2012年05月の記事


「地震・雷・火事・親父」
昔から「地震・雷・火事・親父」と恐れられてきた雷。
ここ最近も日本列島の広い範囲で落雷が多発、被害が相次いでいますね。

 雷が落ちやすいから金属製品を外したほうが良いとか、ゴム長靴や雨合羽を着用していると落ちにくいとかよく言われますが、これは誤った俗説で、実際には全く関係ないそうです。

 雷で注意すべきは雷雲との距離、つまり「高さ」で、ビルや木、高さのあるものが少ない田畑や運動場等で人に落ちるのはこのためです。
近くに雷雲があった場合、広い場所で傘はなるべく使わない、自分の頭より高い位置に何かを掲げないのが鉄則で、自身が突起物にならないように注意する必要があります。

 そういう意味では、雷雨に驚いて木の下に身を隠すことも避けるべきで、木を伝ってきた雷の側撃を受ける可能性があります。ただし、遮蔽物のない所にある高い木などは避雷針の役割を果たしてくれるため、ある程度の距離(木の天辺から45度以内の範囲で、木から2メートル以上の距離)を保てば安全と
されてます。

 雷の恐れがある時は外出しないのが最も確実な人身防護ですが、もし、外出中に雷光を見たり、雷鳴を聞いたら、建物や自動車の中に避難すれば安全です。

 雷光に比べ雷鳴が届くスピード(音速は約340メートル毎秒)はやや遅いため、その時間差で雷雲はまだ遠いと判断し安心する人がいますが、無意味であり甚だ危険です。実際の雷雲の直径は10数キロあり、音が聞こえた時には雷雲の下にいると思ったほうが良いとのこと。

 また、昔は雷がなると「ヘソを隠せ」とよく言われたものです。
「雷」は夏によく起こりますが、雷を発生させる上昇気流は地表の気温を急速に下げるため、薄着やヘソを出した格好でいるとお腹が冷えて体調を崩してしまうことから、それを戒めるために「ヘソを隠せ」と言ったようです。
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「紫外線」
紫外線(UltraViolet、略してUV)の量は、太陽高度が最も高い夏至付近(6月)が最大となるはずですが、より有害とされるB紫外線(UV-B)はオゾンの影響を受けやすいため、上空のオゾンが減る8月がピークとなる傾向があるそうです。

 また、地表に届く紫外線のおよそ9割を占めるA紫外線(UV-A)は、梅雨前の5月から6月前半にかけて最大となるようです。

 昔は、ビタミンDの生成を助けるとの理由から、くる病予防のために紫外線が必要とされ、日光浴が奨励されてきました。ビタミンD合成の他にも、紫外線には殺菌消毒や新陳代謝の促進などの効用があります。

 一方で、紫外線の人体への影響に関する研究が進み、DNAの損傷、免疫力の低下、皮膚ガンや白内障を引き起こす恐れなどが指摘されるようになりました。
また、有害な紫外線を防御してきたオゾン層が、フロン類によって破壊されている事実も驚異となっています。

 日光浴と称して長い時間太陽光を浴びている人も少なくありませんが、1日に必要とされるビタミンDが体の中でつくられるためには顔や手への1日15分間の紫外線曝露で十分との調査結果もあります。

 紫外線の量は薄曇りの場合で快晴時の約80%、曇りの場合は快晴時の約60%というのがおおよその目安で、雨が降っている場合は快晴時の約30%にまで減少します。

 尚、気象庁が発表している紫外線情報(UVインデックス)と対策は下記のようになっています。

 <UVインデックスに応じた紫外線対策>

 1~ 2 弱   い 安心して戸外で過ごせる

 3~ 5 中 程 度 日中は出来るだけ日陰を利用すること
            出来るだけ、長袖シャツや日焼け止め、帽子の利用

 6~ 7 強   い (上に同じ)

 8~10 非常に強い 日中の外出は出来るだけ控える
            必ず、長袖シャツや日焼け止め、帽子を利用

 + 11 極端に強い (上に同じ)
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「トマトは野菜?」
皆さまはトマトやスイカで、野菜なのか果物かで議論したことはありますか?

