2010年09月の記事


「天然トラフグ」
 天然トラフグの水揚げ量日本一を誇る山口県下関市の南風泊(はえどまり)市場で一昨日、シーズン到来を告げるフグの初競りが行われたそうです。

 今年は猛暑の影響で水揚げ量が1割程度減る見込みですが、最高値は平年並みの1キロあたり1万3千円となってるそうです。

 なお、西日本ではフグのことを濁らずに「フク」と呼ぶことが多いのですが、フグは「不遇」を連想し、フクは「福」につながるからという説があります。
こうした細部にわたる心配りはいかにも日本的な情緒で好きなところでもあります。

 ちなみに、南風泊市場のフグ競りは一般的な魚の競りと違い、互いに筒状の布袋の中に手を入れて、仲買人が競り人の指を握って値段を決める独特の「袋競り」という方法で行われてます。
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「根気」
 暑い日が長かったせいか、寒暖計の示す気温よりも肌寒く感じる今日この頃です。
このような季節の変わり目は体調を崩す人が増えますので気をつけたいものです。

 処で、心身の力や根気がなくなってしまうことを「精根尽きる」と言いますが、疲れが溜まると集中力がなくなり、気力も失せていまします。
そのような時、昔の人はきまって言ったものです。「コン」のつくものを食べなさいと。

 「コン」のつくものとは、ダイコン、レンコン、ゴンボウ(ゴボウ)などで、食物繊維が多く含まれている根菜類です。
広く知られている通り食物繊維には体内を浄化する作用があり、かむ回数が増えることで血行も良くなり、脳や身体の代謝も促し、自ずと疲れもとれてきます。
また、食物繊維には腸内環境を整え改善する作用もあるため、大腸がんなどの疾患のリスクを軽減することも知られています。

 コンニャクも食物繊維が豊富で、昔から「おなかの砂おろし」あるいは「胃のほうき」などと言われてきました。
体内を浄化する効用は昔の人も経験として知っていたわけです。

 疲れや気力がなくなってきたのを感じましたら、バランスの良い食事とともに、心身をリラックスさせることが大切です。
さらにこうした「コン」のつくもので体調を整え、根気を補充してみてはいかがでしょう。
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「無花果(イチジク)」
 漢字で『無花果』と書いて『イチジク』。
果実の内側に花があり、外側からは見えないことから漢字では『無花果』と書くそうです。
そのイチジク、今 を迎えています。旧約聖書にも登場するなど歴史の古い果物で、世界中で栽培されてるそうです。

 国内では愛知、和歌山、福岡など温暖な土地で盛んですが、1日に1果熟すことから「一熟」と呼ばれた・・・等々、名前の由来には諸説あります。

 聖書にもたびたび登場する「イチジク」は世界最古の栽培果樹といわれ、エデンの園でアダムとイブが食べた禁断の果実はイチジクという説があります。
一般的にはリンゴと思われていますが、当時の中東ではリンゴが採れなかったことや、アダムとイブが恥ずかしくて前を隠していた幅の広い葉っぱがイチジクの葉として描かれているからだそうです。
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「赤とんぼ」
 暑さ寒さも彼岸までとは申しますが、彼岸の中日から一気に気温が下がり、北海道では最低気温が0.5度まで冷え込んだところもあったとのこと。
夏を司る炎帝の勢力後退で、ようやく竜田姫の出番がまわってきましたが、そのすぐ後ろには冬将軍が迫っているようです。

 ところで、まだ暑気が残っていた先日の連休中、郊外では赤トンボの大群が秋の深まりを告げていました。

 トンボの名前の由来は「飛ぶ穂」あるいは「飛ぶ棒」とも言われますが、秋茜や深山茜に代表される赤トンボの古名は「秋津」と言い、実りの秋を象徴する虫として昔から愛されてきました。
古くは日本(本州)を秋津州(あきつしま)と呼んだのも、その形がトンボに似ているからだそうです。

