2012年08月の記事


「食用菊」
本日は「二百十日」。
立春から二百十日目となり、そろそろ台風襲来の時期となりますね。

  ところで、秋の食卓に鮮やかな彩りを添える「食用菊」。しゃきしゃきとした歯応えと甘くてほろ苦いのが特徴ですが、年間を通じて出回る「黄色い品種」に加え、そろそろ「紫色の品種」が店頭に並びます。

 食用菊の横綱と評価されている紫色の品種は、「もってのほか」という愛称で広く知られていますが、名前の由来は「天皇の御紋である菊の花を食べるとはもってのほか・・・」とか「もってのほか美味しい」といったことから転化したそうです。

 菊は奈良時代に中国から持ち込まれ、室町時代に京都周辺で食べられ始めたとされます。
風邪による熱や頭痛を和らげる解熱・鎮痛作用、目の疲れや腎臓機能の改善を促す疲労回復作用などがあり、古くから「漢方薬」として使われてきました。

 花びらがピンと張っているほど新鮮で、おひたしにして酢じょうゆで食べるのが代表的な食べ方ですが、ゆでるときに酢を加えると色の鮮やかさ一層増すそうです。
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「ミネラルウォーター」
「水」(みず)は水道水を飲むのが当たり前のように子供の頃から育ってきましたが、最近はペットボトル入りのミネラルウォーターが普通に飲まれるようになっています。
ミネラルウォーターが日本の市場に本格的に登場したのは1970年代前半で、飲食店などウィスキーの水割り用の水として
使われていました。

 ミネラルウォーターと言えば、「自然の水」、「ミネラルをたくさん含んだ水」をイメージしがちですが、「ナチュラルウォーター」・「ナチュラルミネラルウォーター」・「ミネラルウォーター」・「ボトルドウォーター」と大きく4つに分類され、メーカーが生産しているのは、ほとんど「ナチュラルミネ
ラルウォーター」だそうで、生産量の約8割を占めています。

 この「ナチュラルミネラルウォーター」は、特定水源より採水された地下水のうち、濾過・沈澱および加熱殺菌による殺菌処理が行われたものを指し、一般的にイメージされている「自然の水」とは少し違います。
殺菌処理されていないヨーロッパ産のミネラルウォーターが「自然の水」に近いと言えるかもしれません。

 「ミネラル」とは直訳しますと「鉱物」ですが、鉄・銅・カルシウム・マグネシウム・・・などのことであり、タンパク質・脂質・炭水化物・ビタミンと並んで5大栄養素と呼ばれています。


 ちなみに、品名について、食品流通局長通達の「3.表示の方法」には、以下のように記載されています。


ア.特定の水源から採水された地下水を原水とし、沈殿、濾過、加熱殺菌以外の物理的・化学的処理を行わないものにあっては、「ナチュラルウォーター」と記載すること。

イ.ナチュラルウォーターのうち鉱化された地下水(地表から浸透し、地下を 移動中又は地下に滞留中に地層中の無機塩類が溶解した地下水(天然の二酸化炭素が溶解し、発泡性を有する地下水を含む。)をを原水と したものにあっては、「ナチュラルミネラルウォーター」と記載することができる。

ウ.ナチュラルミネラルウォーターを原水とし、品質を安定させる目的等のためにミネラル調整、ばっ気、複数の水源から採水したナチュラルミネラルウォーターの混合等が行われているものにあっては、「ミネラルウォーター」と記載すること。

エ.ナチュラルウォーター、ナチュラルミネラルウォーター及びミネラルウォーター以外のものにあっては、「飲用水」又は「ボトルドウォーター」と記載すること。
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「青梗葉(チンゲンサイ)」
 中国語で「青梗葉」と書く「チンゲンサイ」、茎の青い葉という意味です。
今ではハウス栽培が盛んで1年中出回っていますが、暑さに強く、青物野菜が全般的に品薄となるこの時期に露地物が収穫されます。   (国内の主力産地は静岡県です。)

 ハクサイやカブと同じアブラナ科の植物で、中華料理の代表的な葉物野菜として普及していますが、日本では1972年日中国交回復の中国野菜人気にのり、「タアサイ」とともに広がりました。

 あくが少なく、味に癖がないため肉と相性がよく、炒め物や煮物など調理方法は多彩です。
中華料理だけでなく、西洋料理から日本料理まで幅広く取り入れられています。アルカリ性のミネラルが豊富な緑黄色野菜で、ビタミンAやCが豊富な健康野菜としても知られ、夏風邪の予防に効果があるとされています。

