《ことの終り》★★★★★
《猿の惑星》《ロミオとジュリエット》《ことの終り》の3本を続けてレンタルビデオで見る。
《猿の惑星》は予想通りの駄作。すべてが細部にわたってうすらさみしい映画だった。
《ロミオとジュリエット》は《ムーランルージュ》の監督作品だったので見たが、冒頭のキレの良さ以外に彼らしさはない。基本的に主役二人のミスキャストだと思う。
《ことの終り》はふと手に取った。
これはすごかった。静謐で抑制的でありながらすみずみまでほとばしるような熱情にあふれている。こんな映画がこの時代に存在することが信じられない。
とりわけラスト近くで、三人が同居して女性の死を看取っていくという発想に驚いた。さらに相対していた二人の男の会話の質の良さに舌を巻いた。
とうとつな印象だが野沢尚が《恋人よ》で描こうと試みた世界と共通するものを感じ、見せかけのスタイルとは大きく異なってきわめてアクチュアルな映画となっていたことをあらためて。

ひさしぶりに借りてきたビデオをまとめて見ることができた。いくらか落ち着いたのか、とも思う。いいことなのだろう。

これからオフィスでFTVの取材。
年末の回顧番組だとか。
回顧するにはホットすぎる気もするが。な。