 また、雄略天皇が、害虫を素早く捕らえるトンボの姿を歌に詠み、前進するのみで後退しない攻撃的な習性と相まって、トンボは昔から勝ち虫と呼ばれる縁起物として、戦国の世では兜や鎧などの装飾に好んでよく用いられました。

 「不転退(退くに転ぜず・決して退却をしない)」の精神を体現するトンボは武者好みの虫でしたが、童謡「赤とんぼ」のイメージが残る現代の私たちにとっては、どこか郷愁を誘う秋の虫です。
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「紅葉を楽しめるロープウェー」
 朝夕随分と涼しくなり、夕焼けの美しさに改めて秋の訪れを感じます。
北海道の大雪山では早くも木々が色づき、紅葉前線が南下し始めています。
猛暑を受け、気になるのが見ごろ時期ですが、ほぼ例年並みで色づきも良好との予想が出ています。

 ところで、『紅葉を楽しめるロープウェー』というアンケート調査(日経)を目にしました。

1位は「中央アルプス駒ケ岳ロープウウェイ」(長野県駒ヶ根市)となっていました。
見ごろは9月下旬~11月上旬、ゴンドラに乗っている時間は7分30秒、標高差は950メートル、往復の大人料金は2200円です。

 2位は「新穂高ロープウェイ」(岐阜県高山市)で、見ごろは9月下旬~10月下旬。
国内唯一の2階建てゴンドラで、乗っている時間は約11分、標高差は1039メートル、往復の大人料金は2800円。

 3位は「大雪山層雲峡・黒岳ロープウェイ」で、見ごろは9月中旬~9月下旬。
乗っている時間は7分、標高差は630メートル、往復の大人料金は1850円となっています。

 4位は「寒霞渓(かんかけい)ロープウェイ」(香川県小豆島町)、5位は「箱根ロープウェイ」(神奈川県箱根町)、6位は「八甲田ロープウェー」(青森市)、7位は「御在所ロープウェイ」(三重県菰野町)、8位は「立山ロープウェイ」(富山県立山町)、9位は「蔵王ロープウェイ山麓線・山頂線」山形市)、10位は「谷川岳ロープウェイ」(群馬県みなかみ町)となっていました。
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「敬老の日」
 今日は「敬老の日」長寿を祝う日です。

 昨今なにかと「高齢者」や「長寿」が話題となっていますが、敬老の日は老人福祉への関心と理解を深める日でもあります。

 ところで、人生の節目節目で年配者を敬う習慣は昔からありますが、長寿の節目には下記のようなものがあります。


「還暦」 数え年61歳で、十干(じっかん)十二支(じゅうにし)の「六十
     干支(ろくじっかんし)」が一回りし、もう一度生まれた時の干支
     を迎えること。本卦還り(ほんけがえり)とも言い、現代では「ま
     だまだこれから」の年齢です。

「古稀」 70歳 杜甫の「人生七十、古来稀なり」の詩から。

「喜寿」 77歳 喜の草書体が、七十七に見えるため。

「傘寿」 80歳 傘の略字が八十とも見えるため。

「米寿」 88歳 米の字を分解すると八十八となるため。

「卒寿」 90歳 卒の略字は、九と十を続け書きするため。

「白寿」 99歳 百の字から一をとると白になるため。

「紀寿」100歳 1世紀(百年)。百寿(ももじゅ)とも言います。


 尚、電通総研が最近行った調査では、子の世代が敬老の日にしたいことは「訪問」「一緒に外食」に次いで「モノを贈ること」の順となっていますが、一方、60歳以上の人を対象に子どもや孫にしてもらいたいことを聞いたところ、「電話」や「訪問」、「一緒に外食」、「メール」との回答が多く、「親世代は子世代が思う以上に会話などのコミュニケーションを求めている」ことが分ります。
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彼岸花(曼珠沙華)
 燃えるような花色の彼岸花は、秋の彼岸の頃に咲く花ゆえにこの名がついたと言われます。
国や地域によって花に対する感じ方も様々で、彼岸花にもいくつかの異名があります。

