2011年07月の記事


「茶の木(チャノキ)」
 冷たいお茶が何より美味しく感じられるこの頃ですが、緑茶・ウーロン茶・紅茶は全てツバキの仲間のチャノキから作られるそうです。

 違いは摘み取った茶葉の発酵度合いで、十分に発酵させると紅茶になり、反対に発酵を防いだものが緑茶です。
発酵を途中で止めるとウーロン茶が出来上がるそうです。
チャノキの原産地は中国の雲南省と周辺の山岳地帯とされます。
17世紀に入り中国から欧州にまず渡ったのが緑茶。その後、英国人の嗜好に合わせ、紅茶が作られるようになったそうです。

 ところで、「熱中症」になる方が昨年よりも40%ほど増えているそうです。
「熱中症」とは暑熱環境で発生する障害の総称で、熱失神・熱疲労・熱射病・熱けいれんに分けられるそうです。

 その予防には水分補給が欠かせませんが、汗からは水と同時に塩分も失われ、塩分が不足すると熱疲労からの回復が遅れるため、水分補給には0.1%~0.2%程度の食塩水が適しているそうです。
熱中症予防に、一度薄い食塩水を試してみる価値があるかもしれません。
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「アイスクリーム」
 全国的な気温上昇でペットボトル飲料やアイスクリームの売り上げが伸びているようですが、そのアイスクリームは乳固形分など成分含有量の違いで法律上3種類に大別されるそうです。

           乳固形分    乳脂肪分

 アイスクリーム  15%以上    8%以上

 アイスミルク   10%以上    3%以上

 ラクトアイス    3%以上      ━

  氷 菓       ━        ━


 上記の表には氷菓も加えましたが、これは乳固形分がラクトアイスより低いか入っていないものです。
一般的に、乳脂肪分の含有率が高いほうが価格は上がります。アイスクリームは乳固形分15%以上かつ、乳脂肪分8%以上が必要ですが、ラクトアイスは乳固形分3%以上であれば乳脂肪分の規定はなく、価格は安く抑えられるそうです。

 近年、ラクトアイスは手ごろな価格に加え、味でもアイスクリームに劣らない商品が多いことから販売量が増加しており、一方でアイスクリームの販売量は減少しています。
2000年度のラクトアイス販売量は約27万7000キロリットルでしたが、09年度は35万3600キロリットルと約1.3倍に増加。アイスクリームは17万6500キロリットルから14万3000キロリットルへ2割減少しています(日本アイスクリーム協会調べ)。

 普段は余り見ることがないかと思いますが、アイスクリームを食べる際に一度その成分表示を確認してみてはいかがでしょうか。
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「日本三景」
 多くの小中学校は夏休みに入り、水着とタオルをカバンにつめて毎日のようにプールに通った昔が懐かしく思い出されます。

 ところで、江戸時代のはじめ、全国を行脚した儒学者の”林春斎”が、その著書「日本国事跡考」で絶賛した三つの景観(下記)を「日本三景」と呼び、今日は林春斎の誕生日であることから「日本三景の日」となっています。


 【 松島 】     宮城県宮城郡松島町を中心とした多島海

 【 天橋立 】    京都府宮津市にある砂嘴(さし)

 【 厳島(宮島)】  広島県廿日市市にある厳島神社を中心とした島


 いずれも海に面し、付近には松林。この時期は特に海の青さと松の深い緑が一層際立ち素晴らしい景観となっています。

 松尾芭蕉が「奥の細道」の冒頭で「松島の月先心にかゝりて(松島の名月がまず気にかかって)」とした松島の月景色の素晴らしさは、14世紀初頭(鎌倉時代の後半)には中国にも知られていたと言います。

 今回の大地震と津波で松島町も被害を受けたと聞きましたが、被害は比較的軽微で、三景松島の復興は日々進んでいるそうです。
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「土用丑の日」
 夏の土用入りで、今日は新聞の織り込みチラシには美味しそうな蒲焼きの写真が掲載され来店を促しています。

