2008年01月の記事


「節分・恵方巻」
 「1月は行く、2月は逃げる」と言いますが、本当に早いもので、1月も今日が最終日ですね。
そして、もうすぐ季節の分かれ目となる「節分」(2月3日)を迎えます。

 「節分」とは元来、「季節を分ける」ことから「節分」と言うそうですが、現在では節分といえば立春の前日だけを指すようになっています。
しかし、季節の始まりを示す「立春」、「立夏」、「立秋」、そして「立冬」の前日はいずれも節分です。

 ところで、節分の夜にその年の恵方(吉神がいる方位)を向いて「恵方巻」を無言で丸かぶりすると幸せが訪れると言います。
今年の恵方は丙(ひのえ)の方位で、「南と南南東の間」ですが、巻寿司は「福を巻き込む」とされ、「縁を切らない」ために包丁を入れず、まるごと食べるのが良いとされています。

 例年この時期、セブン-イレブンやローソンなどのコンビニでは、100~300万本程度の「恵方巻」の売り上げがあるそうです。
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「ハイテク肌着」
 日の出がしだいに早くなってきてはいますが、寒い日が続いてます。
 
 機密性に優れたマンションにお住いの方は、たまに一戸建の部屋に行くとかなり寒く感じるものです。
昔ながらの和風建築の場合はとくにですが、合理的な造りとしており、その代わり風通しがよくなっているとの話を聞きました。

 たとえば日本家屋の和室。襖(ふすま)や障子で仕切られていますが、合わせの部分にどうしても隙間ができます。この隙間、一部屋での合計面積は、8畳間で80cm四方、つまり6400平方cmもの面積になります。
日本は温暖多湿の気候であり、建物では換気性の確保は重要なポイントとなり、そういった観点から自然換気ができるような造りになっているそうです。

 ところで、平安時代の頃の宮廷は、ほぼ吹きさらしに近い構造となっており、かなりの寒さだったようです。それ故、幾重にも重ね着が必要になり、その結果、十二単という大層な衣装が誕生しているのでしょうか。

 現代ではいくら寒くても十二単をまとうわけにはいきませんが、そのかわり、保温性に優れ、薄くて肌触りの良い「ハイテク肌着」が出てますね。

 スーパーなどの肌着売り場に行くと、そういう特性を謳った肌着が沢山売られており、
実際の販売量もかなり伸びているそうです。
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「春菊」
 鍋料理の美味しい季節ですが、その鍋料理に彩りを添えてくれる「春菊」の話題です。
関西方面では「菊菜(きくな)」とも呼ばれていますが、春に黄色い花が咲き、菊の香りに似ていることから名付けられたそうです。
 ホウレン草や小松菜と並んで代表的な緑黄色野菜で、特有の香りを持つ葉と茎を食用とし、ビタミン、カルシウム、葉緑素が豊富に含まれています。
 そのビタミンAやCは風邪や肌荒れ、ガン予防に効果があるとされています。
 食用とされるのは、東アジアにおいてのみで、ヨーロッパでは観賞用として栽培されてるそうです。
すき焼き・ふぐ鍋など鍋料理の具材に使われるほか、生でサラダにも使われますね。
又、天麩羅のネタとしても好まれ、「春菊天」は立ち食いそば・うどん店では定番メニューのひとつです。
旬は11月から 3月。 味は産によって違い、例えば東京産の春菊は苦いが、逆に広島産春菊は甘いそうです。

その独特の香りは、胃腸の働きを促進したり、痰(たん)や咳(せき)を鎮めたりする効果があり、中国では、肝機能を増強し、腸内の老廃物質を排出する「漢方薬」としても使われています。

 また、春菊は入浴剤にすることもでき、菊や葉を陰干しして、ネットや布袋に入れてお風呂に浮かべると、体をあたため、肩こり、神経痛に効果を発揮するそうです。
生産が盛んなのは、千葉県、大阪府、群馬県と続いています。

