グラディエーターDVD版の弩迫力は★★★★
レンタルビデオで借りた「グラディエーター」は芸のないスペクタクルにしか感じなかったのに、DVD版を観ると、その思いが吹き飛んだ。耽美派R.スコットがなぜ取り組んだのか、よくわかる。
よく描き込まれたCGが実写とみごとに融合し、不思議なスケールの世界を実現していることが、DVDの再現力ではじめて理解できた。
ストーリーの陳腐さなど、表現された映像の細部に渡る美しさに比べれば何程のこともない。

しかしこうしてみると、ビデオで観る映画というのは、田舎町の場末の映画館の傷だらけのスクリーンに思いきり使い古した映写機で上映した映画をサングラスごしに見せられているようなもので、比べてみると愕然とする。

プレーヤーはプレステ2、モニターは93年製のソニーの初期のワイドテレビ。
このレベルで度肝を抜かされるわけだから、妥当なシステムで観るとどんな感想になるのだろうか。

作り手にとってメディアとしてのDVDは、ほとんど福音だと思う。あらためてそう思う。