2006年04月の記事


緊急脱出サプリ24H4.29-30
にわか雨。1時間のマッサージ。カシス入りのレーベンプロイ2杯。アボガドがたっぷり入ったジューシーなハンバーガー。枝付きのほしぶどう。ドブに捨てたくなるような新堂の三文小説。快と不快を織り交ぜて緊急脱出サプリとした。それからJ・C・ブレイクの気品あるノワールで仕上げた。たぶんこれでダイジョウブ。

今夜は三日月。二日間の脱力を振りかえると、星菫派だからというわけでもないだろうが、月の満ち欠けにシンクロしていたのだ、と、思えなくもない。笑い話ではあるが。
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荒ぶる血★★★★★
J・C・ブレイク著/文春文庫 加賀山卓朗訳2006年4月10日刊

“無頼の掟”も傑作だったが、この原題UNDER THE SKIN.はさらにクール。原題を見てなるほどと思いながら、めずらしいことに邦題も大納得。いちばんできのいいメルヴィルの映画をさらにドライにして掘り下げたような文体。読み終わってチャンドラーの“長いお別れ”を脈絡なしに思い浮かべた。2003年にアメリカで刊行された21世紀ノワールとして、語り継がれることになるのだろうな。解説を書いた関口苑生は「途方もないクライマックス」と結んだが、結末はむしろ凡庸に思った。プロセスの味わいの品のよさがなんともいえない。たぶんそこが“長いお別れ”と重なったのか。いい時間を、すごせた。極上の一冊。
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毒蟲VS.溝鼠★
新堂冬樹著/徳間書店

帯に「2006年有害図書No,1」とあるが
まさしく。徳間らしい下品さにあふれ、新堂のゲスさがにじみ出たような悲惨な一冊。書くものも出すものも読むものも、等しく情けない屑である。徳間だけあって、金庸の桃花六兄弟のような地句遊びがあり、そこがさらになさけなかった。
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蜂の巣のアボガドハンバーガーが絶品
うまさに、驚いた。
ベルギー生まれのチェリー&ビール『ベル・ビュークリーク』は
5月19日、20日に入るらしい。
http://home.att.ne.jp/green/hatinosu/
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ジェットコースター
寝ても眠れず。首から背中にかけてバリバリになった状態変わらず。マッサージでもしてもらうか。雨。気温の割に寒い。なんとか空っぽになった状態を迂回しないと、やばそう。あがいてみよう。
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清酒熊野川を
猪口に一杯注ぎ
ちあきなおこの「ダンチョネ節」を聴きながら
ゆっくりと飲んでみる。

3月28日に最初の一本“夏の水”をまとめてから
丸一ヶ月で三十本つないだ。
われながら、よくやったよ。

それにしても
いつか熊野を撮りたいものだ。

春が、逝くな。
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中断。
28日だけで会津を6本つないだ。
DVDに焼きモニターで再生しながら
唐突に、もういいかなと思った。
アタマとカラダが空っぽになっていることに
唐突に気づかされた。

なんだか遺言を書いているような
奇妙な思いにとらわれた。

ヒートアップし過ぎたのか
あのエピローグをあてるのが早過ぎたのか
二度くりかえし見ているうちに
脱力していった。

このままだと
生きていることに
終止符を打ちたくなる
そんな気分になってしまったので
あれもこれも、しばし中断したい。

一日中
シューベルトのセレナーデをかけながら
うちこんでいた。
いまは、ちあきなおみの「ダンチョネ節」を聴いている。

             2006.4.29未明 TM
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感傷こそ、春。
福島県南会津舘岩村2005年12月25日。
吹雪と吹雪の間に一日だけ晴れあがったその朝
雪だるまづくりに向かった照明、美術チームと別に
宿で待機していた渡辺と倉持さんたちが、
陽光に誘われ水引に向かった。
そのときおれは寝坊しゆっくりと朝飯を食い
朝風呂につかっていたのだ。

