2009年09月の記事


「ショウガ(生姜)」
「冷え性」に悩む女性を中心に人気が高まっている「ショウガ」(生姜)。
薬味として1年中出回る食材ですが、店頭で一般的に見かけるのは「ひねショウガ」です。
保存先の部屋から出されて、これから出荷の最盛期を迎えます。

 「ひねショウガ」は6~8月に掘り出された新ショウガを2ヶ月以上保存してから出荷されます。
保存中に繊維質が作られ、辛味も強くなります。
辛味成分は「ジンゲロール」や「ショウガオール」で、血行を促進する効果で冷え性の緩和が期待できます。

 国内産地は高知県などで約4万トン生産されているそうですが、年々輸入が増えており、現在は約3万トンが中国などから入っています。
今年は前年より2~3割安いようですが、表面がなめらかで張りがあるものが良いそうです。

 ちなみに、ジンジャーエール(Ginger ale)とはジンジャー(ショウガ)などの香りと味をつけ、カラメルで着色したノンアルコールの炭酸飲料で、味はショウガ独特の辛みがあります。
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「無花果(イチジク)」
”無花果”と書いて”イチジク”。果実の内側に花があり、外側からは見えないことから漢字では『無花果』と書くそうで、そのイチジクがそろそろ出荷の最盛期を迎えてるようです。
旧約聖書にも登場するなど歴史の古い果物で、世界中で栽培されています。

 国内では愛知、和歌山、福岡など温暖な土地で盛んですが、1日に1果熟すことから「一熟」と呼ばれた・・・等々、名前の由来には諸説があります。

 聖書にもたびたび登場する「イチジク」は世界最古の栽培果樹といわれ、エデンの園でアダムとイブが食べた禁断の果実はイチジクという説があります。
一般的にはリンゴと思われていますが、当時の中東ではリンゴが採れなかったことや、アダムとイブが恥ずかしくて前を隠していた幅の広い葉っぱがイチジクの葉として描かれているからだそうです。
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「トイレの話し」
いきなりトイレの話題で大変恐縮ですが、「男性の小用スタイル」に関して、TOTOの2004年の調査では「洋式便器に座って小用」の比率は23.7%でしたが、今年5月の調査ではその比率が33.4%に上昇しているそうです。

 年代別に見ると、30代で30%、40代で36%、50代で41%と、年代が上がるとともに「座る」率が増えてくるのが特徴です。
「尿が飛び散らない」「掃除が楽」「姿勢が楽」などがその理由で、この傾向は年々上昇しているそうです。

 洋式便器はほとんどの家庭に普及しており、今やトイレは一つの居室としてとらえられています。
「居室を汚さない」「掃除が楽」という観点は、自身にとっても同じトイレを使用する人にとっても大事なことで、そういったことが「座る」率の上昇につながっていると見ることができます。

 ところで、心理学博士の小林正観さんはその著書『「そ・わ・か」の法則』で、幸せになれるとして、掃除・笑い・感謝の実践について述べています。

 たとえば掃除については、自分が使ったトイレは必ずきれいにして出てくること、ただそれだけでたくさんの効果があると説きます。
幸せはそれに気づくだけで手に入るとの論理は非常に明快です。

 キレイにしたり片付けるのは、誰しも面倒と思うことですが、無心になって掃除をしたり整理整頓をすることは、身のまわりだけでなく心も頭脳も整理整頓されスッキリする効果があるような気がいたします。
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「五穀豊穣」
 青々としていた水田はいつの間にか黄色を帯び、やがて黄金色に輝き、実るごとに頭(こうべ)を垂れる稲穂はやがて収穫の時期を迎えます。

 古来から稲作とともに歩んできた日本人は、その年の収穫を神に感謝し、翌年の五穀豊穣を願ってきました。その神の最もたるものがお稲荷様です。

 稲荷は、稲生、稲成、飯成とも書かれ、狐がその神のように思われがちですが、実際には五穀をつかさどる稲荷神が祀られていっるそうです。
狐は稲荷神の使いという位置づけで、伊勢神宮の鶏、春日大社の鹿、日吉大社の猿、八幡宮の鳩のような単なる神使と違い、お稲荷様の狐には神様の一族のような資格を与えられているそうです。

