2012年03月の記事


NHK 朝ドラ史上、最高傑作「カーネーション」終わる。
ファッションデザイナー「小原糸子さん」、永い間ご苦労様でした。 安らかにお眠り下さい。

       *   *    *    *    *

「カーネーション」というタイトルは、花言葉から思いついたものです。
「あらゆる試練に耐えた誠実」という花言葉にひかれ、その花がカーネーションでした。
イメージが固まりすぎないのもいいと思ったんですよ。
「なんでカーネーションなの?」と思いながら皆さんに見ていただいて
いろんなシーンでその花が登場する。
抽象的で、広がりがあって、何かを重ねたり、ここに帰っていくこともできる。
遊びがあって、とても懐の深いタイトルだと思ったんです。

脚本家:「渡辺あやさん」談
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「金環日食」
5月21日の日食は、日本史上最大の人数が観察できる金環日食だそうです。

 1987年の金環日食は沖縄本島で、2009年の皆既日食はトカラ列島や屋久島など一部の離島でしか観測できませんでしたが、今回は(天候にもよりますが)九州南部、四国、紀伊半島から本州の関東付近にかけて金環が観測できるそうです(他の地域では部分日食)。
ちなみに次回の金環日食は2030年で、観測できるのは北海道のみとなります。

 ところで、太陽は、古代より世界各地で信仰の対象として崇(あが)められてきました。日本においても天照大神(あまてらすおおかみ)が太陽神であり、天照が天岩戸(あまのいわと)に隠れ、世界が暗闇になってしまったというエピソードは日食がモチーフになっているという説もあります。

 また、日本では太陽神の天照大神は女神です。卑弥呼も女性であり、古代においては基本的に母系社会だったと見る向きがあります。
母系社会の対として父系社会、あるいは男系社会がありますが、歴史の大部分で男性が主導権を握る男系社会であったことは間違いのない事実です。

 明治末、欧米で台頭していたフェミニズム(女性の社会的、政治的、経済的権利を男性と同等にし、女性の能力や役割の発展を目ざす主張および運動)の影響を受けて発刊された雑誌が「青鞜(せいとう)」で、主催した平塚らいてう(ひらつか らいちょう)が巻頭に書き記した創刊の辞にあるのが下記の一
節です。


 元始、女性は実に太陽であつた。真正の人であつた。

 今、女性は月である。

 他に依つて生き、他の光によつて輝く病人のやうな蒼白い顔の月である。

 私共は隠されて仕舞つた我が太陽を今や取戻さねばならぬ。

「隠れたる我が太陽を、潜める天才を発現せよ」

 ・・・此叫声、此渇望、此最終本能こそ熱烈なる精神集注とはなるのだ。

 そしてその極(きはま)るところ、そこに天才の高き王座は輝く。
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「桜言葉」
桜の花がすでに満開となっているところもあるようですが、花冷えのお天気のため開花した花が少し長持ちしそうです。

 桜は日本を代表する花であり、日本人には特別な存在の花で、和歌や俳句に「花」とあれば桜の花を指しています。
そんな桜にまつわる言葉をいくつか拾い上げてみたいと思います。

 花時(はなどき)     桜の花が咲く時季
 桜狩(さくらがり)    花見
 花盛り(はなざかり)   満開の桜
 花影(はなかげ・かえい) 水面などに映った桜花の影
 花明り(はなあかり)   夜、満開の桜のまわりがほのかに明るく感じる様子
 花衣(はなごろも)    花見に行く際の女性の美しい着物 
 花疲れ(はなづかれ)  花見に行って疲れること
 花人(はなびと)     花見の人
 花守(はなもり)     花の番をしている人
 花篝(はなかがり)    夜桜を見るために花の下で炊かれる篝火「花雪洞」
 花筵(はなむしろ)    桜の花びらが一面に散り敷いている様子
 花曇(はなぐもり)    桜の頃に多い曇天。花を養うとの意で「養花天」
 花の雨(はなのあめ)   花見の頃に降るあいにくの雨「桜雨」
 花の風(はなのかぜ)   桜を散らしてしまう恨めしい風
 花の雪(はなのゆき)   雪のように散る桜花
 零れ桜(こぼれざくら)  散る桜
 花筏(はないかだ)    水面に散った花びらが吹き寄せられ流れていく様子
 残花(ざんか)      散り残った桜花
 桜流し(さくらながし)  散った花びらが雨や水に流れていく様子

