなことでは、ある。
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あまくくるしきを流れよう
望郷のこころはあまくくるしきを流れよう 
どこまでも雲と水われも

福島泰樹「転調哀傷歌」より
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往く鳥は悲しかりけり
往く鳥は悲しかりけりなにもせずなにもせずとぞ啼いて過ぎにき


福島泰樹「晩秋挽歌」より
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寒村
空にかぜ窓に月差す寒村は一人びとりよならばおやすみ


福島泰樹「晩秋挽歌」より
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唇熱きまで
あわれ紫陽花わが昏迷のきのうとや唇熱きまで汝を愛でしかも


福島泰樹「晩秋挽歌」より
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昼の月
わが視野をつねに脱落してゆくものを追い求めんとせば昼の月


福島泰樹「晩秋挽歌」より
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わが陣地なし
積み上げし椅子プラカード立看板 ここより遠くわが陣地なし

福島泰樹「バリケード・1966年二月」より


ああ、こんな歌を読み返すのは何年ぶりだろう。
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爆発寸前の恋
雨に弾く一途なこころ連弾のバッハ爆発寸前の恋

福島泰樹「エチカ・1969年以降」より
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「希望の国のエクソダス」
村上龍の「希望の国のエクソダス」文藝春秋社刊
今日手に入れた。
文藝春秋の連載第1回を読んでから、これを細切れの連載で読み進めるのはつらいことになりそうだと思い、刊行を待った。
手にしてあらためて、読むことがつらいことになりそうだなと予感。
さて、いつどんなタイミングで読み出そうか。
ひさしぶりに緊張を強いる村上龍である。
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盆地三連続走破。あじじ
先週末まで会津盆地。
月曜は京都盆地。きょう火曜日は甲府盆地。
盆地はほんとに暑い。あじい。
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ぼくのなつやすみ四日目に
ロケハンを挟んで
なつやすみの続きを再開。
今夜は四日目を遊ぶ。
毎回絵日記を書いて電気消して寝るというのが
なんだかクセになりそうだ。
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ハカイセヨ
35°、湿度85%。
どこかの17歳の高校生は
冬も春も、一年中が
今日の天気のような毎日だったのかもしれないな。

会津-東京-京都と続けて動いて
日本はしみじみ異常な気象とそれに見合った人間の棲む国だと思えた。
この気の狂ったような暑さの下で、スーツとネクタイと革靴で汗もかかずに新幹線の駅を昇り降りしている群にぶつかったとき、
「むかつく」というコトバに実態があることがわかったように感じた。
誰でもいいのだ、きっと。
「破壊せよ」という声をどこかで聞いてしまうのだな、
そう思えた。

やばいなあ、と思い、
京都駅でみんなと別れ、一足先に一人で電車に乗った。

気象は、怖いよ。
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こころはかなく
こころはかなく山はるばると雲行き水は流れておる

福島泰樹「晩秋挽歌」より
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獅子身中の虫
七月の甲羅の群れのこの俺は獅子身中の虫干している

福島泰樹「エチカ1969年以降」より
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いちめんの黄の海
猪苗代町から喜多方へと向かう街道筋。
ひまわりの群生地を見つけた。
まだ二十センチ足らずのひまわりが青々とした海原をつくり、雨に打たれさわさわと揺れていた。遠くに小高い山。
あと四週間で、この緑の海は一面の黄の海に変わる。真夏の盛りの太陽に向かって鮮やかな十数万本の黄色の群れが、ふわりふわりと笑うのだ、そんな光景を思い浮かべながら、雨に濡れていた。
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ひゃっこの水はひゃっこかった
その水を手ですくったら3秒でジーンとしびれた。真冬のように冷たかった。
南会津の山の奥の過疎の土地、昭和村。
その過疎のさらに奥に分け入った先に、「ひゃっこの霊泉」と名付けられた湧き水があった。福島が軒並み33度を越えた午後、この清水は名の通りひやっと冷たかった。
道に迷って、この湧き水に巡りあったら、きっといのちの水に思えるだろうな、そんな冷涼さをそなえた水だった。

さてこの水を巨大画面にどう切り取るか。
会津は、予想を超えて深い。
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なにもして来なんだったが
なにもして来なんだったがひたすらに吹き来る風にゆるし乞うるも

福島泰樹「中也断唱」より


『ああおまへはなにをして来たのだと…
吹き来る風が私に云ふ』中原中也の『帰郷』の本歌取りとして。
さて明日からのみちのくでその故郷のシーンは見つかるのか。
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帰る田舎はありますか?
「ぼくのなつやすみ」はこんなふうに始まる。

*******************************

夏の予定がありますか?

