2010年11月の記事


「柿」
 最近は都会で見かけることは少なくなりましたが、昔は庭先に柿の木を植える家が多く、農村では一軒に少なくても一本の柿の木が植えられていました。

 高齢化がすすむ地方の農村では、実をもいで食べる人も少なくなり、たくさんの柿の実がすずなりとなって枝がたわんでいます。

 昔は、柿の木にも霊魂が宿っていると考えられていたことや、柿の木は折れやすいこと、そして子どもが木登りをして落ちて怪我しないようにと、戒めの意味で「柿の木から落ちたら三年しか生きられない」と言われたそうです。

 柿の木のそばには実をもぐための竹竿などがありましたが、それでもやはり、たわわに実った柿の木は子ども達には格好の木登りの対象でした。

 ところで、柿の実は最後の一つあるいは数個を必ず残し、全部もいではけないという「木守柿(きもりがき)」の風習があります。
理由は、自然の恵みを人間が独占するのではなく鳥などに残しておくため、さらには柿の霊が再生し翌年もたくさん実を結んでくれることを霊界の使いである烏に託すためであったと言われます。

 自然へのいたわりと畏敬。一つだけ残った柿の実があたかも木を守っているかのように見えたものです。

 与えられた恵みに感謝し、他者へもその恵みを残しておくことは、巡りめぐって自分のためでもあるということです。
コメント (0)

「銀杏(ギンナン)」
 漢字で「銀杏」と書いて「ギンナン」。
枯葉の舞う季節ならではの食材ですが、茶わん蒸しを食べ終わる頃に底の方から出てくるのが印象的です。
おでんなどの鍋物にも欠かせませんが、電子レンジやフライパンで軽く過熱しただけでも酒のつまみや子供のおやつになり、手軽に秋の風味を楽しめます。

 ギンナンには、ビタミンCやD、カロチンに加え、良質なたんぱく質が含まれており、滋養強壮のほか、肺や気管支の働きを高める効果があるそうです。
国内で出回っているギンナンのほとんどが国産で、主な産地は愛知・大分・福島県などですが、中でも愛知県の祖父江町は国内の3割以上を生産しており、主に料亭など業務用高級食材として取引されているそうです。

 イチョウの木の植えてある、近所の公園などで拾ってきてもよいですが、食べられるのは外側の種皮を取り除いた殻の中の黄緑色をした胚乳(はいにゅう)部分です。
外側の種皮は匂いがきついうえ、素手で触って汁が付くとかぶれることもあるので注意が必要です。
コメント (0)

「お歳暮商戦」
 お歳暮商戦がたけなわとなっており、この週末はデパートなどの専用売り場は大勢の人でにぎわいそうです。

 ちなみに、十二月十三日は、昔から一年の締めくくりとして、または新年を迎える準備の「事始め」とされています。
自分を支えてくれた人への感謝の気持ちを贈るお歳暮も大体その頃から二十日までに届くのが目安とされています。

 最近のお歳暮に関する意識調査では、「贈る予定がある」としたのは全体の3分の1程度で、特に若年層のお歳暮離れが著しく、20代で贈る予定のある人は14%、贈ったことがない人は8割を超す結果となっています。

 お歳暮・感謝で思い出すのは藤尾英昭氏がその著書で紹介していた話です新聞の読者覧に掲載されていたそうですが以下にてご紹介させていただきます。

 「自分の両親は朝から晩まで一所懸命に働いたが、暮らしは貧窮のどん底だった自分は子どものころ、両親がこんなに働いても貧しいのは、きっと、世の中、つまり社会の仕組みが悪いからだ、と思っていた。

  やがて、自分は親元を離れ、結婚して家庭を持ち、子供も生まれた。
自分は毎年、両親へ御歳暮と御中元を欠かさなかった。しかし、口頭でも手紙でも、両親から一度もお礼の返事をもらったことはない。

  いま自分は思う。

  両親があんなに働いて貧乏から逃れられなかったのは、決して世の中が悪いのではなく、両親が人間的に未成熟だったからだと。」


 この話を紹介した著者は言います。「幸不幸の状況は、その人の受け止め方ですべて違う現実を作り出していく」のだと。
コメント (0)

「白菜」
<英語で「チャイニーズ・キャベツ」と言えば「白菜」。
今では年間を通して出回っていますが、夏場は長野産、秋冬は茨城産が多く、これから気温が下がるにつれて需要が拡大する
鍋物向けの多くは茨城産だそうです。

 英語名の通り中国が原産地とされ、明治時代に日清・日露戦争に従軍した日本の兵士が大陸で白菜を初めて食べ、その大きさや味に感心して持ち帰ったのが日本全国に広まるきっかけになったそうです。 