 これらの言葉を見ただけでも、桜は古から日本人に、こよなく愛されてきたことが分かります。
ちなみに「花吹雪」は、詩人谷川俊太郎の尊父で哲学者の谷川徹三氏がかつて世界一美しい言葉として激賞した言葉でもあります
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「甲子園、石巻工業高等学校散る!」
 春の選抜高校野球の組み合わせ抽選会で、出場32校の中から1校だけに与えられる選手宣誓を引き当てたのは、被災地宮城の石巻工業でした。

 当たりくじを引き当てた阿部翔人(あべしょうと)主将は、マイクを向けられ「何か縁があるなと思った。被災地の代表として自分が言わないといけない使命があるのかなと感じた」と感想を述べています。

 そして昨日の選手宣誓。壇上に上がった阿部主将は、正面を見据え、堂々と、ゆっくりと、はっきりと、よどみのない声で、今の思いを伝えました。
昨年の大震災直後に行われた選手宣誓も感動を呼びましたが、今回も記憶に残る素晴らしい宣誓でした。

 東北楽天ゴールデンイーグルスの嶋選手が昨年4月に行ったスピーチの名フレーズを引用した、その全文をご紹介したいと思います。


 宣誓。

 東日本大震災から一年、日本は復興の真っ最中です。被災をされた方々の中 には、苦しくて心の整理がつかず、今も、当時のことや、亡くなられた方を忘れられず、悲しみに暮れている方がたくさんいます。

 人は誰でも答えのない悲しみを受け入れることは苦しくてつらいことです。

 しかし、日本が一つになり、その苦難を乗り越えることができれば、その先に必ず大きな幸せが待っていると信じています。

 だからこそ、日本中に届けましょう。感動、勇気、そして笑顔を。見せましょう、日本の底力、絆を。

 我々、高校球児ができること、それは、全力で戦い抜き、最後まで諦めないことです。今、野球ができることに感謝し、全身全霊で正々堂々とプレーすることを誓います。

 平成24年3月21日

 選手代表、宮城県石巻工業高等学校野球部主将、阿部翔人



 尚、石巻工業は21世紀枠で、春夏通じて初出場。昨年3月の大震災の津波
でグラウンドが浸水、校舎も1階が水没。部員の7割の自宅が被災。部員がグ
ランドの汚泥を除去して練習を再開するなど、困難な状況を乗り越えての出場
でしたが、残念ながら本日の1回戦での敗退となっています。
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「桜の開花」
 立春から春分までの間に初めて吹く南よりの強い風を「春一番」と言いますが、寒気の影響で関東地方では昨日の春分の日までに南よりの強い風が吹かず、12年ぶりに「春一番」が観測されませんでした。

 また、今日は全国で最も早く高知市で桜の開花が発表されてました。高知市での桜の開花は、平年よりも1日早いとのことです。
ただ、東日本では長く居座った寒気の影響もみられます。
民間気象会社3社は、東京都心(靖国神社)のソメイヨシノの開花を、平年よりも4~5日遅い3月末を予想していますが、24年ぶりに4月にずれ込むこともありそうです。

 一方、アメリカの首都ワシントンのポトマック河畔にある3700本あまりの桜は、平年よりも2週間ほど早く見頃を向かえているそうです。

 ちなみに、1909年にアメリカに寄贈された約1千本の桜は、ワシントンに渡るも害虫の被害がひどくすべて焼却されました。当時の米国務省は「こういうことがないようにしっかりした体制ができるまで、再度このようなことをしないように日本側に働きかけよ」と駐日米国大使館に訓令を発したそうです。

 ところが日本側は、ただちに再送のための体制の再構築と、丈夫な桜の苗木の再開発に着手します。当時の関係者は「もし、1回であきらめてしまえば、日本は、ヘンな贈り物をしようとしてうまくいかなかったということだけが残ってしまう」ことを危惧したと言われます。

 3年後の1912年(明治45年)、細心の注意と高い園芸技術をもって育てられた約3千本の桜の苗木は、ワシントンに無事到着し植樹式が行われました。その時から今年はちょうど100年。明治人が夢見た友好の花は、100年後の今もポトマック河畔の公園で、訪れる人の目を毎年楽しませています。

 尚、20日から始まった毎年恒例の全米桜祭りは、今年は期間を4月末まで延長して様々な日本関連の催しが行われるようです。
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「極楽浄土(彼岸)」
春彼岸の今、「暑さ寒さも彼岸まで」との言葉どおり、ずいぶんと春めいてきたように感じます。

