2012年02月の記事


「サヨリ 針魚」
 冬から春にかけて水揚げされるサヨリ。その姿形から漢字では「細魚」とも書きます。
石川県では春の県魚に指定され、「花見魚」の別名で呼ばれてるそうで、京都府でも春の府魚に指定されるなど春を告げる風物詩になっています。

 昔から多くの詩人の歌などにも詠まれ、

  ・橋影に 失せてはのぼる サヨリかな   吾 亦紅

  ・汁椀に 沈むさよりの 結び文      山本 櫓村

  ・サヨリはうすい サヨリはほそい

   銀の魚 サヨリきらりと光れ サヨリお姉様に似ている  北原 白秋

等々があります。

 脂の乗り具合はほどほどで、姿形と同様に味は上品。刺し身が最も一般的ですが、てんぷらやお吸い物、一夜干しにしても美味しい。寿司店では、通好みのネタとして扱われています。

 鮮度が落ちやすく、腹部から痛んでくるため、スーパーなどで選ぶ際には、腹部が銀白色のものを選ぶと良いそうです。

 サヨリは綺麗な魚です、それ故に「魚界の美人」と言われますが、実はお腹が真っ黒な魚なのです。捌いてみるとわかりますが、お腹が本当に黒いんです。
そんなことで、姿は美しいが見かけによらず腹が黒い......。!(^^)!
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「行儀作法」
 現代社会は行儀作法を教わる機会が少なく、それらを関連本などで学ぶ人が多いと聞きます。

 司馬遼太郎は行儀作法に関して、「快適にその日その日を生きたい、という欲求が、人間なら誰にでもある。この欲求を相互に守り、相互に傷つけることをしない、というのが日常生活の元の元となるものだ。だから、群居している人間の仲間で、行儀作法が発達した」と述べています。

 つまり行儀作法は、自分も不愉快な気持ちを持ちたくないように、相手にも不愉快な思いをさせないためのものであり、相手に対する感謝や相手を思う心そのものですね。

 立ち居振る舞いの美しさ、またはそれを教えることを、身を美しくすると書いて「躾(しつけ)」と言いますが、昔はどこのご家庭にも行儀作法を厳しく言ってくれる人がいました。

 たとえば下記のような言い回しで注意されることが多く「三つ子の魂百まで」で自然と身につけることができたように思います。


 「炊きたての米にお汁をかけて食べると、目がつぶれる」

 「敷居を踏むことは、親の頭を踏むのと同じ」

 「御飯を食べてすぐ横になると、牛になる」


 行儀が悪いから良くないと言われるよりも、「牛になる」と言われるほうが余程インパクトがあります。
挨拶の仕方や箸の持ち方、姿勢や歩き方等々、今思えば孫のため、子のためのことであったことがよく分かります。
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「蛤(はまぐり)」
ちょうど今頃が旬の「蛤」。ペアの貝殻同士でしか形が合わないことから、相性の良い相手に出会えるようにとの願いを込め、桃の節句や婚礼のお膳に吸い物にして並べられます。

 吸い物のほか、焼いたり酒蒸しにしたりして食べますが、火にかけると勢いよく殻を開きます。
京都御所の「蛤(はまぐり)御門」は、江戸時代の大火の際に開門したことからこう呼ばれています。

 かつては日本各地で採れましたが、1980年代以降の干拓や埋め立て、海岸の護岸工事などによって生息地の浅海域が破壊されたために一部の地域を除いて絶滅状態になり、最近は中国産のシナハマグリが大半を占めています。

 輸入されたシナハマグリは、日本の浅海域で一時畜養されると、「国産」・「~県産」・「地はまぐり」の表記が可能となるために、これが市場に大量に出回っています。

 「ハマグリ」という名前は、浜辺にあり、栗と形が似ていることから「浜栗」と呼ばれたことに由来するそうです。
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「枕石漱流」
 普段使っている日常の言葉で、なぜこんな字が当てられたのかとふと疑問に思うことがあります。
「流石(さすが)」などもそのひとつで、調べてみると次のような故事がありました。

