Spanish serenade 「La Paroma」が演奏されていた1935年8月24日のディナータイム
午前十時から夜の八時まで。
一時間あまりの仮眠で向かったから
さすがに夕方にはまぶたがなんども閉じかけた。

シナリオの後はメインエピソードのグラフィックボードについて。
それぞれ10のゾーンについて大急ぎで総当たり。
先方は館長、副館長と学芸員の女性5人
こちらは高橋さん、穴澤さん、吉野さん、渡辺、おれの5人。計10人。
昼食をはさんで、館長と高橋さんをのぞき残った8人で夜までみっちり詰めていった。
貴重な資料が山積みのため館内は禁煙。
ときどき階段の踊り場に出て、赤レンガ街を眺めながらタバコをふかす。
昨日、寄贈されたというなんとも優雅なつくりの資料なども飛び出し、けっこう熱が入った。
お目にかかれなかった幻の豪華客船の内装写真などもあった。さっそく水曜にD-HDで撮影を決める。

元船長だった副館長に教えてもらったのだが
「ようそろう」は軍の言い方で、商船は一貫して英語だったとのこと。
半年かけた勘違いが、ころっと解決。気が抜けた。

霧笛の音は蒸気と現在のような空気だけで発生させるのでは微妙に音色が異なること。
初期の蒸気船はとても静かだったらしいことなども階段の踊り場で教えられた。
タイムベルをスタジオに運んで録音したいと言ったら、巨大で重すぎてとても運べないとも。

さっそくミューズに連絡。

2日続けて一時間ちよっとの睡眠だったが
ま、収穫の多い時間になった。
週末は、今日の打合せを元にさっそく第四稿にかかりたい。

菩提樹のぬるい風呂にゆっくりとつかりたっぷりと汗を流した。
なんだか船旅をしてきたような気分である。

昼食の後で、南蛮屋に寄り、チョコレートケーキとハワイコナをテラスで。バレンタインデーだからとチョコレートを二かけらつけてくれた。こいつがうまいのでおどろいた。

菱沼さんから偶然手に入れたというSpainというタイトルのアルバムからとった曲をもらった日に、
ずっと気になっていた昭和初期の豪華客船のディナータイムで演奏されていた曲目に出会う。
プログラムの中から、もしあなたたちがあのときの客船に乗船したとして聴いてみたい曲はどれかと尋ねたら、
三人の学芸員が選んだのは
Spanish serenade の「La Paroma」。
1935年8月24日の夜。
龍田丸ディナータイムに演奏されていたプログラムのラストナンバーである。
SpainとSpanish serenade。

こういうときは、いい仕事になるな。

きもちよく疲れた一日になった。