 赤い鳥居に小さな祠(ほこら)、祠の前に狐が2尾、こうした稲荷神社は都心部でもオフィスビルの一角やデパートの屋上などに見ることができます。
個人の家に祀られている稲荷社まで含めると膨大な数の稲荷神が祀られており、その総数は3万とも4万いわれてます。
ちなみに、稲荷神社の総本社である京都の伏見稲荷大社は関東以外では最大の初詣客を集めることで有名ですが、先ごろ行われた岸和田だんじり祭りも伏見稲荷への祈願が始まりとされてるそうです。

 五穀豊穣の願いはやがて商売繁盛への願いとなってきました。狐には「憑く」というちょっと怖いイメージを持つ人が多いようですが、お稲荷様は昔から庶民にとって身近な存在で、非常に融通が利き、願い事をするには頼もしい神だそうです。
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「曼珠沙華」
 明日で秋の彼岸も明けますが、昼と夜の長さがほぼ等しい今の時期を過ぎますと日が暮れるのがいっそう早く感じられます。

 燃えるような花色の彼岸花は、秋の彼岸の頃に咲く花ゆえにこの名がついたと言われます。
国や地域によって花に対する感じ方も様々で、彼岸花にもいくつかの異名があります。

 根に毒を持つ花なのですが、飢饉の時は澱粉が豊富な根を食用にすることもあったそうです。
毒抜きが十分でないとあたることもしばしばで、彼岸(死)の花という説もあり、その毒性と相まって、葉のない状態で地上に突出し神秘的な花を咲かせる様から「地獄花」「死人花(しびとばな)」などと呼ばれることがあります。

 日本に存在する彼岸花の遺伝子は全て同一で、中国から伝わった1株の球根から日本全国に広まったものといわれています。
彼岸花は「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)」の名でも親しまれていますが、これはサンスクリット語の音写で「天上界に咲く小さな赤い花」という意味で、吉事の兆しに赤い花(曼珠沙華)が天から降りてくると仏教の経典にはあるそうです。

 葉のあるときには花はなく、花のときには葉がない曼珠沙華を、おとなり韓国では「花は葉を思い、葉は花を思う」という意で「相思華」と呼ばれるそうです。

 ちなみに、曼珠沙華はその花の美しさから、海の女神を意味する「リコリス」という学名を持ちます。
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「シルバーウィーク」
五連休となった秋の大型連休(シルバーウィーク)、高速道路は上限料金1000円のETC割引の効果で予想を上回る渋滞が頻発し、駅や空港も混雑。
各地の行楽地も予想を上回る人出となったようです。
たまたま訪れた観光地では、「こんな混雑は初めて」と言った売店の人の声も聞かれました。

 渋滞や混雑は心体ともに疲れますが、旅先で味わう旬の味覚や人の温かさ、非日常の驚き、連れの笑顔で、疲れを差し引いても十分にお釣りがくるほど充実した時間を過ごすことができます。

 旅先でふれ合う自然によって人は癒されますが、どちらかと言えば海は精神的な疲れに、山は体力が続かず虚弱気味の人に効果があるそうです。

 「海気浴」と言われますが、海辺には打ち寄せる波しぶきでたくさんのマイナスイオンが発生しており、ヨードなどのミネラルを含む潮風を吸い込み、永遠に続いているかのような波音を聞きながら広々とした大海原の開放感にひたることで、日頃の精神的な疲れを和らげストレスを緩和できると言います。

 一方、山の「森林浴」効果も実証済みで、緑あふれる森林をゆっくり散策しながら、風や空気、せせらぎの音、小鳥の声などを聞いたり感じたりすることは、それだけでも癒しの効果絶大。
樹木が発散する”フィトンチッド”には殺菌浄化作用があり、人の細胞を活性化させ元気を回復させる効果があると言われます。

 もちろん海の青にも木々の緑にも精神的な疲れを取るセラピー効果があり、海や山をのんびり満喫できる幸せは何よりも得難いひと時ですね。
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「寝相と性格の関連性」
黄金色に輝くススキの群生、トンボ、秋桜・・・、季節の移り変わりは律儀なものだとつくづく感心させられます。