 なお、食用菊はキクであり、シュンギクとは別の種類です。
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「鱈」
 「鱈」と書いて「タラ」。
魚に雪と書くぐらいで、雪が降り始める1~2月に旬を迎え,美味しくなる魚です。
口が大きく、大食漢の魚で、『たら腹(ふく)食う』の語源になったそうです。

 冷え込んだ夜に味わうタラちり鍋は格別の味ですが、一般にタラといえば「マダラ」のことを指すそうです。
「スケソウダラ」は水分が多く、鮮度が落ちやすいため、「かまぼこ」や「ちくわ」など加工品の原料になることが多く、また身よりも雌の卵巣を塩漬けにした「たらこ」や唐辛子で漬けた「からし明太子」の方が馴染みが深いかもしれません。

 「タラ」は雄、雌とも味は変わりませんが、珍味の白子(精巣)がとれる雄は雌の倍近い価格で取引されるそうです。
切り身を店頭で選ぶ際は、透明感のあるピンクがかったものが新鮮で、逆に身が白く不透明なもの、皮が白っぽいものは鮮度が落ちているそうです。

 また、白子は身くずれしているものは鮮度が落ちており、透明感があって身がしっかりしているものを選ぶのがベターです。

 又、「銀ダラ」と呼ばれるものは、アイナメに近いものでタラの種類とは違います。
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「ミッキー・マウス」
 今年は子年(ネズミ)ですが、愛らしく、勇敢でもあ「ミッキー・マウス」は全世界にたくさんファンを持ち、知らない人がいない程の人気キャラクターですね。
その「ミッキー・マウス」は、キャラクター・ビジネスとして巨額のマネーを生み出しています。

 以前、有名な投資家 ウォーレン・バフェット氏はディズニー株を大量保有していたようですが、其の時下記のように話しています。

 「映画の『白雪姫』を所有することは、油田を所有するようなものです。
  つまり、売っても売ってもなくならないということです。」

 数年前のプリンセス・ブームもそうですが、人気があるキャラクターはあらゆるものに利用され、著作権を保有する者はそれら全てから版権という使用料を徴収できます。

 さらにはやり方しだいで何度でも、あるいは息の長いブームを作り出すことが可能です。
日本でも「あんぱんマン」「ドラえもん」等は昔から子供達に愛され、新しい装いで何度も焼き直しされ、その時代時代の子ども達に向けて新刊本のように登場してます。
「ポケモン」は世界展開で成功をおさめましたが、他にも世界進出を目論キャラクター達がたくさんいます。

 成功例の背後には膨大な失敗例があり、他のビジネス同様に簡単なものではありませんが、成功すれば巨額の利益を生むということをミッキー・マウスは証明しています。
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『結婚記念日』
 最近は、結婚25周年を祝う「銀婚」や50周年を祝う「金婚」など、『結婚記念日』という節目を祝う習慣が多様化しているようですね。

 結婚記念日を祝う習慣は、明治時代にヨーロッパから入ってきたもので、明治天皇が「銀婚の宴」を催されたことから普及したそうですが、記念旅行をしたり、独自の式を挙げたり、身近な友人を家に招いてホームパーティーをしたり、夫婦だけで会食をしたり・・・等々、長年育んできた絆を再確認する方法は様々です。

 処で、主な【結婚記念日】を下に掲載してみましたが、皆様方の最も近い次の結婚記念日(記念の年)は何時でしょうか。
夫婦は家族の第一歩、年に1回、お互いに感謝しつつ、夫婦というものを考えてみるのもいいかもしれません。
ちなみに、西欧では夫婦で贈り物を交換する習慣があるそうですが・・・。