 実際の判断は行政によって分かれるのですが、野菜はごはんのおかずになるもので、果物はおやつやデザートとして食べるものという区別があるように、一般的には多分に感覚的な判断が優先されています。

 野菜と果物の定義を調べると、辞書によって微妙に見解が分かれてますが、おおまかな区分は下記のようになってます。

「野菜」は、食用に栽培された一年生か二年生の草で、様々な部位が食される。

「果物」は、多年生の木になる果実で、一般的に甘く生で食されるもの。果物は実だけを食用とする。果物は、本来「木(く)の物」である。

 定義を見ても曖昧で、人によっては判断が分かれるというのが容易に想像できますが、「一年生か二年生の草」と「多年生の木になる果実」という観点からいきますと、イチゴやメロンなどは野菜に分類されます。

 ちなみにイチゴの場合、甘くておいしい実の部分は、狭義には実ではく仮果あるいは偽果として区別されています。
実際にはまわりにたくさん付いている種だと思っているものが実で、さらにその中に種があるという構造になっています。

 アメリカでは、トマトは野菜か果物かで係争になったことがあるそうです。
「甘くて生で食べられるもの」か、「デザートではなく、食事中に食べられるもの」かで争われ、野菜か果物かで関税率が違ったため最高裁までもつれ、最終的には「トマトは野菜である」との判断が下されています。

 ただ、トマトのように果実を食用とする野菜は「果菜」であるとの解釈を目にすると、またややこしくなってしまいますね。
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「木戸にたてかけし衣食住
 春の終わりに咲き残っている桜の花を指す「残花」は春の季語。
一方、まだ寒さの残る山中などに咲き残っている桜花は「余花」と言い夏の季語。
春がところどころに置き残した忘れもののようにひっそりと咲く風情もまた良しです。

 ところで、イギリスのロンドンは北海道よりも北にあるにも関わらず、近くを流れる暖流の影響で温暖な気候となってるそうです。
ただ、そうした地理的な特性のため、気候は湿りがちで、天気が変わりやすいそうです。
「英国人は天気の話をよくする」と言われますが、それは上記のような気候のためで、「英国人は一生のうち6カ月間相当を天候に関する会話に費やす」という調査結果もあります。

 私達も日常において天気の話はよくしますが、人と話をする時はそうした何気ない会話が潤滑油となり、相互の距離感も縮まるというもの。ちなみに会話のとっかかりとして昔から言われているのが「木戸にたてかけし衣食住」です。


  キ(季節  :お正月やお祭りなど季節の出来事)
  ド(道楽  :趣味や関心事など)
  ニ(ニュース:身近な話題や今騒がれて事柄など)
  タ(旅   :土産話など)
  テ(天気  :天気)
  カ(家庭  :家族の近況など)
  ケ(健康  :健康管理、ダイエットや運動など)
  シ(仕事  :景気や会社での事など)
  衣(衣服  :服装や流行など)
  食(食べ物 :旬の食材や好きな食べ物など)
  住(住まい :住宅や庭、出身地など)


 尚、政治、宗教、スポーツ(3S)の話題は、信念が入り込みやすく、意見が対立した場合に相手の心証を害する可能性があるため、とくに相手の事がまだよく分らない場合にはこれらの話題は避けるべきでしょうね。
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「新タマネギ
「新タマネギ」が旬を迎えていますが、腸内の善玉菌の働きを助ける健康食品として、タマネギへの注目が高まっています。

 タマネギの多くは収穫後に1ヶ月程度日陰などで風をあて、乾かしてから出荷されますが、「新タマネギ」は収穫後にすぐに出荷されるため、水分が多く、辛味が少なく、甘さと香りがあり、みずみずしさと柔らかさが魅力です。

 日本で栽培されるタマネギには春と秋の二つの旬がありますが、現在店頭に並んでいる新タマネギは佐賀県や淡路島など西日本の産地で秋に種をまいたものです。
一方、国内生産量の約半分を占める北海道産は春まきであり、秋ごろに新タマネギとして出荷されているそうです。
 
