2009年10月の記事


「春菊」

北国からは早くも雪の便りが聞こえ始めました。
平成22年用年賀はがきも発売され、そろそろ冬支度といった方も多いかと思います。

 日ごとに寒さが増し、鍋料理の美味しい季節となりましたが、その鍋料理に彩りを添える『春菊』が、これから需要のピークとなりますね。

 春に花が咲くことから名付けられ、関西や東海地方では『菊菜』(きくな)とも呼ばれます。
ホウレン草や小松菜と並んで代表的な緑黄色野菜で、ベータカロチン(ビタミンA)、ビタミンB・Cなどが多く含まれていますが、そのビタミンAやCは風邪や肌荒れ、さらにガンを予防する効果もあるそうです。
 その独特の香りは、胃腸の働きを促進したり、痰(たん)や咳(せき)を鎮めたりする効果も期待でき、中国では肝機能を増強し、腸内の老廃物質を排出する漢方薬としても使われています。

 ちなみに、春菊は入浴剤にすることもでき、菊や葉を陰干しして、ネットや布袋に入れてお風呂に浮かべると、体をあたため、肩こり、神経痛に効果を発揮するそうです。
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「ランニングブーム」
現在は「ランニングブーム」と言われています。
健康志向の高まりとともに、景気が低迷した影響で余暇時間が増えたことやお金がかからないスポーツとしてランニング、ジョギング、ウォーキングをライフスタイルに取り入れている人が増えおり、特に女性の増加傾向が顕著となっています。

 夕暮れ時、ライトアップされた公園、河川敷、遊歩道などで思い思いのペースで走るナイトランニングを楽しむ人が増え、休日でも早朝から景色を楽しみながらジョギングしている人を以前よりもたくさん見かけるようになりました。

 その傾向はデータにも表れており、経済産業省所管の財団法人「日本生産性本部」がまとめた「レジャー白書2009」によると、「ジョギング・マラソン」の人気は過去10年で最高の16位にまで上昇しています。
景気悪化の影響で全般に低迷している余暇市場(スポーツ部門含む)において、例えば成長を続けてきたフィットネスクラブの市場が2年連続で減少となっている一方で、ランニング用品の売上げは伸びているそうです。

 ランニングシューズの08年の出荷数は前年比118万足増となっており、いわゆるジャージなど、ウェアのファション性が高まったことも市場拡大に寄与しています。

 ちなみに、ナイキやアディダスなどの大手有名ブランドのウェア(ジャージ等)はファッションとして確立された感があり、今やファッション誌でも特集を組むほどの人気です。
カジュアル衣料専門のユニクロやライトオンなどでもジャージの品揃えを拡充していますね。
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「牡蠣(かき)」
 西洋では、スペルの中に「Rのつかない5~8月は牡蠣(かき)を食べるな」と言われているそうです。
日本では「花見過ぎたら牡蠣食うな」と言います。
産卵期の夏場は身がやせるうえ、海の細菌汚染で食中毒を起こしかねないからです。

 その牡蠣(かき)が、これから寒さが増すにつれて美味しくなってきます。
西洋や中国では紀元前から食卓に上り、シーザーやナポレオン、ビスマルクなど英雄たちの好物だったそうです。

 主産地は三陸沖や三重、広島などですが、別名「海のミルク」とも呼ばれ、旬の牡蠣はうまみ成分のアミノ酸や亜鉛、ミネラル、ビタミンなどが豊富に含まれ、牛乳並みの栄養価があります。
フライや鍋、また酢やレモン汁をかけて生で食べる・・・等々、いずれの食べ方でもこれからの牡蠣は格別です。

 ちなみに、スーパー等で選ぶ際は、袋の水が澄み、身が盛り上がって半透明なものを選ぶのがコツです。
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「竜胆(リンドウ)」


