2011年08月の記事


「秋刀魚(サンマ)」
 暑さの中にも秋色を感じる頃となりました。
秋の代表的な味覚といえば、「秋刀魚」と書いてサンマ。
刀のように反り返った形からこの字が当てられたと聞きます。

 8月に北海道東部から南下を始め10月ごろ三陸沖を通り、11月には房総沖、そして遠州灘で産卵した後、3月頃には紀州沖に達し、その一生を終えるそうです。

 焼いてレモンを搾り、大根下ろしを添えて食べる塩焼きが一般的ですが、刺し身や握りずしにしても美味しく、また刺し身より細かくおろして大葉とネギを刻んで混ぜ、たたきにするのもさっぱりして美味しいです。熱いご飯とサンマの相性は抜群、食欲を駆り立ててくれますが、炭火で焼けばまた格別です。

落語に「目黒のさんま」/三代将軍徳川家光が鷹狩りの折に目黒の茶店に立ち寄り、食事を所望しました。
この茶店の彦四郎さんは気さくに夕食用のサンマを焼いて差し出した。
これにいたく感激した家光が、この茶店から見える限りの土地を進ぜようと言ったそうですが、辞退したそうです。
「さんまは目黒に限る」と言ったというのは後の代の作り話です。

 スーパーなどで選ぶ際には、背がやや緑がかった濃い青色で、ヒレや魚体に張りがあり、皮につやと弾力のあるものが鮮度が高いそうです。
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「カツオだし」
 会社のお盆休みが終わり、学校の夏休みもそろそろ終わります。夏バテ気味の方もいらっしゃることと思います。
こんな時は、疲労回復に効果があるとされる『カツオだし』を一度試してみてはいかがでしょうか。

 時速60キロで「一生泳ぎ続けるカツオ」には、人間の体内に蓄積する疲労物質を消去するパワーがあるそうで、上手に使えば夏バテの解消に役立ちそうです。

 味の素食品研究所の実証実験では、3時間かけて2.1キロ走ったネズミに濃度25%のカツオだしと蒸留水を飲ませてその後の運動量を測定した結果、カツオだしを飲んだ方は蒸留水に比べて5倍多く動き回ったそうです。

 また、エネルギー源が肝臓にどれだけ残っているかを示す数値も、カツオだしは蒸留水の2倍となったそうです。

 疲れを知らずに一生泳ぎ続け、エサを追う時に示す驚異的なスピードはカツオ特有のものです。
疲労回復だけでなく、老化防止、生活習慣病の予防などにも効果が期待され、夏バテ気味の方は是非一度試してみてはいかがでしょうか。
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「砂浜のきれいな海水浴場」
 海水浴シーズンもそろそろ終盤でしょうがが、以前、専門家が選ぶ『砂浜のきれいな海水浴場』というアンケート調査を目にしました。

 1位は、長崎県の「高浜」。夏場には県内外から何万人もの観光客が訪れるそうですが、都会に近いビーチのイモ洗い状態とは無縁だそうです。
きれいなのは砂浜だけでなく、水質も折り紙つきで環境省の調査で常に「AA」判定を維持し、景観も素晴らしく日本一美しい砂浜と言われています。

 2位は関東周辺で屈指の美しさを誇る静岡県下田市の白浜中央。3位は沖縄県名護市のブセナビーチとなっていました。

<1位から10位までのランキングは下記のようになっていました。>

 1位 高浜      (長崎県五島市)
 2位 白浜中央    (静岡県下田市)
 3位 ブセナビーチ  (沖縄県名護市)
 4位 浦田      (鹿児島県西之表市)
 5位 白良浜     (和歌山県白浜町)
 6位 エメラルドビーチ(沖縄県本部町)
 7位 大浜海浜公園  (鹿児島県名瀬市)
 8位 浄土ヶ浜    (岩手県宮古市)
 9位 御座白浜    (三重県志摩町)
10位 由良      (山形県鶴岡市)
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「ネムノキ(合歓の木)」
ネムノキはマメ科の落葉高木で,本州,四国,九州で分布しています。
 夜に葉を閉じて眠ることから「合歓木」という名前がつけられたそうです。
6~7月に薄いピンク色の花を咲かせ、河原や明るい林縁に自生しますが,庭木としてもよく栽培されています。