 古代中国において、皇帝から帝位を譲ると言われた人物が、耳が汚れたと言って川で耳を洗ったという伝説があります。

 この伝説を踏まえ、隠遁を決意したある人が「世を捨てて、流れに漱ぎ(すすぎ)、石に枕して暮らしたい(枕石漱流:ちんせきそうりゅう)」と言うべきところを、「石に漱ぎ、流れに枕す(漱石枕流:そうせきちんりゅう)」と言ってしまいました。

 間違いを指摘された際、咄嗟(とっさ)に「枕流は世俗のくだらない話を聞いてもすぐに洗い流すため。漱石は歯を磨くためだ」と言い返したそうです。

 上記がという故事で、こじつけや負け惜しみが強いことを意味しており、上手いこじつけだと感心したところから、感心した際の「さすが」は「流石」の字があてられたようです。

 ちなみに夏目漱石の名も上記の故事に由来しており、当時の文部省から文学博士の称号を贈る旨のことを打診された際、漱石は「自分には肩書きは必要ない」として辞退したそうです。
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「おすすめの梅林」
 公園や山寺、緑豊かな住宅地などを歩きますと、紅白の梅の花がほのかに香り、春の訪れを感じる季節になりました。

先日、専門家が選んだ「おすすめの梅の名所」というランキングを目にしましたが、1位は東京都青梅市の「吉野梅郷(ばいごう)」となっていました。

 もともと食用の梅農家が多かった地域に、青梅市が1972年に町おこしをねらって観賞用に「梅の公園」を整備。4万5000平方メートルの土地に赤、白、黄など1500本の梅が咲き誇るそうです。

 2位は神奈川県の湯河原梅林で、1996年から一般公開が始まりました。4000本の梅が紅白鮮やかに咲き、視覚を圧倒する風景が持ち味だそうです。

 3位は菅原道真ゆかりの北野天満宮(京都)で、道真の命日である2月25日に「梅花祭」が開かれてます。
「舞妓」(まいこ)や「芸妓」(げいこ)たちが梅の咲く境内で茶会を開く光景は京都ならではの風情ですね。

 ちなみに、「舞妓と芸妓、どう違うの?」と思ったことがある方も多いと思いますが、「舞妓」と「芸妓」は、唄や踊り・三味線などの芸で宴席に興を添えることを仕事とする女性の事をいい、「舞妓」とは「芸妓」になる前の15歳から20歳くらいまでの未成年の少女のことを言い、「舞妓」として約5年
間修行した後に「芸妓」になるそうです。
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「歌舞伎」
 出雲阿国(いずものおくに)が江戸城で将軍や諸大名を前に初めて歌舞伎を披露した日にちなみ、今日は「歌舞伎の日」となっているそうです。

 今から400年ほど前の出来事ですが、現代でも「黒幕」や「十八番(じゅうはちばん、おはこ)」などのように、歌舞伎に由来する言葉が日常的に使われていますね。

 ちなみに「十八番」は、市川宗家の得意演目が歌舞伎十八番で、その台本を桐の箱に入れていたことが語源となっており、
二枚目」は、もともとは歌舞伎を上演する芝居小屋で客寄せのために八枚の絵看板を掲げていたことに由来するそうです。

 その看板は、一枚目の「書き出し」に始まり、「二枚目」には美男の花形役者の絵が書かれており、「三枚目」に道化役が書かれていたことから、二枚目=美男子、三枚目=面白い人という使われ方をするようになったそうです。
ちなみに「二枚目半」は、三枚目の要素をもつ二枚目のことを指します。

 また、飲食店での会計の際に使われる”おあいそ”も歌舞伎に由来しています。

 歌舞伎で、女が特別の事情から愛する男と“心ならずも”無理に縁を切ることを「愛想尽かし」と言い、転じて店の主人が勘定を請求する際「誠に愛想尽かしな事ですが・・」とへりくだって言うようになったことから、この「おあいそ」という言葉が勘定を意味するようになりました。