 根に毒を持つ花なのですが、*飢饉の時は澱粉が豊富な根を食用にすることもあったそうです。
毒抜きが十分でないとあたることもしばしばで、彼岸(死)の花という説もあり、その毒性と相まって、葉のない状態で地上に突出し神秘的な花を咲かせる様から「地獄花」「死人花(しびとばな)」などと呼ばれることがあります。


*ヒガンバナは生命力が強く、痩せた土地にも育って、大きな 球根をつくります。
 球根には毒が含まれていますが、よく水洗いすれば消えてし まいます。
 ヒガンバナは毒」と信じて、人々は誰も近づこうとしません でした。
 ところが、草花について博識なある殿様が、しきりにヒガン バナの球根を集めていました。
 冷害と日照りが続いたある年、米が凶作のため、全国で多く の人が飢え死にしました。 
 しかし殿様が治めていた地方では、殿様が蓄えていたヒガン バナの球根のお陰で、飢え死にを免れました。


 日本に存在する彼岸花の遺伝子は全て同一で、中国から伝わった1株の球根から日本全国に広まったものといわれています。
彼岸花は「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)」の名でも親しまれていますが、これはサンスクリット語の音写で「天上界に咲く小さな赤い花」という意味で、吉事の兆しに赤い花(曼珠沙華)が天から降りてくると仏教の経典にはあるそうです。

 葉のあるときには花はなく、花のときには葉がない曼珠沙華を、おとなり韓国では「花は葉を思い、葉は花を思う」という意で「相思華」と呼ばれるそうです。

 ちなみに、曼珠沙華はその花の美しさから、海の女神を意味する「リコリス」という学名を持ちます。
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「世界遺産の数」
世界遺産の数が最も多いのはイタリアの45。2位はスペインの42となっています(ユネスコ、8月2日時点)。
英、独、仏など欧州勢が上位を占めており、日本は14で15位です。

 ユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界遺産委員会は今年、マーシャル諸島ビキニ環礁など21を新たに世界遺産に登録し、世界遺産の数は911(文化遺産704、自然遺産180、複合27)となりました。

 世界遺産は各国が責任をもって保護する必要があり、重大な危機にさらされたものは「危機遺産」リストに加えられます。過去には、アラビアオリックスの保護区(オマーン)やドレスデン・エルベ渓谷(ドイツ)が「普遍的な価値」が失われたとの理由で抹消されたそうです。

 尚、3位は中国の40、4位はフランスの35、5位はドイツの33、6位はメキシコの31、7位はインドの28となっています。
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「日本が誇る『名道』」
 猛暑が終わり、秋の行楽シーズンが始まります。
爽やかな風を受けてドライブやツーリングを楽しみ、澄んだ空気と高い空、変化に富んだ紅葉の彩り、眼前に広がる絶景に感動する・・・。
 ところで、若年層のバイク離れが進む一方、バイクにまたがり颯爽と風を切る中高年が増えています。
そんな大人のバイクライフを応援するバイク雑誌「BikeJIN/培倶人」が選んだ「日本が誇る『名道』ベスト10の(読者投票の集計結果)をご紹介させていただきます。


   1位 磐梯吾妻スカイライン(福島県)
 
   2位 ビーナスライン(長野県)

   3位 やまなみハイウェイ(大分県・熊本県)

   4位 志賀草津道路(群馬県・長野県)

   5位 伊豆スカイライン(静岡県)

   6位 知床横断道路(北海道)

   8位 しまなみ街道(広島県・愛媛県)
    〃 高野竜神スカイライン(和歌山県)

   9位 阿蘇パノラマライン(熊本県)

  10位 千里浜なぎさドライブウェイ(石川)