末廣の玄関でパルと並んで満面に笑みを浮かべた彼らを迎え
あれもこれも大成功だなと、
笑いが止まらなかったことを、よく覚えている。

その日の午前中の素材を2本にまとめる。
さらに勢いあまって、5年前の館岩の朝の光だけで1本。
30タイトル目になったこともあり、
福島さんの絶叫をあててみた。
再生しながら、涙が止まらなくなった。

賢明さんと小石川の編集室で
これいけるね、と肩たたきあいながら
千倉の夕日に絶叫をあてた。
8ヶ月後に、実現したのが“光の日本”。
エピローグの約7分に、そのときの興奮が生きた。

あくる春のさかりに賢明さんは去った。
それ以来、消息は知れないままだ。

「天然の日本」4本がすべてでき上がった早春
「もうおまえはダイジョウブだよ」
と寂しく笑いかけられたことが忘れられない。

遅かれ早かれ
彼は消えようとしていたのだと
数ヶ月して思い知らされることになる。

どこでどう生きているのか。
十代の過激派時代の頃のように
あの笑顔が消えていなければいい。
どうあろうとぶじで元気でいてくれたら
生きていてくれたら、
なにも言うことはない。

あれもこれもぜんぶまとめて
福島さんの一首を添えた。

 何も願わず何も望まずわれと我が貧しき夢と君のほかには

四月一日から二十八日までで
27タイトルを荒編集。
倉持さん、鈴木さん、長岡君と撮りだめた世界は
5年の時間経過にもかかわらず、
まったく揺るぎのない視線で貫かれていることに
あらためて驚かされた。
レガシイ“風と走る”東北ロケからはじまった
野の花と温泉三昧の湯治部の本領発揮だなと、
しみじみ実感もさせられた。

つなぎながら、
賢明を失ったけど
おれはいい出会いもしているのだと、
あらためて納得。

過激から星やスミレの世界に。
星もスミレも、
また荒ぶる世界ではありますが…
ま、いいじゃねえか。


春宵、まさしく値千金なり。
去来する思い、降る花のごとし、ではある。ね(゜〇゜;)



●東京星菫派blog
http://japanesque-mc.blogspot.com/
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冬の会津へ
白をテーマに、3タイトル仕上げる。
渇望しつつげた冬は、震えるほど惹きつける。

ここまで来ると、
やはり断るしかないかなとも思いはじめている。
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やむをえず再開
もろもろ考え湯治部ML再開。
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春爛漫。
朝刊の15段CMを見ながら
手を離れたようだなという感じがあった。
コピーの調子がまったく別になっていた。
ライターの問題だけではなく、
彼の気配がまったく消えていることに軽い驚きを感じた。
ああ、まともになろうとしている、そういう感覚。
これから新宿。ひさしぶりだ。

凸版の仕事がいい気分転換になりそうな気がしている。
Japanesqueを芯に、dreamnextを調味料にFukushima案件へ。

この航跡が、しっかりとしたカタチをとりつつあるように思う。
春、爛漫である。

17歳のときにはじめて逮捕されたのが4.28。
お茶の水聖橋。
そのせいか、春はいくつになっても血が騒ぐ。
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DVDで焼き切れず
この3日でつないだ9タイトルをDVDに焼いてみようとしたらエラー。一枚におさまらず。けっこうがんばったのだと、思いもよらず。
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第24弾荒編 黄経135度。立秋
けっきょく、眠らずにつないだ。
古河で長岡や古川たちと過ごしたことが
いいサプリになったようだ。
24タイトル目は
考えた末、HD900テスト素材から絞り出す。
もう使い尽くしたなと今朝は思ったが
夏の盛りに撮った緑陰を
立秋に見立てた。
暦のページhttp://koyomi.vis.ne.jp/mainindex.htm
には以下の記述あり。これをタイトルとした。

立秋 (りっしゅう) 8/8頃
七月節 八節
太陽視黄経 135 度
初めて秋の気立つがゆへなれば也(暦便覧)
この日から立冬の前日までが秋。一年で一番暑い頃であるが、一番暑いと言うことはあとは涼しくなるばかり。暑中見舞いはこの前日まで、この日以降は残暑見舞い。
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サウンドスケープテスト
2時間、古河でサウンドスケープのテストに立ちあう。
予想していたよりもリアリティあり。
蝶の目作戦も、長岡からいくつか提案があり
想像以上におもしろいものになりそうだ。
井口さんからJapanesque資料を預かる。