 いつしかその意味だけが残り、今では客が店側に勘定を促す際に使われています。
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「椿」
 明日は二十四節気の「雨水(うすい)」。
寒さは厳しく、景色はまだ冬ざれの中ですが、暦の上では氷が融けて水になり、空から降るものが雪から雨に変わる頃です。

 ところで、魚偏に秋と書いて鰍(カジカ)、冬は鮗(コノシロ、幼魚はコハダ)、春は鰆(サワラ)、残念ながら魚偏に夏という字はありませんが、しいてあげればハモ(鱧)やアワビ(鰒・鮑)あたりが相応しいように思います。

 一方、木偏には四季がそろいます。榎(エノキ)、楸(キササギ)、柊(ヒイラギ)、そして椿(ツバキ、英名カメリア)です。

 落花の際、花全体がぽとりと落ちる様子が忌まれたりしますが、冬の間も艶のある葉を持ち、寒風の中で花を咲かせる姿に霊力を感じ昔から親しまれてきた花です。

 京都の地蔵院(別名椿寺)には、加藤清正が朝鮮から持ち帰り、椿好きの秀吉に献上したとされる「五色八重散椿(二世)」が遺り、京都には他にも利休や織田有楽斉など所縁の名椿の古木が数多く現存してるそうです。

 「椿の里」をPRする岩手三陸の大船渡市でも、恒例の椿まつりが始まったそうです。
震災の影響で例年よりも1カ月遅れの開催ですが、全国から椿の寄付が相次いだことで種類は13カ国600種、数は700本に増大したそうです。
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「蓮根(レンコン)」
 蓮(はす)の根と書いて「蓮根」(レンコン)。
「先が見える、見通しがきく縁起のいい食材」として重宝され、ひな祭りの時期にはちらし寿司の材料として、またおせち料理の材料として需要が増えるなど、今でも祝い事が近くなると消費が伸びるそうです。

 今では年中出回っていますが、レンコンには、ビタミンCが豊富で、みかんの1.5倍、大根の3.7倍に相当する量が含まれているそうです。

 ご存知の通り、レンコンは蓮(ハス)の開花後にできる地下茎で、穴があいているのは水中で生育する特性から空気を運ぶ通気組織が発達したためでしょうね。

 最近は気軽にレンコンの栄養素を吸収できるように、粉末加工した品も出回っているようです。
湯で溶かして飲めば、風邪やのどの痛みの緩和に効果があるといいます。
主産地は茨城県で、全国の3割以上を占めるそうです。
中で人気があのは徳島県産で、一本一本手掘りで収穫するため品質もよく、産地に近い関西圏では卸値が他産地の2倍になることもあるそうです。

 尚、選ぶ際は、形に丸みがあって、ずん胴形のもので、表皮につやがあり、淡褐色のものがよいそうです。
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「2011年産米の食味ランキング」
 江戸時代の悪徳商人は、仕入れるときと売るときに容量の違う升(ます)を使ったそうです。たとえば、米や味噌、醤油などを扱う商人は、仕入れの際は量目を多くした升、客に売る際には量目を少なくした升を使ったと言います。