    結婚後年数       記念日名

      1          紙婚
      5          木婚
     10          すず婚
     15          水晶婚
     20          磁器婚
     25          銀婚
     30          真珠婚
     35          サンゴ婚
     40          ルビー婚
     50          金婚
     55          エメラルド婚
     60          ダイヤモンド婚
     70          プラチナ婚
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「一富士二鷹三茄子・・」
 昨日は此処埼玉でも雪が降り積もり、道を往く人は身を抱えるように足早に歩いていました。午後からは雨に変わりましたが・・・・・。
 
  話は変わりますが、縁起の良い初夢として知られる「一富士二鷹三茄子四扇五煙草六座頭(いちふじにたかさんなすびしせんごたばころくざとう)」はすべて静岡に縁のある品々で占められていますね。

 このように言われるようになったのは江戸幕府が開府されてからで、駿府(現在の静岡市)で過ごした徳川家康の栄達にあやかったからだそうです。

 富士山は高く大きく、鷹は高く舞い上がり運気をつかみ取り、茄子は事を成す。
「無事(富士)に高(鷹)く成す(茄子)」とされる験かつぎで、さらに、扇は末広がりで、煙草は煙が立ち昇る縁起の良さ、座頭には毛がない(怪我ない)とのシャレにもなっており、上の句にもそれぞれ対応しています。

 夢占いも様々ですが、雪が降る夢は何か喜び事がある知らせだそうです。
ちなみに北条政子は、「高い山に登り、太陽と月を左右のたもとに入れ、みかんの実が三つついた枝を髪に挿した」という妹が見た夢を買い取り、尼将軍にまでのぼりつめたとの伝承が残っています。
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「好きな漬物」
 胃もたれ気味になっている時などは、炊きたてご飯に「漬物」と熱いお茶。これだけあればご馳走で食が進みます。
以前、「好きな漬物」というランキングを目にしました。

 その第1位はキムチです。キムチは、激辛ブームや健康食ブームを追い風にここ10年ほどで急速に日本の家庭に普及しましたが、日本の漬物との大きな違いは、野菜と一緒に漬け込む材料の豊富さにあります。
唐辛子やニンニク、小エビに似たアミ、小魚、果物など野菜と海の幸を合わせて発酵させるので、植物性乳酸菌と動物性乳酸菌がみごとにマッチして、「乳酸菌の固まり」と言われています。

<ランキングは以下のようになっていました。>

 1.キムチ・・・・・白菜キムチ、大根キムチ、水キムチなどが有名

 2.たくあん漬け

 3.野沢菜漬け・・・長野県を代表する漬物

 4.しば漬け・・・・京都を代表する漬物の一つ

 5.らっきょう漬け

 6.千枚漬け・・・・しば漬けと並ぶ京都を代表する漬物

 7.福神漬け

 8.高菜漬け・・・・福岡や熊本など九州を代表する漬物

 9.べったら漬け・・大根のこうじ漬け

10.わさび漬け・・・静岡を代表する漬物


 一言で漬物と言っても、数多くの種類がありますが、皆様のお好きな漬物は何でしょうか?
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顔の表情
 人間には様々な能力が備わっていますが、使わないとたちまち劣化してしまいます。筋力や記憶力などがそうで、表情もその一つでしょうね。

 顔には様々な表情筋(頬骨筋や笑筋など)があり、鏡の前で様々な表情をしてストレッチすることで、表情が豊かになり、活き活きとし、能面のような顔つきにやわらかさが生まれてくるものです。

 厳しい寒さと最近の物価高で、つい表情も硬くなりがちですが、福沢諭吉は「学問のすゝめ」で表情について次のように書いています。


『人の顔色は、いわば家の門口のようなものだ。広く人に交わって自由に客を招き寄せるには、まず門口を開放して、玄関を掃除し、ともかくも人を来やすくさせることが肝要であろう。

 人に交わるのに、顔色をやわらげようともせず、かえって偽善者の風を学んで、わざとむずかしい顔つきを見せるのは、家の入り口に骸骨をぶら下げ、門の前に棺桶をすえつけるようなものだ』と。

