2013年04月の記事


「親心」
 GWも前半が終わり「こいのぼり」が泳ぐ季節、「端午の節句」が近づいてきました。

 暖かい日もあれば寒い日もあるように、人生にも良い時期と辛抱の時期があります。

 中国では、生まれたばかりの赤ん坊に、酢をなめさせ、塩をなめさせ、苦い薬をなめさせ、さらにトゲのある”カギカズラ”をなめさせ、最後に砂糖をなめさせる「五香の儀式」というのがあるそうです。

 人生は「すっぱく」「からく」「にがく」「痛い目」に逢わなければ「甘い」ものにはありつけないということを、この世に生をうけたばかりの赤ん坊に体験させるというわけです。
もちろん、困難に打ち克って素晴らしい人生を勝ち取ってほしいとの親の願いが込められています。

 日本にも「一生食べるのに困らないように。健やかに育つように」との願いを込めて、一歳の誕生日に一升のお餅を背負わせるといった風習が残ってますが、もちろんこれにも「困難に負けぬように」との願いが込められています。

 愛情の注ぎ方も様々ですが、簡単に諦めたり へこむ人が多い世の中で、上記のような風習には見失いがちですが、大切な何かが残されているような気がします。
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「躑躅(つつじ)」
穏やかな春の日、各地でつつじが見頃を迎えています。
垣根や庭先、道路脇などでも見られるポピュラーな花で、各地のつつじ園ではつつじ祭りが催されています。

 つつじは非常に種類が多く、北は北海道から南は沖縄まで全国各地に固有種があり、花色も様々で日本には、およそ45種類が自生するそうです。
中国伝来の表現に「山笑う」というのがありますが、若芽が吹いて、つつじ類が彩りを加えるちょうどこれからの時期の春の山を言います。

低山や丘陵に生え、「春葉」と「夏葉」をもつ「半落葉」植物です。
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「端午の節句
 「こいのぼり」が泳ぐ季節、「端午の節句」が近づいてきました。
他の魚と比べて生命力が強く、多少汚れた沼地や池でも平気な鯉(こい)は、子供の健やかな成長を願う親心の象徴となっています。

 中国の故事に『鯉が黄河の急流を登り、その水脈(登竜門)に達したとき、龍になる』という言い伝えがありますが、「こいのぼり」を立てることは、元気に成長して立派になってほしいという願いを託した親の気持ちの表れそのものと言えます。

 ちなみに、「端午」とは1月7日の人日(じんじつ、七草の節句)、3月3日の上巳(じょうし、桃の節句)、7月7日の七夕(たなばた)、9月9日の重陽(ちょうよう、菊の節句)といった五節句の一つです。

 中国の陰暦では5月は物忌み(ものいみ)の月とされ、5月5日を重五(ちょうご)と呼んでいました。災いや病気を祓う(はらう)日とし、蘭の湯に浸かる、菖蒲(しょうぶ)入りのお酒を飲むなどの風習がありました。
日本の宮中でも同様な行事が催されました。

 やがて、宮中から武家の世の中に移ると、武士達はこうした行事から「菖蒲」を「尚武」(武道を重んずる)とかけて、5月5日を尚武の節目の行事とし、盛んに端午の節句を祝うようになります。

 江戸時代になると、端午の節句は男子の節句とされ、武家の男の子の出世を祝う日として定着してゆきました。子供が強く、たくましく育ってほしいという気持ちから、武者人形やのぼりを飾りました。それを真似、庶民の間で紙で出来た鯉を飾ったのが、「こいのぼり」の始まりと言われています。
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[山吹の花]
  今日は二十四節気の「穀雨」。

”やわらかな春の雨が百穀を潤す”とされていますが、季節外れの寒気の影響で冷たい雨や雪となったところがあるようです。
皆様も体調の管理には十分にご注意ください。

 ところで、あちこちで花が咲きはじめ、「ジャパン・ローズ」とも呼ばれる山吹の花も見ごろを迎えていますね。

 山吹の花の色は鮮やかな黄色で、古来「やまぶき色」として親しまれてきましたが、その鮮やかな黄色は黄金色にも似て、やがて山吹色と言えば黄金の大判・小判のことを指すようになりました。(^.^)

 時代劇では、悪い商人が小判が詰まった箱を「山吹色のお菓子です」といって悪代官に差し出す場面が描かれ、「お主も悪よのぉう・・・」などというのがお決まりですが、この「山吹色のお菓子」は贈答品として実際に売られています。