 もちろんこうしたやり方は御法度で、幕府は公に定めた升(京升)以外の使用を禁じましたが、米屋などでは盛んにおこなわれていたそうです。

 ところで、日本穀物検定協会が先週、2011年産米の食味ランキングを公表してたのでご紹介させていただきます。

 専門パネラーが炊飯した白飯を実際に試食する食味試験により5段階で評価しており、最上位の「特A」は下記の26銘柄となっています。

  <産地>    <銘柄>

  北海道・全道  ななつぼし、ゆめぴりか
  岩手・県南   ひとめぼれ
  宮城・県北   ひとめぼれ
  宮城・県中   ひとめぼれ
  山形・全県   ひとめぼれ、コシヒカリ、はえぬき、つや姫
  福島・会津   ひとめぼれ、コシヒカリ
  福島・中通   ひとめぼれ
  栃木・県北   なすひかり
  新潟・魚沼   コシヒカリ
  新潟・岩船   コシヒカリ
  新潟・中越   コシヒカリ
  新潟・佐渡   コシヒカリ
  長野・北信   コシヒカリ
  三重・伊賀   コシヒカリ
  京都・丹後   コシヒカリ
  奈良・県北   ヒノヒカリ
  福岡・全県   元気つくし
  佐賀・全県   さがびより
  長崎・県南   にこまる
  熊本・城北   ヒノヒカリ、森のくまさん
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「シジミ」
「生きた肝臓薬」、或いは「肝臓の守護神」とも言われ、寒さが厳しくなる頃に身が肥えて最も美味しくなる『シジミ』。
肝機能を高めるタウリンやグリコーゲンを多く含み、たんぱく質特有のうまみがあります。

 日本でとれる『シジミ』には、「マジジミ」や琵琶湖産の「セタシジミ」など淡水産もありますが、食卓にのぼる大半は海水と淡水が混じり合う汽水域に生息する「ヤマトシジミ」です。
通常目にする二枚貝の中では小型なので「縮み」が転じて名づけられたとする説があります。

島根県・青森県・茨城県が主な産地ですが、全国の漁獲量は水質汚染などでここ50年で4分の1に減っているそうです。

 砂抜きをする場合は、真水につけるとうまみ成分のアミノ酸を放出するため、塩水の方が美味しさを保てます。
スーパーなどで選ぶ際は、「触ると素早く殻を閉じるもの」、これが新鮮さの目安でしょうね。
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「平氏と源氏」
 今年の大河ドラマでは平氏と源氏の関わり合いなども描かれていますが、もともとは平氏も源氏も天皇を祖とする氏族です。

 「平氏」は、桓武天皇の孫らが「平朝臣」を賜ってできた姓で(桓武平氏)、桓武天皇が建設した「平安京」に由来した名だとされています。

 一方の「源氏」は、嵯峨天皇の子らに、皇室と祖を同じくするという名誉の意味をこめて「源朝臣」という姓を賜ったのが始まりとされます。
後に清和天皇の皇子を祖とする清和源氏が、源頼朝に代表される武門の家柄として栄え、多数の武家が清和源氏の子孫を称しました。

 平氏や源氏の他に藤原氏と橘氏の四つの貴種名族をまとてめて「源平藤橘」と言い、武家は必ずいずれかの「氏」を名乗っていましたが、しだいに地方の豪族も勝手にこれら四氏の子孫と称する風潮がはびこります。
弊害もあってかその後、領地などの地名に基づいた名字(苗字)が発生し、その中でも広大な領地を所有する者は大名と呼ばれるようになってゆきます。

 さて、苗字や、氏、姓など厳密に言えばそれぞれ違ったものであり、いろいろ興味は尽きないのですが、例えば、源平藤橘の一つ、藤原氏から派生した苗字は400氏以上にもなると言われています。

 朝廷に近い藤原氏は、近衛・鷹司など公家の屋号、あるいは邸宅のあった地名を名乗り一条・九条など、政権中枢部にいたため敢えて「藤原」を強調しなかったのに対し、地方に流れた藤原氏は、出自を知らしめるために「藤」の一字を残したようです。

 例えば、地名に由来するものとして近江の近藤、伊勢の伊藤、加賀の加藤、遠江の遠藤など。官職名に由来するものとして左衛門尉の佐藤、斎宮頭の斎藤、木工助の工藤、主馬頭の首藤、内舎人の内藤などがありました。
また、安倍と藤原で安藤、大江と藤原で江藤など他姓との結合によるもの、藤井や藤田など頭に「藤」を冠した名字も多数あり、さらに藤を富士、不二などに改めた例もあります。

 平氏や源氏由来のものも数あり、例えば北条氏や大庭氏、三浦氏、土肥氏などは桓武平氏から、新田氏や足利氏、佐竹氏、武田氏などが清和源氏からの派生とされています。

 ちなみに1875年の今日2月13日は、明治政府の太政官布告「平民苗必称義務令」によって、国民すべてが苗字を名乗ることを義務付けられた日です時には出自を創作し、粉飾が横行していたことや、その発生の多様性から、苗字を辿って得られるルーツは正確ではないかもしれませんが、興味をそそる話題ではあります。
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「バレンタインデー」
 東日本大震災の米軍の被災地支援は「トモダチ作戦」と呼ばれましたが、震災をきっかけに日本人の中には「絆」や「つながり」を再確認する意識が強まりました。