 福の神も人様も、この点ではまったく同じです。
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「河豚(ふぐ)料理」
此処数年、河豚(ふぐ)は食してませんね。

       「河豚(ふぐ)は食いたし、命は惜しし」

 河豚を食べたくても下手に食べると命を落とすことから,
「あることをしたくても結果の恐ろしさを思うと中々実行に移せない」という意味の慣用句ですが、今、その河豚は旬を迎えてるそうです。

 河豚と言えば「河豚のちり鍋」、「てっちり」が有名ですが、語源は河豚の毒にあたったら死んでしまうため、ふぐそのものを「鉄砲」と呼び、「鉄砲のちり鍋」から促音化したそうです。

 河豚はそのうまさゆえに昔は中毒死する人が多く、豊臣秀吉はふぐの絵を描いて「この魚食べるべからず」の高札を立て、禁止令を出したそうです。
江戸時代には多くの藩が禁令を出し、河豚を食べて中毒死した者は、お家断絶を命じる藩まで有ったとか。

 明治21年、時の総理大臣、伊藤博文公が山口・下関の春帆楼(しゅんぱんろう)で遊んだ折、当日はあいにくしけで、魚料理がありませんでした。
その旨を女将が申し入れましたところ、伊藤公は「馬関(下関)に来て、魚がないとは・・・」と皮肉りました。

 それではと、女将は打ち首覚悟で禁令の河豚の刺身を差し出しました。
すると、伊藤公は「こんなうまい肴を食べない法はあるものか」と感激し、山口県にのみ禁令を解除しました。
これが、河豚食解禁のきっかけです。
戦後になって、ようやく全国で食せるようになりましたが、こうした経緯を知って食する河豚はまた格別でしょうね。
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「アレルギー性皮膚炎」
 最近は老若男女を問わず、アレルギー性皮膚炎でお悩みの方が多いようです。
なかなか原因が特定できないのが厄介ですが、金属が肌に触れて起こるアレルギー性の皮膚炎、例えばピアスなどのアクセサリーで発症するケースも増えているそうです。

 皮膚炎が起こるのは、金属が直接肌に触れる状態で汗をかくと、金属の一部が溶け出しイオン化し皮膚のたんぱく質と結合しアレルギー物質が作られるためだそうです。
もちろん、体質などが影響しており、人によって原因となる金属もまちまちですが・・。

 最も多いのがニッケルやコバルトで、まれに金やプラチナで発症することもあり、また虫歯の治療に使う金属が溶け出すことで、手足に水疱(すいほう)や膿(うみ)がたまる掌蹠濃疱(しょうせきのうほう)症などにもなるそうです。

 対策は、原因金属を触れないようにするしかなく、背中などに疑わしい金属を張り付けて反応を調べる「パッチテスト」があり、皮膚科などで受けられます。

 ちなみに、ピアス、ネックレス、ベルト、時計、眼鏡のフレーム、歯科材料などがアレルギー性皮膚炎の原因の一つとなる可能性もあるそうです。
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「ヒラメ」
 昨日の首都圏は平日では今冬一番の寒さとなり、エアコンなどの暖房需要がうなぎ登りだったようです
午後6時には東京電力の最大電力が5277万キロワットに達し、冬場(12~3月)としては過去最大を更新したそうです。

 ところで、寒くなると特に美味しさが増す「ヒラメ」。
白身魚の中でもタイと並ぶ高級魚で、刺し身、煮つけや焼き物、西洋風に蒸し物など色々な食べ方を楽しむことが出来ますね。

 高たんぱく・低脂肪の食材であり、特に背びれと尻びれの付け根に当たる縁側(えんがわ)は、寿司だねの中でも絶品です。
縁側には肌の若返りが期待できるコラーゲンが多く含まれています。

 天然物は裏側がピンクがかった白色であり、養殖物にはまだら模様があるため、簡単に見分けることが出来ます。
買う時は切り身が多いようですが、身が透き通っているもので、切り口から水気、血液が滲み出てないものを選ぶのが良いそうです。