途中で長岡たちと別れ
桑田さんと凸版に向かう。
はやく着いたので神楽坂でコーヒーを飲みながら事前打合せ。
つつじがあざやかだった。夜になると寒いのに
草花はどんどん夏に向かっていく。
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撮影プラン/蝶の旅
   たとえば、蝶のばあいなら…

   ビー・コンパクト/生活提案館の
   菜園ガーデンで遊んでいた1匹の蝶が
   夏の風に誘われるように飛び立つ。
   次の蜜を吸う場所を探すようにいったん上空に。
   
   目の下には、構造技術館の後ろの雑木林と
   前に広がる里山の風景。
 
   水べに降りていく。
   ひらひらと里山のあちこちを探索し
   やがてせせらぎ沿いの旅に出る。
   夏の甘い蜜をもつ花と緑と水の旅に。

   その小さな旅の間には、
   夏の葉の上から蝶を見上げる虫の視点や
   地面を行列するアリの視点などもインサートされるはず。
   ▷虫の視点worm’s eye/HD-CCD

   蝶は、グラブィス・ステージ/ビオガーデンの
   池のほとりの“ガマズミ”の樹で羽根をやすめる。
池の水草の間からはミズスマシの見た目で庭も。
   ▷虫の視点worm’s eye/HD-CCD

   それから水路伝いに湧水に飛び
   緑の葉陰で水を飲む。 

   そして路地伝いに
   広場の方に飛んでいく。

   けやきの樹と同じ高さくらいをのんびりと飛び
   町全体を見渡しながら
   3階建てビエナの屋上に向う。
   屋上には天体望遠鏡と菜園ガーデン。
   菜園ガーデンには夏の野菜がうまそうにみのっている。
   その夏野菜を吟味するように飛び、地上に降りていく。

   βシステム/環境未来館を右手に見下ろしながら
   シャーウッドヴィラの庭先の花をかすめ
   Bダイン/防災体験館脇の家庭菜園に向う。
   家庭菜園でしばしたわむれ隣のBダイン/防災体験館へ。
   1階のミニガーデンを目ざす。
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[japanesque:00387]
件名: [japanesque:00387] 23 タイトルまで来ちゃったよ
送信日時: 2006年 4月 26日 水曜日 4:03 AM
差出人: Toru Mashiko
宛先:東京星菫派


  2001年8月5日の満月、
  ついにお披露目。

  やっぱり、
  これは「のちのおもいに」だろうな。

  つなぎ終わって、再生したら
  涙がぼろぼろこぼれたよ。

  21世紀初の中秋満月なので
  荒編エントリーNOは、とうぜん21。

  満月を獲る。

  そう決めて東北道を東に向かった
  あのくそ暑い真夏日の夜
  いちどはあきらめた月の出だけど
  村のひとたちに励まされ
  もう少しだけとねばったよね。

  虫に刺された倉持さんの足が
  腫れ上がって大変だったことが
  なんだか昨日のようだ。

  待て待てと言いながら
  もう5年近く過ぎたけど
  
  あの館岩を
  あの湯の花を
  とりあえずしゃぶり尽くしたと
  報告します。

  2ダースと言ったけど
  まだ犬吠埼の春、館岩の雪、折々の月など
  宝の山が未開封のまま残っている。

  前言撤回し
  連休明けまでに
  あと1ダース程度は愉しんでおきたい。

  36タイトルもあれば
  ま、どうにでも進めるだろう。
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23タイトルまでアップ。
No.20夏の風韻
No.21月光
No.22薫風
No.23朝な夕なに

