2013年02月の記事


「蛤(はまぐり)」
 はまぐりの酒蒸し、はまぐりのお吸い物、焼きはまぐり、そしてはまぐりの和風パスタ・・・等々、この時期はまぐりがとても美味しいです。

 漢字で「蛤」と書きますが、ペアの貝殻同士でしか形が合わないことから、相性の良い相手に出会えるようにとの願いを込め、桃の節句や婚礼のお膳に吸い物などにして並べられます。

 火にかけると勢いよく殻を開きます。京都御所の「蛤(はまぐり)御門」は、江戸時代の大火の際に開門したことからこう呼ばれています。

 かつては日本各地で採れましたが、1980年代以降の干拓や埋め立て、海岸の護岸工事などによって生息地の浅海域が破壊されたために一部の地域を除いて絶滅状態になり、最近は中国産のシナハマグリが大半を占めています。

 輸入されたシナハマグリは、日本の浅海域で一時畜養されると、「国産」・「~県産」・「地はまぐり」の表記が可能となるために、これが市場に大量に出回っています。

 「ハマグリ」という名前は、浜辺にあり、栗と形が似ていることから「浜栗」と呼ばれたことに由来するそうです。
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「格差社会
巷からは、「格差社会」・「勝ち組」・「負け組」といった言葉が聞こえてきます。
それに関して興味深い話をご紹介させて頂きたいと思います。

 『山女(やまめ)とサクラマスは元々同じ魚だそうです。
稚魚の時、餌の奪い合いとなり、生存競争に負けた山女の稚魚は清流から追いやられ、川を下って海に行く。海には栄養源となる豊富なプランクトンがいる。
それを食べ育った山女はやがてサクラマスとして産卵のために生まれた清流へ戻る。
そこには勝ち残った山女が暮らしている。負け組の山女であるサクラマスの体重は勝ち組の山女の10倍以上になっている・・・』

 「格差」・「勝ち組」・「負け組」といった言葉が身近な社会で頻繁に使われる昨今ですが、最近では勝ち組企業が負け組に転落するケースも珍しくありません。

 リチャード・ニクソンの「人間は負けたら終わりなのではない。辞めたら終わりなのだ。」という言葉、また柔道家である神永昭夫氏の「勝負は負けた時から始まる」という言葉も同様の意味合いで心に残ります。
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「寒椿」
寒い朝は、外に置かれた睡蓮鉢の水が凍りつくのですが、今朝は今シーズンで最もぶ厚い氷が張りました。
厳しい寒さが続いています。

 ところで、魚偏に秋と書いて鰍(カジカ)、冬は鮗(コノシロ、幼魚はコハダ)、春は鰆(サワラ)。魚偏に夏は、あまり馴染みがありませんが、「ワカシ」と読むそうです。
ワカシはブリの幼魚の若鰤(ワカシ)であり、魚偏に春夏秋冬の漢字4つをひとまとめにして「旬(しゅん)」と読ませる料理屋もあると聞きます。

 木偏にも四季が揃っています。榎(エノキ)、楸(キササギ)、柊(ヒイラギ)、そして椿(ツバキ、英名カメリア)です。

 落花の際、花全体がぽとりと落ちる様子が忌まれたりしますが、冬の間も艶のある葉を持ち、寒風の中で花を咲かせる椿は不老長寿の霊木として昔から尊ばれてきました。

 秀吉の椿好きは知られていますが、京都の地蔵院(別名椿寺)には加藤清正が朝鮮から持ち帰り、秀吉に献上したとされる「五色八重散椿」(二世)が今も遺り、京都には他にも利休や織田有楽斉など所縁の名椿の古木が数多く現存してるようです。

 例年にも増して寒さが厳しい中、各地で椿の花を愛でる「椿まつり」が始まっており、春の近づきを知らせています。
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「米の食味ランキング」
 一般家庭での食料品支出の項目で、2011年はパンが初めてコメを逆転し「主食」の座についたそうですが、2012年はコメが返り咲きを果たしました。

 ただ、米価の高止まりが主因と見られ、コメの購入量の減少は続いているそうです。
日本人の主食は「コメ」と言いたいところですが、支出金額から見ますと現状はパン食がメインになりつつあります。

 ところで、日本穀物検定協会はお米の普及と販売促進を目指し、外観、香り、味、粘り、硬さ、総合評価の6部門で品種を判定する「食味官能試験」を毎年行い、その結果を発表しています。
参考までに、昨日発表された平成24年産米の食味ランキングで最高評価の特Aを獲得したのは過去最高の29銘柄(下記)となっています。