 ガン・糖尿病・動脈硬化・高脂血症などの生活習慣病に悩む現代人に最適の野菜だと言われてますが、この時期にサラダや酢の物にして生で食べる「新タマネギ」はまた格別の味わいですね。
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「東京スカイツリー」
 本日は大安。東京スカイツリーがいよいよ開業となります。
高さは武蔵(ムサシ)の国にちなんで634mで、ギネスワールドレコーズ社より世界一高いタワーとして認定されています。
これまで日本で最も高い構造物は1958年に完成した東京タワーで約333mでしたが、一気に倍近くとなります。

 東京スカイツリーの大きな役割は、地上デジタル放送の送信です。既存の電波塔である東京タワーが位置する都心部には超高層建築物が林立しており、電波が届きにくいという問題が発生していました。それを低減させるとともに、ワンセグやマルチメディア放送といった携帯機器向けの放送を快適に視聴できるようにすること、これも役割の一つとなっています。

 ちなみに、東京スカイツリーのデザインのコンセプトは、空に向かって伸びる大きな木をイメージしており、シルエットは伝統的日本建築などにみられる「そり」や「むくり」を意識し、大きな木の下に人々が集い、心を寄せ合う様子を表しているそうです。

 ライティングデザインは、江戸で育まれてきた心意気の「粋」(いき)と美意識の「雅」(みやび)という2つのオペレーションが1日毎に交互に現れる新しいスタイルとなっており、今日に続く明日、明日の先に続く未来を表現しているそうです。
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「虞美人草(ひなげし)」
神々がアフロディーテ(英名ヴィーナス)の誕生を祝って創造した花、薔薇。
その花が各地で芳香を漂わせ、初夏を華やかにしています。

 古代ローマ人は天井に薔薇を吊るし、その下での会話は一切を秘密にするという習慣があり、「薔薇の下で」と言うと「秘密にする」という意味が現在にも残ってるようです。
欧米では宗教的、歴史的に特別な意味を持つ薔薇の花は、数多くの映画で符号あるいは象徴として登場しますね。

 関東で見頃を迎えているポピーは、和名を「ひなげし」といい、別名「虞美人草(ぐびじんそう)」とも言います。

 「虞美人草」は女性の悲劇を描いた夏目漱石の小説のタイトルにも使われていますが、古代中国で項羽が劉邦との最後の戦い(垓下の戦い)に破れ、項羽の愛姫であり絶世の美女であった虞姫が自刃し血を流した場所に咲いた花と伝えられています。

 垓下の戦いで項羽は、祖国である楚の国の歌を取り囲む漢軍が歌うのを聞いて(四面楚歌)、漢軍に取り込まれた楚人の多さに驚愕、敗北を悟ったと言われています。
逃がれ生き延びることを潔しとしなかった項羽を惜しみ、後に杜牧は、「捲土重来(けんどちょうらい)いまだ知るべからず」(苦難に耐えしのげば、再び巻き返しの好機もあったのではないか)と詠んでいます。

 さて、項羽が最後に開いた酒宴の一場面を、史記は以下のように伝えています。

「美人有り、名は虞。常に幸せられて従ふ。駿馬あり、名は騅(すい)。常に之 に騎す。
是に於いて項王乃ち悲歌こう慨し、自ら詩を為りて曰はく、

 力山を抜き 気世を蓋ふ 時利あらず 騅逝かず 騅の逝かざるを奈何すべき虞や虞や若を奈何せん」
(ちから、やまをぬき き、よをおおう とき、りあらず すい、ゆかず すいのゆかざるをいかんすべき  ぐや、ぐや、なんじをいかんせん)

 もはやどうすることもできない運命の前に、ただただ無力な一人の人間の痛いほどの思いが伝わってくる印象深い詩です。
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「桐の花」
 この24日は残雪の残る尾瀬で山開きが行われるようですが、
夢見る可憐な少女のような水芭蕉の花はこれから見頃(6月中旬)を迎えるそうです。