 ところで、一緒に食べると害があるとされる食物の組み合わせを「食べ合わせ」と言い、昔からそれらを一緒に食べてはいけないとされてきました。

 その一つに「うなぎと梅干」というのがありますが、医学的な根拠はなく、胃酸を濃くする梅干の働きが、うなぎの脂分の消化を助けるのでかえって好ましいそうです。
「うなぎと梅干」には贅沢への戒めといった説などがあるようですが、同時に多量に摂取すれば消化不良を起こしやすくなるため、食べ過ぎには注意です。

 ちなみに、「天ぷらとスイカ」「うなぎとスイカ」と言った食べ合わせは、油分の多い食べ物(天ぷらやうなぎ)と水分の多い食べ物(スイカ)を一緒に食べると、胃液が薄まり消化不良を起こし、体調を崩すことがあるため避けた方が無難です。

 また、「天ぷらとアイスクリーム」のように、体を温める食べ物(天ぷら)と体を冷やす食べ物(アイスクリームや氷)を一緒に食べると、胃に負担がかかるため、それを戒める意味の食べ合わせもあります。

 この時期、あの蒲焼きの香りはなんとも食欲をそそります。夏バテ予防にも是非食べておきたいところです。尚、2年連続の稚魚の不漁と輸入うなぎの価格上昇によって店頭価格が例年以上に値上がりしていることに加え、台風6号の通過がうなぎの消費に影響しそうです。
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「ブルーベリー」
 夏の果実『ブルーベリー』が出荷の最盛期を迎えています。
程よい甘さと酸味が魅力で、特に「アントシアニン」という色素が目の疲労を癒や効果があるとされ、人気が高い要ですね。食物繊維やビタミンも豊富に含んでいます。

 その「アントシアニン」を調べてみると、青色や紫色、赤色の色素成分で、「抗酸化物質」であるポリフェノールの一種とのことです。
眼球内の毛細血管を強くして、血流を改善し、目のすみずみまでに酸素や栄養成分を送り、眼のピントを調節する毛様体の働きをよくし、疲れ目の回復などに効果があるそうです。

 また、「抗酸化物質」とは、その名の通り酸化を防ぐ事ができる栄養素であり、活性酸素による細胞などへの攻撃を防いでくれる働きがあるそうです。
野菜不足の人はその「抗酸化物質」が不足して活性酸素の攻撃に対して人体が無防備となり、細胞やDNAが損傷して老化を早めてしまったり、がんや心臓病といった病気になるリスクが高まるそうです。

 ちなみに、ブルーベリーを選ぶ際は、ブルームと呼ぶ白い粉が豊富についている方が鮮度が高く、また青紫の色が濃く、皮に張りのあるものが良いそうです。
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「香辛料(スパイス)」
 暑くなるとスパイシーなものが美味しく、また食欲をそそります。
カレーライス、キムチ、冷ややっこのショウガ、ワサビのきいた寿司・・・等々です。

 私たちは、これらの香辛料の刺激を「辛い」と表現しますが、辛いは「気苛(けいら)し」からきた語で、すでに平安時代には記述が見られ、当時から強い塩味にも香辛料の辛味にも使われていたそうです。

 隣の中国では、「麻」(まー、サンショウのしびれる刺激)、「辣」(らー、唐辛子やコショウのひりひりと熱い辛さ)、「麻辣」(まーらー、舌がしびれるような辛さ)、「辛」(しん、広い意味の辛さ)などと使い分けられています。

 素材や水の持つ淡い味が好まれた日本に比べ、古来より香辛料や濃厚な味付けが発達した中国では、辛みを一語で片づけられないのかもしれません。

 サンショウ「花椒」・トウガラシ「辣椒」・コショウ「胡椒」を総称して「三椒」と言い、これが中国料理の辛みを作る代表的スパイスとなっています。

 ところで、物を食べて感じる味覚(甘い・酸っぱい・しおからい・苦い・うまい)は舌で感じますが、「辛み」を感じるのは舌ではないそうです。
カラシ
・ワサビの辛みは揮発性の辛み成分が鼻を抜け粘膜を刺激することで感じ、サンショウやトウガラシの辛みは、成分が人体の痛点を刺激して「痛み」として感じるそうです。