 北海道からは初雪と初冠雪の便りが届き、秋の味覚を代表する国産マツタケの出荷はこれから最盛期を向かえますね。。

 ところで、朝晩涼しくなってきたおかげでようやく夜の寝苦しさから解放されてますが、皆様はご自身の寝相をご存じでしょうか。
寝相と性格の関連性についてはいくつかの調査結果がありますが、その中の一つをご紹介したいと思います。

 1)体を丸めて寝る「胎児」型(全体の41%)
       → 頑固そうに見えても内気で繊細なタイプが多い。

 2)横向きで脚を伸ばし、腕は体に沿っている「丸太」型(同15%)
       → 楽天家で社交性があるが騙されやすい。

 3)横向きで脚を伸ばし、腕を体の前に持ってくる「切望」型(同13%)
       → 開放的な面がある一方、疑り深く頑固でもある。

 4)仰向けで腕をわきにつけた「兵士」型(同10%)
       → 性格はおとなしく保守的だが自分にも他人にも厳しい。

 5)うつぶせで手を頭の両側に置く「自由落下」型(同7%)
       → 率直で社交好きな性格は厚かましいと受け取られることも。

 6)あおむけで大の字になる「ヒトデ」型(同7%)
       → 聞き上手で、控えめな人が多い。

 と、こんな具合ですが皆様の場合はいかがでしょうか? ちなみに西洋の諺には「王様は仰向けに寝、賢者は横向きに寝、金持ちはうつ伏せに寝る」とあります。

 また、寝返りのし易さと身体機能の面から最も理にかなっているのは、一方の膝を曲げて横向きに寝る「半退治型」で、病気や何らかの不安があるときには自然とこの姿勢をとることが多いと言われてるそうです。
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「秋の七草」
 「暑さ寒さも彼岸まで」と申しますが、秋の彼岸入りとなり、コンビニやスーパーのお惣菜コーナーの目立つところには、秋に咲く花の名を持つ「おはぎ」が並んでます。

 草かんむりに秋と書く萩は、その名のとおり秋を代表する花の一つで、秋の七草の筆頭にも数えられています。 

 秋の七草は「萩(はぎ) 尾花(おばな) 桔梗(ききょう) 刈萱(かるかや)女郎花(おみなえし) 藤袴(ふじばかま) 葛(くず) 秋の七草」と詠まれ、古くは万葉集にある山上憶良の「秋の野に 咲きたる花を 指折り(およびおり)かき数ふれば 七種(ななくさ)の花 萩の花 尾花 葛花 撫子の花 女郎花 また藤袴 朝顔の花」という歌に由来します。

 尾花はススキのことで茅葺き(かやぶき)屋根の茅。また、憶良の歌にある朝顔は桔梗という説が有力で、春の七草が食して楽しむ花でまとめられているのに対し、秋の七草は観賞して楽しむ草花となっています。

 ただ、開花時期がそれぞれ異なるため秋の七草を同時期に鑑賞することはなかなか適いませんね。
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「香母酢」
 漢字で「香母酢」と書いて「カボス」。
9月から10月にかけてが旬だそうで、食卓で爽やかな香りを楽しむことができます。

 料理の風味を豊かにする酸味料として焼き物や鍋物などに果汁を搾って使われることが多いようですが、ビタミンCの宝庫であり、血液を浄化したり、新陳代謝を盛んにしたり、疲労回復、さらにはダイエットにも効果があるということで、アルカリ性健康食品としての注目度が高いようです。

 縦と横に切ると汁をしぼりやすく、サンマにかけたり、カレーや焼酎(しょうちゅう)にたらしたり、蜂蜜とまぜ、水で割ってジュースにしたりと、色々なものと合わせて楽しむことができます。

 カボスは大分県で古くから栽培され、全国に出回るカボスの99%は大分県産です。
色と形が似ているため、徳島県特産の「スダチ」と混同されることがありますが、大きさが全く違い、スダチは30~40グラム程度、カボスは100~150グラム程度あります。

