顧みれば、ふびん。
問題はただ一点。家の幻想にも家族の幻想にも、自分がまったく縁がないのだということ。なのに13年。家と家族のなにひとつ信じてもいない絵空事でごまかしつづけてきた。その矛盾が限界にきているということに気づかぬふりが難しくなっている、ということだ。きもちひとつごまかしきれねえことを、昔の漫画家は「不憫」と描いたな。真崎守「死春記」だったか。