2014年02月の記事


「椿(ツバキ)」②
 今日は二十四節気の「雨水(うすい)」。
寒さは厳しく、景色はまだ冬ざれの中ですが、暦の上では氷が融けて水になり、空から降るものが雪から雨に変わる頃です。

 ところで、魚偏に秋と書いて鰍(カジカ)、冬は鮗(コノシロ、幼魚はコハダ)、春は鰆(サワラ)、残念ながら魚偏に夏という字はありませんが、しいてあげればハモ(鱧)やアワビ(鰒・鮑)あたりが相応しいように思います。

 一方、木偏には四季がそろいます。榎(エノキ)、楸(キササギ)、柊(ヒイラギ)、そして椿(ツバキ、英名カメリア)です。

 落花の際、花全体がぽとりと落ちる様子が忌まれたりしますが、冬の間も艶のある葉を持ち、寒風の中で花を咲かせる姿に霊力を感じ昔から親しまれてきた花です。

 京都の地蔵院(別名椿寺)には、加藤清正が朝鮮から持ち帰り、椿好きの秀吉に献上したとされる「五色八重散椿(二世)」が遺り、京都には他にも利休や織田有楽斉など所縁の名椿の古木が数多く現存してるそうです。

 「椿の里」をPRする岩手三陸の大船渡市でも、恒例の椿まつりが始まったそうです。
震災の影響で例年よりも1カ月遅れの開催ですが、全国から椿の寄付が相次いだことで種類は13カ国600種、数は700本に増大したそうです。
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「利休百首」
 ワビスケ(侘助)という花は”椿”の一種で、他の椿と同じように寒い時期から花を咲かせ、茶人好みの花としても知られています。

「侘助」という名の由来には・・・・・、
●「侘数奇(わびすき)」が転じたとする説
●文禄・慶長の役の際、侘助という人物が朝鮮半島から持ち帰ったからという説(『広辞苑』などはこの説を採用している)
●その他、「千利休の下働きをしていた侘助という人物に由来する」など、諸説があるようです。

 処で、千利休が教えとして残した”道歌”は「利休百首」として今に伝わってるようですが、
その中に次のような句があります。

 「何にても 置き付けかへる 手離れは 恋しき人に わかるると知れ」

  (手を離す時は、恋しい人と別れる時のような余韻を持たせよ)
 
 上記はいわゆる「残心」を表現したものです。

残心とは最後まで心を残すこと。心を途切れないさせないことであり、それは相互扶助であるという認識を忘れずに心の緊張を持続させること、相手を尊重する思いやりの心でもあります。

 ちなみに、これも良く知られている
「人の行く裏に道あり花の山」も千利休の作と言われています。

下の句は「いずれを行くも散らぬ間に行け」です。
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