 カレイに良く似ており、『左ヒラメの右カレイ』と言いますが、背鰭(せびれ)を上にして目が左側にあるのがヒラメ、右にあるのがカレイです。
また、カレイに比べて口が大きく、鋭い歯があることでも区別できます。
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「本地垂迹」③
 平安時代が進むと、さらに両者の関係は密接になってゆく訳ですが、ここに「本地垂迹」なる概念が生まれて来ます。
本地垂迹の、そもそもの思想的ルーツは『法華経』にあると思われています。

 『法華経』は聖徳太子以来、日本人に最も良く読まれた経典の一つですが、『法華経』は解釈上、前半の「迹門」と後半の
「本門」に分けられてます。
「迹門」とは歴史上に実際に出現した釈迦牟尼仏についての部分であり、「本門」とは釈迦牟尼仏は遠い大昔、すでに仏となっており「久遠実成」、我々が唯一の仏だと思っていた釈迦は実は「真実」そのものであるところの「久遠実成」の釈迦牟尼仏が地上(現世)に受肉(垂迹)して出現したものだとしています。

 『法華経』は大乗仏教では初期の経典で、ここではまだ「法身」とか「化身」とかいう用語は使われてないようですが、「迹門」と「本門」とはそういう関係にあるようです。
先ほど、「受肉」という言葉がありましたが、キリスト教でいうところの「インカーネーション」、すなわち神の霊が受肉して「イエス=キリスト」となったとする思想と、真実の存在である「久遠実成」の釈迦牟尼仏が、現世の釈迦仏として垂迹したという説には強い類似性を感じます。

 それはともかく、仏教信仰が深く根を下ろすにつれ、仏教中心的な立場はもちろん、神道側も(自らの権威を高めるつもり
なのか如何)、神と仏は実は同体なのだという説が説かれるようになって行きます。

 つまり、日本人が「神」だと思い信じていたものは、仏や菩薩が救済のために相手の機(状況・資質)に応じて姿を変えて現れたものだとする(臨機応変)説。それを理論的に裏付けたのが、「本地垂迹」説です。
この場合、「神」は「権現」すなわち「権(か)りに現れたもの」だとされ、神自体の姿は本体ではないとされています。
「権現」に対する言葉は「本地」であり、仮ではなく本来の仏という意味で「本地仏」と言うそうです。

 『法華経』の「観世音菩薩普門品」には「観音菩薩が衆生済度のため三十三種に姿を変えて出現する」と説かれており、これも本地垂迹推進者?には都合の良かった説と思われます。

 ここに至り、八百万の神々は、たまたま(日本に合わせて)そういう姿をしていただけで、全て本体は仏なのだという唯仏説が完成されたようです。
まさに神道からすれば、軒を貸して母屋をとられた状況ですね。この思想は平安時代半ばには完成し、以後神道と仏教の基本的な関係を示す思想として、日本各地に浸透しつつ、明治維新まで一般的に行われたようで、これが神仏習合と言われてます。

 このように、在来の神と外来の神が完全な融合を遂げた国が他にあるのでしょうか?誰か知っていたら教えてください。

 明治維新になり、国家神道の立場から乱暴な神仏分離や廃仏毀釈が行われたことはご存じの通りですが、僕の考えはもう少し研究して、又いずれ別の日につぶやいてみたいと思います・・・・・・・。
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本地垂迹②
昨日に続きます。・・・・・

 欽明天皇の時代に仏教が初めて伝来した時、崇仏派の蘇我氏と排仏派の物部氏との間に激しい対立が起こったのはご存じでしょう。
その後、聖徳太子を経て、仏教は鎮護国家の中心として国家の手厚い保護を受け、奈良時代に至り、全国規模の国分寺・国分尼寺の建設、又「東大寺大仏」の建立等で、国家仏教は頂点に達して行きました。