 水芭蕉の花は4月上旬頃に咲くところもありますが、夏の季語です。
澄みきった空、夏山、湿原にわたる板の橋等々は、人の心に等しく残る夏の情景ですね。

 ところで、桐も今時の花で、紫色の筒状の花を咲かせます。
桐は切ればすぐに芽を出して生長するためこの名がついたそうです。
軽くて湿気を吸わないので、箪笥(たんす)や琴、下駄や箱などの材料としても有名です。

 また、古くから神聖視されてきた桐は、菊の御紋に次ぐ高貴な紋として用いられてきました(皇室の正紋は菊、副紋は桐。秀吉の太閤紋など)。
国家勲章の旭日章や警察章などに桐の意匠が見られ、五百円硬貨やパスポートなどにもデザインされています。
さらには内閣総理大臣および政府の紋章として、あるいは菊花紋に準じる国章としても使用されています。

 そんな桐ではありますが、庶民的な木でもあります。
昔は、女の子が授かったら桐を植え、成長の早い桐は娘とともに大きくなり、お嫁に行く時には、大きくなった桐で作ったタンスを持たせたと言います。
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「いずれアヤメかカキツバタ」
五月は一層濃くなってきた葉の緑とともに花々が美しい季節です。

 水辺に際立つ水芭蕉。藤棚から垂れ下がる藤の花。紫色のアヤメ(文目、綾目、菖蒲)もこの時期に咲く花で、同じアヤメ科に属するカキツバタ(杜若)とともによく目にする花となっています。

 ちなみにアヤメとカキツバタは「いずれアヤメかカキツバタ」と言われるように区別が難しいのですが、葉の幅が広いのがカキツバタで細いのがアヤメというように葉の幅が判断材料の一つとされています。

 公園などの湿地では鮮やかな黄色い黄菖蒲の群生も目にします。
また、地面に近い場所で咲いている白いボンボンのような小さな花はクローバー。
本来は白詰草という名を持ち、昔、交易のために来航していたオランダ人が商品を箱詰めするときの詰め物として用いていたことからこの名が付けられたようです。
稀に見る四ツ葉は、その形が「十字架」に似ていることから幸運のシンボルとされています。

 「立てば芍薬(しゃくやく)、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」の芍薬もこの時期の花で、根は鎮静・鎮痛剤として使われる漢方薬の一つです。

 牡丹と芍薬もまた似ており、枝分かれして横に膨らんでいるのが牡丹で、まっすぐに伸びた枝の先に花をつけるのが芍薬です。芍薬の花は牡丹が咲き終わるのを待つようにして開き、各地の植物園で見頃を迎えています。
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「愛鳥週間(バードウィーク)」
 この辺りでもウグイスのさえずりを耳にするようになりました。
また、東北の方ではツバメが巣作りのために納屋などを盛んに往来しているそうです。

 ツバメは春先になると、南の越冬先から夏鳥として渡ってきて子育てを行います。

 水田の害虫を捕食してくれるツバメを、日本では古くから益鳥として大切に扱ってきました。また、ツバメは、人の出入りの多い店舗や人家の軒先などに営巣することから、ツバメの巣は商売繁盛の縁起物となっており、ツバメが巣を作ると火事がでないとの言い伝えもあり、巣立っていった後の巣を大切に残
しておく風習もあります。

 そんなふうに日本人と馴染みが深いツバメが、ここ数年、全国各地で減ってきているそうです。
全国で唯一、県全体で長年ツバメの調査を行っている石川県では、個体数が40年前と比べ3分の1まで激減しているとの報告もあるようです。

 農地の減少、巣をつくりやすい日本家屋が減ってきたこと、天敵のカラスが増えたことなどが理由として挙げられていますが、昨日から始まった「愛鳥週間(バードウィーク)」を機に、石川県では大規模な調査が行われています。

 ちなみに、愛鳥週間とは、自然の中で自由に飛び回る野鳥を愛でるだけでなく、野鳥を取り巻く環境や生態系について考えていこうというものです。
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「母の日」
立夏(5月5日)も過ぎて地面の温度が上昇してきた一方で上空には寒気が残り、その温度差が不安定な天候につながっているそうです。

