2001年4月18日午後4時18分緞帳を降ろす。
福島と栃木の県境を上記の時刻に通過。
2000年3月からスタートした水の惑星ジ・アースの福島ロケ、すべて終了。
14ヶ月間に渡り、冬から春、夏、秋、再び冬、そして また春と水のある光景を追って来た。

最後のカットは「びっき沼」。
昨年、桜ロケのあいまに見つけた小さな沼である。沼のいちばん奥の山のわき水の周囲に群生するミズバショウと水芹、山葵に似た植物などのある光景。
スモークを焚き、降水マシーンで春の雨を降らせ、「はじまりの水景」として撮影。

帰路につく。
手持ちがないことに気づき、福島市に降りて銀行に行くことを考えたが、面倒くさいのでそのまま高速に乗る。
入り口で福島県警の警察官につかまる。
「なぜとめられたかわかりますか?」
と問われたので「シートベルト」と答えたら、教育的指導ということで見逃してくれることに。感謝しつつ東京へとひた走る。
途中でスタッフ達の車両を追い越し、那須のサービスで休憩。渡辺のポケットの中身と合わせても飲み食いに使える現金は千円だけ。二人でいかかんぼことソフトクリームを分け合う。かんぼこもソフトクリームも余さず食べた。金がないときはほんとうに何を食べてもしみじみうまい。
散りかけた桜をめでながら、素寒貧となったサーカス団、現在、宇都宮近くを走行中。花曇りの江戸を目指して。

14ヶ月ぶりに、緞帳を降ろすぞ。