2012年12月の記事


 「注連縄(しめなわ)」
 年の瀬が迫り、お正月準備を含めて何かとお忙しいことと存じます。
日本人にとってお正月は特別なものです。その証拠に、この時期にしか聞かない言葉が数多くあります。
そのお正月にまつわる様々な言葉と、それが表すしきたりに込められた「心」を理解できれば、新年の行事がより清々しく感じられるます。

 「注連縄」と書いて「しめなわ」と読みますが、これもお正月に年神様を迎える準備の一つです。
神聖な場所と下界を分ける役割を持つ縄で、自分の家が年神様を迎えるにふさわしい、清められた所であることを示すものです。

 かつては年末に家庭で新しく注連縄を作り、家長が神棚のある座敷や井戸、蔵など家の中でも特に大切な場所に張り巡らせる習慣がありました。現在は簡略化され、注連縄と同じ効果があるという輪飾りや、注連飾り(しめかざり)を玄関などに飾るようになりました。

 注連飾りは、小さな注連縄に長寿を願う植物の裏白(うらじろ:正月のお飾りに使われるシダで、表面は緑色ですが、裏面は白。裏を返しても色が白いことから、心に裏が無い、清廉潔白を願い、また白髪になるまでの長寿を願います)や、後の世代まで「福を譲る」という意味のゆずり葉、家が「代々栄える
」よう願いを込めたダイダイなどをあしらったものがよく使われています。

 12月中旬から28日までに飾り終えるのが習わしですが、28日に間に合わなかった場合は、29日を避けて30日に飾るのも大丈夫だそうです。
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「年越し蕎麦」
 そろそろ年末の大掃除やお正月用の買い出しなどで慌ただしさが増す時期で、大晦日の年越し蕎麦で諸事合わせてようやくお正月を迎える準備が整うような気がします。

 大晦日に食べる蕎麦については、”晦日蕎麦、年越し蕎麦、つごもり蕎麦”など言い方は様々ですが、由来にもいくつかあるようです。
一つは、その昔、あるお寺が、貧しくて年の越せない人々に蕎麦がき(蕎麦粉を熱湯でこねたもの)をふるまったところ、翌年から皆に運が向いてきたことから、「運そば」として広まったというもの。
又は、もともと商家では、つごもり、つまり月末に蕎麦を食べる習慣があり、それが元になったとする説等々。

 金細工の職人が金粉を集めるのに、練った蕎麦粉を使っていたことから、蕎麦は金を集める縁起物として食され、またはその形状から細く長く達者に暮らせるように願ったとの話や、蕎麦は切れやすいことから、その年の苦労を切り捨て翌年に持ち越さないよう願ったという話もあります。

 縁起の良さもさることながら、この時期は、忘年会等で疲れ気味の胃腸を整え新陳代謝を高める効用も見逃せません。

 痩せ地でも実を結ぶ蕎麦は、雨や風にも強い植物です。風に寝かされても、雨に打たれても翌日には起き直ります。このことから捲土重来(けんどちょうらい)を期す食べ物とも言われています。

 縁起話をもう少し。正月飾りの門松。松は長寿を、竹は発展を願い、「松は千歳を契り、竹は万代を契る」との諺もあります。
さらに縁起を担ぐ場合は、風雪に耐え、百花に先がけ花開く梅花を、ワラなどでかたどり添えます。

 お正月のお節(おせち)。来客の度に台所に立たなくてもいいように、日持ちのよい料理を重箱に詰めたお節料理も縁起の良い食材でいっぱいです。マメ(健康)に暮らせるようにと黒豆を、子孫を増やし家が繁栄するようにと数の子を、喜ぶことが多いようにと昆布巻きを、腰が曲がるまで長生きしたいとの
願いで海老を、金運を呼ぶ栗きんとん(金団)、遠くまで見通せるレンコンなどなど。

 また、赤い実の南天も、福寿草の花とセットで「難を転じて福となす」という縁起物として正月飾りに用いられます。

 単なる縁起担ぎと笑う人もいるかもしれませんが、大事なのは形ではなく、そこに込められた気持ちです。
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今年の「創作四字熟語」
 今日は冬至、年間を通して夜が一番長く昼が最も短い日です。
ずっと昔はこの日が一年の始まりと考えられており、世界各地に残る冬至祭は、太陽の力が最も弱まった日が無事過ぎ去り、太陽のよみがえりを祝う日でした。

 異教徒の習俗を巧みに取り入れてきたキリスト教において、クリスマスの本来の起源もこの冬至祭にあると言われてます。

 ところで、住友生命保険が先日、毎年恒例となっている「創作四字熟語」の優秀・入選作を発表してましたのでそのいくつかをご紹介したいと思います。


   「党奔政争」 とうほんせいそう(東奔西走)