と、12時間ぶっ通しでつないだ。
夏の館岩、ベーシックな視点からは、使い切った。
満足である。

吐竜、館岩とdigitalJapanesqueの純素材を
ほぼ味わい尽くす。
次は犬吠埼。春の海。
あるいは雪の館岩。

2ダース24タイトルをまず、と思ったが
あと1ダース、12タイトルていどは手をつけておきたい。
ま、3ダース。36タイトルそろえば
どんなふうにも対応できるだろう。
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月光4.25にまとめる。
ついにやった。

2001年の8月5日に舘岩村湯の花の四つ地蔵で
待ちに待って撮った満月の出。

digitalHDF900のカメラテストの夜。

あれから4年と8ヶ月、封印してきたが
今夜25日夜、解禁。

迷いはいっさいなしで、つなぐ。
91年の「光の日本」のプロローグ“のちのおもいに”をあてた。

つなぎおわりDVにしたものを再生。
涙が出た。
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No.19 “ひなたみず”up
今日2タイトル目。
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No.18 “ながれ”up
館岩の水で“流紋”を1本。
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月光、解禁。
digitalHD-F900テスト撮影素材 2001.8.5満月
菊池雅志@東京星菫派音楽顧問の“紫苑”から
「月光」「月の谷」の2曲を仮あてし
月光、解禁とする。4年と8ヶ月が過ぎた。


2001年8月のウエブメモからロケ前後を引用*******************************

●2001 08/02 22:12 呼べど応えぬ人はありたり

ぶらぶらと散歩。
駅ビルのvirginに行く。
ブラジル、レゲエ、古いもの、適当に10枚ばかり買って帰った。
ほんとうは探したかった一枚があったのだが、
「革命の歌を集めた静かで美しいアルバム」だけではレジの女の人に探してもらいようもなく、
その人の細い美しい指の動きに見とれていた。10枚あったからたっぷりと眺められ、
得をした気分になったが、顔が合って赤らめさせてしまったのはちょっとな。
これでしばらくはあの店で買いにくくなった。
むかしよく行ったコーヒー店に寄って、
数カ国語のホステスたちのおしゃべりを耳にしながらライナーノートを読んだ。

ネットで5日の福島ロケの候補地を探すか。
大印刷展の資料を読み始めるか、木の家にちなんだ話でも読むか、
それともまた「近松心中」の世界にふけるか、眠気はあるが眠る気にもなれない。

待っている動きは一切なし。
あっちもこっちも、まるで黙殺されているようで奇妙だ。
放り出せ、そういうことなのか。わからねえ。

  かなしみは葉月八月刀(たち)を振りばんらばらんと骨を鳴らすも

  呼べど応えぬ人はありたり夕風のさわさわとして咽喉(のみど)もえるを

      《晩秋挽歌》福島泰樹 より

福島さんに会いにいこうか。



●2001 08/07 17:55 成就せり。

舘岩村の暗やみで満月撮影作戦を成功させている間に、ひと動きあったたようだ。

今夕、オフィスの留守電に二件の時間いっぱいのメッセージ。連絡をとり伝言役と話す。
ひとまず思いは届いたことを確認。
H問題の所在についても言質をとれた。

これで破魔矢は届いた。
昨日、舘岩村の水引神社の扉を押し開いたときに、
置かれていた古い弓と破魔矢を手に取り、むじな森の方角に狙いをつけた。
御利益はさっそくあったようだ。
亡き五十嵐の苦笑いが見える。

あの満月の月光の異常さは夢じゃなかった。



●2001 08/08 12:32 Black eyed Susan

ロケの最後に南郷村で夕空を撮っていたときに見つけた黄色い花の名を
夏苅さんが調べてくれた。学名はつまらんが、
俗にBlack eyed Susanと呼ばれているとか。

10年前のレガシー東北ロケで八幡平の松尾銅山跡地の廃坑近くで撮影したものと同じ花。
昼の光ではなく落ちる寸前の夕日によく映える花だった。
こんども同様に夕方。ちよっと不思議な魅力を備えている。

