2013年05月の記事


「ゆで卵」
 ”茹で卵”は 見た目の美しさが料理の味を引き立てる大切な要素ですが、殻をむいたゆで卵がデコボコではせっかくの料理も美味しさ半減になってしまいます。
しかし、ゆで卵の殻はむきにくく、殻に白身がくっついたりしてツルンとしているはずのゆで卵がデコボコになってしまったりします。

 ご存知の方も多いかと思いますが、そうならないための方法は、「ゆであがったらすぐに水に浸けること」です。
卵の殻は一見、滑らかで空気でさえ入り込まないように思えますが、目に見えないごく小さな穴が無数にあってわずかながら空気が出入りしています。

 その証拠に、卵をゆでると湯が沸騰してきたときに小さな泡がたくさん卵の殻から出てくるのが分かります。
これは、卵の中にある気室の空気が膨張して殻から逃げるためです。

 ゆでてすぐに水に浸けると気室内部の圧力が下がり、逃げ出した空気の分だけ水が入ってきます。
この水が卵の殻と白身の間に入るため、殻がスルリとむけるようになります。

又は、卵の丸い方の殻に消毒した画鋲で穴を一つ空けておきます。
穴を空けることで卵を茹でる時にひび割れを最小限に防ぎ、茹でた後、卵の殻を剥きやすくなります。(^.^)
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「立てば芍薬、座れば牡丹」
一層濃くなってきた葉の緑とともに花々が美しい季節ですね。

 水辺に際立つ水芭蕉。藤棚から垂れ下がる藤の花。紫色のアヤメ(文目、綾目、菖蒲)もこの時期に咲く花で、同じアヤメ科に属するカキツバタ(杜若)とともによく目にする花となっています。

 ちなみにアヤメとカキツバタは「いずれアヤメかカキツバタ」と言われるように区別が難しいのですが、葉の幅が判断材料の一つで、葉の幅が広いのがカキツバタで細いのがアヤメです。
また、カキツバタは湿地を好み、アヤメは日当たりの良い乾燥地を好むという違いもあります。

 公園などの湿地では鮮やかな黄色い黄菖蒲の群生も目にします。
又、地面に近い場所で咲いている白いボンボンのような小さな花はクローバー。本来は白詰草という名で、昔、交易のために来航していたオランダ人が商品を箱詰めするときの詰め物として用いていたことからこの名が付けられたそうです。
稀に見る四ツ葉は、その形が「十字架」に似ていることから幸運のシンボルとも言われるようです。

 「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」の芍薬(シャクヤク)も今の時期の花で、根は鎮静・鎮痛剤として使われる漢方薬の一つです。
牡丹と芍薬もまた似ており、枝分かれして横に膨らんでいるのが牡丹で、まっすぐに伸びた枝の先に花をつけるのが芍薬です。
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「トマト」
  初夏の陽気が広がるとともにトマトが旬を迎えています。
この時期のトマトの魅力は何と言ってもみずみずしさで、秋の濃厚な味のトマトとはまた違った味わいが楽しめます。

 代表的な品種は「桃太郎」で、果肉がしっかりしていて生食用はもちろん、あらゆる料理に向きますが、この時期はやはり冷やして切り分けて食べるのが一番でしょうね。

 トマトはアンデス高地から北方へチェリートマトとして広がり、メキシコでさらに改良され、現在の栽培種となり、原種は緑色だったようです。
 ヨーロッパのことわざに、「トマトが赤くなると医者が青くなる」とありますが、Bカロチンをはじめリコピン・ビタミンC・E、ミネラル、食物繊維など、トマトには毎日の健康維持にもってこいの要素が豊富に含まれています。

 スーパーなどの店先で選ぶ際には、皮に張りがあり、ずっしりと重くて均整のとれた丸いものを選ぶのがコツだそうです。
また買ったトマトをおいしく保存するためには、真っ赤なトマトはそのまま冷蔵庫へ、緑色が残っているトマトは室温で赤く熟させてから冷蔵するのが良いようです。
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「虞美人草(ひなげし)」
神々がアフロディーテ(英名ヴィーナス)の誕生を祝って創造した花、薔薇。
その花が各地で芳香を漂わせ、初夏を華やかにしています。

 古代ローマ人は天井に薔薇を吊るし、その下での会話は一切を秘密にするという習慣があり、「薔薇の下で」と言うと「秘密にする」という意味が現在にも残っているそうです。
欧米では宗教的、歴史的に特別な意味を持つ薔薇の花は、数多くの映画で符号あるいは象徴として登場しますね。

 関東で見頃を迎えているポピーは、和名を「ひなげし」といい、別名「虞美人草(ぐびじんそう)」とも言います。

 「虞美人草」は女性の悲劇を描いた夏目漱石の小説のタイトルにも使われていますが、古代中国で項羽が劉邦との最後の戦い(垓下の戦い)に破れ、項羽の愛姫であり絶世の美女であった虞姫が自刃し血を流した場所に咲いた花と伝えられています。