         *まとまりのない政界。


   「晋帰一転」 しんきいってん(心機一転)

         *安倍晋三氏が自民党総裁に復帰。


   「運産霧消」 うんさんむしょう(雲散霧消)

         *AIJ年金消失事件。


   「航平夢至」 こうへいむし(公平無私)

         *内村航平選手が、個人総合で夢の五輪金メダルを獲得。


   「袋麺繁売」 たいめんはんばい(対面販売)

         *生麺の食感に近いインスタントラーメンが大ヒット。


   「美画悲惨」 びがひさん(自画自賛)

         *スペインで、自称画家がキリストのフレスコ画を修復。
          残念な姿に。


 今年起こった出来事や世相をわずか4文字で表現しているのですが、いずれも秀作揃いで感心させられます。
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「風邪」
朝晩の冷え込みで体調を崩したり、カゼをひく人が増えています。

 カゼは「風邪(ふうじゃ)」と書きますが、東洋医学ではこの邪が身体に進入することでカゼを引くと考えられており、その出入り口となる経穴(一般に「ツボ」)を「風門」と言うそうです。
ゾクっときたら風門を温めたり揉み解すことが予防に効果があることはよく知られています。

 また、インフルエンザやカゼなどのウィルスは乾燥した環境を好み、多湿な環境は苦手であるため、加湿器などで室内の湿度を50%以上にあげれば一定の予防効果が期待できます。

 カゼ対策(民間療法)はたくさんありますが、身体を温める効果のあるネギや生姜がよく用いられます。
また、1センチ角に切った大根に蜂蜜を加え一晩くらい寝かせ、出てきた上澄みをそのまま、またはお湯で溶かして飲む「蜂蜜大根(大根あめ)」も知られており、ハチミツの抗酸化作用、殺菌作用、整腸作用、大根の消炎作用、血行促進作用などがじんわりと効いてくるそうです。

 せき止めとしては「カリン」や「キンカン」の他、「そばハチミツ」の咳止め効果も米ペンシルベニア州立大の研究チームによって実証されています。

 ちなみに、ひきはじめのカゼに効果があるとされる漢方薬には下記のようなものがあります。

 葛根湯(かっこんとう)      発熱や寒け、頭痛・手や肩の痛み等
 小青竜湯(しょうせいりゅうとう) 鼻水・鼻炎・たんを伴った咳等
 麻黄湯(まおうとう)       寒気け発熱、ふしぶしの痛み等
 駆風解毒湯(くふうげどくとう)  のどの痛みやはれ等


 もちろん漢方も服用に際しては医師や薬剤師との相談が必要です。 
また、インフルエンザとカゼは別の疾病であり、素人判断をせずに早めに医師に診てもらうのが基本でしょうね。
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「鰤(ブリ)」
 「師走の魚」と書いて『鰤(ブリ)』。
「寒ブリ」とも呼ばれ、寒くなるにつれて脂が乗って美味しくなります。
刺し身・照り焼きなどが代表的な食べ方ですが、大根と合わせての煮物は家庭の味として広く親しまれています。

 日本では昔、武士や学者などは成人して元服(げんぷく)すると、幼名とは違った名を名乗りましたが、魚も成長すると風味が変わるので、呼び名が変わる魚があります。
これが『出世魚』で、子供の成長や知人の栄進を祝福する時、この出世魚を贈呈することがあります。

 その代表が「ブリ」で、地域によって呼び名が変わりますが、関東では大きくなるにつれて「ワカシ」→「イナダ」→「ワラサ」と名が変わり、「ブリ」になると体長が1メートルにも達します。東京周辺では、養殖物を無条件に関西の若魚の呼び名である「ハマチ」と呼ぶことも多くあります。

 ちなみに、関西では「モジャコ」→「ワカナ」→「ツバス」→「ハマチ」→「メジロ」→「ブリ」と呼ぶところが多いようです。
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「入浴効果」
暗くなるのが早く、寒さが増すこの時期は、あたたかなお湯につかって一日の疲れを癒すのが楽しみの一つです。

 熱めのお風呂が好きな方もいらっしゃるかとは思いますが、心身ともに癒すには40度くらいの熱くない程度のお湯に10分以上つかることが効果的だそうです。
そうすることで副交感神経が刺激されることでリラックス効果が高まり、眠りにもつきやすい状態となります。