 そんなことも影響してか、今年のバレンタインデー(来週火曜日)は、今まで以上に「友チョコ」や「ファミチョコ」を贈るケースが増えると見込まれているようです。

 女友達同士でチョコを贈り合う傾向は数年前から見られますが、その傾向がさらに強まり、今では小学生の間でも定着しています。

 また、日頃の感謝の気持ちを伝えたいという意識から家族へ贈るファミチョコも、今年はかなり増えるとの調査結果もあります。

 バレンタインデーと言えば、「好き」を伝える日(本命チョコ)、その他には義務のようにチョコを配る日(義理チョコ)というのが通例でした。

 今でもそういうことはありますが、今年は本命でも義理でもなく、気軽に感謝の気持ちや好意を伝え、互いのつながりを確認するイベントとしての傾向がさらに強くなっているようです。
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「イチゴは野菜?」
 NHKの「ためしてガッテン」は、最先端の科学とユニークな実験で、毎週実用的な情報を提供している人気の番組です。
先日は今が旬の「イチゴ」を取り上げており、「1秒で糖度急上昇」の裏ワザや、気持ち良くキレイにへたを取る」快感のワザが方々で話題になっていました。

 ※ 内容は番組ホームページでも確認できます。

 処で、このイチゴ、農林水産省の定義では野菜に分類されていることをご存知でしょうか?

 野菜と果物の定義を調べると、辞書によって微妙に見解が分かれますが、おおまかな区分は下記のようになってます。

「野菜」は、食用に栽培された一年生か二年生の草で、様々な部位が食される。
「果物」は、多年生の木になる果実で、一般的に甘く生で食されるもの。
果物は実だけを食用とする。果物は、本来「木(く)の物」である。

 定義を見ても、あいまいで人によっては判断が分かれるのが容易に想像できますが、「一年生か二年生の草」と「多年生の木になる果実」と言う見方だと、イチゴやメロンなどは野菜に分類されるというわけです。

 ちなみに、イチゴの甘くておいしい実の部分は、狭義には果実ではく仮果あるいは偽果として区別されています。
実際にはまわりにたくさん付いている種だと思っているものが実で、さらにその中に種があるという構造になっているとのこと。
赤い部分は、もともとは茎だった花床という部分が肥大したものだそうです。

 トマトやスイカなど、野菜か果物かで議論したことのある人も多いかと思いますが、実際に行政によって判断が分かれるケースが少なくありません。
野菜はごはんのおかずになるもので、果物はおやつやデザートして食べるものという区別の仕方もあり、一般的には多分に感覚的な判断が優先されています。

 なお、アメリカでは、トマトが野菜か果物かを裁判所で争ったことがあるそうです。

 「甘くて生で食べられるもの」か、「デザートではなく、食事中に食べられるもの」かで争われ、野菜か果物かで関税率が違ったため最高裁までもつれ、最終的には「トマトは野菜である」との判断が下されています。

 ただ、トマトのように果実を食用とする野菜は「果菜」であるとの解釈を目にするとまたややこしくなってしまいます。
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「ご飯に味噌汁」
 ご飯に味噌汁。普段その価値を考えることはあまりないのですが、言うまでもなく日本人の食生活の基本です。

 日本人が鎌倉時代以降、”一汁一菜”を食の基本として毎日味噌汁を食べ続けてきたのは、味噌が健康づくりの基本であることを昔の人が経験上よく知っていたからです。

 ご存知の通り味噌の原材料は大豆です。
大豆は栄養価が極めて高いのですが、そのまま煮たり炒ったりする通常の料理法では消化吸収が悪いのが難点です。
ところが、この大豆を味噌にすることにより、大豆タンパクが酵素によって分解されてアミノ酸となり、炭水化物もブドウ糖になります。