 スーパーなどで選ぶ際は、葉の緑色が鮮やかでハリのあるものが良く、葉が黄色っぽくなっていたり、葉の茎の部分が筋っぽいものは古いので避けるのが良いそうです。
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「秋の味覚、梨」
秋の味覚、梨の出荷が最盛期を迎えており、各地の梨狩園も賑いはじめているそうです。

 風邪などで喉が痛む時や痰がからむ時などに、梨を食べて楽になったという経験をお持ちの方も多いかと思いますが、古来から「百果の宗」と呼ばれる梨は、「大小便を利し、熱を去り、渇を止め、痰を開き、酒毒を解す」とされ、漢方薬などにも広く利用されてきた果実です。※宗(そう)=王

 また、梨は有機酸やビタミン、ミネラル類などをバランスよく含んでいるため、夏バテ時の食欲増進や疲労回復にも効果が期待できます。

 現在、日本で栽培されている梨には、幸水、豊水、二十世紀、新高、愛甘水、新寿、清澄、八幸梨など様々な種類がありますが、二十世紀梨の場合、軸が細く、肩と尻が張った扁平なもの、色つやが良く重いものがより美味しいと言います。

 また、二十世紀梨は、熟度の進み具合により黄緑色から黄色になるため、シャキシャキした食感を楽しみたい人は黄緑色、甘味を好む人は黄色のものを選ぶと良いそうです。
尚、「梨尻柿頭」とのことわざにもありますように、梨は軸と反対の尻の部分が味が良く、皮の近くが最も甘くなっています。

 ちなみに、歌舞伎の世界を「梨園(りえん)」と呼ぶのは、唐の玄宗皇帝が梨の木が植えられた庭園で、音楽や舞踊などの芸を磨いたという故事に由来しているそうです。
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「処暑(しょしょ)」
本日は「処暑」(しょしょ)。暑さが峠を越して後退し始める頃で、朝夕は涼しい風が吹き渡り、気持ちの良い時期となります。

 1975年の本日には、当時、日本最長の自動車トンネル「中央自動車道恵那山トンネル」が開通しました。
延長約8.5キロです。現在の道路トンネルで日本最長は、谷川岳を貫通している「関越トンネル」です。延長約11キロです。

 ところで、連日の暑さで夏バテの方もたくさんいらっしゃると思います。睡眠も浅く、食欲も減退となる訳ですが、疲労回復に効果的なのが「ピーマン」です。

 今ではハウス栽培で1年中出回っていますが、本来の旬は夏で、唐辛子を品種改良し、食べやすくしたのがピーマンで、蒸し暑いこの時期には目に鮮やかな緑が食欲を与えてくれます。

 ピーマン100g中のビタミンC含有量は約80mgと豊富で、中ぐらいの大きさのピーマン4個で1日に必要なビタミンCがとれるそうです。
しかも、ピーマンのビタミンCは加熱しても壊れにくいのが特徴。夏バテ予防に試してみる価値がありそうです。
選ぶ際には、色が濃くて表面にツヤがあり、果肉が厚めのものが良いそうです。
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「玉蜀黍(トウモロコシ)」
 故郷の夏祭りが懐かしいこの頃、焼きトウモロコシの香ばしい香りに幼き頃をつい思い出します。
トウモロコシは、漢字で『玉蜀黍』と書きますが、5月から九州産が出始め、現在は関東産が中心、そして8月下旬からは北海道産が主流となるそうです。

 食用にされるのは甘みの強いスイートコーンで、食物繊維やビタミン、ミネラルが豊富に含まれています。収穫後も糖分を使って呼吸し続けるため、鮮度が落ちると甘みが減ります。
そのため、購入後は早めに調理する必要があります。
その日に食べてもらえるように多くの農家は夜明け前から収穫し、朝早い時間に出荷しています。

 ゆでて食べるのが一般的ですが、ラップに包んで電子レンジで4~5分過熱するだけでも食べられ、これが水分や甘みが逃げない美味しい食べ方だそうです。

 ちなみに、トウモロコシは小麦・米と並んで「世界三大穀物」の一つであり、世界全体の生産量のうちアメリカが4割を占める最大生産国です。2位は中国、3位はブラジルです。
日本は世界最大の輸入国であり、輸入量の9割をアメリカに依存しています。
また、日本国内で消費される75%は家畜の飼料用として使用されてるそうです。
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チャンスを無にする
昔聞いた小話をひとつご紹介したいと思います。