 ただ、気をつけなければいけないのは、暖房の効いた部屋とそうでない浴室や脱衣所との温度差です。

 脱衣所や浴室、トイレなどで倒れ死亡にいたるケースは年間1万4千件ほどあると言われ、その原因は急激な温度変化にあります。

 急激な温度変化による血圧の急上昇や急降下、いわゆる「ヒートショック」は血管のもろくなっている高齢者ほど脳出血につながりやすくなります。

 従って、脱衣所や浴室の温度を上げ、住まい全体の温度差をなくすのが重要です。

 ところで、風邪をひいたら入浴を控えるというのが一般的ですが、そのことの科学的・医学的根拠はないそうです。

 外湯、つまり銭湯が一般的だった頃、湯冷めして症状を悪化させることが多かったためにそのようなことが言われてきた経緯があり、海外では風邪を引いたら熱を下げるためにお風呂に入るといった日本とは全く逆の習慣もあります。

 現在は、風邪を引いた場合でも高熱がないなどの条件付きで入浴を認めている医師が多いようです。
汗を流してすっきりした気分で寝つけるという効果も考えられますが、何より重要なことは、お風呂から出た後、ほてりを冷ました上で、湯冷めをさせないことです。
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「生まれ年別の名付調査」
この時期はヒット商品番付など年間を総括する話題が相次ぎますが、24回目を迎える「生まれ年別の名前調査」もそんな話題の一つです。

 今年のランキング(人数の多い順)は下記のようになっており、時代の雰囲気や世相の影響も見てとれます。


 【男の子】             【女の子】

  第1位(昨年1位)蓮      第1位(昨年3位)結衣
  第2位(同 3位)颯太     第2位(同 1位)陽菜
  第3位(同 1位)大翔     第3位(同 5位)結菜
  第4位(同 4位)大和     第4位(同 1位)結愛
  第5位(同13位)翔太      〃 (同55位)ひなた
   〃 (同14位)湊       〃 (同95位)心春
   〃 (同26位)悠斗
   〃 (同72位)大輝


 調査元の「明治安田生命」では、男の子1位の「蓮」には「しっかり地に足をつけ、たくましい子に育ってほしい」、女の子1位の「結衣」には「人との結びつきを大切にする子に育ってほしい」との親の願いが込められているとし、不安定な時代との認識が背景にあると見ています。

 男の子は「蓮」くんや「湊」くんなど、漢字一文字の名前が人気で、今年の干支にちなみ「龍」が入った名前も多かったそうです。また「太」や「大」のついた名前が上位の多くを占めており、広がりと安定感のある字形が好まれる傾向があります。

 女の子は「結」のつく名前が目立ち、東日本大震災以降、人と人のつながりの大切さが見直され、人との結びつきを大切にする女の子に育ってほしいと願う親の気持ちがあらわれています。

 名前の読みでは、男の子が「ハルト」「ユウト」「ソウタ」、女の子が「ユイ」「リオ」「ユナ」がそれぞれベスト3となっています。

 ちなみに、男の子の名前では、夏のオリンピックで活躍した体操・内村航平選手の「航平」、ボクシングの村田諒太選手の「リョウタ」が人気急上昇となり、女の子の名前では女優の新垣結衣さんの「結衣」「ユイ」がともにトップで、AKBの小嶋陽菜さんと同じ「陽菜」も高い人気を維持しているようです。
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「流行語大賞」
今年も恒例の「2012ユーキャン新語・流行語大賞」(「現代用語の基礎知識」選)が発表されてます。

 今年は、お笑いタレント、スギちゃん(39)の「ワイルドだろぉ」が年間大賞に輝きました。 
スギちゃんは今年9月、バラエティー番組の収録中に胸椎骨折の重傷を負ったが、同月末に仕事復帰。
表彰式では、「死ぬまでワイルドを続ける」と回復ぶりをアピールしたようです。

 その他、今年の流行語トップ10には、「維新」「近いうちに…」「第3極」といった政治関連の言葉が3つも入選。
総選挙(16日投開票)を目前に控え、改めて「政治の年」だったことを印象づけたようです。

10月にノーベル医学・生理学賞を受賞した山中伸弥京大教授(50)が開発した「iPS細胞」、
5月に開業した東京スカイツリーの商業施設「東京ソラマチ」などの明るい話題もランクイン。


<新語・流行語トップテンは下記のようになってます。>

《大賞》 「ワイルドだろぉ」

《その他トップテン》

「終活」

「維新」

「東京ソラマチ」

「LCC」

「手ぶらで帰らせるわけにはいかない」

「爆弾低気圧」

「近いうちに…」

「iPS細胞」

「第3極」
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