2007年09月の記事


「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)」
 今度の日曜日は秋分の日で、秋の彼岸のお中日です。
昼と夜の長さが等しく、日がほぼ真西に沈む秋分の日(春分の日)は、西方にある極楽浄土(彼岸)に一番近い日とされ、この時期に先祖を供養するのが慣わしでした。

 燃えるような花色の彼岸花は、秋の彼岸の頃に咲く花ゆえにこの名がついたといわれます。
国や地域によって花に対する感じ方も様々で、彼岸花にもいくつかの異名があります。

 根に毒を持つのですが、飢饉の時は澱粉が豊富な根を食用にすることもあったそうです。
毒抜きが十分でないと、あたることもしばしばで、彼岸(死)の花という説もあり、その毒性と相まって、葉のない状態で地上に突出し神秘的な花を咲かせる様から「地獄花」「死人花(しびとばな)」などと呼ばれることがあります。

 日本に存在する彼岸花の遺伝子は全て同一で、中国から伝わった1株の球根から日本全国に広まったものと言われます。
彼岸花は「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)」の名でも親しまれていますが、これはサンスクリット語の音写で「天上界に咲く小さな赤い花」という意味で、吉事の兆しに赤い花(曼珠沙華)が天から降りてくると仏教の経典にはあるそうです。

 葉のあるときには花はなく、花のときには葉がない曼珠沙華を、おとなり韓国では「花は葉を思い、葉は花を思う」という意で「相思華」と呼ぶそうです。

 ちなみに、その花の美しさから海の女神を意味する「リコリス」という学名を持ってます。
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「シルバ−川柳」
 彼岸を迎えますが、この暑さ、いったいいつまでやら・・・と思い週間天気予報を見てみましたら日曜日頃まで続き、月曜日からようやく気温が下がってきそうです。
気温の変化の激しい折、皆様も健康管理には十分にお気をつけください。

 ところで、様々に形容される“秋”ですが、「芸術の秋」「創作の秋」等‥とよく耳にします。
たしかに、じっくり何かに取り組むには秋はいい季節ですね。

 創作と言えば、先日の「敬老の日」にちなみ全国有料老人ホーム協会が募集した「シルバー川柳」には7千首以上の作品が寄せられたそうです。
その中から入選作品のいくつかをご紹介したいと思います。


   その昔惚れた顔かと?目をこすり

   転んでは泣いてた子が言う「転ぶなよ」

   無病では話題に困る老人会

   いたわりも耳が遠くてどなりごえ

   優先席座って行き先山歩き

   驚いた(惚)ホれると(惚)ボけるは同じ文字


 川柳に関して素人ではありますが、小気味良い作品の数々に、どこか秋空に似た清々しささえ感じられます。

 創作意欲が増す季節柄。一句ひねってみるというのもなかなか魅力的な過ごし方かもしれませんね。
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「無花果(イチジク)」
漢字で『無花果』と書いて『イチジク』、果実の内側に花があり、外側からは
見えないことから漢字では『無花果』と書くそうです。(外見の実じゃない)
そのイチジクが今出荷の最盛期を迎えてるようです。
旧約聖書にも登場するなど歴史の古い果物で、世界中で栽培されています。
アラビア地方が原産で、わが国には江戸時代に入ってきており、薬の木と云われ今に伝わる歴史ある果物です。
葉はもみじを大きくしたような形で直径30cm位、実は80g位で赤みをおびています。

 国内では愛知、和歌山、福岡など温暖な土地で盛んですが、1日に1果熟すことから「一熟」と呼ばれた・・・等々、名前の由来には諸説があるようです。

 聖書にもたびたび登場するイチジクは世界最古の栽培果樹といわれ、エデンの園でアダムとイブが食べた禁断の果実はイチジクという説があります。一般的にはリンゴと思われていますが、当時の中東ではリンゴが採れなかったことや、アダムとイブが恥ずかしくて前を隠していた幅の広い葉っぱがイチジクの葉として描かれているからだそうです。
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「降礼化社会」
今月は3連休が2回もあり、皆様それぞれにご予定をたてておられるかと思います。

 来週月曜日は「敬老の日」ですが、長年の労に感謝し年配者を敬うこの習慣は聖徳太子の時代にまでさかのぼります。

 最近は「グッドエイジング(いい年の重ね)」といった、人生をいきいき楽しく生きる積極的な考え方も定着しつつあります。
敬老の表現の仕方は様々ですが、そういった姿勢を応援する気持ちが喜ばれるそうです。