 また、沖縄地方では先月28日に、平年よりも11日早い梅雨入りとなったそうですが、他の地域でも梅雨入りが早いのかもしれません。

 ところで、今度の日曜日(5月13日)は「母の日」です。「母の日」発祥のアメリカと同様、日本でも関連消費は活発で、小売り各社は競い合うように関連商品やサービスを提供していますが、「花」を添えて母へ感謝の気持ちを伝えるのが定番です。

 母の日の花は「純粋な愛情」などの花言葉を持つカーネーションが一般的で、母が健在な人は赤、亡き母には白いカーネーションを贈りますが、最近では「幸せを願う青い花」としてサントリーが開発した青いカーネション「ムーンダスト」(花言葉は「永遠の幸福」)もよく見かけるようになりました。

 なお、母の日が近づくとカレーのルーがよく売れるそうです。日頃の感謝の気持ちを込めて、この日はママにゆっくり過ごしてほしいとの思いから母の日にお父さんと子供たちでカレーをつくる習慣(母の日カレー)が定着しているようです。
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「桜鱒(サクラマス)」
 春に相応しい名前を持つ「サクラマス」(桜鱒)が旬を迎えているそうです。
「本マス」とも呼ばれますが、マス科という分類はなく、サケ科に属するそうです。
最近は数が減って幻の魚とも呼ばれ、都内の百貨店では一切れ(100グラム前後)2000円程度という高級魚です。

 川でふ化し、1年半ほど川で過ごした後、海に下ります。このとき川に残り一生を過ごすものが渓流釣りでも人気の「ヤマメ」(山女)で、海に下ったものが「サクラマス」。
そして、60センチ近くに成長し、次の春に川に戻ります。

 「サクラマス」の名前の由来は、桜の頃に戻るためとも、産卵の頃に魚体に桜色の模様が現れるためとも言われていますが、英語でも「チェリー・サーモン」と呼ばれます。

 バター焼き、揚げ物などにして食すのが多いようですが、富山名産の「鱒寿司」に使われているのはこの「サクラマス」です。
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「フランスの大統領選、ギリシャの総選挙」
 負債が多くてやり繰りが苦しい時、日々の生活を見直し、出費を抑えることを考えないと抜本的な解決は遠のくばかりです。

 一方、負債を減らすことを後回しにして、借金を重ね今までどおりの生活を送ることを良しとし、いずれ景気が持ち直せば収入も増え、その時に負債を減らそうと考える、つまり家計再建を後回しにする考え方もあります。

 もしこれが他家のことで、相談されたら、生活を見直し出費を抑えるようアドバイスする人は多いかと思われます。
しかし、これが自分の国の話になると、前者の緊縮財政を伴う財政再建策は不人気の政策で、後者の大盤振る舞い・抜本的解決策後回しの政策が支持されることになりがちです。

 昨日行われたフランスの大統領選挙とギリシャの総選挙の結果は、つまりはそういうことです。

 フランス大統領選挙では、緊縮財政で危機を乗り越えようとしたサルコジ氏に対し、オランド氏は積極的な財政出動を打ち出して国民の支持を獲得しました。
危機回避でドイツと今まで合意してきたことの見直しを迫られる可能性がありますが、選挙演説とは違う現実路線への政策修正も期待されています。

 欧州危機の震源地となったギリシャでは二大政党が大連立を組み、緊縮財政による財政再建を目指していましたが、今回の総選挙で連立与党の二大政党が合計議席数を大幅に減らしました。
一方、緊縮財政が景気悪化を招いたとして批判し、国の借金の返済拒否を唱えた急進左派連合が第2党に躍進したことで、
ギリシャの政権運営の不透明感が増しているようです。
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ムンクの「叫び」
昨日、5/3の報道によれば、ニューヨークで行われ競売でノルウェーの画家エドバルト・ムンク(1863-1944)の代表作「叫び」が、1億1992万2500ドル(約96億1千万円)の高値で落札されたそうです。
また、この落札価格は絵画競売の史上最高とのことです。