 漢字で「竜胆」と書いて「リンドウ」。この時期の山道などでよく見かける代表的な秋の花ですが、気品のあるこの花が咲くと秋の深まりを感じます。
根が古くから生薬として使われ、「竜の胆(きも)のように苦みが強い」ことが由来となっているそうです。
リンドウの呼び名は「竜胆」の音読み「りゅうたん」がなまったとされています。

 青紫の花は日光を浴びると開き、夜中や雨・曇りの日は閉じたままです。
花言葉は「強い正義感」、「悲しんでいるあなたを愛する」です。

 出回る時期は6月から11月と長いですが、6~9月のリンドウは仏花として添えられます。
黄色や白のキクと合わせて花束にするため、色は青紫がほとんどです。

 10月に入って仏花需要が一段落すると、ピンクや青と白の混合色など変わった色のリンドウが目を楽しませてくれます。
長野県と熊本県の県花になってるようです。
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「栗」


 食品売り場はたくさんの秋の味覚で賑わっています。
栗も秋の味覚の一つで、縄文時代には大規模な栽培が行われるほど日本でも古くから馴染みの深い食べ物です。

 栗は意外と栄養価が高く、疲労回復や風邪の予防、肝機能の働きを助け、便秘にもよいとされます。
渋皮や栗の葉を煎じた液はかぶれにもよく効き、樹皮や毬(いが)は染料に用いられ、材は枕木や建材に使用されてきました。

 乾燥させた栗は「かち栗」という保存食になり、武田信玄は飢饉への備えとして栗の栽培を奨励してたそうです。
「かち栗」は「勝ち栗」に通じる縁起物としても武士に好まれたそうです。
又、旧暦9月9日(今年は10月26日)の「重陽の節句」は「栗節句」とも呼ばれ、栗飯を食べて健康長寿を祝う慣わしもあります。

 用途が広く縁起物でもある栗は、昔は近所の林や庭先などには必ずあった身近な存在でしたが、そういった光景も今は少なく、日本で食される栗の75%は輸入品だそうです。

 現在は手間がかからずおいしくいただける食べ物が溢れています。針で覆われた毬(イガ)をむき、さらに渋皮を剥いで食べるなどという面倒な栗は敬遠がちで、皮がむいてあって食べやすい栗の加工品が増えているのも時代の流れでしょうね。

 但し、栗は高カロリーのため食べすぎにはご注意ください。
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「好きなキノコ」


 秋はキノコの美味しい季節ですが、キノコと聞いて思い浮かべる名前は、「シイタケ」・「マツタケ」・「エノキダケ」・「ナメコ」・「マッシュルーム」・・・等々、数多くありますね。

 先日、全国の主婦に”好きなキノコ” を訪ねたアンケート調査を目にしましたが、第1位は「シイタケ」でした。
シイタケはシメジやマツタケと同じキシメジ科で、日本では古来から親しまれてきています。
特有の香りは好き嫌いが分かれるようですが、どんな料理にも使えるなど実用性を評価する声が多く、76%が好きと答えています。

 「主婦が好きなキノコ」の順位は、以下のようになっていました。

1.シイタケ    (シイ、カシなど広葉樹の枯れ木や倒木に生える)
2.マイタケ    (ミズナラなどブナ科広葉樹の根元に生える)
3.エノキダケ   (広葉樹の切り株に発生)
4.ナメコ     (ブナの倒木や切り株に群生)
5.マッシュルーム
6.ホンシメジ   (ミズナラなどの雑木林、マツとの混成林に群生)
7.エリンギ    (東欧や地中海沿岸が原産)
8.ブナシメジ   (ブナなど広葉樹の倒木や枯れ木に発生)
9.キクラゲ    (広葉樹の枯れ木などに付く)
10.マツタケ

 マツタケは10位と意外にふるいませんが、「食べたことがない」、「ほとんど食べない」が半分近くを占めるなど、家庭では縁遠い食材なのかもしれません。
尚、キノコにはカロリーはほとんどなく、ビタミンやミネラル、繊維質が多く含まれています。

 ちなみに、キノコはもともと『樹の子』の意があるそうです。
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「からすみ」


