池袋ウェストゲートパーク外伝の「赤黒」は★★★
「赤黒」石田衣良箸*徳間書店刊を読む。

レンタルビデオの最終巻を見終らないままに、本棚から「池袋ウェストゲートパーク外伝」とサブタイトルのある石田の新作を取りだし一気に読んだ。

ドラマのビジュアルイメージが強すぎるせいか、石田の文体はスタイリッシュさにやや欠けるところが気になったが、おもしろく読み進むことができた。

原作と映像の関係は、たいてい原作の勝ちになることが多いが、このシリーズに関しては、TBSのドラマスタッフの完璧な勝利。

CXの「踊る大走査線」と近似値のように見えながら、圧倒的に優れている。
つくりての技術は拮抗しているようなので、差異はただ一つ。舞台を「警察署」に置いて安住したフジサンケイグループならではの能天気さと、徹底してストリートに据えた現実感との差?だけなのだろうな。

「赤黒」は300ページにも満たない中編程度の長さながら、浸ってみるとなかなかの歯ごたえではある。
他の作品を探してみようと思った。