 明日の春分の日は彼岸の中日。日が少しずつ長くなるこの日を境に陰陽の気も入れ替わるとされています。
また、ほぼ真東から日が上り、ほぼ真西に日が沈む春分は、古代中国では「龍、天に昇る」とされ、春の気もいよいよ盛んに
なってゆきます。

 話は変わりますが、昔の書物にこんな話がありました。

 一人の旅人が東から西へ向かって歩いていると、突然前方に業火渦巻く火の河と激しい流れの水の河があらわれ、後ろへ戻ろうとすると盗賊や獣が襲いかかってきました。
旅人は窮地に陥りますが、西へ延びる白い細い道を見つけま
す。

 河に呑み込まれずに白道を渡りきれるかどうか分からず立ちすくむ旅人に、「心を決めてその道を渡りなさい。信じなさい。
河を恐れることはない」と声がします。

 その声に勇気付けられ旅人は西に進みますが、今度は背後から「引き返しなさい。その道の先には何もない」との声がします。しかし旅人はその声に耳を貸さず白道を渡りきりやがて西岸に辿り着きます。

 この話で東は現世(此岸)、つまり今いるところ。西にあるのが極楽浄土(彼岸)で旅人の目的地。怒りや憎しみで燃えたぎる火の河、何もかも流しつくす欲望の心をあらわす水の河、そして背後の声は煩悩です。

 そう言われてみればたしかに、目的地へ辿り着くためにはこのような道を通らなければならないような気がします。
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「風媒花」
 花粉の飛散が本格化しており、雨上がりの日や風の強い日、気温が高い日などは特に飛散量が多くなるため注意が必要です。

 ところで、植物が美しい花を咲かせ、蜜を分泌し、甘い香りを放つのは、鳥や昆虫などを誘引し彼らに花粉を運んでもらい受粉を媒介してもらうためです。

 このように虫や鳥を誘因するために適応し進化した花を「虫媒花」または「鳥媒花」と呼びますね。

 一方、風に花粉を運ばせることを選択しそこに運命を委ねたのが「風媒花」。

 虫や鳥に限らず人をも魅了する美しい花や甘い蜜は、風媒花にとってはすべてが無用なもので、目立たない花をつけ、風が吹くのをひたすら待ちます。
そのため風媒花の花粉は風に乗りやすいようにさらさらしており、量も多いのが特徴です。

 生き残る術として風に花粉を託すのが風媒で、そこに悪気は一切ないのですが、人間社会において時として悪者になってしまうのが風媒花です。
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「月曜日病(ブルーマンデー症候群)」
 一般的に、気分が乗らず、憂うつな気分で迎える人も多いことから、休み明けの月曜日は「ブルーマンデー」とも呼ばれますね。

 海外では月曜日は脳卒中や心筋梗塞などの心血管系疾患の発生が多いことが知られています。
日本でも同様の調査結果があり、ゆったり過ごした週末から、
仕事などで緊張する平日に変わることからくるストレスが影響してるものと考えられています。
ストレス起因ということで言えば、自殺が最も多い曜日は男女
ともに月曜日ということが厚労省の統計でも明らかになっています。

 このようないわゆる「月曜日病(ブルーマンデー症候群)」は、休日の朝寝坊にも関係があるようです。休日に遅い時間に起きることで体内時計に狂いが生じ、軽い時差ボケ状態で月曜日を迎えてしまうことが月曜日病の一因と言われています。

 ある調査では、休日の「寝だめ(朝寝坊)」は平日の不眠を招き、結果的に抑うつ(うつ状態)を招く要因となることが明らかになっています。
つまり休日の「寝だめ」は逆効果で、身体的にも精神的にも悪循環に陥る可能性が高いのだそうです。
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「Kizuna311」プロジェクト「前を向くカレンダー」
たくさんの人たちの言葉が並ぶちょっと風変わりなカレンダーがあります。


   無気力になった私に80才の母の一言。「元気を出しなさい!」です。

   あの日、生がされた命 生まれかわったど思って生ぎっぺ。

   きっと良くなる、必ず良くなる。どんどん良くなる。全てが良くなる。

   生きてて良かったと 泣いて喜んでくれた人がいた。それだけで十分。

   今でも悩む毎日です。悩んでも、進まなきゃ 進まなきゃ進みません。

   がんばらなくていい。ちょっとだけふんばろう。

   「ありがとう」をありがとう。また来ます。

   前を向いて歩こう。後ろ向きでは歩きづらいから。


・・・「Tsunami(津波)よりも、Kizuna(絆)という日本語を世界の共通言語にしたい」との想いから、俳優の渡辺謙さんと放送作家の小山薫堂さんが呼びかけ人となり、地震発生から4日後の2011年3月15日に立ちあがった「Kizuna311」プロジェクト。