 スーパーなどの店先で鮮度を見分ける際は、芯の部分に注目。2分の1や4分の1にカットしたものは芯の部分の断面が膨らんでいないものが良いそうです。
カット後も芯の部分は成長を続けるため、盛り上がる度合いで新鮮さが分かり、高くなっていたら鮮度が落ちています。
栄養面ではビタミンCが豊富で風邪の予防効果があるそうです。
コメント (0)

「世界人口白書」
 国連人口基金が先日発表した2010年版の「世界人口白書」によりますと、世界の総人口は前年より7930万人増加の69億870万人で、来年中には70億人に達する見通しです。

 国連人口基金の推定では、40年後の2050年の世界人口は91億5000万人に達する見通しで、今より22億4000万人(32.4%)増加すると予想されています。

 参考までに、現在と40年後の人口上位国を比べてみると下記のようになります。

         <2010年>          <2050年>

1位)中国    13億5410万人   インド   16億1380万人

2位)インド   12億1450万人   中国    14億1700万人

3位)アメリカ   3億1760万人   アメリカ   4億0390万人

4位)インドネシア 2億3250万人  パキスタン  3億3520万人

5位)ブラジル   1億9540万人  ナイジェリア 2億8910万人


 ちなみに、1億2700万人の日本は、人口ランキングでは現在10位ですが、40年後の人口は1億0170万人に減少し、ランキングも17位に後退すると予想されています。
コメント (0)

「ボージョレ・ヌーボー」
 11月は新酒の季節です。日本酒や焼酎のほか、3日に山梨県産ワインの新酒「山梨ヌーボー」が解禁となり、第3木曜日の今日(18日)は「ボージョレ・ヌーボー」が解禁となります。

 本来は熟成させてこそのワインではありますが、製法の違いにより新酒でも飲めるワインとなっているのがヌーボーで、長期熟成させて仕上がる一般的なワインとは違い、ヌーボーの場合は「マセラシオン・カルボニック(炭酸ガス浸潤法)」という短期醸造方法を用いることで、苦味や渋みが抑えられ、炭酸
ガスによって酸化も防止されるためフレッシュで軽い味に仕上がってるそうです。

 ちなみに、ボージョレ・ヌーボーの市場規模は、2004年の104万ケース(1ケース=750ミリリットル瓶12本で換算)がピークで、その後は減少傾向をたどっています。
昨年はピーク比半減の約50万ケースにまで落ち込みましたが、今年のボージョレ・ヌーボーの輸入量は55万ケースに迫る勢いで、6年ぶりに前年を上回る見通しです。

 今年はスーパーのイオンがハーフサイズ(375ミリリットル)のペットボトル入りヌーボーを1コインの500円で発売。西友はフルボトル(750ミリリットル)のペットボトルのヌーボーを690円で発売し、ドン・キホーテは「今年こそ最安値を目指す」として18日午前0時の解禁まで価格を公表しないなど、円高もあって低価格化に拍車がかかっています。

 過熱する価格競争に対して、フランスの業界団体はペットボトルの使用を禁止すべきとの見解を発表していますので、もしかするとこれだけ安いヌーボーが飲めるのは今年限りかもしれません。

 なんだか有り難みがなくなってしまったヌーボーではありますが、それでも今年獲れた葡萄でできたワインの新酒を飲むというスタイルは、初モノ好きな日本人の性に合っているらしく、午前0時の解禁を待ちわびる人は少なくないようですね。
コメント (0)

「クリスマスの花・季節花」
 赤と緑のクリスマスカラーが美しいポインセチアや、同じくクリスマス用のシクラメンの出荷が本格化しており、ハウス栽培の花卉(かき:観賞用に栽培する植物)が街に彩(いろどり)を添えてくれてます。

 本来、今の時期は花が少ないのですが、この時期に花を咲かせる山茶花(さざんか)は日本原産の純和風の木で、淡紅色や白色の花がどことなく平安朝のイメージを抱かせます。

 この時期の花といえば、冬の木と書く柊(ひいらぎ)もそうです。葉は固くて光沢がありギザギザに尖っているのが特徴で、可憐な白い花をつけます。
木犀科に属するだけあって良い香りがしますね。

 柊には、鬼が目を突かれて退散したという伝説や葉っぱのトゲで邪気を払うとされ、昔から庭に植える習慣がありました。
節分に柊の枝葉を立てておくのも邪気を払うためです。ちなみにクリスマスによく用いられるのはこれとは違い、赤い実を結ぶ柊黐(ひいらぎもち)か西洋柊です。