樹皮は打ち身や咳止めの薬になり,葉は染料,材は桶や屋根板に使われます。

 美智子皇后陛下作詞の「ねむの木の子守歌」です。

 ねんねの ねむの木 眠りの木
 そっとゆすった その枝に
 遠い昔の 夜(よ)の調べ
 ねんねの ねむの木 子守歌

 薄紅(うすくれない)の 花の咲く
 ねむの木蔭(こかげ)で ふと聞いた
 小さなささやき ねむの声
 ねんね ねんねと 歌ってた

 故里(ふるさと)の夜(よ)の ねむの木は
 今日も歌って いるでしょか
 あの日の夜(よる)の ささやきを
 ねむの木 ねんねの木 子守歌
  
 ネムノキの花言葉は『心地よさ』です。
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「心太(ところてん)」
 連日の猛暑も今日の一雨で一段落でしょうか。
猛暑の中では、よく冷やしたお茶がさっぱりして美味しく感じられます。
「緑茶」・「ウーロン茶」・「紅茶」、いずれもツバキの仲間の「チャノキ」から作られます。
違いは摘み取った茶葉の発酵度合いで、十分に発酵させると「紅茶」になり、反対に発酵を防いだものが「緑茶」です。発酵を途中で止めると「ウーロン茶」が出来上がります。

 チャノキの原産地は中国の雲南省と周辺の山岳地帯とされます。
17世紀に入って中国から欧州にまず渡ったのが緑茶。その後、英国人の嗜好に合わせ、紅茶が作られるようになったそうです。

 そして、酢の効いた漢字で「心太」と書く「ところてん」も清涼感を与えてくれます。
「心太」はカロリーが少なく水溶性の食物繊維がたっぷりと含まれています。コレステロールの低下作用もあり、高血圧予防や糖尿病予防にも効果があるそうです。

 地域によって色々な食べ方がありますが、中部地域は三杯酢(酢一杯と淡口醤油一杯と砂糖で合計三杯)、関西は黒蜜、四国はダシ汁、関東以北は二杯酢(酢一杯と淡口醤油一杯で合計二杯)と大まかに分かれるようです。

 この「ところてん」。名古屋など中部地方では箸1本で食べるのが慣わしのようですが、中部地方の方、いかがでしょうか。
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「残暑、酷暑、猛暑」
 残暑、酷暑、猛暑、炎暑、炎天、油照り、炎熱、厳暑、極暑、炎威・・・暑さを表す表現は様々で、乾燥した熱風が山を下り気温が上昇するフェーン現象も「風炎」と書けばさらに実感がこもりますね。

 暑いと思った昨日よりも今日はさらに気温が上がり猛烈な暑さとなりました。
この暑さはもうしばらく続くようです。

 この暑さのため大量の発汗で身体の水分が失われ、血液のドロドロ具合が高まり、血栓ができやすくなります。熱中症予防は皆意識していますが、今のような暑い時期は脳梗塞や心筋梗塞にも注意が必要だそうです。

 ところで、昔は暑さをしのぐ方法としては行水があり、戸外に置かれたたらいの水で汗を流すのが最高の消夏法でした。

 それに代わるものとして今はシャワーがあります。
お湯の温度を高くしすぎないこと、シャワーの勢いを強くして短時間で済ませること、朝と帰宅後に浴びることなどが、暑さ対策として効果的だそうです。

 また、寝苦しい夜には布団の上に寝ござを敷くと良いそうです。寝ござは、さらっとした肌触りとイ草の香りが爽快感を演出するだけでなく、通気性が良く、寝汗も吸収してくれる優れもので、陰干しで乾燥させればすぐに機能回復、繰り返し使えるエコ商品で、最近は「サマーシーツ」とも呼ばれます。
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「玉蜀黍(トウモロコシ)」
故郷の夏祭りが懐かしいこの頃、焼きトウモロコシの香ばしい香りに幼き頃をつい思い出します。
トウモロコシ、漢字で「玉蜀黍」と書きます。
近所のスーパーでは1本100円前後で売られていましたが、5月から九州産が出始め、現在は関東産が中心、そして8月下旬からは北海道産が主流となるそうです。

 食用にされるのは甘みの強いスイートコーンで、食物繊維やビタミン、ミネラルが豊富に含まれています。
収穫後も糖分を使って呼吸し続けるため、鮮度が落ちると甘みが減るので、購入後は早めに調理する必要があります。
その日に食べてもらえるように多くの農家は夜明け前から収穫し、朝早い時間に出荷しています。