 購入する際は、果皮が硬く、濃い緑色をしたものを選ぶと良く、保存は涼しく暗い場所が最適でしょう。
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「敬老の日」
 来週月曜日は「敬老の日」ですが、長年の労に感謝し年配者を敬うこの習慣は聖徳太子の時代にまでさかのぼるそうです。

 最近は「グッドエイジング(いい年の重ね)」といった、人生の後半をいきいき楽しく生きる積極的な考え方も定着しつつあります。

 ところで、「全国有料老人ホーム協会」が毎年募集し、恒例となっている「シルバー川柳」の入選作品が先日発表されてましたのでいくつかご紹介したいと思います。
 
 定年で 田舎戻れば まだ若手
  我が家にも 政権交代 夢にみる
   証人が 一人もいない 武勇伝
    老後にと 残した夢も 夢のまま
     万歩計 つけて帰りに 車呼び
       バラに似て 妻も花散り トゲ残し
        美しく 老いよと無理な ことを言う
         その昔 恐竜見たかと 問う曽孫
          注目を 一身に受け 餅食べる
           お辞儀して 共によろける クラス会
            定年に エプロン貰い 嫌な予感


 「老い」という言葉の持つイメージとは違う小気味良い作品の数々に、どこか秋空に似た清々しささえ感じます。
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「ソウルオリンピック」
 1988年の今日9月17日、ソウルオリンピックが開会しました。早いもので、あれから21年が経過してます。

 そのソウルオリンピックが開催された1988年は、リクルート事件が起き、青函トンネルが開通して青函連絡船の運航が終了、東京ドームが完成、日産シーマ発売、瀬戸大橋開通、ダイエーが南海ホークスをオリエント・リース(現オリックス)が阪急ブレーブスを買収・・・等々、記憶に残る出来事があります。

 一寸気になったたので調べたのですが、ソウルの人口は1042万人(2007年現在)で、面積は605平方キロメートル。東京都の人口は1298万人(2009年8月現在)で面積は2187平方キロメートル。
人口密度にすると、ソウルが1万7219人/平方キロメートルに対して東京都は5940人/平方キロメートルとなっています。
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「"コン"のつくもの(根菜類)」
寒暖計の指し示す気温よりも肌寒く感じる今日この頃。これからはしだいに気温が下がってきますが、このような季節の変わり目は体調を崩す人が増えますので気をつけたいものです。

 ところで、心身の力や根気がなくなってしまうことを「精根尽きる」と言いますが、疲れが溜まると集中力がなくなり、気力も失せていまします。
そのような時、昔の人はきまって言ったものです。「コン」のつくものを食べなさいと。

 「コン」のつくものとは、ダイコン、レンコン、ゴンボウ(ゴボウ)などで、食物繊維が多く含まれている根菜類です。
広く知られている通り、食物繊維には体内を浄化する作用があり、かむ回数が増えることで血行も良くなり、脳や身体の代謝も促し、自ずと疲れもとれてきます。
また、食物繊維には腸内環境を整え改善する作用もあるため、大腸がんなどの疾患のリスクを軽減することも知られています。

 コンニャクも食物繊維が豊富で、昔から「おなかの砂おろし」あるいは「胃のほうき」などと言われてきました。体内を浄化する効用は昔の人も経験として知っていたわけです。

 疲れや気力がなくなってきたのを感じましたら、バランスの良い食事とともに、心身をリラックスさせることが大切です。
こうした「コン」のつくもので体調を整え、根気を補充してみてはいかがでしょうか。
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「100歳以上の高齢者」
厚生労働省は、今月21日の「敬老の日」を前に全国の100歳以上の高齢者の人数を発表してました。

 それによりますと、今年9月15日時点での100歳以上の高齢者は昨年比で4123人増(11.3%増)の4万0399人となり、男女とも過去最多を更新したことが明らかになりました。