 いずれにしても、暑くなるこれからの時期、スパイスを上手に使うのもまた「食」の楽しみでしょうね。
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「蓮見(ハスミ)」
 秋は「紅葉狩り」、春は「花見」。
そして今の時期は朝早く起きて「蓮見(ハスミ)」をするのが昔の風流だったそうです。

 西洋で薔薇や百合が特別の意味を持つように、蓮は東洋では特別な意味を持ちます。
泥中にあって汚れを寄せ付けずに気高く咲く花、大きく広がり水を弾く凛とした葉、この姿が濁世にまみれず清らかに生きること、純粋さの象徴とされてきました。

 ヒンドゥー教の最高神の一人クリシュナ(日本では吉祥天)は、最高位の女性という意味で「蓮女(はすめ)」と言い、蓮の華は仏教では極楽浄土の象徴であり、仏陀が蓮華の上で瞑想する絵が描かれ、寺院では仏前に「常花」(じょうか)と呼ばれる金色の木製の蓮華が置かれていたりします。

 ところが日本では違った意味で使われることがあります。
由来は省きますが、「蓮の葉商い」と言えばキワモノやまがい物を売ることを指し、「蓮っ葉」あるいは「蓮女」と言えば馴れ馴れしい女性や浮気性の女性という意味を持ちますね。

 日常において蓮に関わるものは意外に多く、中華食器のレンゲ(散蓮華)は蓮の花と形が似ているところからその名があり、蓮の地下茎はレンコン(蓮根)として食用にされます。

 また、蓮(英名ロータス)の葉はその微細構造と表面の化学的特性によって濡れることがなく、それを「ロータス効果」と呼びますが、その研究から発展したのが撥水加工技術です。
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「滝」
 「滝」。
何万年も前からその場所で落下し続けていますが、季節毎に、天候毎に、或いは見に行った人の心毎にその見え方が異なります。
特に雪解けで水があふれ出すこの時期は、最もスケールが大きくなり、見るには格好の季節となりますね。

 以前、滝の名所ベスト10という調査結果を目にしましたが、1位は北アルプスの山肌に落ちる「称名(しょうみょう)滝」となっていました。
4段の滝で350メートルの落差は日本一、エメラルドグリーンの滝つぼも見事な「日本一の名瀑(ばく)」にあげる人が多くいます。

 2位は「羽衣の滝」で、270メートル国内3位の落差を持つ7段の滝です。
岩肌を伝う繊細な筋が優美な天女の羽衣のように見えるそうです。

 <1~10位までは次のようになっていました。>

 1.称名(しょうみょう)滝     富山県  350メートル  段瀑
 2.羽衣の滝            北海道  270メートル  段瀑
 3.不動七重滝(ふどうななえのたき)奈良県  100メートル  段瀑
 4.那智(なち)の滝        和歌山県 133メートル  直瀑
 5.華厳(けごん)の滝       栃木県   97メートル  直瀑
 5.三条の滝            福島県  100メートル  直瀑
 7.白糸の滝            静岡県   26メートル 潜流瀑
 7.安(やす)の滝         秋田県   90メートル 分岐瀑
 9.松見の滝(まつみのたき)    青森県   90メートル  段瀑
10.吹割(ふきわれ)の滝      群馬県    7メートル 渓流瀑


 垂直に一気に落下するのが「直瀑(ばく)」、段差のあるとことを落下する「段瀑」、途中で岩に当たって水が分かれる「分岐瀑」、傾斜の強い斜面を滑るように流れる「渓流瀑」、地中を流れてきた伏流水が断層などで地表に吹き出すように落ちる「潜流瀑」といった様々な滝の形状があります。

 ちなみに、世界三大滝は、カナダの「ナイアガラの滝」、南米の「イグアスの滝」、そしてアフリカの「ビクトリアの滝」と言われています。
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