 ゆでて食べるのが一般的ですが、ラップに包んで電子レンジで4~5分過熱するだけでも食べられ、これが水分や甘みが逃げない美味しい食べ方だそうです。

 トウモロコシは小麦・米と並んで「世界三大穀物」の一つであり、世界全体の生産量のうちアメリカが4割を占める最大生産国です。2位は中国、3位はブラジルです。
日本は世界最大の輸入国であり、輸入量の9割をアメリカに依存しています。
また、日本国内で消費される75%は家畜の飼料用として使用されているそうです。
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「紫蘇(シソ)」
「紫の葉で蘇(よみがえ)らせる」と書いて『紫蘇』(シソ)。
中国では人を生き返らせる力のある植物とされています。
せきやたんを鎮める効果があるとされ、強力な殺菌作用や防腐効果はよく知られていますが、最近では抗アレルギー効果が注目されています。

 また、栄養価が豊富で特にビタミンAやCが多く、カリウム、カルシウムなどミネラルも含まれ、砂糖と水で煮出して薄めて飲むと疲れを和らげる効果もあるそうです。

 葉が緑の「青ジソ」と紫の「赤ジソ」に大別され、「青ジソ」の葉は「大葉」とも呼ばれ、元来の旬は夏。その香りと殺菌作用から刺し身のツマなどに適していますが、天ぷらや麺類の薬味など幅広い用途に使われています。

 一方、「赤ジソ」はシソジュースにしたり、梅干しを着色するのに使います。
出回りますのはやはり初夏から7月。最近は、シソジュースブームで「赤ジソ」の人気が高いようです。

 ちなみに、スーパーなどで選ぶ際は、色鮮やかで、葉がみずみずしく、葉先までピンとしているものを選ぶのが良いです。表面が乾燥しているもの、傷のあるもの、軸の切り口が黒く変色しているもの、葉が茶色くなっているもの、黒い斑点が出ているものは避けた方がよく、また、大きくなりすぎたものは味
も香りも余りよくないためやはり避けたほうがよいです。
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「火垂(ほたる)」
 昔は、夏休みになると真っ黒に日焼けした子供たちが大声を出して遊んでいる姿を見たものですが、最近は以前ほどそういった姿をあまり見なくなったような気がします。

  「夏休み セミよりうるさい母の声」 

 上の句は小学生が作ったものですが、どこにでもありそうな情景で微笑ましくもあります。

 ところで、澄んだ自然環境に住むホタルは「環境のバロメーター」とも言われ、河川の水質改善や農薬使用の減少により徐々にホタルが戻ってきているという話を聞きます。

 古来から日本人に愛されてきたホタルは「火垂(ほたる)」とも書き、その様子を謡った恋歌に次のようなものがあります。

  「恋に焦がれて鳴く蝉よりも、鳴かぬ螢が身を焦がす」

 恋の話ではありませんが、あまり口答えをしなくなった子供たちが増えているとも聞きます。
声にださない声で何かを訴えている子供たちが少なくないのかもしれません。

 語らざれば憂いなきに似たり・・・これは、江戸中期の僧で富士山と並び称された白隠禅師が世に残し、良寛が愛し、相田みつをが紹介し皆が知るようになった詩(下記)の一節です。


  「君看双眼色(君看よ双眼のいろ)

   不語似無憂(語らざれば憂いなきに似たり)」
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「葉月」
 「葉月」、8月入りとなりました。統計的には、7月下旬からこの8月上旬にかけて最高気温を記録するそうですが、この暑さを夏の趣に変えて精一杯風情を味わうことが出来ればと思います。

 夏の真っ白な入道雲、雷を伴なった夕立、木陰で涼しさを感じる一抹の風、かき氷、蝉の鳴き声、蚊帳、朝顔、西瓜鮎・・・等々色々思いつきます。

 この時期になりますと、

        「朝顔に釣瓶(つるべ)とられてもらひ水」

という有名な句を思い出しますが、この句は、江戸中期の加賀の松任(まつとう、今の石川県白山市)の俳人、加賀千代女の句で、彼女は25歳の時に夫に先立たれ、幼子にも死別したという話を聞いています。


        「起きてみつ寝てみつ蚊帳の広さかな」

        「とんぼ釣りけふはどこまで行ったやら」


 普段はこういうものに疎いのですが、その感性にはつい惹かれてしまいます。
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