 ボラは秋から冬にかけてが旬で、外湾で獲れた鮮度の高いボラは臭みもなく、刺し身の美味しさはタイにも劣らないと言われます。

 ボラの胃の幽門は「ボラのヘソ」と呼ばれ、こりこりとした食感の珍味。卵巣を塩漬けにした「からすみ」はウニ、コノワタと併せて「日本三大珍味」と呼ばれ、高級な酒肴として有名です。

 ただ、東京湾などの内湾で獲れたボラにはドロ臭いものが多いことや、本来の目的である魚を釣るのに邪魔になることがあるため、ボラを嫌う釣り人も少なくないようです。

 ボラは古くから食用にされてきた魚で、ブリやクロダイ、スズキなどと同様、本来は縁起の良い出世魚です。

 地方によって呼び名は違いますが、関東ではオボコ→ イナッコ→ スバシリ→イナ→ ボラ→ トドと名前が変化します。
日本人と馴染みが深いボラから派生した言葉も少なくありません。

 例えばボラの稚魚名そのものの「オボコ」は、うぶな世間知らずという意味で使われ、幼い様子や可愛いことを表す「おぼこい」の語源ともなっています。

 粋で勇み肌の若い衆を「イナセ」と呼ぶのもボラの幼魚名の「イナ(鯔)」からきており、当時魚河岸の若い衆の間で流行した跳ね上げた髷(まげ)の形をイナの背びれに例えて「鯔背銀杏」と呼んだことや、若い衆の髷の青々とした剃り跡をイナの青灰色でざらついた背中に見たてたことに由来しているそうです。

 ボラの成魚は「トド」と呼ばれますが、これ以上大きくならないことから、「結局」「行きつくところ」という意味の「とどのつまり」という言葉が生まれました。

 ちなみに、年若で未熟な人のことを意味する「青二才」も、一説によるとボラなどの稚魚を「二才魚」または単に「二才」と呼ぶことに由来していると言い、未熟なことを意味する「青」が合わさりそう呼ばれるようになったとされています。
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「紅葉を見に行きたい湖」
 街中の木々に紅葉が見え始めていますが、そろそろ紅葉シーズンの到来です。
特に、赤や黄色に色づいた木々が水面に映る光景は特に美しく、これから「湖」へ出かける人が多くなってきそうです。

 『紅葉を見に行きたい湖』というアンケート調査では、以下のようなランキングとなっていました。

   1位 摩周湖   (北海道)
   2位 十和田湖  (青森、秋田県)
   3位 富士五湖  (山梨県)
   4位 阿寒湖   (北海道)
   5位 中禅寺湖  (栃木県)
   6位 洞爺湖   (北海道)
   7位 芦ノ湖   (神奈川県)
   8位 琵琶湖   (滋賀県)
   9位 猪苗代湖  (福島県)
  10位 白樺湖   (長野県)


 尚、「実際に紅葉を見に行ったことのある湖」では、1位は山梨県の富士五湖(山中、河口、西、精進、本栖)で、2位は栃木県の中禅寺湖、3位は神奈川県の芦ノ湖と東京都心から日帰り圏内にあるところが上位にランクインしています。
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「ブランデー」
「葡萄」と書いて「ブドウ」。今、スーパーなどの店先では旬のブドウが所狭しと並んでいます。
ご存知の通り、ブドウを発酵させたものがワインであり、更に蒸留・熟成させるとブランデーとなります。
ちなみに、ウイスキーもブランデーと同じく蒸留酒で製造方法はほとんど同じですが、ウイスキーは穀物を原料とし、ブランデーはブドウ(現在は全ての果実)を原料としているところに
違いがあります。

 そのブランデーの瓶のラベルにV、S、O、Pの組み合わせや星型の印がついているのを目にしたことがあるかと思います。
ブランデーには、はじめに酒庫に入って、最後に庫出しされるまでの年数によって厳然たる階級序列があり、古ければ古いほど格が上がる完全年功序列型となっています。