 垓下の戦いで項羽は、祖国である楚の国の歌を取り囲む漢軍が歌うのを聞いて(四面楚歌)、漢軍に取り込まれた楚人の多さに驚愕、敗北を悟ったと言われています。
逃がれ生き延びることを潔しとしなかった項羽を惜しみ、後に杜牧は、「捲土重来(けんどちょうらい)いまだ知るべからず」(苦難に耐えしのげば、再び巻き返しの好機もあったのではないか)と詠んでいます。

 さて、項羽が最後に開いた酒宴の一場面を、史記は以下のように伝えています。

「美人有り、名は虞。常に幸せられて従ふ。駿馬あり、名は騅(すい)。常に之 に騎す。
是に於いて項王乃ち悲歌こう慨し、自ら詩を為りて曰はく、

 力山を抜き 気世を蓋ふ 時利あらず 騅逝かず 騅の逝かざるを奈何すべき虞や虞や若を奈何せん」(ちから、やまをぬき き、よをおおう とき、りあらず すい、ゆかず すいのゆかざるをいかんすべき  ぐや、ぐや、なんじをいかんせん)

 もはやどうすることもできない運命の前に、ただただ無力な一人の人間の痛いほどの思いが伝わってくる印象深い詩です。
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「ゴーヤーの日」
 今日は昨日にくらべて少しヒンヤリしましたが、雲一つない青空が広がり、かなり離れたところからも富士山の姿が見えたそうです。(風が強かった。)

 ところで、大型連休でリフレッシュできた方もそうでない方もいらっしゃるかと思いますが、疲労回復や健胃効果のあるゴーヤー(またはゴーヤ、ニガウリ)の苦味で心身をリセットしてみてはいかがでしょう。

 古くは中国から渡来したゴーヤーは沖縄で夏野菜として根付き、今では全国的に代表的な夏野菜のひとつとして認知されています。
ビタミンCが豊富で、含有量はキウイ以上。ガン予防や眼精疲労などにも効果があるカロテンも含まれているそうです。
また、苦み成分のモモルデシンは血糖降下作用があり、胃の粘膜を保護したり食欲を増進する効果の他、気持ちをシャキッとさせる効果もあるそうです。

 そろそろ出荷が増える時期で、旬は6月から8月頃まで。
最近は食べるだけでなく、夏場の節電対策として緑のカーテンに利用されたりします。緑のカーテンを作る場合、気温が上がればそろそろ種を蒔いても良い時期で、苗の場合は5月中旬頃から6月上旬にプランターに植えるのベターで、あまり早く植えすぎると9月の残暑の時にカーテンの恩恵にあずかれない可能性があるとのこと。

 ちなみに明日5月8日は「ゴーヤーの日」だそうです。
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「桐の花」
桐は今時の花で、紫色の筒状の花を咲かせます。
桐は切ればすぐに芽を出して生長するためこの名がついたそうです。
軽くて湿気を吸わないので、箪笥(たんす)や琴、下駄や箱などの材料としても有名です。

 また、古くから神聖視されてきた桐は、菊の御紋に次ぐ高貴な紋として用いられてきました(皇室の正紋は菊、副紋は桐。秀吉の太閤紋など)。
国家勲章の旭日章や警察章などに桐の意匠が見られ、五百円硬貨やパスポートなどにもデザインされています。
さらには内閣総理大臣および政府の紋章として、あるいは菊花紋に準じる国章としても使用されています。

 そんな桐ではありますが、庶民的な木でもあります。
昔は、女の子が授かったら桐を植え、成長の早い桐は娘とともに大きくなり、お嫁に行く時には、大きくなった桐で作ったタンスを持たせたと言います。
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「新茶初取引」
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新茶の初取引が先月15日朝、静岡茶市場で行われたそうですが、ことしは茶の芽伸びが早く、前年より8日、1956年の茶市場開設以来、最も早かったそうです。

”夏も近づく八十八夜 野にも山にも若葉が茂る・・・”「茶摘み」の歌詞からも感じる”初夏の趣”、春と夏が少しずつ入れ替わってゆく季節ですね。

お茶はもともとが「養生の仙薬、延齢の妙術」として飲まれており、科学が進歩した現代においても様々な効用がうたわれていますが、さわやかに香りたつ新茶は旬の味わいとともに「無病息災長寿目出度の茶」の縁起物として珍重されてきました。

長らく抹茶のみだった日本茶文化にあって、葉茶を瑞々しい緑色に煎じて飲料用に供する煎茶の技法を編み出したのは、江戸中期の宇治の人、永谷宋円だそうで、宋円の直系の子孫は京都府宇治市で「永谷宗園茶店」を営み、また別の子孫の一人は「永谷園」を創業しました。

江戸の頃、将軍に献上するお茶を宇治から江戸に運ぶ「お茶つぼ道中」は、大名行列でさえ道を譲らなければならず、「茶つぼに追われてとっぴんしゃんぬけたらどんどこしょ」の歌のように、お茶つぼ道中の障りになるのを恐れた庶民は家中の戸を全て閉ざしてやり過ごしたそうです。

 何はともあれ、おいしいお茶は心を和ませます。ポットから湯呑みにお湯を注ぎ、お湯を冷ましながら湯呑みを暖め、湯呑みが温まったらお湯を急須に移し、少し待ちます。
それぞれのやり方で、好みの濃さになったら湯呑み注ぐ・・・。
そういった手間も格別な時間ですね。
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