帰る田舎はありますか?

最近、空を見上げましたか?

最後にセミの声を聞いたのはいつですか?


ほんの少し現実から目をそらし、
あの夏に戻ってみませんか?

とびっきりの夏休みが、ほら、ここに…

*******************************

「未来ササヤンカ村」がこんなところに息づいていた。きっかり5分間、手が止まった。帰るべき故郷があるか否かは別にして。
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ぼくの夏やすみ
「ぼくの夏やすみ」をどうしても見たくて
PS2を買った。夜中に買いに出たので本体は手に入ったが
「夏やすみ」は店頭に置いてなかった。
直感的には、大当たりの内容だと思っただけに、
はやく体験してみたい。
水の惑星の「夏本番ロケ」に大きな影響を与えてくれる
そんな気がしているのだが…
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だだだんだだだだ
ああ今日も暮れてだだだんだだだだと
村に太鼓を轟かさんよ

福島泰樹「転調哀傷歌」より
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雨の歌
雨の歌 過ぎし時間の千の束
ガラスの窓に折れて散りゆく

福島泰樹「風に献ず」より
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たましいの飢えばかを言え
たましいの飢えばかを言えハンガリア
飯はまだかと聞く狂詩曲

福島泰樹「風に献ず」より
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アリーは強力ビタミン剤
ロケが中止になって、まったく予定外の時間が空いたら、むしょーに「アリーマイラブ」を観たくなった。2ndシリーズがもうすぐリリースらしいけど、どうせなら3巻ずつ半年がかりではなく一気にドンと出せないものか。
気の抜けたときの「アリー」はなかなかのビタミン剤になり、レンタル屋で同じものを何度借りだしたかわから人気とは聞いているが、おれの周りでは知ってるだけで二人の広告マンが絶賛している。
一人はD2のNさん、もう一人はD2TのSプロデューサーいずれも見事に中年かつ薄髪。
おれは髪は薄くないが、ひょんなことからこの二人が絶賛しているのを聞き、もう観るのをやめようかとも思ったが…
日本ではあれだけのドラマは絶対につくれない。何よりもライターが皆無。次に視聴者の年齢層=実年齢ではなく精神の方だけど…が以上に低いから、複雑な仕掛けのある会話のニュアンスが理解できない。つまりドラマとしてはきわめて起伏をとぼしくせざるを得ない。
ツインピークスでもERでもそうだけど、
この国ではいつもマイナーなブームで終始する。なんとかららねーかなとは思うが、ま全体的な知能の問題だからいかんともしがたいし…

そんなわけで「アリー」の2ndシリーズを待ちわびているのだ。
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「東京アンダーワールド」は情けない
ロバート・ホワイティング「東京アンダーワールド」角川書店

「菊とバット」「和をもって日本となす」のホワイティングが六本木の噂に名高いあのニコラスの経営者の暗黒世界を描き、アメリカでは「タクシードライバー」のマーティン・スコセッシが映画化するという前評判と、平積みされたそのちょっとノワールな風情の装丁にだまされた。
つまらん。ほんとにつまらねえ。
一段組300ページ余りとという本文の少なさに不安はあったものの
まさか ホワイティングだものとなだめつつ読み進み最後まで。
10年に1冊なんだからもう少し掘り下げることはできなかったのか。

つまらん街にはなったけど、アンダーワールドは同時にワンダーランドでもあったのに、東京で育てば、こんな下駄屋の小僧でももう少し込み入った裏を知っている話を、妙なライト加減ですかすか書き飛ばしてくれて、あきれたもんだ。

六本木も赤坂も、もうすこし裏も表も陰影があったよ。
いりくんでいたよ。
ここに出でくる「ガイジン」は、ホワイティングが一番嫌いなはずの、日本人が描く「ガイジン」像すぎて、ほんと古い東映そのものだ。ヤクザたちもみんな類型的でしまらない。

装丁と看板にやられた。
その意味ではたしかに「アンダーワールド」ではあったけど。
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さくらばな
さくらばなちるちるみちるみずながれ
さらば風追う言葉とならん

福島泰樹「転調哀傷歌」より
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なにもせず
往く鳥は悲しかりけり
なにもせずなにもせずとぞ啼いて過ぎにき

福島泰樹「わが懺悔録七月七日」より
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憂愁
憂愁をぬぐわんとして拭わずにおり
冷や酒の露となるまで