 星は数が多くなるほど長く貯蔵されたことを表し、五つ星より古いものは、V・O、V・S・O、V・S・O・P、X・Oなどで表示されます。

 <記号の意味は、>

 V=Very    (非常に)
 S=Superior(極上)
 O=Old     (古い)
 P=Pale    (年数が経って自然の色が出た状態)
 F=Fine    (良質)
 X=Extra   (特別)

といった具合です。

 その大まかな基準は、V・Oが12~15年、V・S・Oで15~20年、V・S・O・Pで25~30年、X・Oで40~45年貯蔵したブランデーに使われることになります。

 さらに、その上にはナポレオン、エキストラなどがありますが、ナポレオンは会社によって65年から100年を超えるものに、またエキストラは「特別の」という本来の意味で用いられることが多く、普通70年以上のブランデーに付けられます。
一方、星のほうは、星ひとつで3~4年、二星で5~6年、三星で7~10年といった目安となる7そうです。
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「けんちん汁」


  肌寒さが増してくるこの時期、身も心も温めてくれる料理にけんちん汁があります。

 けんちん汁は、大地の栄養を吸収した多種な根菜類や椎茸、豆腐、コンニャクなどを油で炒め、醤油で味を調えて作りますが、地方や家庭によって中に入る具材は多様です。
それ故、それぞれ固有の郷土の味、家庭の味として舌に記憶され、どこか懐かしい料理となっているのではないでしょうか。

 ちなみに、けんちん汁の名称の由来は諸説ありますが、古都鎌倉の精進料理に由来するという説が有力で、中国から招かれた高僧蘭渓が建立し、鎌倉五山(五大寺)の一つで日本初の禅寺である建長寺で食されていた精進料理が、”建長寺汁”と呼ばれやがてけんちん汁として広まっていったそうです。
 
 雑多煮のようなけんちん汁は“雑”な料理というイメージがありますが、実際にはけんちん汁のように多様な具材を一つの鍋で煮炊きして、煮え加減の程度を揃え、一つの椀として調和を持たせることは簡単なことではありません。

 美味しいけんちん汁は一つの椀の中にも心遣いが行き届き、その一品だけで身も心も温めてくれます。
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「秋深く」
「秋の日はつるべ落とし」とも言われるますが、まだ明るいと思っているともう闇が迫り、あっという間に日が暮れるという感じです。
         ※釣瓶(つるべ):井戸水を汲み上げる桶

 衣料品売り場では厚手の上着、コンビニではおでんや中華まんの存在感が増しています。
季節の移ろいも、最近はまるでせかされるようです。

 ところで、「女心と秋の空」か「男心と秋の空」か・・・その当否は別にして、秋の天候は変わりやすいと言われますが、関東にいて実際にそう感じることは案外と少ないものです。

 天気が変わりやすいといえばいろいろな場所があるかと思いますが、京都もその一つで、晴れから突然の雨も珍しくありません。

 天気などに関して、実は昔から伝わる語句は京都を基準にしたものが多いそうです。
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「生活習慣病」


昨今、糖尿病や高血圧などの生活習慣病が問題となっていますが、これらの病気には「肥満」が深く関与しているため、食生活には特に気を配る人が増えています。

 生活習慣病とは、毎日の良くない生活習慣の積み重ねによって引き起こされる病気であり、日本人の3分の2近くがこれで亡くなっています。
それに関連して、「ワカメ」や「コンブ」に含まれる成分に、代謝を活発にして脂肪の蓄積を抑える肥満抑制効果があることを以前に北海道大学の研究グループが確認しています。

 マウスを使い、エサの中に大豆油7%を入れて3週間飼育したところ、20グラム弱だったマウスの体重が平均39.7グラムになったのに対し、ワカメの脂質2%を混ぜた場合は、平均34グラムとなり、約14%体重が少なかったそうです。