 そうして、あまりに力を持ちすぎた奈良仏教から離れるため、桓武天皇は遷都を決意し、長岡京の失敗のあと、平安京を建設したのですね。
その際、都の鬼門の守り比叡山延暦寺と、市中にあって真言密教の中心である東寺が、平安京で最も重要な寺院となり、以後も見た限りでは長く仏教の時代が続いていきます。
 
 で、その間、神道は如何したか?一応神社というシステムはあるので、これが仏教と融合することで続いているのですね。

どういうことか、少し説明すると・・・・、
奈良時代、奈良の都には巨大寺院が相次いで建設されますが、例えば八幡神という神は仏教の守護神を名乗り出ることによって、東大寺の「手向山八幡宮」のように境内にいっしょに祀られている。
また、藤原氏の氏神である春日神は興福寺を守護している。
仏教の守護神という立場に自らを置いているわけですね。

 平安時代の初めにも、空海は「高野山金剛峰寺」を開くにあたり土地神である狩場明神や丹宇津姫神に許可を求め守護を請うているし、比叡山延暦寺も、元々信仰されていた山王神という山の神が守護神とされているようです。

 ここには「仏」という外来の神を、日本の土地神が守護するというパターンが見られます。
ここではまだ母屋にいて軒を貸してやっているような神々の立場が、何となく感じられなくもないですが・・。

<・・・・次回へ続く>
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「本地垂迹」①
今日は「物の本」より読みかじった「本地垂迹」説(神と仏の関係を明らかにする)に就いてつぶやいてみます。

 本地垂迹(ほんちすいじゃく)とは、仏教が興隆した時代に表れた神仏習合思想の一つで、日本の八百万の神々は、実は様々な仏が化身として日本の地に現れた権現(ごんげん)であるとする考えです。

「権」とは「権大納言」などと同じく「臨時の」「仮の」という意味で、仏が「仮に」神の形を取って「現れた」ことを示し、「垂迹」とは神仏が現れる事を言うそうです。

鎌倉時代になると、逆に仏が神の権化であると考える神本仏迹説も現れた。

 歴史的に見た日本仏教の最大級の特長の一つに、在来信仰との融和があります。
つまり、日本に古くからあった「神道」と、これといった大きな対立もなく融合することができたのです。。

例えばインドでは、仏教は土着系?の宗教であるヒンドゥー教と融合した結果、逆にヒンドゥー教に吸収され、見た目には消滅してしまった。(正統な仏教といえるものはイスラム教に破壊されてしまった。)

 中国では、一通り伝来した仏教が、中国文明という巨大なふるいにかけられ、禅と浄土教という2つの即効性のある教えが、中国人の好みに合う?ものとして残り、あとは淘汰されてしまった。
但し、「元や清」などの制服王朝においてはチベット仏教が信仰されていたが、これはまた意味が異なる。
そして「道教や儒教」と融合することはなかったようです。(一部影響は受けているが)。

 日本には飛鳥時代以来、中国経由で仏教が伝えられ、廃れたものもあるが今なお続いているものが多い。
そして、それらは神道と共存というより、融合して明治維新まで続いて来たのです。
これが、いわゆる「神仏習合」「神仏混淆」ですね。
これは外国にも例があるのかどうかは知らないけれど、おそらく世界的に見ると宗教としては大変珍しい現象ではないかと思っています。      

<・・・・次回へ続く>
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コ-ヒ-と癌(がん)
僕もコ-ヒ-は1日に3杯以上飲む方ですが、 コーヒー通にとっては嬉しい話です。
コーヒーを1日に3杯以上飲む女性は、ほとんど飲まない人と比べて「結腸がん」になるリスクが約半分に低下する。・・・と言う調査結果が出ています。(厚労省研究班)