 邪気を払う縁起ものの木といえば、南天(なんてん)があります。
開花時期は初夏ですが、そろそろ赤い実を結ぶ頃です。「難を転じて福となす」という縁起を担ぎ、福寿草とセットで庭先や鬼門に植えられたり、正月飾りとしてよく目にし、殺菌効果があるとされる葉は料理の添え物としても用いられます。
諸毒を消し無病息災を願う「南天の箸」や、金閣寺にある茶室「夕佳亭(せっかてい)」の「南天の床柱」も有名です。

 南天の実には消炎、鎮咳薬などの薬効があり、その成分を含むのど飴はこれからの時期の必需品ともなっています。
コメント (0)

「紅葉」
紅葉狩りのシーズン、この関東でも箱根あたりでは今が紅葉の見頃でしょうね。

 紅葉(こうよう)とは申しますが、もちろん紅色ばかりではありません。この時期の山々は黄色や濃い赤色、茶色、様々な色彩・グラデーションが鮮やかです。

 紅葉(もみじ)とは、もともと「色を揉み出づる」の意味で秋になって草葉の色が変ることを指しますが、楓の紅葉が一番に美しいことから紅葉と言えば楓を言うようになったそうです。

 季節を形容する時、「色」一つを取っても昔の人の表現は実に情緒豊かです。
茜色(あかねいろ)、柿色(かきいろ)、紅色(べにいろ)、蘇枋色(すおういろ)、牡丹色(ぼたんいろ)、赤朽葉(あかくちば)、支子色(くちなしいろ)鬱金色(うこんいろ)、黄蘗色(きはだいろ)、黄朽葉(きくちば)等‥。

 平安時代の人は、十二単に代表されるように、衣に花や木をイメージさせる色を重ね、季節を表現していました。 それを「かさね色目」と言うそうです。

 秋の野山に紫紅色の花を咲かせた山萩の花色を表した色目、晩秋の赤く色づいた朽葉の色をあらわした色目など、これらの色目の作法をそれぞれ「萩」、「朽葉」などと表現します。

 秋から冬へ、季節を表す色目も変化します。冬枯で草葉の色が淡茶に変った情景の「枯色(かれいろ)」から、白を重ねた「氷(こほり)」、そして表に白、裏に鮮やかな紅梅を配し、雪に埋もれた紅梅の花をあらわす「雪の下」へと変わってゆきます
コメント (1)

「時間の管理」
街のあちこちでクリスマス・ツリーに灯がともり始める今頃から、師走特有の事柄やら年賀状のことなど、追い立てられるように気ぜわしさが増してきます。

 追い立てられると言えば、大抵どこの家庭や職場でもいたるところに時計がありますが、時計がないと不安という方が少なくありません。
又、少し進ませたりして時間がずれた時計がいくつもあり、どれが本当の時間なのか分からなくなってしまうというケースもよくある話です。

しているのか時間に管理されているのか分からない状況の人が少なくないように思う今日この頃です。

 ところで、以前此処で ”つぶやいた”事有るのだけど・・・、
質問に対する答えから深層心理を明らかにする心理テストの一つに「あなたにとって時計とはどんな存在ですか?」というのがあります。

実はこの質問の答えは、その人にとって妻や夫あるいは恋人がどのような存在であるかをあらわしているそうです。

皆様の場合は如何でしょうか?
コメント (0)

「春菊」
 日ごとに寒さが増し、鍋料理の美味しい季節ですが、その鍋料理に彩りを添える『春菊』が、需要のピークとなって来ます。

 春に花が咲くことから名付けられ、関西や東海地方では『菊菜』(きくな)とも呼ばれるそうです。
ホウレン草や小松菜と並んで代表的な緑黄色野菜で、ベータカロチン(ビタミンA)、ビタミンB・Cなどが多く含まれていますが、そのビタミンAやCは風邪や肌荒れ、さらにガンを予防する効果もあるそうです。

 春菊200グラムで1日に必要なビタミンAが摂取でき、他の緑黄色野菜と比べて、鉄・カルシウム・カリウムなどのミネラルが多いのも特徴。さらに食物繊維も多く、便秘に効果を発揮するそうです。

 その独特の香りは、胃腸の働きを促進したり、痰(たん)や咳(せき)を鎮めたりする効果も期待でき、中国では肝機能を増強し、腸内の老廃物質を排出する漢方薬としても使われています。

 ちなみに、春菊は入浴剤にすることもでき、菊や葉を陰干しして、ネットや布袋に入れてお風呂に浮かべると、体をあたため、肩こり、神経痛に効果を発揮するそうです。
コメント (0)

「鍋物シーズン」
 現代では「節分」の名称は立春前日のみに使われますが、立夏、立秋、立冬の前はすべて節分で、昨日は秋と冬を分かつ節分。  そして今日は立冬。
暦の上では早くも冬到来となり、続いた「秋晴れ」も立冬を過ぎれば「冬晴れ」あるいは「小春日和」となります。