左のメニュー「黒い瞳の」にロケ写真あり。Black eyed Susanも一葉のせてある。
朝の紫露草と夕のBlack eyed Susan。
なかなかのものである。
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no16荒編 夏の輪郭
昨日、渡辺が福島さん宅にうかがい
“のちのおもいに”ほかライブ原稿のコピーを預かってきた。
エッジが見えはじめたのを記念してというわけでもないが
“夏の輪郭”と名づけた一本をつないだ。
素材は主に館岩ロール。
デジタルHDF900カメラをテストした2001年8月5日と6日の
記念すべきアーカイブ第1弾。
万感の想いをこめながら、館岩ロールに手を付けた。
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アレキサンダー★★★★★
WOWOW。早朝のオンエアを偶然。
オリバー・ストーンならではの政治風刺と
オリバー・ストーンらしくないエンターティンメント。
なかなかみごとに溶け合っていて見ごたえ充分。
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トーキョー・バビロン★★★★
馳 星周著/双葉社
時代の中途半端さがそのまま小説家をからめとってしまった典型としかいいようがない。スポーツ新聞のあぶくのような連載小説だなと思いながら読了。読み終わって週刊大衆連載だったと知り納得。600ページを越す厚さにもかかわらず主要な登場人物が分散されすぎ、いずれも舌足らずなままに推移。馳ワールドとしかいいようのなかったデビュー時を思うと、亜流の増殖が希薄さに輪をかけている。惜しい気もするが。
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今週の予定
19日水曜
14時渋谷 桑田、川田 20日プレゼン打合せ
16時30分新宿south ひざわさん打合せ

20日木曜
13時古河 プレゼン
終了後、佐藤さんと打ち合せ
そのあとで現場事務所訪問

21日金曜
10時横浜 まちなみ取材
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現場事務所の澤本さんから
近所の桜の写真を添えた近況メールが届いた。
明後日、古河に行く予定。
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ゆりかごで眠れ★★★
垣根涼介著/中央公論社

3年ぶりの書き下ろし。期待して読んだ。途中まで、かなり引き込まれた。終盤になるにしたがって、ああ焼き直しだな、と力が抜けた。“ワイルド・ソウル”のブラジルがコロンビアに置き換えられただけ。だけではないか。水増しではなく、端折りすぎ。新宿の出来損ないデカは中途半端だし、おかしな女デカも、ただおかしいだけでリアリティゼロ。“ワイルド・ソウル”後に書かれたものはどれも中途半端なのに、妙に浮かれていた。その荒びが如実に結果になった。つまらないことだが造本も手抜き。だいたいどうして中央公論刊なのか。惜しいな。
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花冷えというよりも冬日
おかしな陽気が続いている。ウールのジャケットにまた袖を通すことになるとは思わなかった。とはいえ、気分は春風駘蕩。あれもこれもあるがままにあればいいのだ。
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小山のことなど
吐竜ロケは2002年の盛夏。
あてはないけどやりましょう、
という小山の誘いに乗った。
いつのまにかプロデューサーらしくなっていた
小山と湯治部で一日清里に遊んだ。
タッドさんに教えてもらった元気甲斐弁当を
渡辺と小淵沢まで買い出しに行き
渓流を眺めながら大岩の上で飯を食った。
それからひさしぶりでアフガンのベーコンカレーを食べた。
帰りに小淵沢で町営温泉にはいり
夕暮れの“鄙”の風景を収めた。
出会った頃に、引き抜こうと考えた小山が
みばえの良いプロデューサーの雰囲気をそなえはじめたのを
滝に遊んだ一日でしみじみ実感し、うれしかった。
その小山が、この春に独立するという。
だからというわけではないが
禁を解いた。
あの滝が、竜が吐き出す水の勢いを想定して
名づけられたのだとしたら
なんともいい機会だと思う。
digitalJapanesqueが本格的に立ち上るのに
吐竜の水は、いかにもふさわしい。
24時間で6タイトル仕上げという
わが熱狂も、ふりかえれば得心がいく。

これまで仕事をしてきて
二人の制作マンを陣営に組み入れたいと迷ったことがある。

ひとりはcatの錦織
もうひとりがimagescienceの小山。
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春宵値千金。名を吐竜。さて
その滝の名がそうなのか、場所の名なのか
正確にはわからないが、ま、滝の名なのだろう。