 発病を防ぐ仕組みが十分解明されてはいないようですが、コーヒーに”癌(がん)”の予防効果がある可能性を示す結果だそうです。

一方、男性の場合は、喫煙や飲酒をする人が多く、コーヒー以外の要因が大腸がんの発症に強く影響しているために、コーヒーとがんリスクとの間にはっきりとした因果関係は確認できていません。

 以前にも、東北大の研究グループが、コーヒーを1日に1杯以上飲む人が肝臓ガンになる危険度は、全く飲まない人の6割程度であり、全く飲まない人の危険度を1とした場合、1日平均1杯以上飲む人は0.58、1杯未満の人は0.71という調査結果を発表していましたが、いずれにしても、コーヒー好きな人にっては、嬉しい話ですね。
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「成人の日」
 今日から3連休の方が多いと思いますが、14日月曜日は「成人の日」ですね。

”祝日法では”
「おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝い励ます国民の祝日」と定められており、
先に成人になった私達もそのような気持ちで新しい成人を祝ってあげたいものです。

 今年の新成人は1987年4月2日から1988年4月1日に生まれた最後の昭和世代で、その数は21年ぶりに過去最低を更新し135万人とかなり少なめです。

 1987年の大河ドラマは渡辺謙主演の「独眼竜政宗」。大韓航空機事件もこの年で、「サラダ記念日」や「ビジネスマンの父より息子への30通の手紙」などの本がベストセラーとなりました。

 竹下新政権が発足し、国鉄の分割民営化によりJRがスタート。
花の金曜日を略して「花金」、「朝シャン」、「ワンレン・ボディコン」なる言葉が流行し、「地上げ屋」や「バブル」といった言葉がメディアに頻繁に登場するのもこの年でした。

 そう言う時代に生まれ、育った新成人を対象にした<アンケート調査>が発表されているので、いくつかご紹介しておきます。
 
 ・仕事に燃えている人はすてき      YES 49%
 ・年功制よりも能力主義が良い      YES 24%
 ・20歳の自分をおとなだと思っていない YES 76%
 ・親のようなおとなになりたい      YES 45%
 ・親のような夫婦になりたい       YES 30%
 ・親をみて結婚はいいなと思う      YES 29%
 ・社会に出て必要だと思う力(○○力)
  1位:洞察(空気読)力 2位:忍耐力 3位:適応力 3位:判断力

 
 外面的には着物で豪華に着飾っていても、実際には幼稚な子供の集まり・・・

成人式の「七五三現象」が言われて久しいのですが、成人すると法律的には大人とみなされ、自覚のあるなしに関わらず法律上独立した社会人としてすべての行動は自己責任となります。
親子関係でも社会的にもそういう扱いが望ましいのでが・・・・。


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「鏡開き」
本日、1月11日は「鏡開き」の日です。

御存知の通り、鏡開きとは、正月の20日ないし11日に、正月中飾っておいた鏡餅を割って、雑煮やお汁粉にして家族一同で食べる儀式ですね。

 そもそもは江戸時代に将軍と大名、大名と藩士たちが年頭に際し、主の鏡餅を分け合うことで主家の繁栄を祝福し、主従関係を固める意味合いがあったそうです。
刃物で切るのは切腹を連想させるため、手で割ったり、木鎚で砕いたりしますが、「切る」という言葉を避けて「開く」という縁起の良い言葉を使っています。

 これを私たちの家庭にあてはめてみると、家庭での家族間の結束を密にし、繁栄を祝福するのが鏡開きということになりそうです。

 元々は1月20日に行われていましたが、徳川家光が亡くなったのが20日(慶安四年四月)であったため1月11日に変更され、現在に至っているそうです。
今でも1月20日に行う地方があり、京都では1月4日に行われているそうです。
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日常用語
 新年も早10日となり、明日は「鏡開き」です。