福島泰樹「わが懺悔録七月七日」より
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美しき一人に
美しき一人にむけて告げんとすかかげる旗の鮮紅の意味

福島泰樹「越冬は悲しからずや」より



一点突破、全面展開。2000年七夕
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愛すほかなく
風孕み落ちゆくまでの一瞬を
われらはわれを愛すほかなく

福島泰樹「風に献ず」より
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明日、試写。
6日夜、アイマックスシアターで上映終了後に「水の惑星」撮影分の3D試写。
20m×15mの巨大画面で桜吹雪は、ほとばしる滝の水しぶきは、さてどんなふうに見えるのか。
たのしみなことではある。
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憂愁の果
跪き君を求めてありしかぎなど
憂愁の果に想いき

福島泰樹「風に献ず」より


4日夜、都心浸水。
なかなかの梅雨である。
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toni braxtonのTHE HEAT
六本木で雷と夕立にあって、タクシーに飛び乗り
蒲田に着いたら、晴れていた。駅ビルのヴァージンレコードに
寄って安売りの輸入盤コーナーで見つけた一枚が
toni braxtonのTHE HEAT。
なかなかである。
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雨の女よ
過ぎゆきをあわれむなかれ
びしょ濡れのわが前に立つ雨の女よ

福島泰樹「風に献ず」より


7月3日夕 東京は激しい雷雨
ひさしぶりの福島さんは、ほとんど日めくりカレンダーである。
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ミネット・ウォルターズの四作品を堪能。
ミネット・ウォルターズを読む。
発表順に「氷の家」「女彫刻家」「鉄の枷」「昏い部屋」
それぞれ東京創元社刊、翻訳は成川祐子。
噂にたがわず、剛腕かつ繊細。いずれも趣の異なる上質な仕上がりで恐れ入りました。
世評高かったのに、なぜ読まなかったかには二つ理由があった。
第1作の「氷の家」がでたときに書評で褒めていたのがあてにならない書評家たちだったこと。もうひとつは 東京創元社刊の単行本に
共通する装丁の下手さゆえ。
ま、しかし予断は人をあやまらせる典型的な症例となった。
このところ手にする小説の水準の低さにうんざりしていただけに、
いい口直しになった。人の勧めは信じてみるものである、かな。
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DEAD OR ALIVE 
三池崇史の「黒社会三部作」をもうすぐサヨナラのディレクTVで観た。「新宿黒社会」「極道黒社会」「日本黒社会」の三作。
「新宿黒社会」が特に印象に残る。そのまま
「DEAD OR ALIVE」もチェック。こういうときPPVスタイルはラク。

「DEAD OR ALIVE」これにはぶっ飛んだ。おそれいった。
しかし、ラストの1カットは何なんだろう?
シニカルなのかおふざけなのか、迷うところだが、
しかし爽快ではありました。

才能だと思う。

「新仁義なき戦い」を和泉聖治で撮ると発表したが、
この三池崇史でも観てみたい。

脱帽しました。
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「闇の貴族」の底浅い闇
「闇の貴族」新堂冬樹/講談社刊行

話題になっている「無間地獄」よりはこっちの方が
まだマシではないのか。
それにしても材料のてんこ盛りには呆れた。
解説の日下が、豊富な素材を惜しげなく使い、
圧倒的なスピード感で突っ走るとか書いているが、
映画じゃあるまいし、いまどき小説でスピード感も
ないだろう。逆だよ。
踏みとどまって今の三倍のボリュームに仕上げていたら
新堂は化けたかもしれないが、
このままだと大藪春彦にはももちろん馳星周にすら
足元にも及ばないね。いちおうは編集者がついてるのだろうから、
書き言葉と話し言葉のチェックていどはするべきだろう。
ヤクザのせりふのなかに「…前述した…」という言い方が
出てきたときは腰が引けた。キッチュではあるが、
キッチュなピカレスクというのもな。
ただ、最後まで引っ張る力は相当なもの。
ラスト近くのアクションになるとずっこけるが
エピローグまで読むことができた。
パワーはたいしたものではある。
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ましろき花のごとしよ
目を病みてひどく儚き日の暮を
君はましろき花のごとしよ

福島泰樹「転調哀傷歌」より


この花はクチナシなんだろうな、やっぱり。
七月になったよ。
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かなしかるべし六月の恋
しめやかに汝れのなが髪ぬらさむと
かなしかるべし六月の恋
     福島泰樹「晩秋挽歌」より


しかし、
いいのかな、こんなこと書いてて。
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