 大洪水がおこり、水没しかかった家の屋根に登って避難していた人がいました。
信心深い彼は「神様が奇跡を起こしてきっと助けてくれるはずだ」と信じています。

 ちょうどその時、救命ボートがやってきて「早くこのボートに乗りなさい」と声をかけてくれましたが、「神様が助けてくれるから大丈夫」と言って乗るのを断りました。

 そのうち屋根も水没しそうになり、またボートが救助にやってきました。
この時もさっきと同じように神様が助けにきてくれると言ってボートには乗らなかったため彼は死んでしまいます。

 天国に行った彼は神様に文句を言いました。「神様、今まであなたを信じて祈ってきたのにどうして助けに来てくれなかったですか?」と。

 それを聞いて神様はおっしゃいました。「だからおまえのために2度もボートを差し向けたではないか!」

 
 昔のことわざに「運はたびたび門をたたくが、愚者はこれを招じ入れぬ」とありますが、チャンスが無かったわけでなく、それを拒否して無にしてしまったというお話です。
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「心太(ところてん)」
 残暑、酷暑、猛暑、炎暑、炎天、油照り、炎熱、厳暑、極暑、炎威・・・暑さを表す表現は様々で、乾燥した熱風が山を下り気温が上昇するフェーン現象も「風炎」と書けばさらに実感がこもりますね。

 暑いと思った昨日よりも今日はさらに気温が上がり猛烈な暑さとなりました。 この暑さはもうしばらく続くようです。
 
猛暑の中では、よく冷やしたお茶がさっぱりして美味しく感じられます。
「緑茶」・「ウーロン茶」・「紅茶」、いずれもツバキの仲間の「チャノキ」から作られます。
違いは摘み取った茶葉の発酵度合いで、十分に発酵させると「紅茶」になり、反対に発酵を防いだものが「緑茶」です。
発酵を途中で止めると「ウーロン茶」が出来上がります。

 チャノキの原産地は中国の雲南省と周辺の山岳地帯とされます。
17世紀に入って中国から欧州にまず渡ったのが緑茶。その後、英国人の嗜好に合わせ、紅茶が作られるようになったそうです。

 そして、酢の効いた漢字で「心太」と書く「ところてん」も清涼感を与えてくれます。
「心太」はカロリーが少なく水溶性の食物繊維がたっぷりと含まれています。コレステロールの低下作用もあり、高血圧予防や糖尿病予防にも効果があるそうです。

 地域によって色々な食べ方がありますが、中部地域は三杯酢(酢一杯と淡口醤油一杯と砂糖で合計三杯)、関西は黒蜜、四国はダシ汁、関東以北は二杯酢(酢一杯と淡口醤油一杯で合計二杯)と大まかに分かれるようです。

 この「ところてん」。名古屋など中部地方では箸1本で食べるのが慣わしのようですが、中部地方の方、いかがでしょうか。
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「帰省の際の東京土産」
 明日から帰省ラッシュが始まります。高速道路の下り線は11日・12日が混雑のピークで、上りは14日・15日と予想されているようです。

 ところで、グルメ情報サイトを運営する「ぐるなび」が、首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)在住の人に、実家・地方の親戚への東京土産は何を買っていくか聞いたところ(3つまで選択可)、下記のような結果になっています。

  【男性】

   1位 東京ばな奈            38.7%

   2位 ねんりん家のバームクーヘン    20.2%

   3位 舟和の芋ようかん         20.2%

   4位 虎屋の羊羹            15.3%

   5位 ガトーフェスタ・ハラダのラスク  11.8%


  【女性】

   1位 ねんりん家のバームクーヘン    34.9%

   2位 東京ばな奈            29.6%

   3位 ガトーフェスタ・ハラダのラスク  18.2%

   4位 ピエール・エルメ・パリのマカロン 15.5%

   5位 東京ラスクのシュガーラスク    14.9%


 「東京ばな奈」はデビューから21年が経過し、東京土産としてすっかり定着しました。今年は東京スカイツリータウン限定のひょう柄ばな奈「東京ばな奈ツリー チョコバナナ味」も登場し、バリエーションを広げています。

 「ねんりん家のバームクーヘン」はここ数年で台頭してきた新興勢力で、広い年代の女性に支持されています。ちなみに、「東京ばな奈」も「ねんりん家のバームクーヘン」も製造元は同じだそうです。