 その「Kizuna311」が企画したのがこの「前を向くカレンダー」で、3月12日の以下の言葉からから始まり、被災者からのたくさんのメッセージが綴られています。

http://kizuna311.com/

 3月12日 この日を区切りに被災者から復興者になっぺ。
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「西行法師」
『 願はくは花の下にて春死なむ そのきさらぎの望月の頃 』

 西行は生前につくったこの歌のとおりに、桜の咲いていたその日(旧暦の2月16日)に亡くなったとされています。
ちなみに今年の旧暦2月16日の望月(満月)の日は明後日の3月8日です。
 
 ところで、歴史小説作家の陳舜臣は「歴史は勝者によって書かれる」と言いましたが、その点については誰しも異論がないところです。

 古い時代には、著作物は権力者におもねることで生き延び、歴史を作る勝者側に配慮することで後世に名を残します。
そのため、正史においても勝者の都合の良いように脚色されるのは当たり前で、敗れた側(悪役)をより暴虐非道に描くのは至極当然です。

 平家や平清盛についてもそうです。
鎌倉時代に成立した「吾妻鏡」や「平家物語」なども自ずと権力側(源氏)に配慮したものになり、敗者側の平氏に対しては批判的にならざるを得ません。
そうしたことの影響で現代の平清盛のイメージも出来上がっています。敗者側であるが故に資料も少なく、悪者との評価ゆえに人気がなく、それ故に感情移入がしづらいというのが今までの清盛像です。

 NHKTVの大河ドラマ「平清盛」は娯楽作品であり、フィクションです。
荒唐無稽の挿話や必要以上の対比、「ありうべからざる」場面もいちいち目くじらを立てるほどのことでもありません。

 ちなみに、大河ドラマに北面の武士(院御所の北面に詰め、上皇の身辺を警護した武士)として登場する佐藤義清(さとうのりきよ)は後の西行で、同世代の清盛が同時期に北面の武士に任じていたことは史実のようです。

 ずいぶん後の話で、清盛の悪評の一つですが、清盛は反対勢力の一掃を狙い、南都(奈良)の興福寺や東大寺を焼き討ちにします。
西行(出家後の義清)は晩年に東大寺再建の勧進(寺院建立・修理のための寄付を募ること)を行うため奥州藤原氏のもとへ向かうのですが、旅の途中で鎌倉に立ち寄り源頼朝と面会したと吾妻鏡に記されてるそうです。

 その際、頼朝は、弓馬の達人として名が知られていた西行に教えを乞います。そしてその翌年から鎌倉で流鏑馬(やぶさめ、疾走する馬上から的に矢を射る儀式)が奉納されるようになったそうです。
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「格安航空会社」
先日、全日本空輸系のLCC「ピーチ・アビエーション」が就航し、北海道の新千歳空港行きの第一便がほぼ満席の状態で離陸したそうです。

 LCCとはLow-costCarrier(ローコストキャリア)の略でつまり格安航空会社です。
格安を売り物にするだけあって、既存の航空会社の正規料金よりもかなりの低価格となっています。

 LCCの運賃は基本的に空席状況に応じて変動しますが、例えばピーチ・アビエーションの場合、関空→札幌が4780円~1万4780円、関空→福岡が3780円~1万1780円となります。最低運賃は、夜行バスなみの安さに設定されています。

 さらに具体例としてNHKの解説を引用しますと、例えば昨日午後10時に1週間後の今月7日の関西空港発・札幌便の予約をした場合、ピーチの片道運賃は6280円から7980円で、日本航空(JAL)と全日空(ANA)の正規料金4万3500円(片道)と比較すると5分の1以下の料金設定です。

 また、大阪─福岡間で、今度は新幹線と比較した場合、新大阪から博多までのぞみの自由席の料金が片道1万4080円、一方のピーチが5580円から6280円となります。

 通常なら無料のサービスが有料だったり、座席間のスペースが狭かったりするなど、コスト削減の影響もありますが、LCCを移動手段と割り切れば、かなりの競争力がありますね。
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