竜が吐くと名づけるには、
横ひろがりなうえに常緑の水苔が自生する
なんとも穏やかとさえいえる風情の滝だ。

教えてもらったのは11年前の秋。
ちかくに別荘をもっている写真家のタッド・若松さん。
それから七、八度は撮影に行ったか。

4年前に小山と組んで
HD素材の自主撮影をしたときの素材を解禁し
今朝までの24時間で使い切った。蕩尽しきった。

ある素材を一定期間以上寝かせたうえで
いっきにとりかかるというのは、
“天然の日本”シリーズ以来のこと。

あのときは一年、寝かせた。
こんどは長いもので5年半。
吐竜素材は3年半。
犬吠埼でも2年半になる。
寝かせることに意味はない。
ただ機が熟さなかった。
そのかんに「いよいよだ」というアナウンスを
何度繰り返してきたか。
狼少年も、はや中年。
耳を貸してくれる相手もずいぶん減っていた。
digitalJapanesqueは
掛け声だけで潰えさる幻の企画になるのかと
あきらめに似た想いにとらわれる日もふえた。
いつのまにか、月を観ても
撮りたいなと思えなくなっていた。
野の花や夕日を見ても、ああいいじゃないか
としか答えない日が多くなっていった。
星もすみれもありゃしねえな
そんな気分が濃くなるいっぽうだった。
カラダの中からアタマの芯から
“おもいえがくちから”が
音を立てて消えていくような気分にひたっていた。

年末の南会津の冬ロケが、
離陸のきっかけになるまで
東京星菫派の呼びかけを発してから丸4年。

さて、
と思いはじめたときに例の問題が追い討ちをかけた。
うっとうしい時間ではありながら
この問題が結果的には後押しとなったのだ。
かかわっていくことの不毛さをあらためて思い知らされ
カラダのあちこちに埋められていたプラグが
おもしろいように音立てて引き抜かれていった。

ひとわたり消耗戦が続いたら、もう春になっていた。
そんな日に、長岡から桜だよりが届く。
その場所に立ったのが28日。
数日後の風景を想像しながら
これを撮ったら、最後の弾みになるかなと思った。
即決したのも有無を言わせなかったのも、
それだけが理由だった。

そして10日後の6日に、
その「春を」手にいれた。

「抱き返り」の水から「吐竜」まで3週間足らず。
離陸はぶじ成功。シートベルト着用のサインも消えた。
ここからはくわえタバコの水平飛行となる。
アナログではなくdigitalHDの水平飛行に。
4月15日春の宵。
記憶するかぎり、
東京の桜がいちばんながくたのしめた春の、名残の宵。
ひとり離陸を祝い、
星やすみれがぶじに空の旅を続けていくことを
せつせつと祈ったことを記しておきたい。
祝いの友は、ちかくの酒屋で名まえの良さで選んだ
シシリーワイン“CORLEONE”。
“吐竜の滝”を撮った2002年の赤。
つまみは今日届いた干しいも「いもの華」10本。
音楽はiPodで聴くタン・ドゥン&ヨーヨー・マの
“グリーン・デスティニー”。
志をコトバにのせた2001年暮れから1000回は
聴いたdigitalJapanesqueの、いわば隠れテーマ曲。
遠ざかる陸地をあるいは大地をしのびながら
祝いの小宴をたのしんでいる。春宵値千金。


さて、と書いておきたい。

「見たこともないわぃ」という
あのスーパー歌舞伎の大見得を
満天下に披露する日も近い。

さて。あ、さて。さて。さて。
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いっきに6タイトル
気かついたらそうなっていた。
気分しだいなのだとしみじみ。

ああ、けつが痛い。
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ついに、“水”へ
吐竜素材に着手。頃やよし。
さらに館岩、犬吠埼、秋田/岩手が控えている
震えが来るほどうれしい。
あれみこれもそれもすべてフェードアウト。
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荒編3タイトル
DJシリーズの荒編3タイトルアップ。
07springyellow
08moonlightwater
09purewater

