濃尾地震
■濃尾地震

1891年(明治24)10月28日6時38分ころ、愛知・岐阜両県にまたがって発生した地震。規模はM8.4。死者7273人。全半壊の家屋22万2501、道路破裂2万0067か所、橋梁(きようりよう)損落1万0392、堤防崩壊7177、山崩れ1万0224か所などの被害が発生したが、もっとも被害の大きかったのは美濃(みの)と尾張(おわり)の地方であった。この地震で、北北西―南南東の方向に延長80キロ以上にも及ぶ根尾谷(ねおだに)の大断層が出現した。とくに岐阜県本巣(もとす)郡根尾村水鳥(みどり)付近では西側が約6メートル隆起し、南南東方向に約2メートルずれた。余震が多く、岐阜県では10月の有感余震は720回に達した。この地震で、福島県西部岩代(いわしろ)地方、静岡県伊豆地方から西は岡山県美作(みまさか)地方に至る広域で温泉水の増量がみられた。→根尾谷断層 →地震
〈宇佐美龍夫〉
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