 男女別では、男性が昨年比384人増の5447人、女性は同3739人増の3万4952人で、女性が全体の8割超を占めています。

 都道府県別の人口10万人当たりの100歳以上の高齢者の割合は、沖縄がトップで67.44人、次いで島根の66.21人、高知が61.45人、以下鹿児島、熊本と続いてます。
一方、100歳以上の高齢者の割合が最も少ないのは、埼玉の15.90人で、愛知の18.45人、千葉の21.45人と続き、「西高東低」の傾向が見て取れます。

 尚、今年度中に100歳を迎える人は、全国で2万1603人と、これまでの最多を記録する見込みのようです。

 ちなみに、100歳を迎えるお年寄りには、国から祝い状と記念品の銀杯が贈られますが、今年度から直径が約10%小さくなり、価格も6630円から5975円に引き下げられるそうです。
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「国語の世論調査」
 二十四節気の「白露」も終わり。暦の上では、秋気が本格的に加わり、野草に宿るしらつゆが秋の趣を感じさせる頃となります。

 紅葉狩りにはまだ早いですが、北海道の大雪山や群馬県の尾瀬、富山県立山付近では色づきも見られるそうです。 

 ところで、文化庁調査の「国語に関する世論調査」では、慣用句や故事成語の意味を取り違えたり、間違って使われるケースが多いことが明らかになりました。

 例えば「破天荒」。本来の意味は「だれも成し得なかったことをすること」ですが、64%の人が「豪快で大胆な様子」と回答。また、「何もせずに傍観している」意味の「手をこまねく」という表現は、45%が「準備して待ち構える」と解しています。

 慣用句や故事成語の多くは習って覚えたのではなく、読書や実際に使われている事例を見たり・聞いたりしてなんとなくニュアンスで理解しているケースが少なくないと思われます。
この調査結果が発表された時には、「破天荒」などの語句が検索ランキングで急上昇したそうです。
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「重陽(菊)の節句」
 昨日は2009年9月9日。
9の三並びでなんだか縁起が良いような気がしますが、タイのバンコクでは「9」の発音が「前進」の意味を持つことから、結婚届けを提出するカップルや帝王切開などで出産する例が相次いだそうです。

 日本では「苦」に通じるとの理由で「九」という数字を嫌がる人もいますが、陰陽道では奇数は陽の数とされ、その極数である「九」が重なる九月九日は「重陽の節句」として祝う風習が昔からありました。

 この日は、不老長寿の霊草と信じられていた菊の花びらを杯に浮かべた菊酒を酌み交わし、お互いの長寿と無病息災を祝ったとされています。
このことから重陽の節句は「菊の節句」とも呼ばれます。

 ちなみに、菊は日本原産と思われがちですが、薬草として日本に伝わった中国原産の植物で、後に天皇家の御紋になり、慣習上の国花(菊と桜)にもなっています。
もちろん鑑賞用・園芸用として発展したのは日本に於いてであり、日本の菊が本家中国や欧州の菊事情に大きな影響を与えています。

 また、葬儀の際の献花に菊が用いられることが多いのは、古来から日本人に慕われてきた花であり、調達のし易さ、安価で長持ちするという理由の他、西洋で墓参用に用いられていたことの影響もあるようです。

 各地で菊花展や菊人形展が行われるのも重陽の節句に由来し、庶民の間では秋の収穫祭と習合し「お九日(おくんち)」として祝うようになったといいます。

 明治期に新暦に移行してからは季節とのズレが生じたことから、しだいに重陽の節句が廃れてきましたが、菊を愛でる風習や収穫祭としての意味合いは菊花展や九州北部の”くんち”として今も残ります。
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「コーヒー通」
”コーヒー通” にとっては嬉しい話ですが、先日、コーヒーを1日3杯以上飲む女性は、ほとんど飲まない女性に比べ、子宮ガンの一種「子宮体ガン」にかかるリスクが約6割低いとする調査結果が厚生労働省から発表されています。
コーヒーを飲むと女性ホルモンなどの濃度が下がり、「子宮体ガン」を予防する可能性があるということです。

 以前に、コーヒーを1日に3杯以上飲む女性は、ほとんど飲まない人と比べて「結腸ガン」になるリスクが約半分に低下するとの調査結果も発表されてました。
また東北大の研究グループが、コーヒーを1日に1杯以上飲む人が「肝臓ガン」になる危険度は、全く飲まない人の6割程度という調査結果も発表しています。