 黒と朱色をあしらった上品な箱に黄金の小判(中身は和風パイ)が詰まったインパクトは大きく、ホームページに掲載されたコメントによると、お菓子の美味しさはもちろん、「お得意様との距離をより一層近づけたい営業マンのツールとして、何かと便宜をはかっていただきたいあの方への意思表示として」使えるそうです。
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「花水木」
桜の花と入れ替わるように”花水木”がピンクや白い花を咲かせています。
元々はアメリカ原産のこの木は、明治の頃、当時の東京市長がアメリカに桜の木を送った返礼として届いたもので、白く際立つ花は春の風物詩としてすっかり日本に定着した感がありますね。
最近では”一青窈 ”が歌ったヒット曲としても知られています。

日本がアメリカに送った桜の木は、ワシントンDCのポトマック河畔に根付き、今では世界的な桜の名所となっているそうです。

 処で、スーパー等には、冬が終わる頃から、フキノトウ、フキ、菜の花、ウド、セロリ等々、独特の苦味を持った春の野菜が並んでいます。
 この苦味は冬の間に蓄えられたビタミンやミネラル類によるもので、昔から「春は苦いものを食べよ」と言い伝えられてるように、冬の間に身体に溜まった毒気を取り除いてくれる作用があるそうで、口に広がる若々しい苦味は春の味そのものです。

 又、この時期、売り場で目を引く「蓬(よもぎ)餅(草餅)」も春の味です。
蓬は山野のいたるところで自生している草で、駆虫や止血効果のある仙人草としても知られ、蓬の葉を乾燥させ、裏側の綿毛を集めた「もぐさ」はお灸として用いられてます。

 昔食べた蓬餅と比べると、最近のは風味がまるで違うのですが、それでも、野趣豊かで香気高く、苦味を伴った独特の風味があり、餡を包んだその味はどこか懐かしく感じられ、春の味そのもです。
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「筍(タケノコ)」
  春の味覚といえば「筍」と書いて「タケノコ」。
タケノコとはご存知のとおり竹の新芽の部分です。竹にはいくつかの種類がありますが、タケノコとはすべての竹の芽の総称として使われています。
竹は意外にもイネ科にあたり、温暖な地域に多く生えています。種類も多く、70種類ほどあるといわれていますが、食用にされているものは孟宗竹をはじめ、ほんの数種類だそうでです。

よく「朝掘りタケノコ」と言われますが、その新鮮な食感はまた格別です。
焼いて食べるのも良し、サッと茹であげて食べやすい大きさにスライスしてワサビ醤油で食べるのも良しですね。

 そのタケノコ、3月中旬頃から九州産が出回り始め、今の時期は静岡産が主力となっているそうです。
そして、4月中旬以降は千葉、茨城、栃木など、産地が徐々に北上していくそうです。

 栄養成分としては、豊富なたんぱく質の他、ビタミンB1、B2、ミネラルを含み、食物繊維が豊富で便秘や大腸がんなどの予防やコレステロールの吸収の抑制にも効果的だと言われています。

 ちなみに、竹の成長はとても早く、タケノコとして美味しく食べられる時期は非常に短いため、漢字の「筍」は10日間を意味する「旬」に由来するそうです。
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「初ガツオ」
本日は大安です。

「目には青葉 山ほととぎす 初がつお」

 新緑したたる清新な季節感をうたった山口素堂の名句ですが、カツオは熱帯の海から春先にかけて九州近海に来遊、北海道沿岸に向かって北上します。
この「上りカツオ」を『初ガツオ』と呼びますが、一方、身に脂を乗せて晩夏から秋にかけて南下するのを「戻りカツオ」と呼ぶそうです。

 あっさりして、さわやかな「上りガツオ」がやはり人気があり、「戻りガツオ」は脂が乗ってこってり気味、ややしつこさがありあす。
かつてはマグロも赤身を最上としてトロは一段下に見られた時がありますが、トロが看板になった今でも「戻りガツオ」は脂がくどいと使わないすし屋も多くあるようです。

 しつこい脂を嫌い、あっさり感を好むのが江戸っ子の気風ですが、江戸っ子たちが『初ガツオ』を珍重しましたのも、新鮮さ、みずみずしさのためでしょうね。
『初ガツオ』は値が張りますが、「女房を質に置いても食べたかった」というくらい美味であり、たたきや刺し身はもちろん、煮ても焼いても炊いても最高です。