※道府県(地区)  品種名

 北海道(全道)  ななつぼし       石 川(全県) コシヒカリ
  〃 (全道)  ゆめぴかり       福 井(全県) コシヒカリ
 岩 手(県南)  ひとめぼれ       〃 (全県) ハナエチゼン
 宮 城(県北)  ひとめぼれ       山 梨(峡北) コシヒカリ
 秋 田(県南)  あきたこまち      長 野(南信) コシヒカリ
 山 形(全県)  コシヒカリ       三 重(伊賀) コシヒカリ
 〃 (全県)   はえぬき        京 都(丹後) コシヒカリ
 〃 (全県)   つや姫         奈 良(県北) ヒノヒカリ
 福 島(会津)  ひとめぼれ       福 岡(全県) 元気つくし
 栃 木(県北)  なすひかり       佐 賀(全県) さがびより
 新 潟(中越)  コシヒカリ       長 崎(全県) にこまる
  〃 (魚沼)  コシヒカリ        熊 本(城北) ヒノヒカリ
  〃 (岩船)  コシヒカリ         〃 (全県) 森のくまさん
  〃 (佐渡)  コシヒカリ         〃 (全県) くまさんの力
                         大 分(全県) ヒノヒカリ


 お米の生産には寒暖の大きい気候が適しているとされ、「米どころ」と言えば北日本というイメージがありましたが、生産技術の向上や品種改良がすすみ、今は全国的におしいお米が生産されています。
ちなみに、今年の試験で特Aの中で最も評価が高かったのは熊本県産の「森のくまさん」だそうです。
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「おすすめの梅の名所」
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青梅市「梅の公園」

 まだまだ寒い日が続きますが、それでも公園や山寺、緑豊かな住宅地などを歩きますと紅白の梅の花がほのかに香り、春の訪れを感じる季節になりました。

以前に目にした「おすすめの梅の名所」ランキングでは、1位が東京都青梅市の「吉野梅郷(ばいごう)」となっていました。

 もともと食用の梅農家が多かった地域に、青梅市が1972年に町おこしをねらって観賞用に「梅の公園」を整備。4万5000平方メートルの土地に赤、白、黄など1500本の梅が咲き誇るそうです。

 2位は神奈川県の湯河原梅林で、1996年から一般公開が始まりました。4000本の梅が紅白鮮やかに咲き、視覚を圧倒する風景が持ち味だそうです。

 3位は菅原道真ゆかりの北野天満宮(京都)で、道真の命日である2月25日に「梅花祭」が開かれるようです。
「舞妓」(まいこ)や「芸妓」(げいこ)たちが梅の咲く境内で茶会を開く光景は京都ならではでしょうね。

 ちなみに、「舞妓と芸妓、どう違うの?」となりますが、「舞妓」と「芸妓」は、唄や踊り・三味線などの芸で宴席に興を添えることを仕事とする女性の事をいい、「舞妓」とは「芸妓」になる前の15歳から20歳くらいまでの未成年の少女のことで、「舞妓」として約5年間修行した後に「芸妓」になるそうです。
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「一汁一菜」
ご飯に味噌汁。この組み合わせはあまりにも当たり前で、普段その価値を考えることはあまりないのですが、言うまでもなく日本人の食生活の基本です。

 日本人が鎌倉時代以降、一汁一菜を食の基本として毎日味噌汁を食べ続けてきたのは、味噌が健康づくりの基本であることを昔の人が経験上よく知っていたからでしょう。

 ご存知の通り味噌の原材料は大豆です。大豆は栄養価が極めて高いのですが、そのまま煮たり炒ったりする通常の料理法では消化吸収が悪いのが難点です。
ところが、この大豆を味噌にすることにより、大豆タンパクが酵素によって分解されてアミノ酸となり、炭水化物もブドウ糖になります。

 旨(うま)みが増すうえに、消化吸収もよくなって一挙両得。そしてさらに重要なのは、味噌から大豆のもつタンパク質やビタミンB群を取り入れつつ、味噌汁にすれば野菜や海草、根菜などを煮て汁ごと食べるため、カリウムやマグネシウムほか各種ビタミン、ミネラル、食物繊維を一度にとれることです。
期せずして上手に栄養バランスをとることができる訳ですね。