 「食欲の秋」、これからは何を食べても美味しい季節ですが、肥満予防に繋がる可能性がある「ワカメ」や「コンブ」、見直してみる価値がありそうです。
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「桐一葉、落ちて天下の秋を知る」
 7日に富士山が、10日には白山(石川、福井両県)や岩手山(岩手県)が初冠雪しました。
関東ではミカン狩りが始まり、奈良公園では秋の恒例行事「鹿の角切り」が行われてるそうで、しだいに秋が深まってゆくのを感じます。

 「秋」は収穫の時期で食べ物が飽きるほどあることから,
「飽き」が語源の一つとなっています。
余ったものを交換し融通し合うようになったことから「あきない」という言葉が派生したという説もあります。

 また、秋は「とし・とき」とも読み、歳月や時間の経過を表すこともあります。
「一日千秋の思い」は「一日が非常に長く感じられること」を、「春秋」と言えば「年月」あるいは「年齢」を意味しています。

 秋を読んだ歌には、有名な「桐一葉、落ちて天下の秋を知る」というのがあり、ささいな現象からその後の大勢を推し量るたとえとして用いられますが、もともとこの歌は桐を紋章とする豊臣の世の衰退を言い表しているそうです。

 秀吉の辞世の句として伝わる「露と落ち露と消えにし我身かな 浪速のことも夢のまた夢」に使われる「露」もまた秋を表し、命の儚さをたとえています。

 ただ、同じ露を題材にしながら、栄華を極めた秀吉の句よりも、幼い長女を亡くして詠んだ小林一茶の句の方が強い余韻を残します。

 「露の世は露の世ながらさりながら」 (一茶)
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「バナナ」

 昨年の今頃、あちこちのスーパーで「バナナ」が売り切れとなっていました。
テレビなどのマスコミで、「朝バナナダイエット」が取り上げられ、朝にバナナを食べるだけで体質が改善して徐々に痩せることができる、さらに便秘や冷え性改善などにも効果があるという話が巷に広がり、注目が一気に集まったからです。

 マスコミの影響は非常に大きい訳ですが、現在では過熱感も冷め、気軽に手に入ります。
バナナには「カリウム」が豊富で、「食物繊維」や「フラクトオリゴ糖」、「マグネシウム」等が含まれており、カリウムは血圧を抑え、脳梗塞や心筋梗塞、糖尿病の予防に効果があるそうです。

 また、マグネシウムは新陳代謝に欠かせず、食物繊維は消化を促進し、便秘改善に効果的。
フラクトオリゴ糖には腸内のビフィズス菌を増やす効果があり、バナナを食べると大腸がんにかかりにくいという話しもあります。

 時間がない時にはすぐに食べられ、栄養豊富で美味。そして1本30円程度と安く、手軽に栄養補給できるバナナ。本当にありがたい食材です。

 ちなみに、バナナの輸入先はフィリピンが圧倒的なトップで90%超を占め、次いでエクアドル、台湾と続くそうです。
国内産では、沖縄県が約50%、鹿児島県が約45%を占めています。
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「とんぼ」

シオヤトンボ

 全国的に清々しい秋日和となり、各地のコスモス(秋桜)畑では今がちょうど見頃となっていますね。

 コスモスは繊細な見た目とは違い、しっかりと大地に根を張り、踏まれても薙ぎ倒されてもまた立ち上がり花を咲かせます。
そんな強い生命力を持つコスモスが、赤や白、ピンクなど、色とりどりに咲き誇る花で花畑を訪れる人をもてなしてくれます。

 また、季節の移り変わりは律儀なもので、我が家の辺りでも赤トンボを見かけるようになりました。

 トンボの名前の由来は「飛ぶ穂」あるいは「飛ぶ棒」とも言われますが、秋茜や深山茜に代表される赤トンボの古名は「秋津」と言い、実りの秋を象徴する虫として昔から愛されてきました。
古くは日本(本州)を秋津州(あきつしま)と呼んだのも、その形がトンボに似ているからだそうです。