 『初ガツオ』は「戻りガツオ」と比べて極めて低カロリーだそうです。
脂質はほぼ10分の1、エネルギー量は100グラム当たり114キロカロリーと3分の2ほどです。
肉類に比べれば、その半分の低カロリーで、肥満気味で生活習慣病が気になる方にとっては最適な健康食です。
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「椎茸(シイタケ)」
 本日は二十四節気の一つ「清明」。万物に清朗の気が溢れて来る頃です。
中国では、緑茶はこの時期に摘むほど香りと甘みがあり、高級とされているそうです。

 ところで、「椎茸」と書いて「シイタケ」。新物のシイタケが出回る3月~5月と9月~11月。
春にできるものが「春子」、秋のものは「秋子」と呼ばれます。

 主な栽培法は、シイやナラの木に菌を植え付ける「原木栽培」と、原木の代わりにおがくずなどを
固めたものを使う「菌床栽培」があり、うまみが多い「原木」は干しシイタケ向き、
「菌床」はやわらかく生シイタケ向きとなっているそうです。

 シイタケは古くから健康効果が認められてきましたが、「中国薬用真菌」には「気力を高め、
五風(風邪・中風・痛風・瘋癲(ふうてん)・頭痛)を改善し、血液を固まらせないように保ち、
体内の余分な水分を防ぎ、気力を調える。
そして肝硬変を予防し、血中コレステロールを下げ、動脈硬化や血管の弱くなるのを防ぎ、
常食すればガンを予防できる」と記されているそうです。
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「鰊(ニシン)」
 「鰊」と書いて「ニシン」。
別名「春告魚(はるつげうお)」とも呼ばれますが、今では「幻の魚」と言われるほどその数は激減しているようです。

 北海道を代表する民謡「ソーラン節」がニシン漁の労働歌であることからも分かりますが、かつてニシン漁業は北海道の一大産業でした。
漁が最も盛んだったのは明治の終わり頃で、岸に押し寄せるニシンの雄の精液で海が白くなったそうです。
そして、「ニシン御殿」が林立していました。

 旬の魚として人気があるのは、3~5月頃に北海道沿岸に産卵のために近づいてきたもので、脂がのって最も美味しくなります。
身が軟らかく独特の油臭さがありますが、これがまた特有のうまみにもなっています。

 ちなみに、「子供が栄え、子孫が栄える」・「よいことが数々ある」の縁起でお正月の食膳に欠かせない「数の子」は、産卵の為に沿岸におしよせるニシンの雌の腹から取り出した卵巣を1本1本塩水で処理加工したものです。
意外とニシンから採れることを知らずに食べている人も多いようです。

 ちなみに、イクラは鮭の成熟卵を分解して塩漬け等にした食品で、筋子はその鮭の未成熟卵を卵巣のまま取り出して塩漬け等にした食材です。
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「みんなで選ぶ 温泉大賞」
 最近は地域の特徴を名前にしてPRする自治体が増えていますが、源泉の数と総湧出量で日本一の大分県が「おんせん県」を商標登録申請して波紋が広がりました。

 日本は温泉天国であり、「温泉」を売り物にしている自治体も多く、「おんせん県」を独占されるのは困るというわけです。

 ところで、インターネットサービスプロバイダのBIGLOBE(ビッグローブ)が先日、「みんなで選ぶ 温泉大賞」を発表してました。
利用者の投票による人気温泉の順位は、下記のように東西にエリア分けした番付形式となっており、趣ある温泉街を持つ温泉地が並んでいます。

        = 西 =        = 東 =

  (大分県)由布院温泉  【横綱】  草津温泉  (群馬県)

  (兵庫県) 有馬温泉  【大関】  箱根温泉 (神奈川県)

  (大分県) 別府温泉  【関脇】  登別温泉  (北海道)

  (岐阜県) 下呂温泉  【小結】  伊香保温泉 (群馬県)

  (兵庫県) 城崎温泉  【前頭】  熱海温泉  (静岡県)

  (熊本県) 黒川温泉  【前頭】  定山渓温泉 (北海道)


 なお、江戸時代の寛永年間に作成された「諸国温泉功能鑑」では「東の草津、西の有馬」となっていたそうです。
現在も東の「草津」はそのままですが、西は「由布院」の存在が大きくなっています。

 ちなみに、大分県の「おんせん県」申請に待ったをかけたのは群馬県ですが、大分県がその後「申請は保護的な意味合いで、他県の使用を妨げる意図はない」と説明したことで群馬も納得し、今は互いに協力して温泉をPRしてゆく案もあるそうです。
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