“08moonlightwater”はオールエッジ。これはかなりおもしろいものになった。スタートして2週間余りで9タイトル。ま、いいテンポか。4月中に24タイトルをまとめ終わり、5月にはスタジオで仕上げといきたい。
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spring yellow
まず一本。菜の花。風の道と黄の海見立て
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目標DJシリーズ2タイトル
昨日、カゼぎみでゼロだったので今夜は最低2タイトル仕上げたい。
渡辺に会い、“女鬼”のキャプチャーを依頼。
福島さんの“のちのおもいに”他の台本写しの入手も合せて頼む。
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春雨
ゆうべのライブで興奮させられたのか、今日は朝から終日ぼーっとしたまま。なんどか外に出、雨の中を歩いた。この春、いちばん春らしいぬくもりのある風情あり。春雨、というのだろうな。
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2006.4.10花冷えの夜。DJ、正式にスタート
ルミネ1の5階の本屋で「どこに暮らしても、きっと、ここがなつかしくなる」と帯に書かれた絵本“夜明け前から 暗くなるまで”を購入。ついでに月光荘製の8B鉛筆を3本。それから渡辺と合流し吉祥寺へ。第1部の終了間際に間にあった。福島さん、菊池さん、永畑さんに挨拶。DJの協力を依頼。快諾。曲目を変更し、“のちのおもいに”を演奏してくれた。DJ、正式にスタートを切った夜、あのあの再演、胸に沁みた。東京、雨。花冷え。
5月17日に初リサイタルに挑む川口という二十歳の学生ピアニストが弾くショパンの“革命”の指使いの激しさに目を奪われた。まっすぐで迷いのない力強さに、魅了された。予感させられるものが、あった。
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DJ6タイトル目“慕情”
桜堤の早朝の桜を“慕情”をテーマに一本に。
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“お花見”シークエンスの荒編集
春夏篇の“花見”シークエンス荒編集アップ。
オープン&エンドを9月に新撮し仕上げる。
「ガマズミ」は、5本の樹ロールとしてまとめることに。
5月の花が咲いた頃と、秋のジュースづくりを加え、1本にしたい。
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プレゼン成功
企画書のタイトルは“only you”。好評のうちに大どんでんが決まった。
連日の古河詣でが続いたが、とりあえず、一服。
今日も夕焼けがきれいだった。
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動詞
水のdanceは動詞で。
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古河は星月夜
古河、山水。いつもの部屋。キャスト、スタッフとの打合せも終わり、明日は6時起床ということで解散。空に上弦の月と星。現場がかち合ってはいるが、いい映像が撮れることを確信し、今夜は早寝しよう。Japanesqueの途中経過を倉持さん、鈴木さん、長岡さんに伝える。嬉しそうだった。このところ頭の中にはJapanesque以外なくなっている。
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雨。古河へ
明日の桜堤ロケの前乗りで古河に。予報通り雨。5時から出演者と打合せ、6時からオールスタッフを予定。あれもこれも、やれることだけをやる。そう決めてからは、ずいぶんラクになった。DJも一週間足らずで5タイトルつなぎ、今後のありようも見えてきている。むかし10代の頃に♪ひるまずすすめー なんて歌をよく歌っていたことがあったな。あのときは進めなかったけど。
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寺山修司 私と彼とのただならぬ関係
昼まで起きられず。利根川土手であたった風のせいか、連日の古河詣でのためか、不明。なんとか夕方までに撮影プランを書き、配信。美術とやりとりが終わったのが午後8時。ま、なんとかなるだろう。
今夜から4週連続で福島さんがナレーションを担当するNHK教育テレビ「知るを楽しむ(寺山修司)」がはじまる。録画しなくては。

知るを楽しむ
寺山修司 私と彼とのただならぬ関係

一 四月四日 (火) 午後10時25分〜10時50分
二 四月十一日(火) 午後10時25分〜10時50分
三 四月十八日(火) 午後10時25分〜10時50分
四 四月25日 (火) 午後10時25分〜10時50分
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古河12時間
朝の9時半に
利根川土手で吹き飛ばされそうになったが、納得。


