嵐の夜。
体調すこぶる悪し。
昼に起きたが変わらないので、須賀川に向かうことに決める。
午後二時前に東京を発つ。都心はひどく混んでいたが東北道に入ってから流れだした。
途中二度連絡のため休む。館岩ロケは末廣が満杯のため一週間延期に。
雲行きは悪く、何度か強い降りにあう。

むじなの森に着いたのは午後六時半。ゲートは閉まり、黒い雨雲と霧がたちこめ、時代劇のオープンセットのようである。

ジ・アース館の前で宮本総合プロデューサーとばったり。久石譲氏を紹介される。久石さんは水の惑星がとても良かった、もう一度見たいとほめられる。
プレス発表と最終プレビューの準備が慌ただしくすすむのを眺めながら、なつかしいむじなチームの何人かと顔を合わせる。
ひぐらしの合唱がひときわ高くなったところで、雨になる。本降りとなり、稲光もまじる。
照明を落とした会場をときおり稲光が浮かび上がらせる。ジ・アースと観覧車は雨と霧の中にひっそりと浮かんで、まことに美しい。
ややあって中止が決定。
ナイトファンタジアはついに最終チェックなしで明日の本番突入ということになった。
ジ・アース館も雷の影響が連日出ている。プログラムへの影響なのか、単純な事故なのか、不明のままスタッフは修復を急いだ。
日射を避けるために特設されたテントを巡って攻防も続いている。
明日からの終日オープンを控えて、むじなの森は風雲急を告げている。

いや、血が騒ぐな。