<ねんりん家のHP>
http://www.nenrinya.jp/
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「立秋」
 明日は「立秋」。秋立つ日で、暦の上ではこの日から秋となります。
秋の気配がそこかしこにあるはずですが、そんなことに気づく余裕さえなくしてしまうほど連日猛暑が続いています。

 立秋から秋分(今年は9月22日)までの間の暑さを「残暑」と申しますが、例年、今時分から8月中旬にかけてが暑さのピークとなっており、埼玉県熊谷市と岐阜県多治見市で過去最高の40.9度を記録したのは8月16日(2007年)のことです。

 ところで、昔は暑さをしのぐ方法としては行水があり、戸外に置いたたらいの水で汗を流すのが最高の消夏法でした。

 それに代わるものとして今はシャワーがあります。お湯の温度を高くしすぎないこと、シャワーの勢いを強くして短時間で済ませること、朝と帰宅後に浴びることなどが、暑さ対策として効果的だそうです。

 また、寝苦しい夜には布団の上に寝ござを敷くと良いそうです。さらっとした肌触りとイ草の香りが爽快感を演出すだけでなく、通気性が良く、寝汗も吸収してくれる優れもので、陰干しで乾燥させればすぐに機能回復、繰り返し使えるエコ商品です。
このような寝ござは、今では「サマーシーツ」と呼ばれています。
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「夏休みの経済教室」
夏休みの期間を利用して、東京証券取引所が小・中・高校生向けの経済教室を開いているそうです。
「私たちの暮らしが“経済”や“株式会社”とどのように結びついているのか」を親子で一緒に学ぶ場となっており、毎回盛況のようです。

 小さいうちから正しい金銭感覚を身につけ、長期的な資産形成(貯蓄)の考え方に触れることは貴重な経験です。
一方で、投資をギャンブルやゲーム、射幸的なもの(努力をせずに偶然の利益や成功をねらうこと)として捉えてしまわないように気をつけなければいけません。

 ところで、司馬遼太郎がその著作で次のように述べていたのが印象に残っています。

 「サラリーマンたちの70パーセント以上は祖父の代まで、太陽の下でスゲ笠をかぶりながら畑の草をとっていた。
 
 たった二代で大変化をおこしたこの社会で、我々はわりあい平気で生きているというのがこっけいなほどだ・・・」


 会社勤めがこれほど多くない時代には、家業があったり、農家や職人であったり、子供たちの多くは親の背中を見て育ってきました。自ずと仕事の厳しさや尊さを理解し、稼ぐということの大変さとお金の大切さを肌に刻んできたように思います。

 今の子供たちの多くはそのような環境にはありませんが、是非そういったことも身につけてほしいものです。
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「紫蘇(シソ)」
 連日のように暑い日が続き、そろそろバテ気味の方もいらっしゃると思います。
こんな時は、『紫蘇』(シソ)を試してみる価値があるかもしれません。

 「紫の葉で蘇(よみがえ)らせる」と書いて「紫蘇」となり、中国では人を生き返らせる力のある植物とされています。せきやたんを鎮める効果があるとされ、強力な殺菌作用や防腐効果はよく知られていますが、最近では抗アレルギー効果が注目されています。

 また、栄養価が豊富で特にビタミンAやCが多く、カリウム、カルシウムなどミネラルも含まれ、砂糖と水で煮出して薄めて飲むと疲れを和らげる効果もあるそうです。

 葉が緑の「青ジソ」と紫の「赤ジソ」に大別され、「青ジソ」の葉は「大葉」とも呼ばれ、元来の旬は夏。その香りと殺菌作用から刺し身のツマなどに適していますが、天ぷらや麺類の薬味など幅広い用途に使われています。

 一方、「赤ジソ」はシソジュースにしたり、梅干しを着色するのに使います。
出回るのはやはり初夏から7月。最近は、シソジュースブームで「赤ジソ」の人気が高いようです。

 スーパーなどで選ぶ際は、色鮮やかで、葉がみずみずしく、葉先までピンとしているものを選ぶのが良いそうです。
表面が乾燥しているもの、傷のあるもの、軸の切り口が黒く変色しているもの、葉が茶色くなっているもの、黒い斑点が出ているものは避けた方がよく、また、大きくなりすぎたものは味も香りも余りよくないためやはり避けたほうが良いようです。
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