 発病を防ぐ仕組みは十分解明されていませんが、コーヒーにガン予防効果がある可能性を示す結果であり、いずれにしても、コーヒー好きな人にとっては、嬉しい話ですね。
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「昔話」
 「温故知新」とは申しますが、現代では昔のことを知ろうとすることよりも、新しい知識や技術の習得に忙殺されがちです。

 昔は、どこの家庭でも両親や祖父母らが、小さい子に様々な昔話を話してきかせていたように思います。
昔話は、単に話としておもしろいという他に、人への思いやりやたくましく生きる知恵といったたくさんのメッセージが込められています。
もちろん教訓話ばかりでなく、主人公が様々な軌跡をたどりながら成長していく過程を語っているものが少なくありません。

 昔話の残酷な面をことさらに強調した解釈が流行った時期もありましたが、子供たちが夢中になっているゲームやテレビ番組のほうがよほど残酷な描写に溢れています。
本来の昔話にはたしかに残酷な話もありますが、それは自然が持つ残酷さと同じ程度の残酷さであり、それを伝えながらもその残酷さについての詳細な描写を語ることはありません。
又、前向きで元気が出る話も多く、拒絶するばかりではない世の中のことをも教えてくれます。

 本屋で、幼児向けのコーナーにふと目を向けると懐かしい昔話の本がたくさん置いてあります。
細かい点で結末や筋書きが昔と違うものもあるようですが、昔話の効用は現代の母親もきっちり理解しているのだろうと思います。

 昔話を単に教訓話として伝えてしまうと聞かされた子供達はお説教と捉えてしまうかもしれません。
昔話という形式をかりて「子供の成熟のために彼(彼女)に自己と人生についての健全なイメージを暗示し予感させる」というところに大切な意味があると思います。
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「おもてなしの心」
 9月は土日を含む19日から23日までの5連休があり、5月の「ゴールデンウィーク」に対してこれを「シルバーウィーク」と呼ぶそうです。

 もともと「秋分の日」は国民の祝日ですが、ハッピーマンデー制度によって「敬老の日」が9月第3月曜日に移行。それにより、22日は飛び石連休の解消のために特別に設けられた国民の祝日「国民の休日」となります。

 新型インフル拡散などの手控え要因は依然あるものの、旅行各社は夏休み期間中の旅行者数が国内・海外ともに前年比で減少しただけにシルバーウィーク特需に期待を寄せているようです。

 ところで、旅行新聞社主催で「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」というのが毎年発表されています。
ランキングは「もてなし部門」「料理部門」「施設部門」「企画部門」に分かれており、旅行客の宿探しの参考にもなっていますが、今年も石川県和倉温泉の老舗旅館「加賀屋」が総合1位(29年連続)に輝いています。

 加賀屋は施設部門でトップ、他の項目でも全て上位にランクイン。次いで総合2位はもてなし部門で1位を獲得した静岡県稲取温泉の「稲取銀水荘」、総合3位は企画部門1位だった山形県かみのやま温泉の「日本の宿古窯」となっています。

 ちなみに、加賀屋の強みは様々に分析されていますが、「おもてなしの心」が従業員に浸透しており、そのための人材マネジメント(教育や意思統一、動機付けなど)が秀逸だと評されてます。顧客からのクレームを大事に扱い、小さな点まで改善の目を行き届かせるのは顧客に信頼される企業に共通するものであり、加賀屋の女将や統括客室センター長が話す言葉(下記)にはあらゆるサービス業の指針となりえるヒントが含まれています。

「私たちが徹底しているのは、お客様からいただいたご意見を
 捨て子にしないということ。年間20万人の方がお泊まりに なりますが、その中の一つの意見も捨ててはならないと考え ています」