 また、雄略天皇が、害虫を素早く捕らえるトンボの姿を歌に詠み、前進するのみで後退しない攻撃的な姿と相まって、トンボは昔から勝ち虫と呼ばれる縁起物であり、戦国の世では兜や
鎧などの装飾にも好んで用いられました。

 しかしながら、童謡「赤とんぼ」のイメージが残る現代の私たちにとっては、どこか郷愁を誘う秋の虫です。
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「柳葉魚(シシャモ)」

 「柳葉魚」と書いて「シシャモ」と読みますが、これからそのシシャモが旬となります。
卵の食感が魅力のメスの子持ちシシャモが人気ですが、オスも身が締まっていてなかなかです。
アイヌの人々の間で、シシャモは神様によって柳の葉からつくられたと言い伝えられてきました。 このため、漢字では「柳葉魚」と書くそうです。

 一言で「シシャモ」と言っても、日常、スーパーや居酒屋などで目にするシシャモは実は本物ではないケースが多いそうです。
国内で出回るシシャモのほぼ9割がノルウエーなどからの輸入物が中心で、北海道産のものは1割未満に過ぎません。

 輸入物はシシャモではなく、カペリンという品種で、店頭でラベルを見ると「カラフトシシャモ」という名で並んでいます。
生態的な面も全く違っていて、シシャモは秋に川を遡上して産卵しますが、カペリンは一生海で暮らします。

 栄養面で申し分ないシシャモは、6匹程で1日に成人が必要なカルシウムの所要量の600mgが含まれているそうです。
その他にA・B2・D・Eなどのビタミンが多く、干し物にすることによりビタミンDが増加、カルシウムの吸収を助ける効果もでてくるそうです。
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「天高く馬肥ゆる秋」
 天高く馬肥ゆる秋。台風一過でようやく10月の異称「陽月」にふさわしい天気となりました。

 ちなみに、陽月の「陽」は太陽のことではなく、陰陽道ではそれまでの陰の時期が終わり、10月から新しく陽の時期が始まることからきているそうです。

 また、天高く・・・の慣用句は、秋になって晴れ渡るようになると馬も食欲を増して逞しくなってくることから転じて、秋晴れを表現する言葉として使われています。
しかし元々の意味は、古来中国では秋になると北方の騎馬民族が秋の実りを略奪しにやってくるため、「馬肥ゆる」には北から略奪しにやってくることへの戒めでした。

 ところで、秋は運動会の季節。最近は個人の順位を競う競技が少なく、団体競技や創作ダンスなどの割合が増えており、これも時代の流れなのかもしれません。

 昔と変わらないのは紅白対抗の形式です。年末の紅白歌合戦は、色の持つイメージによって女性が赤、男性が白というふうに分かれているそうですが、そもそもの紅白試合の起源は約800年前の源平の昔に遡ります。

 紅白試合を辞書で引くと源平試合と出てきますように、紅白戦は源氏が白旗、平家が紅旗を挙げて戦ってきたことに由来します。

 ちなみに、中国から囲碁が伝わった当初は、高貴な色と考えられていた黒石は上手な方が持ち、下手あるいは目下が白石を持ったそうです。
それが逆転したのは鎌倉時代の頃で、やはり源氏のシンボルカラーが白だったことに由来するそうです。
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「三十六計、逃げるにしかず」
台風や豪雨などでは、風雨が強まった後に避難しようとすると危険なため、早めに避難することが大切。自然災害のようにどうあがいても勝てない場合には「三十六計、逃げるにしかず」です。

 上記の言葉の出典となっている「三十六計」とは別物ですが、中国の民間においては「孫子」よりも日常生活で幅広く流用されているのが「兵法三十六計」です。

具体的に説明しますと「勝算が無ければ、逃げるのが最善の策だ。逃げることは負けるのとは違う。
勝ちではないが、負けるということでもない。全滅しては再起は計れず。兵力を温存し、次の機会に備えよ」となります。