↓共同通信ニュースから引用
 東北から関東地方にかけた強い風の影響で、JR各線は3日、相次いで運転を見合わせ、ダイヤが大きく乱れた。
 常磐線は茨城県龍ケ崎市の風速計が午前10時15分ごろ、25メートル超を観測し、上野−勝田(茨城)間で上下41本が運休するなど、乗客約3万9000人に影響。武蔵野線や京葉線、川越線なども断続的に運転を見合わせ、ダイヤは夕方まで乱れた。
 東北線は宮城、福島県内で24本が区間運休し、宇都宮−黒磯(栃木)間でも一時運転を見合わせた。
 山形新幹線高畠(山形)−赤湯(同)間でも強風が吹き、東京発山形行きつばさ125号など2本が運休、7本が最大約1時間50分遅れた。
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videoblog
週末の2タイトルをvideoblogにアップ中。さすがに15分ものは重いので時間がかかる。明日は6時過ぎに起きて、古河へ。打合せ2本+α。数時間は眠って起きたい。ひさしぶりにいい週末だった。
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終末フール★★★★★
伊坂幸太郎著/集英社
「小説すばる」に去年秋まで分載されていた連作短編。
失敗とも成功とも言い難い。ただ設定の据えかたが伊坂らしいというか、小説家ならでは。とりわけ“演劇のオール”と“深海のポール”が秀逸。このエピローグの2章を中心に、腕のいいシナリオライターに書かせたら、誰もみたことのない静謐で過剰さあふれる映画になるだろう。いずれにしても想像力を刺激させる、いい物語だった。伊坂、見直した。
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DJ5タイトル目は“sunrise”
約15分版。光の日本から3曲を仮あて。
犬吠埼春3月の成果。見ごたえあり。
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DJ4タイトル目は“風の息”
使えそうもないなと思っていた素材が、思いがけない力感のある世界となって甦った。正直、撮影中にモニターを見ながら、これはムリだなと思い、スタッフにもそう伝えたた古河の豚カツ屋・勝太郎駐車場裏の草地の映像。時間勝負のスタジオに持ち込んでいたら、まちがいなく没にしていた。一昔前のリニアでの荒編だったら、絶対にありえなかった。時間を好きなときに好きなだけ消費できたこと、プロ用ではなくアマチュア用と見なされているアプリケーションが予想をはるかに越え素晴らしい使いがってを備えていたこと。使ったのはバージョンアップしたばかりのiMovie6。PCはデスクトップがpowerMacG4とノートがpowerbookG4いずれも数世代前のマックにすぎない。この段階では当然のことながら手前みそではあるが、到達しようとしている内容に、目をみひらく思いが強い。刺激してくるのだ。刺さってくるのだ。素材の充実が、なによりの根拠ではあるのだが、プロとアマチュアのボーダーなど、もうどこにも存在していないのだと実感させられている。進化の袋小路で針千本状態となってしまった毒魚・フグの姿が、あちこちに散見しはじめた馴れきったスタッフたちのうす笑いに重なっていく。満を持したというつもりはない。ただ、状況が整わなかったことに尽きるのだ。この数日、とりかかってしまって以後、新宿はおろか古河すらも刻々と遠くなっていく。誰がどんな家族構成になろうと、どんな暮らしぶりを演じてくれようと、もうどうでもいいよ、と思いはじめている自分がいる。どうでもいいのだ。あそこには、おれがいない。どんなにごまかそうと、いられるはずもないのだ。そういうことが1本仕上げるごとにあからさまになっていく。手がけなかった、手がけられなかった、ほんとうのわけは、このあたりだったのかもしれない。いずれにせよ、“風”に指を触れてしまった。“風の息”に、頬をなぜられ、まどろみから目覚めさせられてしまった。そういう思いが強い。仮あてに菊地さんの“光の日本”に使った“子らの丘”を。風の子が笛の音に合わせかろやかに踊っているような、そんな世界をつくれたと思う。うれしい。
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