 11月7日は立冬となることが多く、冬に向かい鍋物がよりおいしくなる季節をアピールする意図からこの日は「鍋の日」だそうです。

 鍋物シーズンは最低気温が10度を下回る頃から本格化します。
猛暑の影響が残っていた10月上旬と比べやや出荷が回復し、価格も幾分下がってるようですが、今年は野菜が高く、例年のように頻繁にとはいかないと聞きます。

 以前は「鍋」と言えば、どこのご家庭でもおおよそ決まった味が食卓にのぼっていたかと思われますが、最近はベースとなるスープに豊富な種類が登場・販売されるようになり、多彩な鍋料理を楽しむご家庭が増えているようです。

 傾向としては、常に人気上位にあったキムチ鍋の食卓登場回数が低下して、昨年からブームとなったカレー鍋が引き続き伸びているそうです。
トマト風味の鍋やコラーゲン鍋、みそバター風味の鍋などの変わり鍋が定着しつつあり、鍋料理に使われる野菜が高いため、価格が安定しているモヤシやキノコなど特定の具材に絞ったスープも人気があるそうです。
また、今年は「餃子鍋」を提供する店が増え、新たなブームの兆しを見せています。
コメント (0)

「竜胆(リンドウ)」
漢字で「竜胆」と書いて「リンドウ」。
この時期の山道などでよく見かける代表的な秋の花ですが、気品のあるこの花が咲くと秋の深まりを感じます。
根が古くから生薬として使われ、「竜の胆(きも)のように苦みが強い」ことが由来となっているそうです。
リンドウの呼び名は「竜胆」の音読み「りゅうたん」がなまったとされています。

 青紫の花は日光を浴びると開き、夜中や雨・曇りの日は閉じたままです。
花言葉は「強い正義感」、「悲しんでいるあなたを愛する」です。

 出回る時期は6月から11月と長いですが、6~9月のリンドウは仏花として添えられます。
黄色や白のキクと合わせて花束にするため、色は青紫がほとんどです。

 10月に入って仏花需要が一段落すると、ピンクや青と白の
混合色など変わった色のリンドウが目を楽しませてくれます。
長野県と熊本県の県花になってます。
コメント (0)

「樹の子」
 キノコの美味しい季節となりましたが、毒キノコによる食中毒被害が各地で相次いでいます。
今夏の記録的な猛暑と最近の涼しさが大きな寒暖差を生み、その影響で「豊作」となったこと。
また、登山など自然志向が強まっていることも一因となっているそうです。

 秋の行楽シーズンにキノコ狩りを楽しむ家族連れが食用と勘違いしてしまうケースが多く、意外に多いのが「おすそ分け」で食中毒になるケースだそうです。
素人判断は危険であり、よく分からないものを他人にあげないようにとの注意喚起も出ています。


 ところで、キノコと聞いて思い浮かべる名前は、「シイタケ」・「マツタケ」・「エノキダケ」・「ナメコ」・「マッシュルーム」・・・等々、数多くあります。

 以前、全国の主婦に好きなキノコを訪ねたアンケート調査を目にしましたが、第1位は「シイタケ」でした。
シイタケはシメジやマツタケと同じキシメジ科で、日本では古来から親しまれきています。
特有の香りは好き嫌いが分かれるようですが、どんな料理にも使えるな実用性を評価する声が多く、75%以上が好きと答えています。

 「主婦が好きなキノコ」の順位は、以下のようになっていました。


   1.シイタケ    (シイ、カシなど広葉樹の枯れ木や倒木に生える)
   2.マイタケ    (ミズナラなどブナ科広葉樹の根元に生える)
   3.エノキダケ   (広葉樹の切り株に発生)
   4.ナメコ     (ブナの倒木や切り株に群生)
   5.マッシュルーム (ヨーロッパから導入された食用栽培種)
   6.ホンシメジ   (ミズナラなどの雑木林、マツとの混成林に群生)
   7.エリンギ    (東欧や地中海沿岸が原産)
   8.ブナシメジ   (ブナなど広葉樹の倒木や枯れ木に発生)
   9.キクラゲ    (広葉樹の枯れ木などに付く)
  10.マツタケ    (主にアカマツ林に生える)


 マツタケは10位と意外にふるいませんが、「食べたことがない」、「ほと
んど食べない」が半分近くを占めるなど、家庭では縁遠い食材なのかもしれま
せん。尚、キノコにはカロリーはほとんどなく、ビタミンやミネラル、繊維質
が多く含まれています。

 ちなみに、キノコはもともと『樹の子』の意味があるそうです。
コメント (0)