ムンクの「叫び」には、同題名、同構図の作品が4点あり、①1893年(油彩)②1895年(パステル)③1895年(リトグラフ)④1910年(テンペラ)が残っています。
競売で落札された作品は、②の1895年にパステルで描かれたノルウェー人実業家所有の作品とされています。

「叫び」の同題名・同構図の4作品


この「叫び」は、極度にデフォメルされた人物、血のように赤く染まったフィヨルドの夕景と不気味な形、赤い空に対比した暗い背景、遠近法を強調した構図等、ムンクが感じた幻想に基づいて描いたとされています。

「私が歩道を歩いていると太陽が沈み、空が血の色に変わり、私は酷い疲れを感じて柵に寄り掛かる。炎の舌と血とが青黒いフィヨルドと街並みを覆うようであり、立ち尽くしたまま不安に震え戦っていた。そして、私は自然を貫く果てしない叫びを聴くのだった。」

「叫び」は、この絵の人物が発しているのではなく、「自然を貫く果てしない叫び」のことであり、この人物がこの叫びに怖れおののいて耳を塞いでいるのだ、としています。この絵を発表したとき評論家たちに酷評されましたが、その後、高く評価されるようになりました。
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「旬のトマト」
 初夏の陽気が広がるとともにトマトが旬を迎えています。
この時期のトマトの魅力は何と言ってもみずみずしさで、秋の濃厚な味のトマトとはまた違った味わいが楽しめます。

 代表的な品種は「桃太郎」で、果肉がしっかりしていて生食用はもちろん、あらゆる料理に向きますが、この時期はやはり冷やして切り分けて食べるのが美味でしょうね。

 ヨーロッパのことわざに、「トマトが赤くなると医者が青くなる」とありますが、Bカロチンをはじめ、リコピン、ビタミンC・E、ミネラル、食物繊維などトマトには毎日の健康維持にもってこいの要素が豊富に含まれています。

 スーパーなどの店先で選ぶ際には、皮に張りがあり、ずっしりと重くて均整のとれた丸いものを選ぶのがコツでしょうね。また買ったトマトをおいしく保存するためには、真っ赤なトマトはそのまま冷蔵庫へ、緑色が残っているトマトは室温で赤く熟させてから冷蔵するのがよいです。
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すあま菓子」
 突然ですが、”すあま”という和菓子は、どんなお菓子か知っていますか?

和菓子屋さんに行くと、大福や最中などの陰に隠れてひっそりと並んでいますが、知っている人は知っている、素朴な味わいで僕には大好物の食べ物です。

”すあま”は江戸時代に誕生し、上新粉と砂糖と水でできたシンプルな和菓子です。
やさしい甘味があり、和菓子やさんに行くと、「べこ餅」や大福の近くに並び、見るからに余計な材料が入っていないのが判ります。
1本分で約1100Kカロリーあるそうで、分量計算・カロリー計算もしやすいです。

基本的にすだれで巻いて形を整え、均等に包丁で切ってるので、見た目はかまぼこやだし巻き卵のようにも見えます。
最近ではレンジで簡単に作る方法があるそうで、1個ずつ作るときは手で形を整えます。
平べったく卵型に整えた”すあま”は「鶴の子餅」「鳥の子餅」と言うそうです。
色合いは基本の「白」・食紅の「赤(ピンク)」・くちなしの「黄色」があります。
紅白の「すあま」はお祝いの席で「寿甘」と呼ばれることもあるそうで、地域によっては醤油を加えたり、黒ゴマが入っていたり、と様々な”すあま”があるようです。

”すあま”に似ているお菓子に「ういろう(外郎)」がありますが、米やわらびの粉に砂糖を加えたもので、抹茶や小豆などが加えられます。
「ういろう」は名古屋・小田原・山口などでは名物菓子になってるようです。
”すあま”が練ったりついたりするのに対し、「ういろう」は蒸すだけなので、”すあま”のほうが弾力がありますね。
それほど甘くないお菓子として漢字で「素甘」と書くそうです。
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