余地。あり
スタートを一時間遅らせ11時にしたが、起きられず30分近く遅刻。その甲斐あってか、釧路からのCDROMがオフィスに届いたのを渡辺がピックアップし、行きのタクシーの中でノートブックで確認することができた。1通の電報をオープニングにすることに即決。1924年9月3日釧路とスタンプされている、関東大震災から2日後の電報。84年前のその電文にはこう書かれていた。

   サブロ ブジ アンシン

と9文字のカタカナ。
親に宛てたのか親戚か友人か恋する人へか、短い電文からは想像もできないけど、たぶん「サブロウ」という名の人が無事だから安心していいよ、ということだろう。サブロウは自分自身なのか、宛先の人との共通の知人なのか、それも不明。切り詰め削ぎ落としたような9つの字を何度も読み返しながら、切羽詰まった空気と安堵とが読み取れて、編集しながら興奮が冷めやらず。90"の予定だったが削るものをぎりきりまで追求したが、144"までいった。午前3時少し前にスタジオの照明を落し二度確認。このままでいくことに決めた。42インチPDPを縦置きにしてのプレビューだったが、闇の中ではたしかに5m×4mの大スクリーンとして見ることができた。余地の多い仕上がりで、言うことなし。明日はスタートをさらに一時間遅らせ、12時とした。今夜は、眠れそうだ。