 いずれも絶景を走る名道ばかり。通ったことがあるのはわずかですが、日本にもこういうところがあったのかと思えるパノラマに感動です。
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蜜柑(みかん)
 関東の観光農園ではぶどう狩り・なし狩り、栗拾いがそろそろ終盤を向かえ、今はさつまいも掘りが賑わっているようです。

 いも掘りが終わるとミカン狩りの季節になりますが、今年は柑橘(かんきつ)類の生育が遅れ、日焼けなどの品質低下(日焼けした部分の果実が堅くなったり、水分が抜けてパサパサになる)が目立つなど、猛暑と小雨の影響が心配されています。

 ところで、総務相の家計調査データによると、ミカンの消費量の落ち込みが顕著となっているようです。
1988年のミカンの消費量は、二人以上の世帯で年間32kgでしたが、2008年の消費量は約15kgと、20年間で5割以上の減少となっています。

 理由はいくつか指摘されていますが、一つはミカンの定位置だったコタツを置く家庭が減ったこと、加えて核家族化で買うのは10個程度の袋入りが主流で、箱買いする消費者が少なくなったことなどがあげられます。

 また、年配者の消費量は多いのにそれ以外の世代、とくに子どものミカン消費量が少なくなっています。
宣伝力が大きく手軽でもあるお菓子の影響を指摘する向きもあり、果物の種類が増えてきたことも理由としてあげられています。

 ちなみに、過去10年程度の消費量の推移を見てみますと、ミカン、リンゴ、グレープフルーツ、ナシ、ブドウ、スイカ、モモ、メロンなどは軒並み減少。
皮むきや種だしが面倒と認識されていることが大きな理由のようです。

 その一方で、バナナとキウイの消費量が大幅に増加しています。バナナはダイエットブームも追い風となりましたが、安いうえに皮をむくだけの朝食として食べる人が増えおり、キウイも半分に切ってスプーンですくって食べられる手軽さが受けています。

 同じように皮をむくだけで食べられるはずですが、ミカンの場合はそれが面倒とされ、皮をむくときに白い筋がつめに入るのを嫌う女性も少なくありません。

 福岡県の冷凍食品販売会社がみかんのそうした状況を商機と捉え、皮をむいてから凍らせた冷凍ミカン、その名も「むかん」を売り出したところ、年配の方には懐かしさ、若い人にはシャーベット感覚で手軽に食べられるとして人気となっているそうです。
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「梨の季節」
 まだ猛暑が続いていますが、そろそろ、秋の味覚を一足早く楽しもうと各地の梨狩園が賑わっているようです。

 風邪などで喉が痛む時や痰がからむ時などに、梨を食べて楽になったという経験をお持ちの方も多いかと思いますが、古来から「百果の宗」と呼ばれる梨は、「大小便を利し、熱を去り、渇を止め、痰を開き、酒毒を解す」とされ、漢方薬などにも広く利用されてきた果実です。

 梨は有機酸やビタミン、ミナラル類などをバランスよく含んでいるため、夏バテ時の食欲増進や疲労回復にも効果も期待できます。

 現在、日本で栽培されている梨には、幸水、豊水、二十世紀、新高、愛甘水、新寿、清澄、八幸梨など様々な種類がありますが、二十世紀梨の場合、軸が細く、肩と尻が張った扁平なもの、色つやが良く重いものがより美味しいと言います。
また、二十世紀梨は、熟度の進み具合により黄緑色から黄色になるため、シャキシャキした食感を楽しみたい人は黄緑色、甘味を好む人は黄色のものを選ぶと良いそうです。

 なお、「梨尻柿頭」とのことわざにもありますように、梨は軸と反対の尻の部分が味が良く、皮の近くが最も甘くなっています。

 ちなみに、歌舞伎の世界を「梨園(りえん)」と呼ぶのは、唐の玄宗皇帝が梨の木が植えられた庭園で、音楽や舞踊などの芸を磨いたという故事に由来しているそうです。
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