 ところで、三方ヶ原の戦いで武田信玄の大軍に惨敗し、わずかな手勢と共に浜松城に逃げ帰った徳川家康がとった戦略が兵法三十六計の第三十二計「空城計」であると言われてます。

 すでに野戦に敗れ、圧倒的に優勢な敵軍を相手に城に逃げ込んでも、最終的には補給線を断たれ降伏を余儀なくされます。
そのような時、自軍の兵力で劣る場合の窮余の策として、敵将に自軍の戦闘能力を錯覚させるのが空城計。
敵軍を前に城門を開け放ち、敵を引き入れようとする構えを見せれば優秀で用心深い指揮官ほど逆に警戒するものです。三方ヶ原の戦いに敗れ、城に逃げ帰った家康のこの空城計に、敵将は警戒して引き返してしまい、家康は死地を脱することが出来たそうです。

 ちなみに、家康が城に逃げ帰った際に絵師に描かせた自画像が、有名な「徳川家康三方ヶ原戦役画像」で通称「しかみ像」。
苦渋の表情が描かれたこの絵を、家康は終生手元に置いて軽挙妄動・慢心の自戒としたそうです。
家康は三方ヶ原の戦いで全滅を免れたことによって、結果として最大の力を有するに至ります。

*「しかみ像」の画像
http://bunka.nii.ac.jp/SearchDetail.do?heritageId=18704
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「中高年層の消費」
 お金も時間もある中高年層の消費が堅調なことは身近な例でも明らかで、スポーツクラブでは50代以上の会員の割合が半数に迫る勢いとなっており、海外旅行客の比率でも40代以上が半数を越えているそうです。

 また、おもちゃ市場でも中高年をターゲットにした商品が目立ち、「落語百選」や「安土城をつくる」など毎週の付録で作品が完成することで人気の「デアゴスティーニ」が最近企画した「零戦をつくる」は、完成まで100号(約2年)、トータル金額は15万円を超える大作で、これは明らかに40代から
あるいはそれ以上の世代をターゲットにしています。

 高齢化といった世の中の流れも消費を変化させており、日経新聞によると眼鏡小売りで最大手の三城HDでは売上高に占める老眼鏡の割合が50%を越えているそうです。
注目すべきは紙おむつ市場で、過去5年でみた場合、乳幼児用の紙おむつ市場が縮小傾向にある中、大人用の紙おむつ市場は4割拡大し、08年の紙おむつ市場は大人用と乳幼児用がともに1500億円と並びました。

 最近の大人用紙おむつは薄型コンパク化が進み、見た目や扱い易さも以前と比べて格段に向上。
「・・パッド」や「・・パンツ」といった名称の工夫も使用に対する抵抗感を薄めることにつながっており、対象人口の増加で今後も同市場は数量・金額ともに拡大する見通しです。
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「サツマイモ」


 「食欲の秋」を代表する食材の一つ「サツマイモ」が旬を迎えています。
石焼き芋・ふかし芋・天ぷら・スイートポテト・大学イモ・キントン・干し芋・・・等々、いずれの調理法でも美味しいですね。

 「野菜を凝縮(ぎょうしゅく)するとサツマイモになる」と言われるほど栄養価が高く、リンゴの5倍以上のビタミンCを含み、過熱しても壊れにくいのが特徴です。
カロテンやビタミンB、カリウムも多く含まれ、コレステロールの吸収や血糖の上昇を防ぎ、便秘解消にも役立つ繊維質も豊富、最近は女性にも大変な人気があるようです。

 スーパーなどの店頭で選ぶ際は、全体の色が均一でよく太ったものが良いようです。
色が均一なのは痛んでいない証拠、太ったものは生育環境が良い証拠です。
毛穴が深いものや固いヒゲ根のあるものは固くなっているため避けるのが良いです。