 ちなみに、日本各地の味噌は、地域によって味や色などそれぞれの特徴がありますが、大まかに分けると主として北関東から東北、北海道地方では辛口味噌。愛知や三重などでは豆味噌、京都を中心とする近畿地方では白甘味噌が好まれ、九州、四国では甘口の麦味噌や米味噌が好まれているようです。

 味噌汁の丁寧な呼び方に「おみおつけ」がありますが、漢字にすると「御御御付け」となるそうです。
「御」を三つも重ねて付けるほど、日本人の食卓には欠かせない大切な汁物というのが伝わってきます。
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「金目鯛」
  最近は都市型の温泉施設が増え、「ちょっと温泉にでも」というのが以前よりも気軽にできるようになりましたが、各地の温泉地にはお湯そのものと、その地方の名産があり、それが楽しみの一つでもあります。

 例えば、伊豆方面だと今が旬の「金目鯛」。伊豆ではこの金目を使った料理をご当地料理として観光の目玉に据えており、刺身、握り、味噌漬け、しゃぶしゃぶ、茶漬け、鍋物等どれもおいしく、オーソドックスな金目の煮付けなどは特に美味。
かの地を訪れた際にはこれが楽しみの一つとなっています。

 金目鯛は見た目も華やかで、マダイの代用として「祝い魚」としても饗されることがあり、大安吉日の日には値段があがることでも知られていますが、近年は東京・築地でも天然のマダイやヒラメを上回る高値がつくことが珍しくありません。
水揚げの減少やブランド化による需要の増加等で価格が高騰し、大衆魚だった金目鯛も今は高級魚となっているそうです。

 ところで、扁平で大型で赤っぽい体色、白身などの特徴を持つ魚は「○○ダイ」と名がつくことが多く、その数はざっと200種類に及ぼそうです。

 その中でも本当にタイ科の魚というのは「真鯛」や「黒鯛」など10数種類に過ぎず、それ以外の金目鯛などは鯛と言う名称によるイメージアップを狙った、俗に言う「あやかり鯛」の一つです。
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「茹(ゆ)でたまご」
 一口つぶやきを一席!(#^.^#)
時々、ゆで卵を作るけど皮をむくのが大変で、何時もデコボコになってしまうという経験をされた方がいると思います。
見た目の美しさは料理の味を引き立てる大切な要素であり、せっかくのゆで卵がデコボコでは料理も美味しさ半減になってしまいます。

 既にご存知の方も多いかと思いますが、そうならないための方法は、ゆであがったらすぐに水に浸けることです。
卵の殻は一見、滑らかで空気でさえ入り込まないように思えますが、目に見えないごく小さな穴が無数にあってわずかながら空気が出入りしています。

 その証拠に、卵を茹(ゆ)でると湯が沸騰してきたときに小さな泡がたくさん卵の殻から出てくるのが分かります。
これは、卵の中にある気室の空気が膨張して殻から逃げるためです。

 茹でてすぐに水に浸けると気室内部の圧力が下がり、逃げ出した空気の分だけ水が入ってきます。
この水が卵の殻と白身の間に入るため、殻がスルリとむけるようになります。
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「鱈(タラ)」
 「雪」を「魚」につけると「鱈」(タラ)となりますが、雪が降り始める1~2月に旬を迎えて美味しくなる魚です。
口が大きく、大食漢で「たら腹(ふく)食う」の語源になったとも言われています。

 鍋物に欠かせない食材の「タラ」ですが、一般にタラと言えば「マダラ」のことを指し、「スケソウダラ」は水分が多く、鮮度が落ちやすいため、「かまぼこ」や「ちくわ」など加工品の原料になることが多く、雌の卵巣を塩蔵(えんぞう)した「たらこ」や唐辛子で漬けた「からし明太子」で馴染みがあります。

 タラは雄、雌とも味は変わりませんが、珍味の白子(精巣)がとれる雄は雌の倍近い価格で取引されているそうです。
切り身を店頭で選ぶ際は、透明感があってピンクがかったものが新鮮。逆に身が白く不透明なもの、皮が白っぽいものは鮮度が落ちているので避けるのがよいそうです。
また、白子は身くずれしているものは鮮度が落ちており、透明感があって身がしっかりしているものを選ぶのがよいです。

 ちなみに、「銀だら」と呼ばれるものは、「あいなめ」に近いものでたらの種類とは違うそうです。
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