 旨(うま)みが増すうえに、消化吸収もよくなって一挙両得。
そしてさらに重要なのは、味噌から大豆のもつタンパク質やビタミンB群を取り入れつつ、味噌汁にすれば野菜や海草、根菜などを煮て汁ごと食べるため、カリウムやマグネシウムほか各種ビタミン、ミネラル、食物繊維を一度にとれることです。
期せずして上手に栄養バランスをとることができる訳です。

 ちなみに、日本各地の味噌は、地域によって味や色などそれぞれの特徴がありますが、大まかに分けると主として北関東から東北、北海道地方では辛口味噌。
愛知や三重などでは豆味噌、京都を中心とする近畿地方では白甘味噌が好まれ、九州、四国では甘口の麦味噌や米味噌が好まれているようです。

 以前、此処で書いたと思うけど、味噌汁の丁寧な呼び方に「おみおつけ」があります。
漢字にすると「御御御付け」となるそうです。
「御」を三つも重ねて付けるほど、日本人の食卓には欠かせない大切な汁物と言う思いが伝わってきます。
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「鍋つゆ」
 寒さの厳しい折、夕食に食べたくなるのが、体を芯から温めてくれる鍋料理ですね。
スーパーなどの店先には、ダシ取りや味付けの手間が省ける鍋つゆが数多く並び、変わり種も続々登場しています。

 以前、料理研究科が選んだ家族で食べるのにおすすめの『鍋つゆ』というランキング調査を目にしましたが、

 1位は「ヤマキ 地鶏だし塩ちゃんこ鍋つゆ」でした。
塩と地鶏をベースとしたシンプルながらコクもあるスープで、野菜など素材のうまみを素直に楽しめるそうです。

 2位は「フジッコ 美人鍋つゆ」です。鶏ガラを長時間煮込んだ白濁スープは、濃い目の味付けが目立つ鍋つゆとしては、控えめであっさり。昆布だしも加え、飽きのこない味に仕上がっており、キャベツなどの野菜をたくさんとるのに向いているそうです。

 3位は「ハウス カレー鍋つゆ寄せ鍋風」です。様々なカレー鍋つゆが出ていますが、この商品はクミンなど本格スパイスの香りが効いているのが特徴で、だしの深みとスパイスの香りが楽しめるそうです。

 ランキングの1位から10位までは以下の通りとなっていました。

  1.ヤマキ 地鶏だし塩ちゃんこ鍋つゆ

  2.フジッコ 美人鍋つゆ

  3.ハウス カレー鍋つゆ寄せ鍋風

  4.ミツカン ごま豆乳鍋つゆ

  5.モランボン 韓国コク仕込みキムチチゲ用スープマイルド中辛

  6.ミツカン 〆まで美味しいとんこつしょうゆ鍋つゆ

  7.エバラ 坦々ごま鍋の素

  8.ヤマキ 韓福善のキムチ鍋つゆ

  9.イオン トップバリュ寄せ鍋つゆ

 10.キッコーマン よせ鍋つゆ鶏がら塩

 10.モランボン 薬味白湯チゲの素


 以上がベスト10ですが、販売価格はいずれも3~4人前で200~300円程度となっています。
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「金目鯛」
最近は都市型の温泉施設が増え、「ちょっと温泉にでも」というのが以前よりも気軽にできるようになりました。
各地の温泉地には、お湯そのものの他にその地方の名産があり、それが楽しみの一つでもあります。

 例えば、伊豆方面だと今が旬の「金目鯛」。伊豆ではこの金目を使った料理をご当地料理として観光の目玉に据えており、刺身、握り、味噌漬け、しゃぶしゃぶ、茶漬け、鍋物等どれもおいしく、オーソドックスな金目の煮付けなどは「ほっぺたが落ちる」ほどの美味ですね。
伊豆を訪れる際にはこれが楽しみの一つでもあります。