 国内での生産地は、鹿児島県・茨城県・千葉県・宮崎県・徳島県が全国のトップ5県であり、この5県で全国の8割、特に鹿児島県は全国の4割を生産しているそうです。
ただ、全世界で見ると日本の生産量は1%程度に過ぎず、トップの中国は全世界生産量の80%超を占めているそうです。
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 秋の味覚「柿」が出回り始めていますが、『柿が赤くなれば、医者が青くなる』といわれるほど柿には多くの栄養素が含まれています。

 ビタミンC、カロチン、食物繊維、カリウム、タンニン(渋味の原因)などが豊富だそうで、その他にも、ビタミンK、B1、B2、カロチン、ミネラルなどが多く含まれています。
また、『二日酔いには柿』といわれている訳は、ビタミンCとタンニンが血液中のアルコール分を外へ排出してくれるからで、豊富なカリウムには利尿作用があるからだそうです。

 良い柿の選び方は、「ヘタ隙き」でないものを選ぶということです。
「ヘタ隙き」とは果肉とヘタの間に隙間(亀裂)ができる現象で、虫が入る原因となります。
虫が入ると、その部分の色が熟れたように変色して、果肉が軟らかくなってしまいます。
その状態を「色虫実」と言うそうです。
従って、柿を選ぶ際には、ヘタが果実に張り付いているものを選ぶのがGOODです。
柿には4つの溝がありますが、その溝にそって切れば、種を切ることはないそうです。
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「コーヒー通」
最近は病気予防効果なども注目されているコーヒーですが、世界に広まる前はイスラム圏では「秘薬」として飲まれており、キリスト教圏では悪魔の飲み物とされていました。
しかし、そのおいしさを知ったバチカンの法王が、コーヒーに洗礼を施し、キリスト教徒のコーヒー飲用に許可を与えてからまたたく間に西欧に広まったと言われてます。

 以来、コーヒーは多くの人を虜にしてきました。
コーヒーを愛したナポレオンは”体を温め、勇気を出してくれるこのコーヒーを兵士達に与えよう。
余の作戦と兵士達がいれば、世界は余の手のひらにあるも同然” と語り、大のコーヒー党であったルソーは”ああ、これでコーヒーカップを手にすることができなくなった” と辞世に残しています。

 又、コーヒーはある種の象徴であり、アポロ13号の乗組員が大変な困難の最中にあった時、司令センターのあるヒューストンは”こちらヒューストン。がんばれ乗組員の諸君! 君たちは今、熱いコーヒーへの道を歩いているのだ!”と激励した話は有名です。

 そしてコーヒーで最も有名なのは下記の言葉になるかと思います。

 悪魔のように黒く、地獄のように熱く、天使のように純粋で、

      恋のように甘く、そして・・・あなたのようにほろ苦い。

 上記は、実際には様々なバージョンが存在しますが、トルコの諺やフランスの政治家タレーランの言葉が原型になってるそうです。

 ちなみに、スターバックスコーヒージャパンは本日から期間限定で、マグカップやタンブラーの持参で、飲料を50円割り引くキャンペーンを始めています。

 やわらかな誰が喫(の)みさしし珈琲ぞ 
       紫の吐息ゆるくのぼれる   北原白秋
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「神無月」
 時の経つのは早いもので、本日から名実ともに10月「神無月」入りとなります。
古来から十月を「神無月」と言いますのは、旧暦の十月には全国の神々が出雲の国(現在の島根県)に集まり、留守になることから神の無い月と言われているそうです。

 神の出発を「神送り」、帰来を「神迎え」といい、普通は出発が九月末日、帰還が十月の末日になります。
逆に、出雲では、神々が集合してきますので「神在月(かみありづき)」と呼ばれているそうです。

 ところで、お隣の中国は本日10月1日に『国慶節』(建国記念日)を迎え、今年は建国60周年となります。
1949年10月1日に故毛沢東主席が天安門で建国宣言、中華人民共和国が正式に建国されたことにちなんでいます。
10月1日から8日まで国慶節連休として8連休となり、期間中に道路・鉄道・空路・水路を利用する旅行者数は合わせて5億人を超え、過去最高を記録する見通しだそうです。
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