「注意をしてくれるのは期待があるから。その意味で一番怖いのは、問題があっても何も言われずに帰られてしまうことです。そこには天国と地獄の差があります」

「もちろんマニュアルはありますし、それを守るのは大事です。
 ただ、“おもてなし”というものは、マニュアルをこなせて 60点。それ以上はお客様と接する本人の感性次第です」
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「温泉の定義」
 早いもので、9月中旬ともなれば北海道・東北地方から紅葉の季節がスタートします。
美しさを増す樹々の見物に山峡や渓谷などへ出かけ、現地の露天風呂にゆったりと浸かる風情は、また格別です。

 ところで、最近は耳にしませんが、近年各地の温泉で問題が生じていました。
イオウ製剤の610(ムトウ)ハップを混入していた事件や、井戸水や水道水を使用して沸かした湯を温泉と偽り表示した事件など、私たちを失望させるニュースが続きました。

 温泉の定義とは、

1.温度(温泉源から採取されるときの温度とする)が摂氏25度以上。
2.温泉法で規定する成分(総イオウ、マンガンイオン、第1鉄または第2鉄イオン、ラドン等々)のうち、どれか1つが規定量以上含まれる。

1か2の、どちらか1つを満たしてしまえば温泉と名乗ることができます。

 つまり、温度が25度なくても1つ成分を満たしていれば、井戸水でも温泉と呼べてしまうのです。
井戸水と温泉は紙一重の差です。
目的地へ出かける前に、該当する宿などが温泉を使用しているかどうか、源泉100%か、あるいは水道混合か、また加熱の有無などを電話等で尋ねてみるのもいいかもしれません。
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「二百十日」
 二百十日(立春の日から数えて二百十日目)も早過ぎ、この時期は昔から嵐が襲来することが多く、8月1日の「八朔」や「二百二十日」とともに三大厄日として知られています。
地方で、風害から農作物を守るよう神に祈る「風祭り」や「風の盆」が行われるのもちょうど今の時期です。

 9月1日に発生した関東大震災、9月に上陸した伊勢湾台風など、二百十日の言い伝えと合わせて自然災害が多いこの時期、「防災週間」として様々な行事が行われてます。
災害が発生した時にどうするのか、どうしたらいいのかを、家族で話し合ってみる良い機会でもあります。

 処で、それぞれの月には和風月名という異称があります。
夜が長くなる9月は「夜長月」「長月」「暮月」、長雨も多いので「雨長月」、収穫時期を迎えて「稲刈り月」などと呼ばれます。

 他にも、夏が過ぎて「季秋(きしゅう)」、菊が見頃で「菊月・菊見月・菊開月」、竹の新葉が青々と茂る「竹の春・竹春」「竹酔月」。昔は暮れるのが早まれば寝るのも早くなり、それ故夜中に目を覚ますことが多くなることから「寝覚月(ねざめづき)」。
一月、五月と並び、斎(い)み慎む月と考えられたところから「祝月・斎月(いみづき)」。

 山々が色づきはじめ「紅葉月」。彩り豊かな木々の葉に加え、名残惜しむ夏の花、そして秋の花も咲き始める九月は「色取月(いろどりづき)」とも呼ばれます。

 此れで説明し尽くしているわけではないのですが、それぞれに具体的な情景を思い浮かべることができる古来の表現の仕方は、なんとも味わい深い趣があります。
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「防災の日」
 1923(大正12)年の本日9月1日、午前11時58分。『関東大震災』が発生しました。
マグニチュードは7.9で、死者9万人、負傷者10万人、全壊1万4千戸、破壊焼失戸数は68万戸にも及んだそうです。

 ちょうど昼食準備の時間だったため、地震の後に大火災が発生し、被害がさらに大きくなったという経緯があります。
東京市の死者は6万人にものぼりましたが、つぶれた家屋の下じきになって死んだ人はそのうちの2千人で、大多数はその後の火災が原因となっています。
平成7年1月17日に起きた阪神淡路大震災の際にも地震の後の火災によりやはり被害が拡大しています。

 本日9月1日は「防災の日」。常日頃から災害に対する備えを万全にし、防災の心構えを徹底させるのが「防災の日」の目的です。
特に日本の場合、一番こわいのは地震そのものよりも、それによって起こる火災です。
「防災」すなわち「防火」であり、まず火をとめることを心がける必要があります。
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