東京サンセットショー
秋の最後の日曜日。
春のようにおだやかなままに一日が暮れていく。
淡くかすみのかかった状態は夕方まで続いた。一休みして、お台場の日航ホテルのサンセットテラスで夕日を眺めた。
オフィスからクルマで二十分足らずのところにこんな空間ができたことが、十三号埋め立て地時代を考えると信じられない気もする。
東京にはめずらしい秋の夕。かすみと薄い雲のせいか沈んでいく夕日をたっぷり一時間以上見ていることができた。
キヤノンのプロローグのモロッコのサンセットは、こんなものじゃもえよな、とは思いながらも、今日の日没はみごとだった。日航ホテルの外縁から顔を出した夕日は、ホテルの輪郭と大井埠頭のガントリークレーンのシルエットの間の地平線のように見える真っ平らな空間に沈んでいった。
その直後、残照の空に月。

倉持さん達に撮ってもらった夢の大橋のライトの柱列を何度も歩いてみた。残照の青と紫が残った空の下、明かりの柱の列と、モノレールの明かり、レインボーブリッジのライトアップに、クリスマスイルミネーションが加わり、都市の祝祭空間としてなかなかの光景だった。
メディアージュの館内照明の蛍光灯をもう少し押さえ目にすることと、建物群の色彩計画から無機質さをもう少し減らすこと。
アクセスをクルマとゆりかもめだけではなく、海上を一工夫するだけで、空間のたたずまいが一変すると思う。
関西大震災のあった95年、都市博が中止になった前後に三菱マテリアルの撮影で空撮したときの廃虚のような世界を思い浮かべながら、どこかにそのときの挫折が色濃く残っているように感じられた。
渡辺は、昨夜、今夜と東京の秋の終わりの月を撮った。9月の台風直撃の夜からはじまった彼のコレクションもそろそろ幕引きの時期か。
これ以後は、倉持さんのキャメラワークで、本腰入れてデジタル・ジャパネスクにかかることになるだろう。

積水ハウスのマキシオの第一稿、なかなかすっきりと決まらず。ま、明日夜中にアップすればいい。
右から切り込むか、左から切り込むか、二つに一つを、決めかねている。難しいのではなく、どっちがスタイリッシュか、というだけなのだが。
妙に余裕が出てきたのだろうか。