2013年07月の記事


「金魚すくい」
各地で夏祭りが行われるこの時期、露店がそこかしこに並ぶ風情は昔も今もあまり変わりませんね。
金魚すくいをねだる子供の姿もほほえましく感じられます。

 金魚はもともと突然変異のフナを飼育・交配させ、改良を重ねて定着させた観賞魚で、光があたるとキラキラ輝いて見えるので「金魚」と称します。
日本には15世紀頃に中国から伝来し、江戸時代後半には広く庶民も愛玩するようになりました。

 ところでこの金魚、中国では「金余(お金が余る)」の発音に似ていることから縁起物として知られています。
明治の頃、日本から移入されたアメリカでは、「ゴールドフィッシュ」という縁起のよい名前と相まって、ペットとして飼育している愛好家も多いそうです。

 ちなみに、風水を非常に気にする香港ビジネス界では、風水の観点から水槽の位置やその中に入れる金魚(風水魚)の数まで決まっているそうです。

 風水では、水には「気」を引き込んで蓄積するという特性があり、「お金が余る」という縁起物の金魚を入れることで、「幸運や財を引き込む」という験担ぎとなっています。
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「隅田川花火大会」
 街なかでもよく見かける朱色の祠(ほこら)のお稲荷さんは、五穀豊穣、商売繁盛・産業全般の神として庶民に親しまれてきました。

 そこに鎮座する対(つい)の白狐は稲荷神の使いで、片方が蔵の鍵をくわえ、もう一方はその神力を象徴する玉(宝珠)をくわえています(巻物や稲をくわえている場合もあります)。

 その鍵を屋号にしたのが花火屋の鍵屋。鍵屋からのれん分けして独立した玉屋の屋号もお稲荷さん由来で、「花火屋は何れも稲荷の氏子なり」の古川柳はこのことを詠んだものです。

 江戸の頃の両国の川開きに行われた鍵屋と玉屋の花火(将軍への献上花火)の競演は江戸庶民の楽しみとなりました。
もともとは享保年間の大飢饉やコレラの流行による死者の霊を弔い、邪気を払い、災いを鎮めるために催された水神祭が起源で、現在は「隅田川花火大会」と名を改め、毎年7月の最終土曜日の開催で、今年は明日午後7時5分の打ち上げ開始となっています。
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「滝」
 「滝」。何万年も前からその場所で落下し続けていますが、季節毎に、天候毎に、或いは見に行った人の心毎にその見え方が異なります。
特に雪解けで水があふれ出すこの時期は、最もスケールが大きくなり、見るには格好の季節となりますね。

 以前、滝の名所ベスト10という調査結果を目にしましたが、1位は北アルプスの山肌に落ちる「称名(しょうみょう)滝」となっていました。
4段の滝で350メートルの落差は日本一、エメラルドグリーンの滝つぼも見事な「日本一の名瀑(ばく)」にあげる人が多くいます。

 2位は「羽衣の滝」で、270メートル国内3位の落差を持つ7段の滝です。
岩肌を伝う繊細な筋が優美な天女の羽衣のように見えるそうです。

 <1~10位までは次のようになっていました。>

 1.称名(しょうみょう)滝     富山県  350メートル  段瀑
 2.羽衣の滝            北海道  270メートル  段瀑
 3.不動七重滝(ふどうななえのたき)奈良県  100メートル  段瀑
 4.那智(なち)の滝        和歌山県 133メートル  直瀑
 5.華厳(けごん)の滝       栃木県   97メートル  直瀑
 5.三条の滝            福島県  100メートル  直瀑
 7.白糸の滝            静岡県   26メートル 潜流瀑
 7.安(やす)の滝         秋田県   90メートル 分岐瀑
 9.松見の滝(まつみのたき)    青森県   90メートル  段瀑
10.吹割(ふきわれ)の滝      群馬県    7メートル 渓流瀑


 垂直に一気に落下するのが「直瀑(ばく)」、段差のあるとことを落下する「段瀑」、途中で岩に当たって水が分かれる「分岐瀑」、傾斜の強い斜面を滑るように流れる「渓流瀑」、地中を流れてきた伏流水が断層などで地表に吹き出すように落ちる「潜流瀑」といった様々な滝の形状があります。

 ちなみに、世界三大滝は、カナダの「ナイアガラの滝」、南米の「イグアスの滝」、そしてアフリカの「ビクトリアの滝」と言われています。
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