 ところで、敬老の気持ちに限らず、人を敬ったり、感謝したりすることは至極当たり前のことではありますが、当たり前が故に礼節や道徳を誰からも躾けられないままに成長するというケースが少なくないようです。

 謙虚さはもちろん、日常の挨拶さえも交わせない人が増えているそうです。
これは子供に限らず、大人に限らずの現象で、まさに「降礼化社会」です。
これでは相手を思いやる気持ちのない、どこまでも一方的なギスギスした社会にならざるをえませんね。

 まずは一人ひとりが今から変えていく他はないようです。
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「漢字能力検定」
 パソコンで文章を作成する際に、ユニークな変換ミスに遭遇することが時々あります。
以前、そのユニークな変換ミスを集めたコンテストを日本漢字能力検定協会が開催し、表彰作品を発表していました。

 第一位は、

 今年から海外に住み始めました   → 今年から貝が胃に棲み始めました

となっており、念願の海外移住を実現させた友人からのメールで、魚介類を好んでいた彼女がここまで好きだったとはと、仰天したそうです。

 その他、

  誰か、ビデオとってるやついないか → 誰か、美で劣っているやついないか
 
  正解はお金です          → 政界はお金です

  同棲しよう、でも言えなかった   → 同棲しよう、でも家なかった

 規制中で渋滞だ          → 寄生虫で重体だ

 5季ぶり快勝           → ゴキブリ解消

 地区陸上大会           → チクリ苦情大会


・・・等々、思わず笑いを誘う作品が多く選ばれていました。
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「精根尽きる」
寒暖計の指し示す気温はそれほど低くはないのですが、暑さに慣れた身体には少し肌寒さを感じます。

 暑かった夏が終わり、これから徐々に気温も下がっていくはずですが、このような季節の変わり目は体調を崩す人が増えて来ます。
夏の疲れが溜まっている今の時期はとくにそうかもしれません。

 心身の力や根気がなくなってしまうことを「精根尽きる」と言いますが、疲れが溜まると集中力がなくなり、気力も失せていまします。
そのような時、昔の人はきまって言ったものです。「コン」のつくものを食えと。

 「コン」のつくものとは、ダイコン、レンコン、ゴンボウ(ゴボウ)などで、食物繊維が多く含まれている根菜類です。
広く知られているように、食物繊維には体内を浄化する作用があり、かむ回数が増えることで血行も良くなり、脳や身体の代謝も促し、自ずと疲れもとれてきます。
また、食物繊維には腸内環境を整え改善する作用もあるため、大腸がんなどの疾患のリスクを軽減することも知られています。

 コンニャクも食物繊維が豊富で、昔から「おなかの砂おろし」あるいは「胃のほうき」などと言われてきました。体内を浄化する効用は昔の人も経験として知っていたわけです。

 疲れや気力がなくなってきたのを感じましたら、バランスの良い食事とともに、心身をリラックスさせることが大切です。さらにこうした「コン」のつくもので体調を整え、根気を補充してみてはいかがでしょうか。
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「桐一葉、落ちて天下の秋を知る」
秋は、収穫の時期で食べ物が飽きるほどあることから、「飽き」が語源の一つとなっているそうです。
余ったものを交換し融通し合うようになったことから「あきない」という言葉が派生したという説もあります。

 また、秋は「とし・とき」とも読み、歳月や時間の経過を表すこともあります。
「一日千秋の思い」は「一日が非常に長く感じられること」を表し、「春秋」と言えば「年月」あるいは「年齢」を表します。

 秋を読んだ歌には、皆様ご存知の「桐一葉、落ちて天下の秋を知る」というのがありますが、ささいな現象からその後の大勢を推し量るたとえとして用いられています。、もともとは豊臣の世の衰退を言い表しています。

 秀吉の辞世の句として伝わる「露と落ち露と消えにし我身かな 浪速のことも夢のまた夢」に使われる露もまた秋を表し、命の儚さをたとえています。

 ただ、同じ露を詠いながら、栄華を極めた秀吉の句よりも、小林一茶の句の方が琴線に触れます。

「露の世は露の世ながらさりながら」(一茶)
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