 「金目鯛」は見た目も華やかで、マダイの代用として「祝い魚」としても饗されることがあり、年末年始、大安吉日の日には値段があがることでも知られていますが、近年は築地でも天然のマダイやヒラメを上回る高値がつくことが珍しくないそうです。
水揚げの減少やブランド化による需要の増加等で、5年前と比べて平均して3割以上高い値がついており、大衆魚だった金目鯛も今は高級魚になりつつあります。
業者曰く”2月に入ってから買うのが良いでしょう”との事。

 処で、扁平で大型で赤っぽい体色、白身などの特徴を持つ魚は「○○ダイ」と名がつくことが多く、その数はざっと200種類に及びます。

 その中でも本当にタイ科の魚というのは「真鯛」や「黒鯛」など10数種類に過ぎず、それ以外の金目鯛などは俗に言う「あやかり鯛」の一つなのですが、その味の実力は真鯛に引けをとりませんね。
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「余寒見舞い」
 今朝はほぼ全国的に氷点下の寒い朝となり、九州を中心に全国38の観測点で統計開始以来の史上最低気温を記録したようです。
また、新潟県の妙高市や津南町などでは積雪が3メートルを超え、「平成18年豪雪」に匹敵する雪害となっています。

 「立春」を迎え、暦の上では春到来ですが、雪まだ止まず「春まだ遠く」の心持ちです。

 「春」の由来は、万物が「発(はつ)」、草木の芽が「張る」、田畑を「墾(は)る」、気候が「晴る」などの意からと言われ、その字は冬の寒さで閉じ込められた草木の根にも日を受けた大地の陽気が満ちて芽を出す様を表わしているそうです。

 今日がその春立つ日ですので、今は厳冬の極と思いたいところです。

 尚、太陰太陽暦を用いた九星などの占いでは、立春を新年の起点としているため、元日から節分までに生まれた人は、前年の立春以降に生まれた人と同じ本命星(七赤金星など)となります。

 また、「寒中見舞い」は本日までで、明日から今月下旬ごろまでは「余寒見舞い」となります。
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「映画の興行収入」
 今季最強の寒波が居座っており、全国の7割以上の観測地点で最低気温が氷点下となる等、厳しい寒さが続いています。
雪害のこと、凍結のこと、交通障害のこと、健康のこと、安否等‥、気がかりなことはそれぞれかと思いますが、皆様、くれぐれもお気を付けください。

 ところで、「日本映画製作者連盟」が2011年の映画概況を先日発表してました。
興行収入(興収)は、過去最高を記録した前年に比べ17.9%減の約1812億円となり、東日本大震災の影響もありスクリーン数は18年ぶりに減少に転じ、入場人員も前年比17.0%減の1億4472万6000人となっています。

 興収総額のうち、邦画が占める比率は54.9%で、4年連続で洋画を上回っていますが、邦画1位のジブリアニメ「コクリコ坂から」の興収は44億6千万円、2000年以降に公開ジブリ作品では最も低い興収で、邦画トップの興収が50億円を下回ったのは11年ぶりのことだそうです。

 昨年は東日本大震災の影響を受けて、上映の中止、内容の修正、公開の延期なども目立ちました。クリント・イーストウッド監督、マット・デイモン主演の「ヒア アフター」は、震災前の2月に公開された作品ですが、大津波のシーンがあるとして3月15日には上映が中止されています。

 
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「ミネラルウォーター」
 つい最近までは水道水を当たり前のように飲んでいましたが、最近ではペットボトル入りのミネラルウォーターを飲むのがむしろ当たり前になっているのかもしれません。
随分と時代は変わったものです。

 ところで、そのミネラルウォーターの生産量が全国で一番多いのは山梨県だそうです。
1県だけで日本全体の約3割を占めています(日本ミネラルウォーター協会調べ、2010年)。

 これに静岡県、鳥取県、兵庫県、鹿児島県が続き、上位5県だけで全国のおよそ7割を生産しています。
カギを握るのは豊富な水をたたえる山の存在です。

 山梨と静岡は富士山、鳥取は大山、兵庫は六甲山を抱えています。これらの山の麓にある採水地の近くには大手飲料メーカーが相次いで進出、それぞれの地域の名を冠したミネラルウォーターを生産しています。
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