処で、年月の移り変わりとともに日常使われる言葉も次第に変わってきています。
例えば、着物文化に欠かせない衣紋掛け(えもんかけ)が洋服文化の浸透につれてハンガーと呼ばれるようになり、下駄箱(げたばこ)は靴箱となっています。

 「変わりつつある暮らしの言葉」という特集を新聞で見かけましたが、感慨と、懐かしさを覚えました。

<以下にて一部ご紹介しておきます。>


・字引   → 辞書      ・筆箱     → ペンケース
・アベック → カップル    ・とっくりセーター → タートルネック
・庭いじり → ガーデニング  ・バンド    → ベルト
・流し   → シンク     ・魔法瓶    → ポット
・寝間着  → パジャマ    ・コップ    → グラス
・ズボン  → パンツ     ・下着    → インナー
                ・クーラー → エアコン

・お勝手  → 台所    → キッチン 
・パーマ店 → 美容院   → サロン
・ジーパン → ジーンズ  → デニム
・乳母車  → ベビーカー → バギー


 一昔前まではパンツと言えば、感覚的に下着というイメージがありましたが、最近の若い世代の間ではズボンのこと。
下着のことは、インナーという人が増えているようで、年月の移り変わりと共に確実に言葉の使い方も変わってきているようです。
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「歳寒三友」
「歳寒三友」とも呼ばれる3つの植物とは?

「松竹梅」 ・・・ でした。

これは元々、中国は宋の時代に、文人画の題材として好まれたことに始まり、日本には室町時代に伝わったそうです。
松と竹は、真冬にも緑の葉を落とさず、梅は極寒の季節に開花することから、おめでたいものの象徴となっているのです。

松竹梅

松竹梅は歳寒三友(さいかんさんゆう)といわれ、その語源は「論語」の中に「益者三友損者三友」という有名な言葉があり、この三人の友を松竹梅にたとえています。
厳しい時の三人の友を歳寒三友とし、その第三の友は「直なる友」としており、我が国では「物くれる友」と訳しております。
第二の友は「諒なる友」としております。これを義侠心の強い友とし、困った時にまるで自分のことのように親身になって相談に乗り、かつ動いてくれる友の事を言っています。
そして第一の友とは「多聞の友」といい、これは知識が豊かで冷静に判断をしてくれる友、原理原則を教えてくれる友(師)としています。

原理原則を教えてくれる友なら、より安全な間違いの少ない正しい方向を示すことが出来るのではないかと言う事で、この様な三人の友を持つことは、例え自分が厳しい立場に立たされても決して悲観することがない人生が送れると言う謂れをもっています。
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縁起話し。
明けまして おめでとう 御座います。

 皆様、素晴らしい新年をお迎えと思います。
今年も年初に相応しく縁起話からつぶやいていきたいと思います。

最近は都会では少なくなった正月飾りの門松。
松は長寿を、竹は発展を願い、「松は千歳を契り、竹は万代を契る」との諺があります。
さらに縁起を担ぐ場合は、風雪に耐え、百花に先がけ花開く梅花を、ワラなどでかたどり添えます。門松は、苦に通じる二十九日を避け、三十日までに飾るとされ、大晦日に慌てて飾るのは、「一夜飾り」といって年神様に対し礼を失するといわれています。

 次に、お正月のお節(おせち)。
来客の度に台所に立たなくてもいいように、日持ちのよい料理を重箱に詰めたお節料理も縁起の良い食材でいっぱいです。
マメ(健康)に暮らせるようにと黒豆を、子孫を増やし家が繁栄するようにと数の子を、喜ぶことが多いようにと昆布巻きを、腰が曲がるまで長生きしたいとの願いで海老を、金運を呼ぶ栗きんとん、遠くまで見通せるレンコン等‥。

 又、赤い実の南天も、福寿草の花とセットで「難を転じて福となす」という縁起物として正月飾りに用いられます。

 単なる縁起担ぎと笑う人もいるかもしれませんが、大事なのは形ではなく、そこに込められた気持ちでしょうね。
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