外国人を乗せた山駕籠…
明治四年頃に横浜周辺でとられたと推測があるが、なんともすさまじい写真である。籠に乗った二人の外国人の周囲を十人あまりの籠かきが立ったり座ったり寝転がったり思い思いに見える格好で写っている。中の四人は斜に構えたうんこ座りをしていて、家の近くのコンビニの店先にたむろする青少年のご先祖であることが見て取れる。このころの日本人は、しかし凶悪な顔をしている。惜しげなく発揮された凶暴さが短足と褌などという珍妙な格好と相まって突拍子もない「威厳」をかもしだしている。たぶんこの中の一人がわが先祖であってもなんの不思議もない。見れば見るほど、味が出る。